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劇薬
処方箋医薬品注)
骨粗鬆症
本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。
通常、成人にはイバンドロン酸として1mgを1カ月に1回、静脈内投与する。
妊娠する可能性のある女性へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。他のビスホスホネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡等がみられている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母動物(ラット)へ投与した場合、乳汁中に移行することが示されている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
投与に際しては、適切な処置のとれる準備をしておくこと。なお、海外では死亡に至った例も報告されている。
痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症が認められることがある。
1~5%未満
1%未満
頻度不明
消化器
胃炎
胃不快感、下痢、逆流性食道炎、便秘、食欲不振
悪心、嘔吐
精神神経系
頭痛
感覚異常、めまい
肝臓
肝機能異常[AST上昇、ALT上昇、ALP上昇等]
皮膚
発疹、蕁麻疹
多形紅斑、水疱性皮膚炎
眼
結膜炎
ぶどう膜炎、強膜炎、上強膜炎
筋・骨格系
背部痛、筋肉痛、関節痛、骨痛
関節炎、筋骨格硬直、四肢痛
その他
倦怠感、注射部位反応(腫脹、疼痛、紅斑等)、インフルエンザ様症状注)
疼痛、ほてり(熱感等)、高血圧、発熱、胸痛、尿検査異常(尿中血陽性等)、浮腫(末梢、顔面等)、上気道感染(鼻咽頭炎等)、貧血
喘息増悪
低カルシウム血症、低リン酸血症、低マグネシウム血症が発現する可能性がある。
必要に応じ、カルシウム、リン酸、マグネシウムを含有する製剤の静脈内投与を行う。
若齢イヌ(6カ月間静脈内投与毒性試験及び1年間経口投与毒性試験)において、骨端成長帯に骨基質の壊死が認められた2),3)。イヌ6カ月間静脈内投与毒性試験ではイバンドロン酸として0.3mg/kg(月2回)の用量まで骨基質の壊死は認められず、当該用量(無毒性量)における曝露量(AUC0-24h)は、ヒトにイバンドロン酸として1mg(月1回)を静脈内投与した際の曝露量の約5.6倍に相当した。なお、骨基質の壊死は、骨端線閉鎖した成熟動物には認められなかった。
健康成人男性にイバンドロン酸として0.125、0.25又は0.5mgを単回静脈内投与注)したときの血清中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであり、血中濃度-時間曲線下面積(AUCinf)は投与量に比例して増加し、血中半減期(t1/2)、全身クリアランス(CLtot)及び腎クリアランス(CLr)は投与量に依存せずほぼ一定であった4)。
投与量(mg)
AUCinf(ng・h/mL)
t1/2(h)
CLtot(mL/min)
CLr(mL/min)
0.125
17.1±1.9
15.7±8.8
123±14
86.5±12.3
0.25
34.4±5.1
20.2±4.4
124±21
83.6±9.9
0.5
77.2±10.4
21.3±2.0
109±13
81.8±14.3
閉経後骨減少女性にイバンドロン酸として0.25、0.5、1又は2mgを13週間隔で2回静脈内投与注)したときの血清中未変化体濃度推移及び初回投与時の薬物動態パラメータは下記のとおりであった。血清中未変化体濃度推移は初回投与と2回目投与で同様であり、AUCinfは投与量に比例して増加し、t1/2、CLtot及びCLrは投与量に依存せずほぼ一定であった5)。
74.4±9.8
18.7±1.7
56.8±6.9
34.3±4.6
136.8±16.3
18.5±1.7
61.7±7.1
34.8±6.8
1
239.9±22.7
18.5±0.9
70.1±7.3
43.9±7.4
2
540.7±95.9
18.9±2.0
63.3±10.7
41.9±9.8
in vitro試験において、ヒト血清蛋白結合率は、イバンドロン酸濃度が5ng/mLのとき90%であった6)。
閉経後骨減少女性にイバンドロン酸として0.25、0.5、1又は2mgを静脈内投与注)したとき、72時間までの尿中未変化体排泄率は47.0~64.6%であった5)。
クレアチニンクリアランス(CLcr)が90mL/minを超える健康成人、CLcrが40~70mL/min及び30mL/min未満の腎障害患者にイバンドロン酸として0.5mgを静脈内投与注)したときのAUCinf及びCmax(C5min)は下記のとおりであり、腎機能の低下に伴った上昇を示し、CLrはCLcrと比例した9)(外国人データ)。
CLcr(mL/min)
例数
AUCinfの比a)
Cmax(C5min)(ng/mL)
Cmax(C5min)の比a)
>90(範囲92~133)
14
67.6±14.4
47.5±14.8
77.0±24.2
40~70(範囲42~69)
8
105±14.5
1.55
61.9±6.86
1.30
48.9±15.2
<30(範囲13~29)
12
201±47.5
2.97
116±127
2.44
17.9±7.67
a)CLcrが>90mL/minの値に対する比
注)承認された用法・用量は、「通常、成人にはイバンドロン酸として1mgを1カ月に1回、静脈内投与する。」である。
