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劇薬
通常、成人にはロルノキシカムとして1回4mgを1日3回食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日18mgを限度とする。
通常、成人にはロルノキシカムとして1回8mgを頓用する。ただし、1回量は8mgまで、1日量は24mgまで、投与期間は3日までを限度とする。また、空腹時の投与は避けることが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁への移行が報告されている。
副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始するなど必要最小限の使用にとどめ患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は肝臓で代謝される薬剤であり、一般に高齢者では肝機能をはじめとする生理機能が低下していることが多い。なお、本剤における消化性潰瘍は、高齢者でより多く報告されており、自覚症状のないまま重篤化(突然の吐血等)することがある。また、これらの事象は消化性潰瘍の既往の有無や投与期間の長さにかかわらず発現する可能性がある。
併用時、ジゴキシンのクリアランスが14%程度低下することが報告されている(外国人のデータ)。ジゴキシンの強心作用を増強させるおそれがあるので注意し、必要があれば減量すること。
機序は不明だが、両薬剤の併用によりジゴキシンのクリアランスの低下が認められる。
併用後、ロルノキシカムのみを休薬したところ、ワルファリンの血清中濃度は16%低下し、プロトロンビン時間は19%低下したことが報告されている(外国人のデータ)。併用により抗凝血作用を増強させるおそれがあるので注意し、必要があれば減量すること。
CYP2C9に対する競合によるためと考えられる。
消化管からの出血が助長されるおそれがある。
抗血小板剤による血小板凝集抑制作用のためと考えられる。
血糖降下作用を増強させるおそれがあるので注意し、必要があれば減量すること。また、グリベンクラミドと併用した場合、グリベンクラミドの体内動態に影響を及ぼすことはなかったが、血漿インスリン濃度(AUC)は増加し、血漿グルコース濃度(AUC)は低下したことが報告されている(外国人のデータ)。
スルホニル尿素系血糖降下剤は、主にCYP2C9により代謝されることから、競合によるためと考えられる。
併用時、リチウムのCmaxが約20%増加したことが報告されている(外国人のデータ)。リチウム血中濃度を上昇させリチウム中毒を起こすおそれがあるので、血中のリチウム濃度に注意し、必要があれば減量すること。
本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、二次的に再吸収が促進され、リチウムの腎排泄が減少するためと考えられている。
併用時、メトトレキサートの血清中濃度(AUC)は21.9%上昇したことが報告されている(外国人のデータ)。メトトレキサートの血中濃度を上昇させるおそれがある。
メトトレキサートの腎尿細管分泌を競合的に阻害することにより腎排泄が遅延するためと考えられる。
フロセミドの利尿作用が減弱したとの報告がある。
本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害作用により、水、ナトリウムの排泄が減少するためと考えられている。
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用により、利尿作用が減弱したとの報告がある。
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用により、アンジオテンシン変換酵素阻害剤の効果が減弱したとの報告がある。
本剤のプロスタグランジンの合成阻害作用により、アンジオテンシン変換酵素阻害剤のプロスタグランジン合成による血圧低下作用を減弱させるためと考えられている。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
そう痒感
蕁麻疹
口唇腫脹
アレルギー性紫斑病
精神神経系
頭痛
めまい
眠気
しびれ(感)
傾眠
感覚器
視力異常
耳鳴り
消化器
腹痛
腹部不快感
嘔気
嘔吐
消化不良
下痢
食欲不振
口内炎
腹部膨満
便秘
口渇
便潜血陽性
血便
おくび
苦味
口角炎
食道炎
胃炎
しゃっくり
舌炎
血液
ヘモグロビン減少
赤血球減少
ヘマトクリット値減少
血小板減少
好酸球増多
好中球増多
白血球減少
肝臓
ALT上昇
AST上昇
Al-P上昇
ウロビリノーゲン陽性
腎臓
尿中NAG上昇
BUN上昇
尿蛋白陽性
高尿素窒素血症
蛋白尿増加
クレアチニン上昇
その他
浮腫
倦怠感
季肋部疼痛
悪寒
浮遊感
血尿
高尿酸血症
咽頭炎
関節痛
眼球充血
胸痛
高血圧
体重減少
動悸
尿閉
熱感
鼻炎
頻尿
夜間頻尿
発熱
PTP包装の薬剤は、PTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
健康成人男性に空腹時単回経口投与(4mg)した場合、未変化体の平均血漿中濃度は約0.5時間で最高値に達した後、半減期約2.5時間で消失した。未変化体のCmax及びAUCは用量に比例して上昇した2) 。
