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処方箋医薬品注)
2型糖尿病
通常、成人にはルセオグリフロジンとして2.5mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら5mg 1日1回に増量することができる。
,
症状を悪化させるおそれがある。,
本剤の利尿作用により脱水を起こすおそれがある。,,
投与しないこと。本剤の効果が期待できないため。,,
投与の必要性を慎重に判断すること。本剤の効果が十分に得られない可能性がある。,,,
重度の肝機能障害のある患者は臨床試験では除外されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性にはインスリン製剤等を使用することとし、本剤は投与しないこと。本剤の動物実験(ラット)において、妊娠動物に150mg/kg/日(最大臨床推奨用量(1日1回5mg)を投与した場合の曝露量(AUC)の約47倍)以上を経口投与した場合に、母動物の体重低下に起因した骨格変異、骨化遅延又は心室中隔膜部欠損が報告されている。類薬の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる幼若動物への曝露により、腎盂及び尿細管の拡張が報告されている。また、本剤の動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。
授乳中の女性には本剤投与中は授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
糖尿病用薬
低血糖を起こすおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。スルホニルウレア剤、インスリン製剤又はGLP-1受容体作動薬の減量を検討すること。
血糖降下作用が増強される。
血糖降下作用を増強する薬剤
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
血糖降下作用を減弱する薬剤
血糖降下作用が減弱される。
利尿薬
, ,,
必要に応じ利尿薬の用量を調整するなど注意すること。
利尿作用が増強される。
低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。,,,,
腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがある。,
口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されている。, ,,
ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがある。,,
1~3%未満
1%未満
頻度不明
*感染症
膀胱炎
性器カンジダ症、尿路感染、性器感染
*血液系障害
赤血球増加症
*神経系障害
体位性めまい、浮動性めまい、頭痛
眠気
*耳及び迷路障害
回転性めまい
*血管障害
低血圧
*胃腸障害
便秘
下痢、胃食道逆流性疾患、腹痛、腹部膨満
悪心、嘔吐、腹部不快感
皮膚及び皮下組織障害
発疹、湿疹
そう痒症、蕁麻疹
*筋骨格系及び結合組織障害
筋痙縮
腎及び尿路障害
頻尿
多尿
生殖系及び乳房障害
陰部そう痒症
亀頭包皮炎
*一般・全身障害
口渇、倦怠感
脱力感、空腹
*臨床検査
血中ケトン体増加、尿中β2ミクログロブリン増加、尿中白血球陽性、尿中アルブミン陽性
CRP増加、白血球数増加、ヘマトクリット増加、ヘモグロビン増加、尿中ケトン体陽性、尿細菌検査陽性、尿中血陽性、尿中蛋白陽性、尿中赤血球陽性、NAG増加
体重減少、血中クレアチニン増加
本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)低値を示す。尿糖、血清1,5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考とはならないので注意すること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
雌雄ラットに本剤4、20、100mg/kg/日を104週間反復経口投与したがん原性試験において、雄に100mg/kg/日(最大臨床推奨用量(1日1回5mg)を投与した場合の曝露量(AUC)の約18倍)を投与したとき、副腎に褐色細胞腫、精巣に間細胞腫及び腸間膜リンパ節に血管腫瘍の発生頻度増加が認められた。
健康成人男性にルセオグリフロジン2.5mgを空腹時単回経口投与したときの血漿中未変化体及び活性代謝物M2の濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。
投与量
測定対象
Cmax(ng/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
AUC0-∞(ng・h/mL)
2.5mg(n=9)
