医療用医薬品 詳細表示

オクソラレンローション1%/オクソラレンローション0.3%

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2光感受性増強作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

オクソラレンローション1%/オクソラレンローション0.3%

添付文書番号

2699701Q1023_1_14

企業コード

400059

作成又は改訂年月

2023年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872699

薬効分類名

尋常性白斑治療剤

承認等

オクソラレンローション1%

販売名コード

YJコード

2699701Q2038

販売名英語表記

OXSORALEN LOTION 1%

販売名ひらがな

おくそられんろーしょん1%

承認番号等

承認番号

21300AMZ00645000

販売開始年月

1960年3月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

オクソラレンローション0.3%

販売名コード

YJコード

2699701Q1023

販売名英語表記

OXSORALEN LOTION 0.3%

販売名ひらがな

おくそられんろーしょん0.3%

承認番号等

承認番号

20200AMZ00442000

販売開始年月

1990年8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

一般的名称

メトキサレン製剤

1. 警告

PUVA療法により皮膚癌が発生したとの報告がある。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 皮膚癌又はその既往歴のある患者[皮膚癌が増悪又は再発するおそれがある。]
  2. 2.2 ポルフィリン症、紅斑性狼瘡、色素性乾皮症、多形性日光皮膚炎等の光線過敏症を伴う疾患のある患者[光毒性反応が増強される。]

3. 組成・性状

3.1 組成

オクソラレンローション1%

有効成分1g中 日局 メトキサレン   10mg
添加剤アセトン
エタノール
プロピレングリコール

オクソラレンローション0.3%

有効成分1g中 日局 メトキサレン   3mg
添加剤アセトン
エタノール
プロピレングリコール

3.2 製剤の性状

オクソラレンローション1%

剤形無色透明のローション

オクソラレンローション0.3%

剤形無色透明のローション

4. 効能又は効果

尋常性白斑

6. 用法及び用量

白斑部位にのみ適量を塗布し、1~2時間後に日光浴あるいは人工紫外線の照射を行う。
通常、同一白斑部位においては、週1~3回程度の治療施行が望ましい。限局性の白斑には外用療法が望ましい。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 紫外線を照射する場合、照射源及び個人差に応じて至適量を個々に把握する必要がある。その目安としては、照射した翌日の治療白斑部位が軽度にピンク色に発赤し、持続する程度が適当である。
  2. 7.2 特に最初の照射量は、皮膚炎を防止する上からも、最少紅斑量以下から開始することが望ましく、一応の目安として、日光浴の場合は5分より始め、人工紫外線照射の場合は、光源より20~30cmの距離から1分より始め、以後白斑部位の皮膚症状により漸増・漸減して至適量を把握し、照射すること。
  3. 7.3 本剤は360nmをピークとする波長に高い活性を有するので、主として360nm付近の波長を有するBlack-lightの照射が望ましい。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 紫外線照射後そのまま放置しておくと過度の皮膚炎症状を起こすおそれがあるので、エタノール綿又は石鹸等で洗い流すか、入浴してよく洗い流すこと。また、必要に応じて、直接日光に当たらないよう注意させること。
  2. 8.2 PUVA療法により皮膚癌が発生したとの報告があるので、治療前には患者によく説明し、PUVA療法施行後は患者の皮膚の状態に注意すること。また、紫外線照射の蓄積により皮膚癌の発生頻度が高まるとの報告があるので、長期にわたり漫然と治療しないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 薬剤性光線過敏症及び光線過敏症の既往歴のある患者

    光毒性反応が増強されるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)において、経口投与で胎児への移行が報告されている1)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、経口投与で乳汁中への移行が報告されている1)

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

治療方法に留意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

  • 本剤は、代謝酵素肝チトクロームP450(CYP)2A6の阻害作用を有することから、本酵素で代謝される他の薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

光線過敏症を起こすことが知られている薬剤:ピリドンカルボン酸系薬剤、テトラサイクリン系薬剤、サルファ剤、タール製剤、チアジド系薬剤、ポルフィリン系薬剤、フェノチアジン系薬剤等

光線過敏症が発現するおそれがある。

本剤は光感受性を高める作用があるので、左記薬剤との併用又は食品の摂取により光感受性が増強されるおそれがある。

フロクマリンを含有する食物:セロリ、ライム、ニンジン、パセリ、イチジク、アメリカボウフウ、カラシ等

光線過敏症が発現するおそれがある。

本剤は光感受性を高める作用があるので、左記薬剤との併用又は食品の摂取により光感受性が増強されるおそれがある。

CYP2A6によって代謝される薬剤:レトロゾール、塩酸ファドロゾール水和物、ピロカルピン塩酸塩等

左記薬剤の作用を増強させるおそれがある。

本剤は、CYP2A6を阻害することにより、左記薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

5~15%未満

5%未満

頻度不明

皮膚

水疱1)、皮膚炎

そう痒、紅斑、熱感、痂皮

腫脹1)

