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劇薬
処方箋医薬品注)
骨粗鬆症
本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。
通常、成人にはイバンドロン酸として100mgを1カ月に1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口投与する。なお、服用後少なくとも60分は横にならず、飲食(水を除く)及び他の薬剤の経口摂取を避けること。
投与にあたっては次の点を患者に指導すること。
嚥下困難、食道炎、胃炎、十二指腸炎、潰瘍等の基礎疾患を悪化させるおそれがある。上部消化管粘膜に対し刺激作用を示すことがある。
妊娠する可能性のある女性へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。他のビスホスホネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡等がみられている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母動物(ラット)へ投与した場合、乳汁中に移行することが示されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
水以外の飲料、食物(特に牛乳や乳製品のような高カルシウム含有飲食物)
本剤の服用後少なくとも60分は左記の飲食物や薬剤を摂取・服用しないよう、患者を指導すること。
本剤は多価陽イオンと錯体を形成することがあるので、同時に服用すると本剤の吸収を低下させる。
多価陽イオン(カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム等)含有製剤
食道穿孔、食道狭窄、食道潰瘍(以上頻度不明)、胃潰瘍(0.3%)、十二指腸潰瘍(頻度不明)、食道炎(0.3%)、食道びらん(頻度不明)等の上部消化管障害があらわれ、まれに出血を伴うことがある。
痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症が認められることがある。
2~5%未満
2%未満
頻度不明
消化器
下痢
腹痛、悪心、嘔吐、腹部不快感、胃腸炎、便秘
食欲不振
精神神経系
頭痛
感覚異常、めまい
肝臓
肝機能異常[AST上昇、ALT上昇、ALP上昇等]
皮膚
多形紅斑、水疱性皮膚炎、発疹、蕁麻疹
血液・凝固
血中フィブリノゲン増加
眼
ぶどう膜炎、強膜炎、上強膜炎、結膜炎
筋・骨格系
背部痛、関節痛
骨痛、筋肉痛
関節炎、筋骨格硬直、四肢痛
その他
倦怠感、インフルエンザ様症状注)
C-反応性蛋白増加、発熱、胸痛、熱感
喘息増悪、疼痛、ほてり、高血圧、尿検査異常(尿中血陽性等)、浮腫(末梢、顔面等)、上気道感染(鼻咽頭炎等)、貧血
上部消化管障害(胃不調、胸やけ、食道炎、胃炎、潰瘍等)、低カルシウム血症、低リン酸血症、低マグネシウム血症が発現する可能性がある。
吸収を抑えるために、牛乳又は制酸剤を投与する。食道に対する刺激の危険性があるので嘔吐を誘発してはならず、患者の上体を起こしていること。必要に応じ、カルシウム、リン酸、マグネシウムを含有する製剤の静脈内投与を行う。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
若齢イヌ(6カ月間静脈内投与毒性試験及び1年間経口投与毒性試験)において、骨端成長帯に骨基質の壊死が認められた2),3)。イヌ6カ月間静脈内投与毒性試験ではイバンドロン酸として0.3mg/kg(月2回)の用量まで骨基質の壊死は認められず、当該用量(無毒性量)における曝露量(AUC0-24h)は、ヒトにイバンドロン酸として1mg(月1回)を静脈内投与した際の曝露量の約5.6倍に相当した。なお、骨基質の壊死は、骨端線閉鎖した成熟動物には認められなかった。
閉経後健康成人女性にイバンドロン酸として20、50、100又は150mgを空腹時に単回経口投与注1)したときの血清中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであり、血中濃度-時間曲線下面積(AUCinf)及び最高血中濃度(Cmax)は20~100mgでは用量比例的な増加を示し、150mgでは用量比を超える増加を示した。最高血中濃度到達時間(Tmax)は0.98~1.19時間、消失半減期(t1/2)は14.4~23.0時間であった4)。
投与量(mg)
AUCinf(ng・h/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
t1/2(h)
20
31.2±13.3
9.02±3.88
0.980±0.457
14.4±7.50
50
76.9±31.2
24.3±9.93
1.00±0.472
20.4±4.98
100
168±76.5
47.2±27.4
1.19±0.869
21.5±7.66
150
329±156
86.0±46.1
1.19±0.572
23.0±6.68
原発性骨粗鬆症患者にイバンドロン酸として20、50、100又は150mgを1カ月間隔で4回、空腹時に経口投与注1)したときの初回投与後及び4回目投与後の血清中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであった。全ての投与量群で血清中未変化体濃度推移、AUCinf及びCmaxは初回投与と4回目投与で同程度であった。AUCinf及びCmaxは20~100mgでは用量比例的な増加を示し、150mgでは用量比を超える増加を示した。Tmaxは0.75~1.08時間、t1/2は9.59~21.3時間であった5)。
初回投与
33.6±15.9
12.9±5.60
0.750±0.274
9.59±7.34
96.3±60.8
36.5±33.9
0.837±0.261