60歳以上の原発性骨粗鬆症患者を対象にした無作為化二重盲検群間比較試験(被験薬群は、本剤0.5mg注)及び本剤1mg)において、3年間の非外傷性椎体骨折発生頻度の生命表法による推定値(95%信頼区間)は、本剤1mg群(イバンドロン酸として1mgを1カ月に1回静脈内投与、381例うち男性28例)及び対照群(リセドロン酸ナトリウムとして2.5mgを連日経口投与、375例うち男性32例)で、それぞれ16.07%(12.19~19.94%)及び17.58%(13.55~21.62%)であった。非外傷性椎体骨折発生頻度の層別Cox回帰分析による対照群に対する本剤1mg群のハザード比(90%信頼区間)は0.88(0.65~1.20)であり、本剤の対照薬に対する非劣性が証明された(非劣性限界値1.55)。3年後の腰椎骨密度変化率の平均値(95%信頼区間)は、本剤1mg群9.02%(8.32~9.72%)及び対照群7.61%(6.92~8.30%)で、3年後の大腿骨近位部骨密度変化率の平均値(95%信頼区間)は、本剤1mg群3.09%(2.68~3.51%)及び対照群2.02%(1.58~2.45%)であった10)。副作用発現頻度は、安全性評価対象例において、本剤1mg群で25.1%(103/411例)、対照群で20.4%(83/406例)であった。主な副作用は背部痛で、本剤1mg群で2.9%(12/411例)、対照群で1.2%(5/406例)であった。
イバンドロン酸は、骨基質であるハイドロキシアパタイトに対する高い親和性を有しており11)、投与後骨に分布する12)。破骨細胞に取り込まれた後ファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害し13)、これにより破骨細胞の機能を抑制することで骨吸収抑制作用を示すと考えられる。
ウサギ破骨細胞培養系を用いたin vitro試験において、破骨細胞が象牙切片に形成する吸収窩を減少させる14)。
注1)分子内に含まれるリン原子の重量をもとにした重量表示注2)4780µg/kgの用量では、脛骨骨幹端の成長板直下に骨基質添加の抑制に基づくと考えられる低石灰化領域が認められた。注3)投与前値との比較
骨髄除去及び骨欠損孔作製イヌ骨折モデルに、イバンドロン酸として1µg/kgの用量を36週間連日皮下投与したとき、骨髄除去大腿骨皮質骨における骨単位数及び脛骨骨欠損孔における仮骨形成に影響は認められなかった20)。
イバンドロン酸ナトリウム水和物(Ibandronate Sodium Hydrate)(JAN)
Monosodium[1-hydroxy-3-(methylpentylamino)propane-1,1-diyl]diphosphonate monohydrate
C9H22NNaO7P2・H2O
359.23
白色~黄白色の粉末である。水に溶けやすく、メタノール、エタノール及びジメチルホルムアミドにほとんど溶けない。
171℃付近で融け始め、198℃付近で分解する。
苛酷試験(光)においてわずかに類縁物質の増加が認められたため、外箱開封後は光を避けて保存すること。
1mL×1シリンジ1mL×10シリンジ
1) MID-NETⓇを用いた調査結果の概要(MID-NETⓇを用いたビスホスホネート製剤の腎機能障害患者における低カルシウム血症のリスク評価に関するデータベース調査):https://www.pmda.go.jp/files/000249186.pdf
2) 毒性試験〈イヌ6カ月間静脈内投与試験(高用量試験)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.6.3.5)
3) 毒性試験〈イヌ1年間経口投与試験〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.6.3.7)
4) 健康成人男性での単回投与試験(2013年6月28日承認,CTD2.7.6.1.1)
5) 閉経後骨減少女性での反復投与試験(2013年6月28日承認,CTD2.7.6.1.3)
6) 薬物動態試験〈血清蛋白結合性(in vitro)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.4.4.5)
7) 薬物動態試験〈代謝プロファイル(in vitro)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.4.5.1)
8) 薬物動態試験〈酵素阻害(in vitro)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.4.5.3)
9) 臨床薬理試験(腎障害時の薬物動態)(2013年6月28日承認,CTD2.7.6.2.3)
10) 無作為化二重盲検群間比較試験(第Ⅱ/Ⅲ相試験)(2013年6月28日承認,CTD2.7.6.1.5)
11) Nancollas GH, et al. : Bone. 2006 ; 38 : 617-27.
12) 薬物動態試験〈骨中濃度(反復投与)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.4.4.3)
13) Dunford JE, et al. : J Pharmacol Exp Ther. 2001 ; 296 : 235-42.
14) 薬理試験〈骨吸収抑制作用(in vitro)〉(2013年6月28日承認,CTD2.6.2.2.1.1)
15) Bauss F, et al. : J Rheumatol. 2002 ; 29 : 2200-8.
16) Smith SY, et al. : Bone. 2003 ; 32 : 45-55.
17) Müller R, et al. : J Bone Miner Res. 2004 ; 19 : 1787-96.
18) Mühlbauer RC, et al. : J Bone Miner Res. 1991 ; 6 : 1003-11.
19) Monier-Faugere MC, et al. : J Bone Miner Res. 1993 ; 8 : 1345-55.
20) Bauss F, et al. : J Pharmacol Toxicol Methods. 2004 ; 50 : 25-34.
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