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劇薬
変形性関節症における鎮痛・消炎
1日1回、患部に貼付する。同時に2枚を超えて貼付しないこと。
本剤2枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は2枚を超えないこと。本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。
本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。ミソプロストール等による治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。
消化性潰瘍を再発させるおそれがある。
血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。
血小板機能低下が起こり、出血傾向を助長するおそれがある。
心機能異常を悪化させるおそれがある。
血圧を上昇させるおそれがある。
アスピリン喘息でないことを十分に確認すること。気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれており、それらの患者では喘息発作を誘発するおそれがある。,
症状を悪化させるおそれがある。
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。
投与しないこと。プロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下等により、腎機能障害を更に悪化させるおそれがある。
腎機能障害を悪化又は再発あるいは誘発させるおそれがある。
投与しないこと。肝機能異常があらわれ、肝機能障害を更に悪化させるおそれがある。
肝機能障害を悪化又は再発させるおそれがある。
*治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること。妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児の動脈管収縮が起きたとの報告がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行すること、及び、ヒトに本剤2枚を貼付した場合に得られる血漿中曝露量(AUC)の約3倍を示す母動物において出生児の体重増加抑制が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。副作用があらわれやすい。
エノキサシン水和物ロメフロキサシン
ノルフロキサシン
フルルビプロフェンアキセチルで併用により痙攣があらわれたとの報告がある。
ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる。
プルリフロキサシン
併用により痙攣があらわれるおそれがある。
ニューキノロン系抗菌剤(ただし、エノキサシン水和物、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、プルリフロキサシンは併用禁忌)
併用により痙攣があらわれるおそれがある。併用は避けることが望ましい。
クマリン系抗凝血剤
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること。
エスフルルビプロフェンがワルファリンの血漿蛋白結合と競合し、遊離型ワルファリンが増加するためと考えられる。
メトトレキサート
メトトレキサートの作用が増強され、中毒症状(貧血、血小板減少等)があらわれるおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること。
エスフルルビプロフェンのプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流が減少し、メトトレキサートの腎排泄が抑制されることにより、メトトレキサートの血中濃度が上昇すると考えられる。
リチウム製剤
リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒を呈するおそれがあるので、併用する場合にはリチウムの血中濃度をモニターするなど観察を十分に行い、慎重に投与すること。
エスフルルビプロフェンのプロスタグランジン合成阻害作用により、腎でのナトリウム排泄が減少してリチウムクリアランスを低下させ、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる。
チアジド系利尿薬
ループ利尿薬
左記薬剤の作用を減弱するおそれがある。
エスフルルビプロフェンのプロスタグランジン合成阻害作用により、水・塩類の体内貯留が生じるためと考えられる。
副腎皮質ホルモン剤
相互に消化器系の副作用(消化性潰瘍、消化管出血等)が増強されるおそれがある。
両薬剤の消化器系の副作用が併用により増強されると考えられる。
CYP2C9阻害作用を有する薬剤
エスフルルビプロフェンの血中濃度が上昇するおそれがある。
代謝酵素(CYP2C9)の競合によりエスフルルビプロフェンの代謝が阻害されると考えられる。