ルセオグリフロジン
100±22.3
1.11±0.546
11.2±1.05
1000±163
M2
3.98±0.538
5.44±4.21
13.4±1.11
122±15.9
平均値±標準偏差
2型糖尿病患者にルセオグリフロジン2.5mg又は5mgを1日1回7日間反復経口投与したときの未変化体の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。なお、投与7日目のAUC0-24hから算出した活性代謝物M2の未変化体に対するモル比は、2.5mg及び5mg投与においてそれぞれ14.0及び14.8%であった2)。
投与日
AUC注2)(ng・h/mL)
2.5mg(n=8)
1日目
119±27.0
0.625±0.354
9.24±0.928
864±132
7日目
136±42.0
1.00±0.886
9.20±0.710
899±148
5mg(n=8)
243±45.7
0.625±0.231
8.96±1.11
1690±271
299±50.3
0.688±0.259
9.54±1.26
1880±318
健康成人男性(9例)にルセオグリフロジン2.5mgを空腹時、朝食5分前(食前)又は朝食30分後(食後)に単回経口投与したとき、Cmax及びAUC0-72hの幾何平均値の比とその90%信頼区間は、食後/食前で0.790[0.670, 0.933]及び0.986[0.958, 1.01]、空腹時/食前で0.922[0.781, 1.09]及び0.980[0.953, 1.01]、食後/空腹時で0.857[0.726, 1.01]及び1.01[0.977, 1.04]、食前/空腹時で1.08[0.919, 1.28]及び1.02[0.991, 1.05]であった1)。
ヒト血漿における蛋白結合率は、50~5000ng/mLの範囲で96.0~96.3%であった3)(in vitro、超遠心法)。
健康成人男性にルセオグリフロジンを経口投与したときの血漿及び尿中の主要代謝物として、O-脱エチル体(M2)、エチル基末端の水酸化ののち酸化されたカルボン酸体(M17)、ルセオグリフロジンのグルクロン酸抱合体(M8)及びM2のグルクロン酸抱合体(M12)が認められた4)。なお、M2はSGLT2阻害作用を有する活性代謝物であり、ヒトSGLT2を介したグルコース取り込み活性(SGLT2過剰発現細胞)に対する未変化体及びM2の50%阻害濃度(IC50値)は、それぞれ2.26及び4.01nmol/Lであった5)(in vitro)。ルセオグリフロジンの代謝には主としてCYP3A4/5、4A11、4F2、4F3B及びUGT1A1が関与することが示された4)(in vitro)。ルセオグリフロジンはCYP2C19に対して弱い阻害作用(IC50値:58.3µmol/L)を示したが、CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2D6、2E1及び3A4に対する阻害作用は示さなかった(IC50>100µmol/L)6)(in vitro)。ルセオグリフロジンはCYP1A2及び2B6を誘導せず、CYP3A4に対し弱い誘導作用を示したが6)(in vitro)、2型糖尿病患者において尿中6β-ヒドロキシコルチゾール濃度を指標として検討した結果、CYP3A4を誘導しなかった7),8)(外国人のデータ)。
健康成人男性(9例)にルセオグリフロジン2.5mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後72時間までの未変化体の尿中排泄率(平均値)は4.47%であった1)。ルセオグリフロジンはP-糖蛋白質(P-gp)の基質であったが、乳がん耐性蛋白質(BCRP)、有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP1B1、OATP1B3)、有機アニオントランスポーター(OAT1、OAT3)及び有機カチオントランスポーター(OCT2)の基質ではなかった。また、ルセオグリフロジンはOATP1B3に対し弱い阻害作用(IC50値:93.1µmol/L)を示したが、P-gp、BCRP、OATP1B1、OAT1、OAT3及びOCT2に対する阻害作用は示さなかった(IC50>100µmol/L)6)(in vitro)。
腎機能障害を伴う2型糖尿病患者及び正常腎機能を有する2型糖尿病患者にルセオグリフロジン5mgを単回経口投与したとき、Cmaxは腎機能の低下に伴い低下する傾向を示した9),10)。
腎機能障害の程度[eGFR注3)]
尿糖排泄量注4)(g)
正常[90以上](n=11)
272±86.4
0.545±0.151
10.4±0.832
2010±508
88.3±36.9
軽度[60~89](n=17)
244±53.4
1.01±1.43
10.9±0.752
2070±395
69.7±19.1
中等度
[45~59](n=10)
252±67.5
0.650±0.337
11.2±2.68
