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劇薬
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症
通常、成人には1日1回ファレカルシトリオールとして0.3µgを経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜減量する。
副甲状腺機能低下症(腎不全におけるものを除く)における低カルシウム血症とそれに伴う諸症状(テタニー、けいれん、しびれ感、知覚異常等)の改善
通常、成人には1日1回ファレカルシトリオールとして0.3~0.9µgを経口投与する。ただし、年齢、症状、病型により適宜増減する。
クル病・骨軟化症(腎不全におけるものを除く)に伴う諸症状(骨病変、骨痛、筋力低下)の改善
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リン酸結合剤を併用し、血清リン値を下げること。
マグネシウム含有製剤を併用する場合には注意すること。腎からのマグネシウム排泄が低下している。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットで胎盤移行、ウサギで胎児化骨遅延が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで未変化体及び代謝物の乳汁移行が認められている。
低用量から開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。承認時までの臨床試験において、高齢者に高カルシウム血症等の副作用の発現率が高い傾向が認められている。
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。
作用が相加的にあらわれる。
高マグネシウム血症があらわれるおそれがある。
腸管でのマグネシウムの吸収を促進させる。
高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれるおそれがある。
高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強される。
本剤は血清カルシウム上昇作用を有するため、高カルシウム血症に基づくと思われる臨床症状(そう痒感、いらいら感等)の発現に注意すること。高カルシウム血症を起こした場合には、直ちに休薬すること。投与を再開する場合は、血清カルシウム値が適正範囲に回復したことを確認した後に、減量して行うこと。,,
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
1~5%未満
1%未満
精神神経系
頭痛眠気いらいら感パーキンソニズム
消化器
下痢下血嘔気嘔吐胃部不快感食欲不振口渇感
循環器
胸部違和感徐脈
血液
好酸球の増加
白血球数増多単球の増加桿状核球の増加好中球の増加好中球の減少リンパ球の減少
代謝異常
高リン血症尿酸上昇総コレステロール上昇トリグリセリド上昇総蛋白低下アルブミン低下
皮膚
そう痒感
蕁麻疹皮疹
肝臓
ALT上昇γ-GTP上昇LDH上昇
AST上昇
腎臓
尿pH上昇尿沈渣異常
BUN上昇尿蛋白異常尿潜血
骨
関節周囲又は皮下の石灰化骨痛関節痛
その他
肩こり女性型乳房顔面紅潮
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人に0.3µgを単回経口投与した時、血清中濃度は投与後4時間にCmax 4.98pg/mLに達した後、半減期52.7時間で消失した4) 。
Cmax(pg/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
AUC0-∞(pg・hr/mL)
単回(n=6)
4.98±1.09
4.0±1.8
52.7
248.5±32.0
平均値±標準偏差
健康成人に1日1回0.3µgを14日間反復経口投与した時、最終投与日のCmaxの平均値は単回投与時の2.3倍に上昇し、11日で定常状態に達した4) 。
AUC0-24(pg・hr/mL)
反復14日目(n=6)
11.67±1.44
5.7±2.0
62.2
235.8±28.0
健康成人にファレカルシトリオールとして1.5µg注1) をクロスオーバー法にて朝の空腹時、又は朝食後30分に経口投与した場合、血清中濃度には食事の影響は認められなかった5) 。
[3H]ファレカルシトリオールを1、10ng/mL濃度でヒト血清に添加した時、蛋白結合率は98.6%、99.8%であった(in vitro)6) 。
ラット7) 、イヌ8) 及びマウス9) に経口投与した時、いずれの動物種においても血清中には主に未変化体として存在した。ラット及びイヌに経口又は静脈内投与後、標的組織である副甲状腺10) 、小腸8),11),12) 、腎臓8),11),12) 及び骨10) には未変化体と薬理活性を有する23位水酸化体が存在し、持続的な推移を示した。ラット12) 及びイヌ8) に経口投与した時、主たる排泄経路である胆汁では、未変化体、23位水酸化体及び側鎖の酸化体をアグリコンとするグルクロン酸などの抱合体が認められた。