胸内苦悶、悪寒、冷汗、呼吸困難、四肢しびれ感、血圧低下、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
乏尿、血尿、尿蛋白、BUN・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
乾性ラ音、喘鳴、呼吸困難感等の初期症状が発現した場合は投与を中止すること。,
フルルビプロフェン アキセチルにおいて、意識障害、意識喪失を伴う痙攣(0.1%未満)があらわれるとの報告がある。
*心筋梗塞、脳血管障害等の心血管系血栓塞栓性事象があらわれることがある1) 。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
適用部位障害
皮膚炎
紅斑、そう痒感、湿疹、発疹
内出血、刺激感、色素沈着
浮腫、変色、疼痛、熱感
神経系障害
浮動性めまい
頭痛
胃腸障害
腹部不快感、胃炎、消化性潰瘍、腹痛、悪心、嘔吐、口内炎
便秘、下痢、食欲減退、変色便
過敏症
発疹
血管浮腫(顔面、眼瞼等)、湿疹、紅斑、蕁麻疹、潮紅、そう痒症
臨床検査
血中尿素増加
血中クレアチニン増加、AST増加、ALT増加、尿中血陽性、血中ビリルビン増加、血中乳酸脱水素酵素増加、尿中ブドウ糖陽性、尿中蛋白陽性
血圧上昇
その他
動悸
末梢性浮腫
本剤を剥離する際は皮膚の損傷を避けるため、ゆっくりと慎重に剥離すること。
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
健康成人にエスフルルビプロフェン40mgを24時間単回貼付した時の薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。また、製剤中の薬物残存量から求めた経皮吸収率は48.34%であった2)。
投与量(例数)
Cmax(ng/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
AUC0-∞(ng・h/mL)
40mg(7例)
751±360
17.7±5.94
8.60±0.615
19000±9390
平均値±標準偏差
健康成人にエスフルルビプロフェン80mgを1日1回23時間、7日間反復貼付した時の薬物動態パラメータは以下のとおりであった3)。
投与日
AUC0-23h(ng・h/mL)
80mg(6例)
1日目
1360±551
10.3±1.51
―
23500±8530
7日目
2710±669
6.67±2.07
8.13±0.503
47000±10100
平均値±標準偏差、―:データなし
人工膝関節置換術を予定している変形性膝関節症患者に、エスフルルビプロフェン20mgを12時間単回貼付した時の滑膜、関節液及び血漿中エスフルルビプロフェン濃度は、いずれもフルルビプロフェン水性貼付剤40mgと比較して、それぞれ14.8、32.7及び34.5倍高かった4)。
エスフルルビプロフェンのヒト血漿蛋白結合率は99.95%であり、結合蛋白は主にアルブミンと考えられた5)(in vitro)。
エスフルルビプロフェンは主としてCYP2C9で酸化代謝される6)。代謝におけるCYP2C9遺伝子多型の影響をヒト肝ミクロソームを用いて検討した結果、代謝活性の低いPM(遺伝子型:CYP2C9*3/*3)の4’-水酸化活性(CLint)は代謝活性が正常なEM(遺伝子型:CYP2C9*1/*1)の1/69であった7)(in vitro)。
健康成人にエスフルルビプロフェン80mgを24時間単回貼付した時、貼付開始後72時間までの未変化体の尿中排泄率は投与量の0.253%であり、尿中にはほとんど排泄されなかった3)。尿中の主代謝物は4’-ヒドロキシ体のグルクロン酸又は硫酸抱合体であり、そのほかに未変化体のグルクロン酸抱合体、4’-ヒドロキシ体、3’-ヒドロキシ-4’-メトキシ体のグルクロン酸抱合体が認められた8)。
変形性膝関節症患者を対象にプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験(第Ⅱ相用量設定試験)を実施した。エスフルルビプロフェン10mg、20mg、40mg、又は基剤を2週間貼付した時、VAS(椅子から立ち上がる時の膝の痛み)のベースラインからの変化量は、以下のとおりであった。
10mg群
20mg群
40mg群
基剤群
ベースライン
57.8±12.3(121)
56.0±12.5(127)
57.0±12.4(134)
58.4±13.5(126)
最終評価時
26.1±17.5(121)
24.5±17.6(127)
21.5±16.7(134)
28.4±18.9(126)
変化量
-31.7±17.1(121)
-31.5±16.1(127)
-35.5±17.1(134)
-30.1±18.8(126)
群間差注1)[95%信頼区間]注1)p値注1),注2)
-1.9[-6.0, 2.2]
-2.5[-6.5, 1.5]p=0.112
-6.1[-10.1, -2.1]p=0.001
平均値(mm)±標準偏差(例数)
