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処方箋医薬品注)
本態性高血圧症、腎性高血圧症、腎血管性高血圧症
成人には、デラプリル塩酸塩として通常1日30~60mgを朝夕の2回に分割経口投与する。ただし、1日15mg(分2)から投与を開始し、最大投与量は1日120mg(分2)とする。なお、安定した降圧効果が得られた場合には、1日量またはその半量の朝1回のみの投与とすることができる。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させることがある。
少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。まれに急激な血圧低下を起こすおそれがある。
過度の血圧低下を来し、症状を悪化させるおそれがある。
血清クレアチニン値が3mg/dL以上の患者に投与する場合には、投与量を減らすか又は投与間隔をのばすなど慎重に投与すること。腎機能の悪化、血中半減期の延長及び尿中排泄率の低下が起こるおそれがある。
妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている1),2)。本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁中への活性代謝物の移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行
アンジオテンシン変換酵素阻害剤服用中の患者は、左記のアフェレーシス中にショックを起こすことがある。
陰性に荷電したデキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートにより血中キニン系の代謝が亢進し、本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積することが考えられている。
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた透析
アンジオテンシン変換酵素阻害剤服用中の患者は、左記の透析中にアナフィラキシーを起こすことがある。
多価イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し、本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積することが考えられている。
アリスキレンフマル酸塩
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物
*血管性浮腫があらわれるおそれがある。
左記薬剤を投与する場合は、本剤を少なくとも36時間前に中止すること。
また、左記薬剤の投与終了後に本剤を投与する場合は、36時間以上の間隔をあけること。
*併用により相加的にブラジキニンの分解を抑制し、血管性浮腫のリスクを増加させる可能性がある。
カリウム保持性利尿剤
エプレレノンカリウム補給剤トリメトプリム含有製剤
血清カリウム値が上昇することがある。
本剤のアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる。危険因子:特に腎機能障害のある患者
利尿降圧剤
利尿降圧剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがあるので、少量から開始するなど慎重に投与すること。
利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。危険因子:特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。
リチウム
外国において、リチウムと他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤(カプトプリル、エナラプリルマレイン酸塩、リシノプリル水和物)との併用により、リチウム中毒が報告されている。
腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
降圧作用が減弱することがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤がプロスタグランジンの合成を阻害し、本剤のプロスタグランジンを介した降圧作用を減弱させる。
腎障害のある患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている。
カリジノゲナーゼ製剤
過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。
本剤のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により、血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。
mTOR阻害剤
*血管性浮腫を発症するリスクが高まるおそれがある。
機序不明
ビルダグリプチン
*呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管性浮腫があらわれることがあるので、このような場合には、直ちに投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保などの適切な処置を行うこと。また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫があらわれることがある。
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒
乾癬
精神神経系
めまい・ふらつき、立ちくらみ、頭痛、頭重、不眠、眠気、肩こり、しびれ感、耳鳴
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、胸やけ、下痢、便秘
腹痛、口渇、口内炎、味覚異常、腹部膨満感
循環器
ほてり、のぼせ感、動悸