16.0±3.86
288±126
96.0±52.1
0.917±0.204
15.9±3.38
764±486
272±201
17.0±4.00
4回目投与
50.2±39.5
16.6±11.5
21.3±2.34
99.6±41.5
31.2±12.9
19.6±7.38
227±70.7
111±96.3
16.1±5.03
754±415
254±172
1.08±0.492
18.9±3.15
健康成人男性にイバンドロン酸として50mg注1)を1週間隔で投与後3時間絶食、投与後2時間絶食、投与後1時間絶食、食直後投与及び食後2時間後投与の条件でそれぞれ経口投与したときの薬物動態パラメータは下記のとおりであった。AUCinf及びCmaxは、投与後絶食時間が1~3時間の間ではほぼ同様であり、また、食前投与と比較して食後投与で低下が認められた6)(外国人データ)。
パラメータ
食前投与
食後投与
投与後3時間絶食
投与後2時間絶食
投与後1時間絶食
食直後
食後2時間後
30.9±12.7(19)
27.8±11.3(20)
25.9±18.8(19)
3.55±4.35(17)
7.73±6.91(19)
11.1±5.64(19)
10.0±4.00(20)
13.3±9.64(19)
0.984±1.08(18)
2.15±1.47(20)
in vitro試験において、ヒト血清蛋白結合率は、イバンドロン酸濃度が5ng/mLのとき90%であった7)。
原発性骨粗鬆症患者にイバンドロン酸として20、50、100又は150mgを空腹時に経口投与注1)したとき、48時間までの尿中未変化体排泄率は0.407~1.08%であった5)。
クレアチニンクリアランス(CLcr)が90mL/minを超える健康成人、CLcrが40~70mL/min及び30mL/min未満の腎障害患者にイバンドロン酸として0.5mgを静脈内投与注2)したときのAUCinf及びCmax(C5min)は下記のとおりであった。また、CLcrが90mL/minを超える健康成人及びCLcrが30mL/min未満の腎障害患者にイバンドロン酸として10mgを1日1回21日間反復経口投与注1)したときの投与21日目のAUCinf及びCmaxは下記のとおりであった。AUCinf及びCmaxは腎機能の低下に伴った上昇を示し、腎クリアランス(CLr)はCLcrと比例した10)(外国人データ)。
CLcr(mL/min)
例数
AUCinfの比a)
Cmax(C5min)(ng/mL)
Cmax(C5min)の比a)
CLr(mL/min)
>90(範囲92~133)
14
67.6±14.4
1
47.5±14.8
77.0±24.2
40~70(範囲42~69)
8
105±14.5
1.55
61.9±6.86
1.30
48.9±15.2
<30(範囲13~29)
12
201±47.5
2.97
116±127
2.44
17.9±7.67
a)CLcrが>90mL/minの値に対する比
Cmaxの比a)
8.04±4.83(9)
2.00±1.41(12)
62.8±26.0(9)
19.4±8.57(12)
2.41
3.01±2.48(12)
1.51
14.4±5.70(10)
健康成人男性10例及び閉経後健康成人女性10例にイバンドロン酸として10mg注1)を単独又はラニチジン(25mg静脈内投与)と併用して経口投与した。ラニチジン併用時の血清中イバンドロン酸のAUClastは単独投与時の120.2%(90%信頼区間:95.6~151.1%)であった11)(外国人データ)。
注1)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人にはイバンドロン酸として100mgを1カ月に1回、経口投与する。」である。注2)本薬注射剤の承認された用法・用量は、「通常、成人にはイバンドロン酸として1mgを1カ月に1回、静脈内投与する。」である。
55歳以上の原発性骨粗鬆症患者を対象にした無作為化二重盲検群間比較試験において、12カ月後の腰椎骨密度変化率の最小二乗平均値(95%信頼区間)は、本剤100mg群(イバンドロン酸として100mgを1カ月に1回経口投与、183例うち男性6例)及び対照薬の本薬注射剤1mg群注)(イバンドロン酸として1mgを1カ月に1回静脈内投与、189例うち男性3例)で、それぞれ5.17%(4.64~5.69%)及び5.40%(4.88~5.91%)であった。本剤100mg群と本薬注射剤1mg群の腰椎骨密度変化率の最小二乗平均値の差(95%信頼区間)は−0.23%(−0.97~0.51%)であり、本剤100mg群の本薬注射剤1mg群に対する非劣性が証明された(非劣性限界値−1.6%)12)。副作用発現頻度は、安全性評価対象例において、本剤100mg群で22.9%(47/205例)、本薬注射剤1mg群で18.7%(38/203例)であった。主な副作用は、本剤100mg群で背部痛4.9%(10/205例)、関節痛2.9%(6/205例)、急性期反応2.4%(5/205例)、倦怠感2.4%(5/205例)、本薬注射剤1mg群で背部痛4.9%(10/203例)、関節痛3.0%(6/203例)、急性期反応2.5%(5/203例)、筋肉痛2.0%(4/203例)であった。
