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処方箋医薬品注)
経口投与不可能な下記の疾患
通常、成人には、ランソプラゾールとして1回30mgを、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液に混合して1日2回点滴静注する、或いは日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液20mLに溶解して1日2回緩徐に静脈注射する。
噴出性又は湧出性出血や露出血管を認めるなど急激な出血の危険性のある場合は、ヒータープローブやクリッピング等の内視鏡的止血術を行うこと。
本剤の代謝、排泄が遅延することがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット、経口)において胎児血漿中濃度は母動物の血漿中濃度より高いことが認められている1)。また、ウサギ(経口30mg/kg/日)で胎児死亡率の増加が認められている2)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット、経口)で母乳中へ移行することが報告されている1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に高齢者では酸分泌能は低下しており、その他生理機能の低下もある。
アタザナビル硫酸塩
アタザナビル硫酸塩の作用を減弱するおそれがある。
本剤の胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下する可能性がある。
リルピビリン塩酸塩
リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。
本剤の胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下する可能性がある。
テオフィリンの血中濃度が低下することがある。
本剤が肝薬物代謝酵素を誘導し、テオフィリンの代謝を促進することが考えられている。
タクロリムスの血中濃度が上昇することがある。
本剤が肝薬物代謝酵素におけるタクロリムスの代謝を競合的に阻害するためと考えられている。
左記薬剤の作用を増強する可能性がある。
本剤の胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。
左記薬剤の作用を減弱する可能性がある。ボスチニブ水和物との併用は可能な限り避けること。
本剤の胃酸分泌抑制作用により左記薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
*酸化マグネシウム
*酸化マグネシウムの緩下作用が減弱するおそれがある。
*本剤の胃酸分泌抑制作用による胃内pH上昇により酸化マグネシウムの溶解度が低下するためと考えられる。
**ベルモスジルメシル酸塩
**ベルモスジルメシル酸塩の血中濃度が低下する可能性がある。
**本剤の胃酸分泌抑制作用による胃内pH上昇によりベルモスジルメシル酸塩の吸収が抑制されるおそれがある。
メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。高用量のメトトレキサートを投与する場合は、一時的に本剤の投与を中止することを考慮すること。
機序は不明である。
これらの薬剤の代謝、排泄が遅延することが類薬(オメプラゾール)で報告されている。
黄疸、AST、ALTの上昇等を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがある。
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
急性腎障害に至ることもあるので、腎機能検査値(BUN、クレアチニン上昇等)に注意すること。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹注2)
そう痒、多形紅斑
皮膚
亜急性皮膚エリテマトーデス
肝臓
AST、ALTの上昇
Al-P、LDH、γ-GTPの上昇
血液
好酸球増多
消化器
下痢
便秘注2)、味覚異常注2)
口渇、腹部膨満感、悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、カンジダ症、口内炎、舌炎、大腸炎(collagenous colitis等注1)を含む)
精神神経系
不眠注2)、振戦
うつ状態注2)
頭痛、眠気、めまい
その他
発熱、尿酸の上昇
脱力感注2)
女性化乳房、浮腫、倦怠感、舌・口唇のしびれ感、四肢のしびれ感、筋肉痛、脱毛、かすみ目、関節痛、低ナトリウム血症、低マグネシウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症 、総コレステロールの上昇
本剤を投与する場合は、専用の経路を用いることとし他剤と共用しないこと。やむを得ず、他剤の輸液経路を用いて側管から投与する場合は、他剤の注入を休止し、本剤を投与する前後に日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液でフラッシュすること。
ラットに52週間強制経口投与した試験で、50mg/kg/日群(臨床用量の約100倍)において1例に良性の精巣間細胞腫が認められている3)。さらに、24ヵ月間強制経口投与した試験で、15mg/kg/日以上の群において良性の精巣間細胞腫の発生増加が、また、5mg/kg/日以上の群において胃のカルチノイド腫瘍が認められており、加えて、雌ラットの15mg/kg/日以上及び雄ラットの50mg/kg/日以上の群で網膜萎縮の発生頻度の増加が認められている。精巣間細胞腫及び網膜萎縮については、マウスのがん原性試験、イヌ、サルの毒性試験では認められず、ラットに特有な変化と考えられる。
本剤の静脈内投与における血清中濃度には個体間で差が認められる。CYP2C19の遺伝子タイプにより、本剤が速やかに代謝される群(Extensive Metabolizer:EM)と緩やかに代謝される群(Poor Metabolizer:PM)に分類した健康成人男子12例(EM:8例、PM:4例)を対象として、1回30mg1日2回を5日間点滴静注した場合の血清中濃度は以下のとおりである4)。
CYP2C19の代謝型
AUC0-12(ng・h/mL)
Cmax(ng/mL)
T1/2(h)
1日目
EM
4,386±1,335
2,262±354
1.5±0.4
PM
10,415±1,159
2,727±315
4.0±0.7
5日目
4,939±1,541
2,414±406
1.6±0.5
12,579±1,939
3,134±316
4.2±1.1
(平均値±標準偏差)