胸部痛
血液
白血球減少、貧血、好酸球増多
血小板減少
肝臓
AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇
黄疸
腎臓
BUN、クレアチニンの上昇、蛋白尿
その他
咳、咽頭痛、倦怠感、発汗、血清カリウム、総コレステロール、尿酸の上昇、尿糖、抗核抗体の陽性、息切れ、浮腫、四肢の疼痛、筋痙攣
脱力感、嗄声、低血糖注)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
腎機能正常の本態性高血圧症患者(4例)に1回30mgを空腹時に経口投与した場合、血中にはデラプリル塩酸塩の未変化体及び代謝物が検出される。最高血中濃度は活性代謝物M-Ⅰが最も高く、次いで未変化体及び活性代謝物M-Ⅲ(M-Ⅰより活性はやや弱い)であり、非活性代謝物M-Ⅱは最も低い。また、one compartment open modelにより算出したpharmacokinetic parameterでは、主要活性代謝物M-Ⅰは1.6時間でピーク(731ng/mL)に達し、半減期は1.1時間である3)。
なお、主要活性代謝物M-Ⅰの血中濃度には、7.5~60mgの範囲内で用量依存性が認められる4)(健康成人、経口)。
腎機能正常の高血圧症患者(9例)及び腎機能障害を伴う高血圧症患者(4例)に、1日60mg(分2)を8日間反復経口投与した時の主要活性代謝物M-Ⅰの血中濃度から、蓄積性は認められない。しかし、腎機能障害者の血中濃度は、正常例に比し半減期の延長と最高血中濃度の増大が認められる。
血中及び肝臓等にて代謝され、脱エステル化されたM-Ⅰ、M-Ⅲ及び一部分が閉環したM-Ⅱを生成する5),6)。
腎機能正常の本態性高血圧症患者(4例)に1回30mgを経口投与した場合、尿中にはM-Ⅰ、M-Ⅲが大半を占め、未変化体及びM-Ⅱはわずかであり、投与後24時間までの尿中総排泄率は58.7%である3)。
本態性高血圧症、腎性高血圧症、腎血管性高血圧症の各患者を対象に1日15~120mgを一般臨床試験では主として8~12週間、二重盲検比較試験では12週間経口投与した臨床試験において降圧効果の集計対象となった864例の疾患別有効率は次表のとおりである7),8),9),10),11),12),13),14),15),16)。
疾患名
例数
下降以上注)例数(有効率%)
本態性高血圧症
814
592(72.7)
腎性高血圧症
40
34(85.0)
腎血管性高血圧症
10
8(80.0)
計
864
634(73.4)
注)下降以上:「著明下降」+「下降」「著明下降」:収縮期血圧(-30mmHg以上)及び拡張期血圧(-15mmHg以上)を満たす場合、あるいは、平均血圧(-20mmHg以上)を満たす場合「下降」:収縮期血圧(-29~-20mmHg)及び拡張期血圧(-14~-10mmHg)を満たす場合、あるいは、平均血圧(-19~-13mmHg)を満たす場合
なお、本態性高血圧症患者を対象とした二重盲検比較対照試験の結果、本剤の有用性が認められている。
本剤の降圧作用は、主として血中・血管壁等に存在するアンジオテンシンⅠ変換酵素(ACE)の活性を阻害することによりアンジオテンシンⅡの生成を抑え、血管を拡張することにより生じると考えられる。アンジオテンシンⅡの生成抑制は、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離抑制、アルドステロンの分泌抑制につながり、これらも降圧作用に寄与していると考えられる。一方、本剤はブラジキニンの不活化抑制作用も有しており、これも一部降圧に関与していると考えられる17),18),19)。
デラプリル塩酸塩(Delapril Hydrochloride)
N-[N-[(S)-1-Ethoxycarbonyl-3-phenylpropyl]-L-alanyl]-N-(indan-2-yl)glycine hydrochloride
C26H32N2O5・HCl
489.00
白色の結晶又は結晶性の粉末である。エタノール(99.5)にやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、アセトニトリルに極めて溶けにくい。
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
1) 阿部真也 他:周産期医学. 2017;47:1353-1355
2) 齊藤大祐 他:鹿児島産科婦人科学会雑誌. 2021;29:49-54
3) 東 純一 他:基礎と臨床. 1989;23:895-898
4) 荻原俊男 他:薬理と治療. 1983;11:4663-4681
5) 吉田清志 他:薬理と治療. 1985;13:7151-7165
6) 立野政雄 他:薬理と治療. 1986;14:4225-4231
7) 熊原雄一 他:臨床医薬. 1987;3:325-336
8) 土井 豊 他:臨牀と研究. 1987;64:2264-2278
9) 宮口和彦 他:薬理と治療. 1987;15:1549-1559
10) 吉永 馨 他:薬理と治療. 1987;15:1561-1584
11) 金子好宏 他:薬理と治療. 1987;15:1585-1602
12) 国府達郎 他:薬理と治療. 1987;15:1603-1625
13) 小野山薫 他:基礎と臨床. 1987;21:3559-3581
14) 戸山靖一 他:基礎と臨床. 1987;21:3583-3595
15) 荒川規矩男 他:臨床医薬. 1987;3:307-324
16) 佐伯清美 他:臨床医薬. 1987;3:447-463
17) 稲田義行 他:Jpn.J.Pharmacol. 1986;42:99-108
18) 稲田義行 他:Jpn.J.Pharmacol. 1986;42:1-8
19) 稲田義行 他:薬理と治療. 1988;16:4093-4101
20) 塩之入洋 他:Clin.Pharmacol.Ther. 1987;41:74-79
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