ラット7) 及びイヌ8) に[3H]ファレカルシトリオールを単回経口投与後168時間までの排泄バランスについて検討したところ、いずれの動物でも、投与した放射能は主として糞中に排泄され、尿中排泄は3~5%程度であり、呼気中排泄はごくわずかであった。ラットに[3H]ファレカルシトリオールを単回静脈内投与した場合、投与した放射能の大部分は胆汁を介して糞中に排泄された11) 。
慢性腎不全のため血液透析を受けている患者に1日1回0.3µgを15日間反復経口投与した時、最終投与日のCmaxの平均値は単回投与時の3.3倍に上昇し、10日で定常状態に達した13) 。透析による除去は認められなかった13) 。
AUC(pg・hr/mL)
単回(n=5)
3.84±0.90
5.2±1.8
61.1
237.1±40.3
反復15日目(n=5)
12.70±2.37
6.0±2.3
87.5
236.6±40.8
平均値±標準偏差AUC:単回投与時 AUC0-∞反復投与時 AUC0-24
国内204施設において実施された二重盲検比較試験を含む臨床試験の評価対象総計481例における有効性は次のとおりである。
疾患名
有効率(%)【有効以上】
維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症14),15),16),17),18)
51.4(167/325)
副甲状腺機能低下症19),20),21)
90.9(90/99)
クル病・骨軟化症22),23)
71.9(41/57)
本剤は、活性型ビタミンD3の誘導体であり、小腸、副甲状腺及び骨等の標的組織に分布する受容体への結合により作用を発揮する。
腎不全病態モデルである5/6腎摘除ラットにおいて、ファレカルシトリオールの経口投与によって、血中副甲状腺ホルモン(PTH)の上昇及び副甲状腺におけるPTHのmRNA発現の亢進が抑制された。また、類骨の増加、線維性骨炎及び石灰化異常等の骨病変の改善が認められた26) 。
副甲状腺機能低下症の病態モデルである副甲状腺摘出ラットにおいて、ファレカルシトリオールの経口投与によって、低下した血中カルシウム濃度の上昇が認められた24) 。
ファレカルシトリオール(falecalcitriol)
(+)-(5Z,7E)-26,26,26,27,27,27-hexafluoro-9,10-secocholesta-5,7,10(19)-triene-1α,3β,25-triol
C27H38F6O3
524.58
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、テトラヒドロフランに極めて溶けやすく、アセトニトリル又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。熱又は光によって変化する。
約143℃
アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて遮光して保存すること。
PTP 100錠[10錠×10]
1) 揖場和子:透析と腎性骨異栄養症. 中外医学社. 1994 ; 176-192
2) 井上聖士ほか:透析患者の骨病変―その見方と考え方―. 日本メディカルセンター. 1988 ; 249-258
3) Velentzas C, et al. : Can Med Assoc J. 1978 ; 118 (1) : 45-50
4) 角尾道夫:臨床医薬. 1997 ; 13 (8) : 1907-1919
5) 健常人における食事の影響(承認年月日:2001.04.04、申請資料概要ヘ3.(2).2))
6) 赤尾恭子ほか:基礎と臨床. 1996 ; 30 (11) : 2945-2953
7) 小室勢津子ほか:薬物動態. 1996 ; 11 (5) : 505-517
8) 小室勢津子ほか:基礎と臨床. 1996 ; 30 (11) : 2915-2932
9) 各種動物における血清中濃度推移(承認年月日:2001.04.04、申請資料概要ヘ2.(2).2))
10) 各種動物における組織中代謝物(承認年月日:2001.04.04、申請資料概要ヘ2.(6).3))
11) 小室勢津子ほか:薬物動態. 1996 ; 11 (5) : 530-540
12) 小室勢津子ほか:薬物動態. 1996 ; 11 (5) : 518-529
13) 浅野泰ほか:臨床医薬. 1997 ; 13 (10) : 2559-2571
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15) 森井浩世ほか:日本透析医学会誌. 1997 ; 30 (6) : 895-910
16) 森井浩世ほか:腎と透析. 1997 ; 43 (2) : 271-283
17) 森井浩世ほか:J Bone Miner Metab. 1998 ; 16 (1) : 34-43
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27) 勝又隆ほか:基礎と臨床. 1996 ; 30 (11) : 2975-2982
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