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オクソラレン錠10mg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2光感受性増強作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

オクソラレン錠10mg

添付文書番号

2699002F1046_1_08

企業コード

400059

作成又は改訂年月

2023年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872699

薬効分類名

尋常性白斑治療剤

承認等

オクソラレン錠10mg

販売名コード

YJコード

2699002F1046

販売名英語表記

OXSORALEN tablets 10㎎

販売名ひらがな

おくそられんじょう10mg

承認番号等

承認番号

21900AMX00673000

販売開始年月

1967年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

メトキサレン製剤

1. 警告

PUVA療法により皮膚癌が発生したとの報告がある。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 皮膚癌又はその既往歴のある患者[皮膚癌が増悪又は再発するおそれがある。]
  2. 2.2 ポルフィリン症、紅斑性狼瘡、色素性乾皮症、多形性日光皮膚炎等の光線過敏症を伴う疾患のある患者[光毒性反応が増強される。]
  3. 2.3 肝疾患のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

オクソラレン錠10mg

有効成分1錠中 日局 メトキサレン10mg  
添加剤乳糖水和物
結晶セルロース
ヒドロキシプロピルスターチ
ステアリン酸マグネシウム
ヒプロメロース
白糖
ゼラチン
沈降炭酸カルシウム
アラビアゴム末
タルク
軽質無水ケイ酸
アルファー化デンプン
酸化チタン
カルナウバロウ

3.2 製剤の性状

オクソラレン錠10mg

剤形白色の糖衣錠
外形表面
裏面
側面
大きさ直径約8mm
厚さ約4.6mm
質量約240mg
識別コードT130

4. 効能又は効果

尋常性白斑

6. 用法及び用量

通常、成人では1日2錠(メトキサレンとして20mg)、7~12才で1日1~2錠(メトキサレンとして10~20mg)、6才以下では1日1錠(メトキサレンとして10mg)を経口投与する。なお症状により適宜増減する。
経口投与2時間後に日光浴あるいは人工紫外線の照射を行う。全身汎発性の白斑には内服療法が望ましい。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 紫外線を照射する場合、照射源及び個人差に応じて至適量を個々に把握する必要がある。その目安としては、照射した翌日の治療白斑部位が軽度にピンク色に発赤し、持続する程度が適当である。
  2. 7.2 特に最初の照射量は、皮膚炎を防止する上からも、最少紅斑量以下から開始することが望ましく、一応の目安として、日光浴の場合は5分より始め、人工紫外線照射の場合は、光源より20~30cmの距離から1分より始め、以後白斑部位の皮膚症状により漸増・漸減して至適量を把握し、照射すること。
  3. 7.3 本剤は360nmをピークとする波長に高い活性を有するので、主として360nm付近の波長を有するBlack-lightの照射が望ましい。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 紫外線照射時には、目に遮光眼帯を着用させる等、眼障害への予防に細心の注意を払うこと。また、白斑部以外の正常皮膚も皮膚炎を防ぐため、黒布等で覆い、露光されないよう注意すること。
  2. 8.2 紫外線感受性は内服後6~8時間持続するので、この間は治療する場合を除いて紫外線に照射されないよう注意すること。
  3. 8.3 PUVA療法により皮膚癌が発生したとの報告があるので、治療前には患者によく説明し、PUVA療法施行後は患者の皮膚の状態に注意すること。また、紫外線照射の蓄積により皮膚癌の発生頻度が高まるとの報告があるので、長期にわたり漫然と治療しないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 糖尿病の患者

    海外で血糖値の増加例が報告されている。

  2. 9.1.2 薬剤性光線過敏症及び光線過敏症の既往歴のある患者

    光毒性反応が増強されるおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 肝疾患のある患者

    投与しないこと。肝疾患の悪化例が報告されている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている1)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている1)

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

治療方法に留意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

  • 本剤は、代謝酵素肝チトクロームP450(CYP)2A6の阻害作用を有することから、本酵素で代謝される他の薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

光線過敏症を起こすことが知られている薬剤:ピリドンカルボン酸系薬剤、テトラサイクリン系薬剤、サルファ剤、タール製剤、チアジド系薬剤、ポルフィリン系薬剤、フェノチアジン系薬剤等

光線過敏症が発現するおそれがある。

本剤は光感受性を高める作用があるので、左記薬剤との併用又は食品の摂取により光感受性が増強されるおそれがある。

フロクマリンを含有する食物:セロリ、ライム、ニンジン、パセリ、イチジク、アメリカボウフウ、カラシ等

光線過敏症が発現するおそれがある。

本剤は光感受性を高める作用があるので、左記薬剤との併用又は食品の摂取により光感受性が増強されるおそれがある。

CYP2A6によって代謝される薬剤:レトロゾール、塩酸ファドロゾール水和物、ピロカルピン塩酸塩等

左記薬剤の作用を増強させるおそれがある。

本剤は、CYP2A6を阻害することにより、左記薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

3~5%未満

3%未満

頻度不明

消化器

腹痛、嘔気

食欲不振、胃部不快感

皮膚

潮紅

腫脹1)、水疱1)、そう痒、皮膚痛、色素沈着低下症

精神神経系

めまい

不眠

抑うつ、頭痛

その他

顔面浮腫、胸内苦悶

肝機能障害2)