2160±878
57.3±14.9
[30~44](n=13)
211±62.5
1.58±3.16
11.0±1.49
2060±414
35.3±10.8
重度[15~29](n=6)
195±63.1
2.00±1.64
13.1±3.62
2420±657
21.8±7.10
中等度までの肝機能障害者及び正常肝機能を有する被験者にルセオグリフロジン5mgを単回経口投与したとき、Cmaxは正常肝機能を有する被験者と比較して中等度肝機能障害者で約23%低下した11)。
肝機能障害の程度[Child-Pugh分類]
正常(n=6)
228±80.6
1.17±1.40
11.0±1.17
1800±427
軽度[Class A](n=8)
228±54.9
0.500±0.00
10.9±1.14
1720±523
中等度[Class B](n=5)
170±28.4
12.9±1.85
1780±260
高齢者(65歳以上の男女24例)にルセオグリフロジン5mgを単回経口投与したときのCmax及びAUC0-∞(平均値±標準偏差)は256±63.6ng/mL及び2050±307ng・h/mLであり12)、別試験での検討から20~40歳の健康成人男性(8例)にルセオグリフロジン5mgを単回経口投与したときのCmax及びAUC0-∞は205±53.5ng/mL及び1930±290ng・h/mLであった13)。
健康成人男性にルセオグリフロジンと各種薬剤を併用投与した場合、薬物動態パラメータへの影響は以下のとおりであった7),14),15)。
併用薬
併用薬投与量
本剤投与量
幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)
Cmax比[90%信頼区間]
AUC0-∞比[90%信頼区間]
グリメピリド
1mg単回
5mg単回
ルセオグリフロジン(n=12)
1.00[0.898, 1.12]
1.00[0.977, 1.03]
グリメピリド(n=12)
1.03[0.949, 1.12]
1.07[1.04, 1.10]
メトホルミン
250mg単回
0.925[0.845, 1.01]
0.985[0.964, 1.01]
メトホルミン(n=12)
0.999[0.897, 1.11]
1.04[0.953, 1.14]
ボグリボース
0.2mg1日3回7日間
1.09[0.984, 1.21]
0.999[0.957, 1.04]
ミグリトール
50mg単回
0.851[0.761, 0.952]
0.953[0.931, 0.975]
ミグリトール(n=12)
1.02[0.915, 1.14]
1.04[0.938, 1.16]
ピオグリタゾン
30mg1日1回7日間
1.16[1.04, 1.30]
0.939[0.897, 0.982]
ピオグリタゾン(n=12)
0.884[0.746, 1.05]
0.896注5)[0.774, 1.04]
ピオグリタゾン代謝物M-Ⅲ(n=12)
1.04[0.973, 1.11]
1.01注5)[0.945, 1.07]
ピオグリタゾン代謝物M-Ⅳ(n=12)
1.01[0.947, 1.07]
1.03注5)[0.977, 1.09]
シタグリプチン
0.967[0.914, 1.02]
0.986[0.948, 1.03]
シタグリプチン(n=12)
0.983[0.922, 1.05]
1.03[1.01, 1.05]
フロセミド
40mg1日1回4日間
1.07[0.980, 1.17]
1.13[1.08, 1.18]
フロセミド(n=12)
1.36[1.19, 1.54]
1.14注5)[1.07, 1.21]
ヒドロクロロチアジド
25mg1日1回4日間
1.16[1.04, 1.31]
1.11[1.07, 1.16]
ヒドロクロロチアジド(n=12)
1.09[0.974, 1.23]
1.11注5)[1.08, 1.15]
食事・運動療法にて血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(280例)を対象に、ルセオグリフロジン1mg、2.5mg、5mg、10mg又はプラセボを1日1回12週間朝食前に経口投与した。結果は以下のとおりであった16),17)。
HbA1c(NGSP値)(%)
空腹時血糖値(mg/dL)
食後2時間血糖値(mg/dL)
投与開始時
投与前からの変化量
プラセボとの差
プラセボ(n=57)
7.92±0.84
0.22[0.10, 0.34]
―
8.1[2.6, 13.6]
3.7[-6.8, 14.3]
ルセオグリフロジン2.5mg(n=56)
8.05±0.75
-0.39[-0.51, -0.27]
-0.61注6)[-0.78, -0.44]
-16.8[-22.3, -11.3]
-24.9注6)[-32.7, -17.1]
-52.7[-63.5, -41.9]
-56.4注6)[-71.6, -41.3]
ルセオグリフロジン5mg(n=54)
7.86±0.69