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
成人(n=6)
414±30
0.63±0.09
2.30±0.14
1248±132
また、反復投与によりCmax、T1/2及びAUCの有意な変動は認められなかった3) 。
ロルノキシカムの代謝には主としてCYP2C9が関与することが示された7) (in vitro)。
健康成人男性に経口投与後24時間までの尿中に、ロルノキシカムの5’位水酸化体及びそのグルクロン酸抱合体が、それぞれ投与量の4.9%及び5.8%、5-chloro-3-(N-methyl sulfamoyl)-2- thiophenecarboxylic acidが0.7%排泄された。尿中に未変化体は検出されなかった8) 。
疾患名
関節リウマチ
投与量
プラセボ
ロルノキシカム4mg1日3回
ロルノキシカム6mg1日3回
改善率(%)【最終全般改善度 改善以上】
10.0(5/50)
34.0(17/50)
31.5(17/54)
手術後疼痛
外傷後疼痛
ロルノキシカム8mg1日3回
100(14/14)
100(10/10)
87.9(51/58)
76.4(42/55)
ロルノキシカムはin vitro、in vivo(ラット)の試験において、アラキドン酸代謝におけるシクロオキシゲナーゼ活性を阻害することによりプロスタグランジン生合成を抑制することが明らかにされており、主としてこの作用により消炎・鎮痛効果を示すものと考えられる19) 。
急性炎症であるラットカラゲニン足浮腫法及び慢性炎症であるラットアジュバント関節炎法において、テノキシカム、ロキソプロフェンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、メフェナム酸より強い抗炎症作用を示した19) 。
ラットイースト足浮腫法(ランダル-セリット法)、ラットアジュバント関節炎法(屈曲伸展法)及びマウス酢酸ライジング法において、テノキシカム、ロキソプロフェンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、メフェナム酸より強い鎮痛作用を示した19) 。ラットイースト足浮腫法(ランダル-セリット法)において、ロルノキシカムは非炎症足の疼痛閾値を上昇させなかったことより、本剤の鎮痛作用は末梢性のものと考えられた19) 。
ロルノキシカム(lornoxicam)
6-chloro-4-hydroxy-2-methyl-N-(2-pyridyl)-2H-thieno[2,3-e]-1,2-thiazine-3-carboxamide 1,1-dioxide
C13H10ClN3O4S2
371.82
黄色の結晶性の粉末で、ギ酸に溶けやすく、ジメチルスルホキシドに溶けにくく、アセトニトリル又は酢酸(100)に極めて溶けにくく、水、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約207℃(分解)
吸湿性を有するので、PTPシートの状態で保存すること。
1) *データベース調査結果の概要(NDBを用いた非ステロイド性抗炎症薬による心血管系イベント発現のリスク評価):https://www.pmda.go.jp/files/000270714.pdf
2) 東純一ほか:基礎と臨床. 1996 ; 30 (10) : 2587-2602
3) 東純一ほか:基礎と臨床. 1996 ; 30 (10) : 2603-2616
4) 浦野英俊ほか:基礎と臨床. 1997 ; 31 (4) : 1415-1424
5) 浦野英俊ほか:基礎と臨床. 1997 ; 31 (4) : 1401-1413
6) 浦野英俊ほか:基礎と臨床. 1997 ; 31 (4) : 1441-1453
7) 社内資料:ロルノキシカムの代謝に関与するヒトP450分子種の同定(2000年12月22日承認、申請資料概要ヘ 3.3)
8) 社内資料:ロルノキシカムの体内動態―ヒトにおける代謝―(2000年12月22日承認、申請資料概要ヘ 3.1)
9) 水島裕ほか:臨床医薬. 2001 ; 17 (3) : 405-436
10) 水島裕ほか:炎症・再生. 2001 ; 21 (3) : 243-272
11) 青木虎吉ほか:臨床医薬. 1997 ; 13 (1) : 71-96
12) 青木虎吉ほか:炎症. 1997 ; 17 (2) : 195-214
13) 廣畑和志ほか:臨床医薬. 1997 ; 13 (4) : 923-946
14) 小野村敏信ほか:炎症. 1997 ; 17 (3) : 275-294
15) 杉岡洋一ほか:臨床医薬. 1997 ; 13 (4) : 947-971
16) 杉岡洋一ほか:炎症. 1997 ; 17 (3):297-319
17) 道健一ほか:歯科薬物療法. 1997 ; 16 (1) : 15-27
18) 道健一ほか:歯科薬物療法. 1997 ; 16 (2) : 53-67
19) 二木伸子ほか:薬理と治療. 1997 ; 25 (4) : 925-941
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