ランソプラゾールのヒト血清蛋白結合率は、0.05〜5μg/mLの濃度範囲で約98%である5)(in vitro)。
ランソプラゾールは主にCYP2C19及びCYP3A4により代謝される6)(in vitro)。
健康成人男子(9例)に30mgを単回静脈内投与した時、尿中には代謝物として排泄され、未変化体は認められなかった。投与終了24時間後までの累積尿中排泄率は12〜17%である7)。
出血を伴う消化性潰瘍等を対象とした臨床試験において、1回30mg1日2回静脈内投与され止血効果が評価された203例のうち、3日間(72時間)以内に止血が認められた症例は94.6%(192/203例)である。203例中内視鏡的な前処置が行われなかった症例は41例であり、3日間(72時間)以内に止血が認められた症例は97.6%(40/41例)である。副作用発現頻度は、自他覚的随伴症状及び臨床検査値異常変動としてそれぞれ2.3%(5/221)、13.1%(29/221)であり、主な副作用はALT上昇6.2%(13/211)、AST上昇5.7%(12/212)、LDH上昇2.0%(4/200)、γ-GTP上昇1.5%(3/195)であった。なお、背景因子別の発現率では、男性12.7%(21/166)、非高齢者8.5%(14/165)、体重50.0kg以上60.0kg未満の層14.9%(11/74)、体重60.0kg以上の層(体重が不明であった例を除く)10.0%(10/100)と比べて、女性21.8%(12/55)、高齢者33.9%(19/56)、体重50.0kg未満の層29.7%(11/37)でやや高かった8),9),10)。
本剤は胃粘膜壁細胞の酸生成部位へ移行した後、酸による転移反応を経て活性体へと構造変換され、この酸転移生成物が酸生成部位に局在してプロトンポンプとしての役割を担っているH+, K+-ATPaseのSH基と結合し、酵素活性を抑制することにより、酸分泌を抑制すると考えられる11),12)。血液凝固能及び血小板凝集能は酸性条件下で強く障害され、さらに血液凝固の結果として形成されたフィブリンは酸性条件下でペプシンにより溶解されることが報告されているが、本剤は胃内pHを上昇させることにより血液凝固能及び血小板凝集能を改善し、ペプシン活性を抑制して出血抑制作用を示すと考えられる13)。また、胃の損傷粘膜の修復は酸性条件下で抑制されるが、本剤は酸分泌を抑制することにより胃内pHを上昇させ、損傷粘膜の修復を促進すると考えられる13)。
ラット(静脈内投与)において、脱血ショックによる胃出血に対して抑制作用を示す14)。
ラット(静脈内投与)において、アスピリン又はインドメタシンによる胃粘膜損傷の形成を抑制する15)。
健康成人への1回30mg1日2回静脈内投与により、持続的な胃酸分泌抑制作用が認められる16)。また、静脈注射(約3分)又は点滴静注(30分)において、24時間胃内pH4ホールディングタイム(pH4以上の時間の割合)は同様である17)。なお、本剤の代謝型が判定された健康成人への1回30mg1日2回静脈内投与における酸分泌抑制効果(24時間ごとのpH4ホールディングタイム)は、1日目ではEM(57〜69%)、PM(90%)、5日目ではEM(80〜88%)、PM(98%)である16),17),18),19)。
ランソプラゾール(Lansoprazole)
(RS)-2-({[3-Methyl-4-(2,2,2-trifluoroethoxy)pyridin-2-yl]methyl}sulfinyl)-1H-benzimidazole
C16H14F3N3O2S
369.36
白色~帯褐白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。N,N-ジメチルホルムアミド溶液(1→10)は旋光性を示さない。結晶多形が認められる。
10バイアル
1) 三輪 清 他:薬理と治療. 1990;18:3413-3435
2) Schardein J.L. et al.:薬理と治療. 1990;18(Suppl.10):2773-2783
3) Atkinson J.E. et al.:薬理と治療. 1990;18(Suppl.10):2713-2745
4) 社内資料:注射用ランソプラゾールの臨床薬理試験成績(2006年10月20日承認:CTD2.7.2.2)
5) 社内資料:注射用ランソプラゾールの蛋白結合に関する検討(2006年10月20日承認:CTD2.6.4.4)
6) 社内資料:注射用ランソプラゾールの代謝に関する検討(2006年10月20日承認:CTD2.6.4.5)
7) 社内資料:注射用ランソプラゾールの薬物動態試験成績(2006年10月20日承認:CTD2.7.6.3)
8) 社内資料:注射用ランソプラゾールの臨床試験成績①(2006年10月20日承認:CTD2.7.6.21)
9) 社内資料:注射用ランソプラゾールの臨床試験成績②(2006年10月20日承認:CTD2.7.6.23)
10) 社内資料:注射用ランソプラゾールの臨床試験成績③(2006年10月20日承認:CTD2.7.6.25)
11) 社内資料:注射用ランソプラゾールの薬理試験に関するまとめ①(2006年10月20日承認:CTD2.6.2.1)
12) 社内資料:注射用ランソプラゾールの薬理試験に関するまとめ②(2006年10月20日承認:CTD2.6.2.2)
13) 社内資料:注射用ランソプラゾールの薬理試験に関するまとめ③(2006年10月20日承認:CTD2.4.2.1)
14) 社内資料:注射用ランソプラゾールの胃出血抑制作用に関する検討(2006年10月20日承認:CTD2.6.2.2)
15) 社内資料:注射用ランソプラゾールの胃粘膜損傷形成抑制作用に関する検討(2006年10月20日承認:CTD2.6.2.2)
16) 社内資料:注射用ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用に関する検討①(2006年10月20日承認:CTD2.7.6.8)
17) 社内資料:注射用ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用に関する検討②(2006年10月20日承認:CTD2.7.6.9)
18) 社内資料:注射用ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用に関する検討③(2006年10月20日承認:CTD2.7.6.7)
19) 社内資料:注射用ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用に関する検討④(2006年10月20日承認:CTD2.7.6.10)
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