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日本薬局方
ベポタスチンベシル酸塩錠
アレルギー性鼻炎蕁麻疹皮膚疾患に伴う搔痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚搔痒症)
アレルギー性鼻炎蕁麻疹皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚搔痒症)に伴う搔痒
通常、成人にはベポタスチンベシル酸塩として1回10mgを1日2回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、7歳以上の小児にはベポタスチンベシル酸塩として1回10mgを1日2回経口投与する。
本剤投与によりステロイドの減量を図る場合には十分な管理下で徐々に行うこと。
本剤の血漿中濃度を上昇させることがある。また、高い血漿中濃度が持続するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
低出生体重児、新生児、乳児又は幼児を対象とした臨床試験は実施していない1)。
高い血漿中濃度が持続するおそれがある。主として腎臓から排泄されるが、一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
血液
白血球数増加、白血球数減少、好酸球増多
精神神経系
眠気、倦怠感、頭痛、めまい
頭重感
消化器
口渇、悪心、胃痛、胃部不快感、下痢、口内乾燥、嘔吐
舌炎、腹痛
便秘
過敏症
発疹、蕁麻疹
腫脹
肝臓
AST、ALT、γ-GTPの上昇、LDH、総ビリルビンの上昇
腎臓
尿潜血、尿蛋白、尿糖、尿ウロビリノーゲン
尿量減少、排尿困難、尿閉
その他
月経異常、浮腫、味覚異常
動悸、呼吸困難、しびれ
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性にベポタスチンベシル酸塩20mgを1日2回7日間反復投与した時、蓄積性は認められず、投与開始2日目には血漿中濃度推移はほぼ定常状態に達した(最終投与後のCmax=138.4±23.4ng/mL、平均値±標準偏差、n=6)2)。
7~15歳の小児通年性アレルギー性鼻炎患者及び小児アトピー性皮膚炎患者にベポタスチンベシル酸塩10mgを1日2回2週間反復経口投与したときの投与後1~3時間及び投与後9~11時間の血漿中ベポタスチン濃度は以下のとおりである3)。
通年性アレルギー性鼻炎患者
アトピー性皮膚炎患者
C1-3hr※1
C9-11hr※2
平均値±標準偏差(例数)
92.0±56.1(62)
8.2±4.0(43)
8.3±4.1(106)
(ng/mL)※1:投与1週時点、※2:投与2週時点
ベポタスチンベシル酸塩錠10mg「DK」とタリオン錠10mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ベポタスチンベシル酸塩として10mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中ベポタスチン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された4)。
n
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-10(ng・hr/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
ベポタスチンベシル酸塩錠10mg「DK」
19
373.12±63.15
105.40±25.12
1.4±0.4
2.5±0.4
タリオン錠10mg
375.48±55.28
102.55±25.68
1.3±0.8
2.5±0.3
(平均値±標準偏差)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
血漿中ベポタスチン濃度に及ぼす食事の影響はほとんど認められなかった5)。
健康成人男性にベポタスチンベシル酸塩を単回経口投与したときの尿中排泄率からバイオアベイラビリティは約82%と推定された5)。
健康成人男性6例にベポタスチンベシル酸塩2.5~40mgを単回経口投与した場合、投与後24時間までに投与量に対して76.4~87.9%が尿中に排泄された。また、20mg錠を1日2回7日間反復経口投与した場合も尿中排泄率は80.7%と単回投与時とほぼ一致した2),5)。
腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス6~70mL/min)にベポタスチンベシル酸塩5mgを単回経口投与した場合、腎機能正常者に比べ腎機能低下に伴い最高血漿中濃度は若干の上昇がみられ、AUCは明らかに上昇した。腎機能障害患者に反復経口投与したときの定常状態における最高血漿中濃度は腎機能正常者に比べ1.2~1.8倍に増加することが予測された6)。,
腎機能障害患者の分類(クレアチニンクリアランス)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
腎機能正常者(n=5)(>70mL/min)
1.2±0.4
55.1±16.8
2.9±0.5
241.1±50.6
軽度腎機能障害患者(n=5)(51~70mL/min)
1.0±0.0
61.0±10.8
3.1±0.6
304.0±61.7
中等度又は高度腎機能障害患者(n=6)(6~50mL/min)
3.3±1.0
66.3±7.7
8.5±3.6
969.1±398.3
65歳以上の健康高齢者男性(クレアチニンクリアランス61.7~126.7mL/min)にベポタスチンベシル酸塩10mgを1日2回3日間(最終日は1回)反復経口投与したときの最終投与後の最高血漿中濃度は103.8±13.2ng/mL(平均値±標準偏差、n=10)であった7)。
ベポタスチンベシル酸塩錠5mg「DK」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、ベポタスチンベシル酸塩錠10mg「DK」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた4)。
