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カルスロット錠5/カルスロット錠10/カルスロット錠20

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2降圧作用
18.3腎血行動態に対する作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

カルスロット錠5/カルスロット錠10/カルスロット錠20

添付文書番号

2149027F1020_2_02

企業コード

400061

作成又は改訂年月

2020年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872149

薬効分類名

持続性Ca拮抗降圧剤

承認等

カルスロット錠5

販売名コード

YJコード

2149027F1020

販売名英語表記

CALSLOT TABLETS

販売名ひらがな

かるすろっとじょう5

承認番号等

承認番号

20200AMZ00803

販売開始年月

1990年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

基準名

日本薬局方

マニジピン塩酸塩錠

カルスロット錠10

販売名コード

YJコード

2149027F2027

販売名英語表記

CALSLOT TABLETS

販売名ひらがな

かるすろっとじょう10

承認番号等

承認番号

20200AMZ00801

販売開始年月

1990年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

基準名

日本薬局方

マニジピン塩酸塩錠

カルスロット錠20

販売名コード

YJコード

2149027F3023

販売名英語表記

CALSLOT TABLETS

販売名ひらがな

かるすろっとじょう20

承認番号等

承認番号

20200AMZ00802

販売開始年月

1990年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

4年

基準名

日本薬局方

マニジピン塩酸塩錠

一般的名称

マニジピン塩酸塩錠

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性

3. 組成・性状

3.1 組成

カルスロット錠5

有効成分1錠中:
マニジピン塩酸塩   5mg
添加剤トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リボフラビン、乳糖水和物

カルスロット錠10

有効成分1錠中:
マニジピン塩酸塩   10mg
添加剤トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リボフラビン、乳糖水和物

カルスロット錠20

有効成分1錠中:
マニジピン塩酸塩   20mg
添加剤トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リボフラビン、乳糖水和物

3.2 製剤の性状

カルスロット錠5

外形

大きさ直径7.1mm
厚さ2.8mm
質量140mg
識別コード 230
色・剤形黄白色の割線入りの素錠

カルスロット錠10

外形

大きさ直径7.6mm
面積3.1mm
質量170mg
識別コード 231
色・剤形淡黄色の割線入りの素錠

カルスロット錠20

外形

大きさ直径8.1mm
厚さ3.2mm
質量200mg
識別コード 232
色・剤形うすいだいだい黄色の割線入りの素錠

4. 効能又は効果

高血圧症

6. 用法及び用量

通常、成人にはマニジピン塩酸塩として10~20mgを1日1回朝食後に経口投与する。ただし、1日5mgから投与を開始し、必要に応じ漸次増量する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。
  2. 8.2 降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者

    本剤の代謝及び排泄が遅延するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物試験(ラット)で妊娠期間及び分娩時間が延長することが報告されている1),2),3),4)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている5)

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。

10. 相互作用

  • 本剤は、CYP3A3、CYP3A4、CYP3A5、CYP2C8、CYP2E1によって代謝される(in vitro)。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

他の降圧剤

相互に作用を増強するおそれがある。

相加的あるいは相乗的に作用を増強することが考えられている。

ジゴキシン

他のカルシウム拮抗剤(ニフェジピン等)がジゴキシンの血中濃度を上昇させることが報告されている。

ジゴキシンの排泄が阻害され、血中濃度が上昇することが考えられている。

シメチジン

他のカルシウム拮抗剤(ニフェジピン等)の作用が増強することが報告されている。

シメチジンがカルシウム拮抗剤の肝での代謝を抑制すること、又は、シメチジンが胃酸分泌を抑制して消化管のpHを上昇させ、カルシウム拮抗剤の吸収を増加させることが考えられている。

リファンピシン

本剤の作用が減弱することがある。

リファンピシンが肝薬物代謝酵素を誘導し、カルシウム拮抗剤の代謝を促進することが考えられている。

グレープフルーツジュース

本剤の血中濃度が上昇することが報告されている。

グレープフルーツ中の成分が、本剤の肝薬物代謝酵素であるCYP3A4を阻害することが考えられている。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 過度の血圧低下による一過性の意識消失、脳梗塞等(いずれも頻度不明)

  2. 11.1.2 無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)
  3. 11.1.3 心室性期外収縮、上室性期外収縮(いずれも頻度不明)
  4. 11.1.4 紅皮症(頻度不明)

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

頻度不明

肝臓

AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTP、ビリルビンの上昇

腎臓

BUN、クレアチニンの上昇

血液

好酸球増多

過敏症

発疹、そう痒

光線過敏症

口腔

歯肉肥厚

循環器

顔のほてり、顔面潮紅、熱感、動悸、頻脈

結膜充血、胸部痛

精神神経系

めまい、立ちくらみ、頭痛、頭重感、しびれ感

不眠、眠気、パーキンソン様症状の増悪又は顕性化

消化器

悪心、嘔吐、胃部不快感、腹痛、腹部膨満感、便秘、口渇、味覚異常

食欲不振、胸やけ、下痢、口内炎

筋・骨格系

CKの上昇

筋肉痛、肩こり、筋痙攣

その他

全身倦怠感、脱力感、浮腫、頻尿、血清総コレステロール、尿酸、トリグリセライドの上昇、息切れ、血清カリウム低下

乳び腹水(腎不全患者に投与した場合)、女性化乳房、咳、発汗

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

CAPD(持続的外来腹膜透析)施行中の患者の透析排液が白濁することがあり、透析排液中にトリグリセライド等脂質の増加が認められたとの報告がある。腹膜炎等との鑑別に留意すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