-0.46[-0.58, -0.34]
-0.68注6)[-0.85, -0.51]
-21.0[-26.7, -15.3]
-29.1注6)[-37.0, -21.2]
-55.4[-66.5, -44.3]
-59.2注6)[-74.5, -43.8]
投与開始時:平均値±標準偏差投与前からの変化量、プラセボとの差:最小二乗平均値
副作用発現割合は2.5mg群で16.1%(9例/56例)、5mg群で16.7%(9例/54例)であった。主な副作用は2.5mg群で頻尿8.9%(5例/56例)、尿中アルブミン陽性及び口渇各3.6%(2例/56例)、尿中ケトン体陽性1.8%(1例/56例)であり、5mg群で頻尿5.6%(3例/54例)、尿中β2ミクログロブリン増加3.7%(2例/54例)、尿中アルブミン陽性及び尿中ケトン体陽性各1.9%(1例/54例)であった17)。なお、低血糖症の副作用発現割合は、プラセボ投与群、ルセオグリフロジン1mg、2.5mg、5mg、10mg投与群いずれの群においても0%(57例、55例、56例、54例、58例中0例)であった17)。
食事・運動療法にて血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(158例)を対象に、ルセオグリフロジン2.5mg又はプラセボを1日1回24週間朝食前に経口投与した。結果は以下のとおりであった18)。
プラセボ(n=79)
8.17±0.80
0.13[-0.04, 0.29]
-0.8[-5.4, 3.7]
1.1[-8.0, 10.1]
ルセオグリフロジン2.5mg(n=79)
8.14±0.91
-0.63[-0.79, -0.46]
-0.75注7)[-0.99, -0.52]
-28.3[-32.9, -23.8]
-27.5注7)[-33.9, -21.1]
-55.8[-64.7, -46.8]
-56.8注7)[-69.6, -44.1]
副作用発現割合はルセオグリフロジン投与群で7.6%(6例/79例)で、発現した副作用は頻尿2.5%(2例/79例)、遊離脂肪酸増加、血中ケトン体増加、低血糖症、多尿、陰部そう痒症各1.3%(1例/79例)であった18)。なお、低血糖症の副作用発現割合は、プラセボ投与群で0%(0例/79例)、ルセオグリフロジン投与群で1.3%(1例/79例)であった18)。
食事・運動療法にて血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(299例)を対象に、ルセオグリフロジン2.5mg又は5mg(増量時)を1日1回52週間朝食前に経口投与した[投与開始時HbA1c(NGSP値):7.67±0.66%]。ルセオグリフロジンは投与開始初期よりHbA1c(NGSP値)を低下させ、52週時における投与開始時からのHbA1c(NGSP値)変化量(平均値(両側95%信頼区間))は-0.50(-0.6, -0.4)%であり、52週にわたって安定した血糖コントロールが得られた19),20)。副作用発現割合は16.7%(50例/299例)であり、その主な副作用は、便秘及び頻尿各3.0%(9例/299例)、口渇1.7%(5例/299例)、尿中β2ミクログロブリン増加及び低血糖症各1.3%(4例/299例)、尿中アルブミン陽性及び血中ケトン体増加各1.0%(3例/299例)であった20)。
食事・運動療法及び経口血糖降下薬の単独療法[スルホニルウレア剤(150例)、ビグアナイド薬(117例)、チアゾリジン薬(95例)、α-グルコシダーゼ阻害薬(105例)、DPP-4阻害薬(111例)、速効型インスリン分泌促進薬(59例)]にて血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象に、ルセオグリフロジン2.5mg又は5mg(増量時)を1日1回52週間朝食前に経口投与した。結果は以下のとおりであった21),22),23)。
併用薬剤
投与52週時における投与前からの変化量
スルホニルウレア剤(n=150)
8.07±0.85
-0.63[-0.8, -0.5]
ビグアナイド薬(n=117)
7.84±0.71
-0.61[-0.7, -0.5]
α-グルコシダーゼ阻害薬(n=105)
7.85±0.77
-0.68[-0.8, -0.5]
チアゾリジン薬(n=95)
7.95±0.92
-0.60[-0.8, -0.4]
DPP-4阻害薬(n=111)
7.88±0.78
-0.52[-0.6, -0.4]
速効型インスリン分泌促進薬(n=59)
8.00±0.88
-0.59[-0.8, -0.4]
投与開始時:平均値±標準偏差投与前からの変化量:平均値,[ ]は両側95%信頼区間
低血糖症の副作用発現割合は、スルホニルウレア剤併用時:8.7%(13例/150例)、ビグアナイド薬併用時:2.6%(3例/117例)、チアゾリジン薬併用時:2.1%(2例/95例)、DPP-4阻害薬併用時:0.9%(1例/111例)、速効型インスリン分泌促進薬併用時:1.7%(1例/59例)であった。α-グルコシダーゼ阻害薬との併用では低血糖症は認められなかった22),23)。