注)本剤の承認用量はベポタスチンベシル酸塩として1回10mg、1日2回である。
アレルギー性鼻炎患者(通年性)を対象にベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を4週間経口投与したときの最終全般改善度注1)(中等度改善以上)は、65.0%(13/20例)であった。副作用は眠気4.2%(1/24例)のみであった8)。
アレルギー性鼻炎患者(通年性)を対象にベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を4週間経口投与したときの最終全般改善度注1)(中等度改善以上)は、65.3%(49/75例)であった。副作用発現頻度は7.2%(6/83例)であった。主な副作用は眠気6.0%(5/83例)であった9)。
アレルギー性鼻炎患者(通年性)を対象にベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を4週間経口投与したときの最終全般改善度注1)(中等度改善以上)は、62.1%(64/103例)であった。副作用発現頻度は5.9%(7/118例)であった。主な副作用は眠気3.4%(4/118例)、口渇1.7%(2/118例)であった10)。
小児(7~15歳)のアレルギー性鼻炎患者(通年性)を対象とした投与2週間の二重盲検比較試験において、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)群(240例)及びプラセボ群(232例)における鼻の3主徴(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉)合計スコア(最終評価時)のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)はそれぞれ-1.587±1.332及び-1.102±1.462であり、共分散分析(投与群を因子、投与前スコアを共変量)の結果、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日のプラセボに対する優越性が検証された(p<0.001)。副作用発現頻度は、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日群で1.7%(4/240例)であった。副作用の内訳は尿中血陽性、ALT増加、AST増加、肝機能検査異常及び白血球数増加いずれも0.4%(1/240例)であった11)。
小児(7~15歳)のアレルギー性鼻炎患者(通年性)58例を対象とした投与12週間の長期投与試験(非盲検)において、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)の鼻の3主徴(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉)合計スコアのベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)は投与2週時-0.943±1.549、投与4週時-1.388±1.465、投与12週時-1.451±1.707であった。副作用発現頻度は3.4%(2/58例)であった。副作用の内訳は傾眠、肝機能検査異常いずれも1.7%(1/58例)であった12)。
慢性蕁麻疹患者を対象とした試験においてベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を2週間(14±4日間)経口投与したときの最終全般改善度注2)(中等度改善以上)は、75.0%(24/32例)であった。副作用は眠気6.1%(2/33例)のみであった13)。
慢性蕁麻疹患者を対象とした試験においてベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を2週間(14±4日間)経口投与したときの最終全般改善度注2)(中等度改善以上)は、76.1%(67/88例)であった。副作用発現頻度は10.4%(10/96例)であった。主な副作用は眠気6.3%(6/96例)であった14)。
慢性蕁麻疹患者を対象としてベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を2週間(14±4日間)経口投与したときの最終全般改善度注2)(中等度改善以上)は、76.9%(100/130例)であった。副作用発現頻度は12.7%(18/142例)であった。主な副作用は眠気7.7%(11/142例)、口渇2.8%(4/142例)であった15)。
投与期間を1週間(7+2日間)とし、プラセボを対照薬とした慢性蕁麻疹の二重盲検比較試験において、ベポタスチンベシル酸塩はプラセボと比較して、搔痒及び発斑の症状スコアを有意に減少させた。
症状
薬剤群
例数
投与前日
最終投与時
変化量
検定(無制約LSD法)
平均値
標準誤差
搔痒
10mg×2
55
2.75
0.091
1.13
0.122
-1.62
0.141
p<0.0001
プラセボ
54
2.70
0.086
2.56
0.120
-0.15
0.133
発斑
2.33
0.064
0.84
0.118
-1.49
0.124
2.30
0.063
1.83
0.114
-0.46
0.111
副作用発現頻度は、ベポタスチンベシル酸塩群で10.9%(6/55例)であった。主な副作用は、眠気5.5%(3/55例)、悪心5.5%(3/55例)、めまい3.6%(2/55例)であった16)。
患者217例を対象としてベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)を2週間(14±4日間)経口投与した一般臨床試験の最終全般改善度(中等度改善以上)は、全体で64.7%(119/184例)で、疾患群別では湿疹・皮膚炎群63.1%(65/103例)、痒疹群73.2%(30/41例)、皮膚搔痒症60.0%(24/40例)であった。副作用発現頻度は、全体で9.2%(19/206例)で、疾患群別では湿疹・皮膚炎群8.5%(10/117例)、痒疹群6.7%(3/45例)、皮膚搔痒症13.6%(6/44例)であった。主な副作用は、いずれの群においても眠気で、全体で5.8%(12/206例)、湿疹・皮膚炎群4.3%(5/117例)、痒疹群4.4%(2/45例)、皮膚搔痒症11.4%(5/44例)であった17)。