腎機能正常の本態性高血圧症患者(7例)に1回20mgを朝食後に経口投与した場合、血中にはマニジピン塩酸塩の未変化体及び非活性の代謝物が検出される。未変化体の血中濃度は図のとおりである6)

16.5 排泄

腎機能正常の本態性高血圧症患者(14例)及び腎機能障害患者(10例)に1日1回20mgを朝食後に8日間反復経口投与した場合、尿中にはマニジピン塩酸塩の未変化体は検出されず、すべて代謝物であり、投与後24時間までのピリジン骨格を有する代謝物の尿中排泄率は合計で2~5%である7),8)

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

    腎機能障害患者10例に1日1回20mgを朝食後に8日間反復経口投与した場合においても、血中濃度推移は腎機能正常の本態性高血圧患者の場合とほぼ同様である7)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    本態性高血圧症、腎障害を伴う高血圧症、重症高血圧症の各患者を対象に、1日20mgまでの用量を、一般臨床試験では主として4~10週間、二重盲検比較対照試験では12週間経口投与した臨床試験において、降圧効果が評価された642例の高血圧症のタイプ別有効率は表のとおりである9),10),11),12),13)

    高血圧症のタイプ

    例数

    下降以上注)例数(有効率%)

    本態性高血圧症
    (軽・中等症)

    536

    432(80.6)

    腎障害を伴う高血圧症

    51

    39(76.5)

    重症高血圧症

    55

    47(85.5)

    642

    518(80.7)

    注)下降以上:「著明下降」+「下降」
    「著明下降」:収縮期血圧(-30㎜Hg以上)及び拡張期血圧(-15㎜Hg以上)を満たす場合、あるいは、平均血圧(-20㎜Hg以上)を満たす場合
    「下降」:収縮期血圧(-29~-20㎜Hg)及び拡張期血圧(-14~-10㎜Hg)を満たす場合、あるいは、平均血圧(-19~-13㎜Hg)を満たす場合

    なお、本態性高血圧症(軽・中等症)患者を対象とした二重盲検比較対照試験の結果、本剤の有用性が認められている。

  2. 17.1.2 国内第Ⅲ相試験(長期投与試験)

    本態性高血圧(軽・中等症)患者を対象に1年間経口投与した長期投与試験における「下降」以上の有効率は84.5%(155例中131例)である14)
    副作用は7.0%(157例中11例)に認められ、主な副作用は、めまい(3例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤の降圧作用は、主として血管平滑筋における膜電位依存性カルシウムチャネルに作用してCa2+流入を抑制して、血管平滑筋を弛緩し、血管を拡張することによりもたらされると考えられる。

  1. 18.1.1 リセプターに対する結合性

    ラット心筋膜標本において[3H]-ニトレンジピンのリセプターへの結合を著明に抑制し、その抑制作用は標本洗浄後も持続している15)in vitro)。
    このことから膜電位依存性カルシウムチャネルのリセプターに高い結合性を有するものと推定される。

  2. 18.1.2 カルシウム拮抗作用

    家兎肺動脈標本においてカルシウムイオン電流に対する選択的かつ持続性の抑制作用を示し、また、家兎大動脈標本における45Ca2+の細胞内への流入を抑制する16),17)in vitro)。このことからカルシウムチャネルをブロックする作用を有することが示唆される。

  3. 18.1.3 心臓及び血管に対する作用

    高血圧症患者(成人)における心血行動態に対し、総末梢血管抵抗のみを有意に減少させており、これが主要な降圧機序と考えられ、一方、心機能には殆ど影響を及ぼしていない18)

18.2 降圧作用

  1. 18.2.1 高血圧症患者(成人)における血圧日内変動試験で、1日1回の経口投与によりいずれの測定時点でも有意な血圧低下が認められており、終日安定した降圧効果が得られることが示されている19)
  2. 18.2.2 高血圧症患者(成人)における24時間血圧モニター試験で、1日1回の経口投与により24時間持続する降圧効果が認められているが、夜間の降圧度は小さい20)

18.3 腎血行動態に対する作用

高血圧症患者(成人)における腎循環に対し、腎血管抵抗を減少させ、腎灌流圧の低下にもかかわらず腎血流量及び糸球体濾過値を軽度ながら有意に増加させる21)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

マニジピン塩酸塩(Manidipine Hydrochloride)

化学名

3-{2-[4-(Diphenylmethyl)piperazin-1-yl]ethyl}5-methyl(4RS)-2,6-dimethyl-4-(3-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate dihydrochloride

分子式

C35H38N4O6・2HCl

分子量

683.62

性状

白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。ジメチルスルホキシド溶液(1→100)は旋光性を示さない。光により僅かに帯褐黄白色になる。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

包装開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

  • 〈カルスロット錠5〉

    100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]

  • 〈カルスロット錠10〉

    100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、
    700錠[14錠(PTP)×50]、500錠[ガラス瓶、バラ]

  • 〈カルスロット錠20〉

    100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、
    700錠[14錠(PTP)×50]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

武田テバ薬品株式会社 武田テバDIセンター

〒453-0801 名古屋市中村区太閤一丁目24番11号

TEL 0120-923-093
受付時間 9:00~17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

武田テバ薬品株式会社

大阪市中央区道修町四丁目1番1号

26.2 販売

武田薬品工業株式会社

大阪市中央区道修町四丁目1番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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