発現頻度は国内一般臨床試験(再評価資料)及び0.3%剤形追加時の国内一般臨床試験を合わせて算出した。
1) 紫外線の過剰照射によりあらわれることがある。このような場合には治療を中止すること。なお、治癒後に治療を再開する場合には、照射量を減ずること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

指先等患部以外の部位に付着した場合は、エタノール綿又は石鹸等で洗い流すこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

乾癬のある患者に使用した場合、皮膚癌が発現し易くなるおそれがある。

16. 薬物動態

16.3 分布

ラット(雄、Wistar系)、マウス(雄、ICR系)に、それぞれ1%、0.3% 3H-メトキサレン含有ローションを背部皮膚に塗布し、全身マクロオートラジオグラムを作製した結果、経皮吸収はいずれの動物種とも比較的緩徐であり、24時間後においても塗布部位に大量の放射能が残存し、臓器では肝、消化管、膀胱に低濃度の放射活性を認めるのみであった2)

16.4 代謝

ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験の結果、メトキサレンはCYP1A1、CYP1A2、CYP2A6等の肝代謝酵素で代謝されることが示された3)。また、CYP2A6を阻害することが報告されている4)

16.5 排泄

ラット(雄、Wistar系)に1% 3H-メトキサレン(0.5mg/kg)を塗布した場合、塗布後24時間以内に尿中へ22.0%、糞中へ6.1%が排泄された1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 ローション製剤の国内臨床試験

    国内一般臨床試験の成績は以下のとおりである2)

    疾患名

    改善率(%)【改善以上】

    尋常性白斑

    68.7(167/243)

    2) 0.2~1%ローションを用いて行われた臨床試験6試験(再評価資料)の合算である。

  2. 17.1.2 ローション0.3%製剤の国内臨床試験

    ローション0.3%剤形追加時の国内一般臨床試験の成績は以下のとおりである。

    疾患名

    改善率(%)【改善以上】

    尋常性白斑

    64.3(45/70)

    副作用発現割合は7.1%(5例/70例)であった。発現した副作用は水疱5.7%(4例/70例)、紅斑、熱感、痂皮各1.4%(1例/70例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

メラニン色素はチロシナーゼによりチロシンから生合成される。チロシナーゼは銅含有の酵素であり、下垂体のメラニン刺激ホルモンが血清銅を増加させ、その結果チロシナーゼが活性化される5)in vivoでのメトキサレン投与は下垂体を刺激し、それによって肝等の組織内銅が皮膚に移行し、チロシナーゼが活性化される5)。また、in vitroでのUVA照射によってメラノサイトのメラノトロピン受容体の特異的発現時期であるG2期が延長してチロシナーゼ活性が増大するとしている6)

18.2 光感受性増強作用

メトキサレンは皮膚の光線感受性を増強させる作用を有し、特に長波長側の紫外線(320~400nm)に対する感受性を増す7)。メトキサレンを投与した患者に紫外線を照射すると、皮膚の角質層が肥厚し、炎症反応が見られ、露光部にメラニンが沈着する。白斑患者の色素沈着や色素過剰沈着が起こる機序は明確にはわかっていないが、皮膚の白斑部位に存在する少数のメラニン細胞を活性化し、メラニン形成細胞の分裂を起こさせる8)。毛囊周辺部や上皮内の色素の増加は、(1)機能しているメラノサイトの数の増加及びおそらくは活性化、(2)メラノソームの合成促進、(3)チロシンをドーパに転換するチロシナーゼの活性増加、(4)メラノサイトの肥大及び樹状突起の枝分かれの増加、が単一に又は組み合って起こるものと考えられている9)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

メトキサレン(methoxsalen)

化学名

9-Methoxy-7H-furo[3,2-g]chromen-7-one

分子式

C12H8O4

分子量

216.19

性状

白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末で、におい及び味はない。クロロホルムに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。

化学構造式

融点

145~149℃

略称

8-MOP

20. 取扱い上の注意

火気を避けて保管すること。

22. 包装

  • 〈オクソラレンローション1%〉

    30mL(ガラス瓶)

  • 〈オクソラレンローション0.3%〉

    60mL(ガラス瓶)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

大正製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター

〒170-8633 東京都豊島区高田3-24-1

電話 0120-591-818

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売

大正製薬株式会社

東京都豊島区高田3-24-1

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

画面を閉じる

Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.