小児(7~15歳)を対象とした投与2週間の二重盲検比較試験において、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日(1回10mg、1日2回)群(151例)及びケトチフェンフマル酸塩群(152例)における搔痒スコア(最終評価時)のベースラインからの変化量(平均値±標準偏差)はそれぞれ-0.674±0.723及び-0.634±0.762であり、共分散分析(投与群を因子、投与前スコアを共変量)の結果、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日のケトチフェンフマル酸塩ドライシロップに対する非劣性が検証された(スコア変化量の調整済平均値の群間差の95%信頼区間上限が0.4以下)。副作用は、ベポタスチンベシル酸塩20mg/日群で傾眠2.0%(3/151例)のみであった18)。
注1)主症状であるくしゃみ、鼻汁、鼻閉を中心に、症状・所見の推移をもとに5段階で判定(著明改善:著しい症状の改善を認める、中等度改善:かなり症状の改善を認める、軽度改善:わずかな症状の改善を認める、不変:症状に変化がない、悪化:観察期間に比べて症状の悪化を認める)注2)搔痒及び発斑(膨疹・紅斑)の推移をもとに5段階で判定(著明改善:いずれも消失するか搔痒が消失して発斑が著しく軽快、中等度改善:いずれもかなり軽快、軽度改善:やや軽快、不変:変化がない、悪化)
血管透過性亢進及び平滑筋収縮に関与するヒスタミンに対する拮抗作用、ならびに好酸球機能の活性化に関与するインターロイキン-5の産生抑制作用と考えられる。
ベポタスチンベシル酸塩はヒト末梢血単核球におけるインターロイキン-5の産生を抑制する28)(in vitro)。
健康成人を対象としたヒスタミン誘発皮内反応試験において、ベポタスチンベシル酸塩5、10mgの経口投与で、膨疹及び紅斑を用量依存的に抑制し、投与後12時間においてもプラセボに比し有意に抑制した20)。
ベポタスチンベシル酸塩(Bepotastine Besilate)
(S)-4-{4-[(4-Chlorophenyl)(pyridin-2-yl)methoxy]piperidin-1-yl}butanoic acid monobenzenesulfonate
C21H25ClN2O3・C6H6O3S
547.06
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に極めて溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくい。1gを水100mLに溶かした液のpHは約3.8である。
159~163℃
開封後は湿気を避けて保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
100錠[10錠(PTP)×10]
100錠[10錠(PTP)×10]500錠[10錠(PTP)×50]
1) 馬場駿吉.:臨床医薬. 2002;18(12):1371-87
2) 門阪利雄他.:臨床医薬. 1997;13(5):1155-68
3) 小児と成人の薬物動態の比較(タリオン錠/OD錠:2015年5月26日承認、申請資料概要2.7.2.3.1)
4) 大興製薬株式会社:生物学的同等性に関する資料(社内資料)
5) 横田秀雄他.:臨床医薬. 1997;13(5):1137-53
6) 川島一剛他.:臨床医薬. 2003;19(6):637-48
7) 熊谷雄治他.:臨床医薬. 1997;13(5):1169-85
8) 馬場駿吉他.:臨床医薬. 1997;13(5):1217-35
9) 馬場駿吉他.:臨床医薬. 1997;13(5):1259-86
10) 馬場駿吉他.:臨床医薬. 1997;13(5):1307-35
11) 小児通年性アレルギー性鼻炎患者を対象とした検証的試験(タリオン錠/OD錠:2015年5月26日承認、申請資料概要2.7.6.4)
12) 小児通年性アレルギー性鼻炎患者を対象とした長期投与試験(タリオン錠/OD錠:2015年5月26日承認、申請資料概要2.7.6.6)
13) 石橋康正他.:臨床医薬. 1997;13(5):1199-215
14) 石橋康正他.:臨床医薬. 1997;13(5):1237-57
15) 石橋康正他.:臨床医薬. 1997;13(5):1287-306
16) 川島眞他.:臨床医薬. 2002;18(4):501-19
17) 石橋康正他.:臨床医薬. 1997;13(5):1383-400
18) 川島眞他.:臨床医薬. 2015;31(3):235-51
19) 小児通年性アレルギー性鼻炎患者を対象とした検証的試験(タリオン錠/OD錠:2015年5月26日承認、申請資料概要2.7.6.3)
20) 石橋康正他.:臨床医薬. 1997;13(5):1187-97
21) Kato M, et al.:Arzneimittelforschung. 1997;47(10):1116-24
22) 谷藤直子他.:日本薬理学雑誌. 1997;110:19-29
23) 本田浩子他.:薬理と治療. 1997;25(4):879-88
24) 坂本修身他.:薬理と治療. 1997;25(4):889-94
25) 村田隆司他.:アレルギー. 1997;46(7):576-84
26) Ueno M, et al.:Pharmacology. 1998;57(4):206-14
27) Sakai A, et al.:Arzneimittelforschung. 1997;47(8):954-58
28) Kaminuma O, et al.:Biol Pharm Bull. 1998;21(4):411-3
29) 成田寛他.:薬理と治療. 1997;25(4):907-24
30) Shigenobu K, et al.:Res Commun Pharmacol Toxicol. 1997;2(3):163-74
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