食事・運動療法及びインスリン療法にて血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(233例)を対象に、ルセオグリフロジン2.5mg又はプラセボを1日1回16週間朝食前に経口投与した。結果は以下のとおりであった24),25)。
プラセボ(n=74)
8.84±0.83
0.29[0.1, 0.5]
ルセオグリフロジン2.5mg(n=159)
8.70±0.83
-0.77[-0.9, -0.6]
-1.07注8)[-1.3, -0.9]
低血糖症の副作用発現割合は、プラセボ投与群で10.8%(8例/74例)、ルセオグリフロジン投与群で18.9%(30例/159例)であった24),25)。16週間の二重盲検期にルセオグリフロジン併用群に割り付けられ、36週間の非盲検期に移行し、52週間継続投与(5mgへの増量を含む)した症例において、HbA1c(NGSP値)の変化量(平均値(両側95%信頼区間))は-1.00(-1.1, -0.9)%であった24),25)。低血糖症の副作用発現割合は、52週間ルセオグリフロジン併用投与群で29.6%(47例/159例)であった24),25)。
食事・運動療法及びGLP-1受容体作動薬の単独療法にて血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(76例)を対象に、ルセオグリフロジン2.5mg又は5mg(増量時)を1日1回52週間朝食前に経口投与した。結果は以下のとおりであった26)。
GLP-1受容体作動薬(n=76)
8.52±1.08
-0.68[-0.9, -0.5]
低血糖症の副作用発現割合は、6.6%(5例/76例)であった26)。
中等度の腎機能障害(eGFRが30mL/min/1.73m2以上59mL/min/1.73m2以下)を伴う2型糖尿病患者(145例)を対象に、ルセオグリフロジン2.5mg又はプラセボを1日1回24週間朝食前に経口投与した。結果は以下のとおりであった27)。
プラセボ(n=50)
7.69±0.65
0.09[-0.1, 0.3]
ルセオグリフロジン2.5mg(n=95)
7.72±0.68
-0.11[-0.2, 0.0]
-0.19注9)[-0.4, 0.0]
24週間の二重盲検期にルセオグリフロジン投与群に割り付けられ、28週間の非盲検期に移行し、52週間継続投与(5mgへの増量を含む)した症例において、HbA1c(NGSP値)変化量(平均値(両側95%信頼区間))は-0.30(-0.4, -0.2)%であった27)。副作用発現割合は52週間ルセオグリフロジン投与群で25.3%(24例/95例)であり、その主な副作用は便秘5.3%(5例/95例)、頻尿4.2%(4例/95例)、低血糖症4.2%(4例/95例)、膀胱炎、尿中β2ミクログロブリン増加、血中ケトン体増加、脳梗塞各2.1%(2例/95例)であった27)。
腎臓の近位尿細管においてグルコースの再吸収を担うナトリウム-グルコース共輸送体2(sodium glucose cotransporter 2; SGLT2)の活性を阻害し、血中の過剰なグルコースを尿中に排泄することで血糖値を低下させる28),29)。
ヒトSGLT2を介したグルコース取り込み活性(SGLT2過剰発現細胞)を選択的に阻害した(Ki値:1.1nmol/L)30),31)(in vitro)。
ルセオグリフロジン水和物(Luseogliflozin Hydrate)
(2S,3R,4R,5S,6R)-2-{5-[(4-Ethoxyphenyl)methyl]-2-methoxy-4-methylphenyl}-6-(hydroxymethyl)thiane-3,4,5-triol hydrate
C23H30O6S・xH2O
434.55(無水物として)
白色の粉末である。N, N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、アセトニトリル、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に微黄白色となる。
159.0℃
PTP 100錠[10錠×10]PTP 140錠[14錠×10]PTP 500錠[10錠×50]プラスチックボトル 500錠[バラ]
PTP 100錠[10錠×10]PTP 140錠[14錠×10]
1) 社内資料:健康成人を対象とした臨床薬理試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.3)[T26A001]
2) Sasaki T, et al. : Adv Ther. 2015 ; 32 : 319-340
3) Hasegawa M, et al. : Xenobiotica. 2015 ; 45 : 1105-1115
4) Miyata A, et al. : Xenobiotica. 2017 ; 47 : 332-345