60歳以上の原発性骨粗鬆症患者を対象にした本薬注射剤の無作為化二重盲検群間比較試験において、3年間の非外傷性椎体骨折発生頻度の生命表法による推定値(95%信頼区間)は、本薬注射剤1mg群注)(イバンドロン酸として1mgを1カ月に1回静脈内投与、381例うち男性28例)及び対照群(リセドロン酸ナトリウムとして2.5mgを連日経口投与、375例うち男性32例)で、それぞれ16.07%(12.19~19.94%)及び17.58%(13.55~21.62%)であった。非外傷性椎体骨折発生頻度の層別Cox回帰分析による対照群に対する本薬注射剤1mg群のハザード比(90%信頼区間)は0.88(0.65~1.20)であり、本薬注射剤の対照薬に対する非劣性が証明された(非劣性限界値1.55)。3年後の腰椎骨密度変化率の平均値(95%信頼区間)は、本薬注射剤1mg群9.02%(8.32~9.72%)及び対照群7.61%(6.92~8.30%)で、3年後の大腿骨近位部骨密度変化率の平均値(95%信頼区間)は、本薬注射剤1mg群3.09%(2.68~3.51%)及び対照群2.02%(1.58~2.45%)であった13)。副作用発現頻度は、安全性評価対象例において、本薬注射剤1mg群で25.1%(103/411例)、対照群で20.4%(83/406例)であった。主な副作用は、背部痛で、本薬注射剤1mg群で2.9%(12/411例)、対照群で1.2%(5/406例)であった。
注)本薬注射剤の承認された用法・用量は、「通常、成人にはイバンドロン酸として1mgを1カ月に1回、静脈内投与する。」である。
イバンドロン酸は、骨基質であるハイドロキシアパタイトに対する高い親和性を有しており14)、投与後骨に分布する15)。破骨細胞に取り込まれた後ファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害し16)、これにより破骨細胞の機能を抑制することで骨吸収抑制作用を示すと考えられる。
ウサギ破骨細胞培養系を用いたin vitro試験において、破骨細胞が象牙切片に形成する吸収窩を減少させる17)。
骨髄除去及び骨欠損孔作製イヌ骨折モデルに、イバンドロン酸として1µg/kgの用量を36週間連日皮下投与したとき、骨髄除去大腿骨皮質骨における骨単位数及び脛骨骨欠損孔における仮骨形成に影響は認められなかった23)。
イバンドロン酸ナトリウム水和物(Ibandronate Sodium Hydrate)(JAN)
Monosodium[1-hydroxy-3-(methylpentylamino)propane-1,1-diyl]diphosphonate monohydrate
C9H22NNaO7P2・H2O
359.23
白色~黄白色の粉末である。水に溶けやすく、メタノール、エタノール及びジメチルホルムアミドにほとんど溶けない。
171℃付近で融け始め、198℃付近で分解する。
3錠(患者さん用パッケージ付PTP1錠×3)
1) MID-NET®を用いた調査結果の概要(MID-NET®を用いたビスホスホネート製剤の腎機能障害患者における低カルシウム血症のリスク評価に関するデータベース調査):https://www.pmda.go.jp/files/000249186.pdf
2) 毒性試験〈イヌ6カ月間静脈内投与試験(高用量試験)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.6.3.5)
3) 毒性試験〈イヌ1年間経口投与試験〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.6.3.7)
4) 閉経後健康成人女性での単回投与試験(2016年1月22日承認,CTD2.7.6.1.1)
5) 原発性骨粗鬆症患者での反復投与試験(第Ⅱ相試験)(2016年1月22日承認,CTD2.7.6.1.3)
6) 臨床薬理試験(食事の影響)(2016年1月22日承認,CTD2.7.6.2.1)
7) 薬物動態試験〈血清蛋白結合性(in vitro)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.4.4.5)
8) 薬物動態試験〈代謝プロファイル(in vitro)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.4.5.1)
9) 薬物動態試験〈酵素阻害(in vitro)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.4.5.3)
10) 臨床薬理試験(腎障害時の薬物動態)(2013年6月28日承認,CTD2.7.6.2.3)
11) 臨床薬理試験(胃内pHの影響)(2016年1月22日承認,CTD2.7.6.2.4)
12) 無作為化二重盲検群間比較試験(第Ⅲ相試験)(2016年1月22日承認,CTD2.7.6.1.4)
13) 無作為化二重盲検群間比較試験(第Ⅱ/Ⅲ相試験)(2013年6月28日承認,CTD2.7.6.1.5)
14) Nancollas GH, et al. : Bone. 2006 ; 38 : 617-27.
15) 薬物動態試験〈骨中濃度(反復投与)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.4.4.3)
16) Dunford JE, et al. : J Pharmacol Exp Ther. 2001 ; 296 : 235-42.
17) 薬理試験〈骨吸収抑制作用(in vitro)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.2.2.1.1)
18) Bauss F, et al. : J Rheumatol. 2002 ; 29 : 2200-8.
19) Smith SY, et al. : Bone. 2003 ; 32 : 45-55.
20) Müller R, et al. : J Bone Miner Res. 2004 ; 19 : 1787-96.
21) Mühlbauer RC, et al. : J Bone Miner Res. 1991 ; 6 : 1003-11.
22) Monier-Faugere MC, et al. : J Bone Miner Res. 1993 ; 8 : 1345-55.
23) Bauss F, et al. : J Pharmacol Toxicol Methods. 2004 ; 50 : 25-34.
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