発現頻度は国内一般臨床試験(再評価資料)に基づき算出した。
1) 過量投与又は紫外線の過剰照射によりあらわれることがある。このような場合には治療を中止すること。なお、治癒後に治療を再開する場合には、減量するか又は照射量を減ずること。
2) 長期投与の場合は、月1回程度の肝機能検査を行うことが望ましい。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

乾癬のある患者に使用した場合、皮膚癌が発現し易くなるおそれがある。

15.2 非臨床試験に基づく情報

動物実験(モルモット)で腹腔内に大量投与し、紫外線照射した場合に、眼障害が認められたとの報告がある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人にメトキサレンとして40mgの溶液またはカプセルをクロスオーバー法にて単回経口投与した場合の血中濃度は以下のとおりであった(外国人のデータ)2)

Cmax
(µg/L)

Tmax
(hr)

AUC
(µg・hr/L)

溶液(n=6)

266±146

1±0.3

568±334

カプセル(n=6)

161±77

2.1±0.7

309±165

ラット(雄、Wistar系)に、3H-メトキサレンを0.5mg/kg及び5mg/kg経口投与すると、血中濃度は速やかに高まり、Tmaxはそれぞれ10分及び30分後で、Cmaxは0.13µg/mL及び2.0µg/mLで、その後の消失も速やかであった1)

16.3 分布

ラット(雄、Wistar系)に、3H-メトキサレンを0.5mg/kg経口投与した後、経時的に組織内濃度を測定したところ、肝と腎に比較的高濃度に分布したが、他の組織への特異的な移行は認められず、いずれの組織も残留性はみられなかった。皮膚への分布は一定濃度以上が比較的長期間保持される傾向がみられた1)

16.4 代謝

ラット(雄、Wistar系)に、3H-メトキサレンを400mg/kg経口投与した場合、主代謝物は、9-O-脱メチル化の後グルクロニドあるいは硫酸抱合を受けたものが主であった3)
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験の結果、メトキサレンはCYP1A1、CYP1A2、CYP2A6等の肝代謝酵素で代謝されることが示された4)。また、CYP2A6を阻害することが報告されている5)

16.5 排泄

ラット(雄、Wistar系)に、3H-メトキサレンを0.5mg/kg経口投与した場合、投与後24時間以内に尿中に62.8%、糞中に20.4%排泄された1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    国内一般臨床試験の成績は以下のとおりである3)

    疾患名

    改善率(%)【改善以上】

    尋常性白斑

    76.3(135/177)

    3) 臨床試験5試験(再評価資料)の合算である。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

メラニン色素はチロシナーゼによりチロシンから生合成される。チロシナーゼは銅含有の酵素であり、下垂体のメラニン刺激ホルモンが血清銅を増加させ、その結果チロシナーゼが活性化される6)in vivoでのメトキサレン投与は下垂体を刺激し、それによって肝等の組織内銅が皮膚に移行し、チロシナーゼが活性化される6)。また、in vitroでのUVA照射によってメラノサイトのメラノトロピン受容体の特異的発現時期であるG2期が延長してチロシナーゼ活性が増大するとしている7)

18.2 光感受性増強作用

メトキサレンは皮膚の光線感受性を増強させる作用を有し、特に長波長側の紫外線(320~400nm)に対する感受性を増す8)。メトキサレンを投与した患者に紫外線を照射すると、皮膚の角質層が肥厚し、炎症反応が見られ、露光部にメラニンが沈着する。白斑患者の色素沈着や色素過剰沈着が起こる機序は明確にはわかっていないが、皮膚の白斑部位に存在する少数のメラニン細胞を活性化し、メラニン形成細胞の分裂を起こさせる9)。毛嚢周辺部や上皮内の色素の増加は、(1)機能しているメラノサイトの数の増加及びおそらくは活性化、(2)メラノソームの合成促進、(3)チロシンをドーパに転換するチロシナーゼの活性増加、(4)メラノサイトの肥大及び樹状突起の枝分かれの増加、が単一に又は組み合って起こるものと考えられている10)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

メトキサレン(methoxsalen)

化学名

9-Methoxy-7H-furo[3, 2-g]chromen-7-one

分子式

C12H8O4

分子量

216.19

性状

白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末で、におい及び味はない。クロロホルムに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。

化学構造式

融点

145~149℃

略称

8-MOP

22. 包装

PTP100錠[10錠×10]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

大正製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター

〒170-8633 東京都豊島区高田3-24-1

電話 0120-591-818

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売

大正製薬株式会社

東京都豊島区高田3-24-1

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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