5) 社内資料:SGLT2に対する阻害作用(2014年3月24日承認、CTD 2.6.2.2)[T26P001]
6) Chino Y, et al. : Xenobiotica. 2017 ; 47 : 314-323
7) Sasaki T, et al. : Adv Ther. 2015 ; 32 : 404-417
8) 社内資料:外国人2型糖尿病患者を対象とした臨床薬理試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.5)[T26A021]
9) Samukawa Y, et al. : Clin Pharmacol Drug Dev. 2018 ; 7 : 820-828
10) 社内資料:腎機能障害を伴う2型糖尿病患者を対象とした臨床薬理試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.7)[T26C010]
11) Samukawa Y, et al. : Clin Pharmacol Drug Dev. 2017 ; 6 : 439-447
12) 社内資料:高齢者を対象とした臨床薬理試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.6)[T26A002]
13) Sasaki T, et al. : Adv Ther. 2014 ; 31 : 345-361
14) 社内資料:フロセミドとの薬物相互作用試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.15)[T26A010]
15) 社内資料:ヒドロクロロチアジドとの薬物相互作用試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.16)[T26A011]
16) Seino Y, et al. : Curr Med Res Opin. 2014 ; 30 : 1231-1244
17) 社内資料:プラセボ対照二重盲検比較試験:用量設定試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.19)[T26C001]
18) Seino Y, et al. : Curr Med Res Opin. 2014 ; 30 : 1245-1255
19) Seino Y, et al. : Endocr J. 2015 ; 62 : 593-603
20) 社内資料:単剤長期投与試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.23)[T26C003]
21) Seino Y, et al. : J Diabetes Investig. 2015 ; 6 : 443-453
22) 社内資料:グリメピリドとの併用長期投与試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.21)[T26C004]
23) 社内資料:経口血糖降下薬との併用長期投与試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.24)[T26C005]
24) 社内資料:インスリン製剤との併用長期投与試験[T26C015]
25) Seino Y, et al. : Curr Med Res Opin. 2018 ; 34 : 981-994
26) Seino Y, et al. : J Diabetes Investig. 2018 ; 9 : 332-340
27) 社内資料:腎機能障害を伴う2型糖尿病患者を対象とした長期投与試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.22)[T26C006]
28) Kanai Y, et al. : J Clin Invest. 1994 ; 93 : 397-404
29) Yamamoto K, et al. : Br J Pharmacol. 2011 ; 164 : 181-191
30) Uchida S, et al. : J Pharmacol Sci. 2015 ; 128 : 54-57
31) 社内資料:SGLT1に対する阻害作用(2014年3月24日承認、CTD 2.6.2.2)[T26P002]
32) 社内資料:db/dbマウスにおける尿糖排泄作用(2014年3月24日承認、CTD 2.6.2.2)[T26P006]
33) 社内資料:GKラットにおける抗糖尿病作用(2014年3月24日承認、CTD 2.6.2.2)[T26P009]
34) 社内資料:db/dbマウスにおける糖化ヘモグロビン低下作用(2014年3月24日承認、CTD 2.6.2.2)[T26P013]
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