貼付部位の副作用発現割合は、10mg群で9.9%(12例/121例)、20mg群で3.9%(5例/127例)、40mg群で10.4%(14例/134例)であった。40mg群における主な副作用として、適用部位皮膚炎が7.5%(10例/134例)及び適用部位そう痒感が1.5%(2例/134例)認められた。貼付部位以外の副作用発現割合は、10mg群で4.1%(5例/121例)、20mg群で3.9%(5例/127例)、40mg群で3.7%(5例/134例)であった。40mg群における主な副作用として、血中尿素増加が2.2%(3例/134例)認められた9)。
変形性膝関節症患者を対象にフルルビプロフェン貼付剤を対照とした非盲検注3)無作為化並行群間比較試験(第Ⅲ相試験)を実施した。エスフルルビプロフェン40mg又はフルルビプロフェン貼付剤を2週間貼付した時、VAS(椅子から立ち上がる時の膝の痛み)のベースラインからの変化量は、以下のとおりであった。
フルルビプロフェン貼付剤群
59.5±12.7(315)
59.3±12.5(317)
18.5±15.3(315)
28.8±18.1(317)
-41.0±15.5(315)
-30.5±15.9(317)
群間差注4)[95%信頼区間]注4)p値注4)
-10.4[-12.7, -8.0]p<0.001
エスフルルビプロフェン40mg群の貼付部位の副作用発現割合は9.5%(30例/316例)であり、主な副作用として、適用部位皮膚炎3.5%(11例/316例)、適用部位湿疹1.9%(6例/316例)、適用部位紅斑1.6%(5例/316例)及び適用部位そう痒感1.6%(5例/316例)が認められた。貼付部位以外の副作用発現割合は4.4%(14例/316例)であり、主な副作用として、血中尿素増加1.6%(5例/316例)、血中クレアチニン増加1.3%(4例/316例)が認められた10)。
エスフルルビプロフェンは、ラセミ体であるフルルビプロフェンの光学異性体(S体)である。エスフルルビプロフェンは、シクロオキシゲナーゼ活性を阻害することが明らかにされており11)(in vitro)、主としてこの作用により消炎・鎮痛効果を示すものと考えられる。
疼痛モデルであるイヌの尿酸塩膝関節炎疼痛12)、ラットのカラゲニン炎症性疼痛12)、硝酸銀関節炎疼痛12)及びアジュバント関節炎疼痛11)のいずれにおいても、鎮痛作用を示した。
炎症モデルであるラットのカラゲニン足蹠炎症13)、打撲浮腫13)及びアジュバント関節炎11)のいずれにおいても、抗炎症作用を示した。
エスフルルビプロフェン(Esflurbiprofen)
(2S)-2-(2-Fluorobiphenyl-4-yl)propanoic acid
C15H13FO2
244.26
白色の粉末である。メタノール、エタノール(99.5)、2-フェノキシエタノール又はアセトンに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
109~113℃
ハッカ油(Mentha Oil)(日局)
無色~微黄色澄明の液で、特異でそう快な芳香があり、味は初め舌をやくようで、後に清涼となる。エタノール(95)、エタノール(99.5)、温エタノール(95)又はジエチルエーテルと混和する。水にほとんど溶けない。
アルミ内袋開封後は、湿気を避けて遮光して保存すること。
70枚[7枚(アルミ内袋)×10]
560枚[7枚(アルミ内袋)×80]
1) *データベース調査結果の概要(NDBを用いた非ステロイド性抗炎症薬による心血管系イベント発現のリスク評価):https://www.pmda.go.jp/files/000270714.pdf
2) 社内資料(健康成人を対象とした薬物動態試験)(2015年9月28日承認、CTD 2.7.6.1)
3) 社内資料(健康成人を対象とした高用量安全性試験)(2015年9月28日承認、CTD 2.7.6.6)
4) Yataba I,et al. : Eur J Clin Pharmacol. 2016 ; 72(1) : 53-59
5) 社内資料(血漿蛋白結合に関する検討:in vitro)(2015年9月28日承認、CTD 2.6.4.4.3)
6) Tracy TS, et al. : Biochem Pharmacol. 1996 ; 52 : 1305-1309
7) 社内資料(肝ミクロソーム代謝に関する検討:in vitro)(2015年9月28日承認、CTD 2.6.4.5.6)
8) 社内資料(健康成人を対象とした単回貼付試験)(2015年9月28日承認、CTD 2.7.6.3)
9) 社内資料(変形性膝関節症患者を対象とした第Ⅱ相用量設定試験)(2015年9月28日承認、CTD 2.7.6.10)
10) 社内資料(変形性膝関節症患者を対象とした第Ⅲ相試験)(2015年9月28日承認、CTD 2.7.6.11)
11) Sugimoto M, et al. : Drug Dev Res. 2016 ; 77(4) : 206-211
12) 社内資料(鎮痛作用に関する検討)(2015年9月28日承認、CTD 2.6.2.2.1)
13) 社内資料(抗炎症作用に関する検討)(2015年9月28日承認、CTD 2.6.2.2.2)
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