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日本薬局方
プレドニゾロン錠
処方箋医薬品注)
本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される患者についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
通常、成人にはプレドニゾロンとして1日5~60mgを1~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、悪性リンパ腫に用いる場合、抗悪性腫瘍剤との併用において、1日量として100mg/m2(体表面積)まで投与できる。川崎病の急性期に用いる場合、通常、プレドニゾロンとして1日2mg/kg(最大60mg)を3回に分割経口投与する。
免疫機能抑制作用により、症状が増悪することがある。
肉芽組織増殖抑制作用により、潰瘍治癒(組織修復)が障害されるおそれがある。
大脳辺縁系の神経伝達物質に影響を与え、症状が増悪することがある。
症状が増悪することがある。,
眼圧の亢進により、緑内障が増悪することがある。,
電解質代謝作用により、高血圧症が増悪することがある。
電解質代謝作用により、電解質異常が増悪することがある。
血液凝固促進作用により、症状が増悪することがある。
創傷治癒(組織修復)が障害されることがある。
心破裂を起こしたとの報告がある。
免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。
糖新生作用等により血糖が上昇し、糖尿病が増悪するおそれがある。
蛋白異化作用等により、骨粗鬆症が増悪するおそれがある。
血中半減期が延長するとの報告があり、副作用があらわれるおそれがある。
脂肪分解・再分布作用により、肝臓への脂肪沈着が増大し、脂肪肝が増悪するおそれがある。
大量投与により脂肪塞栓症が起こるとの報告があり、症状が増悪するおそれがある。
使用当初、一時症状が増悪するおそれがある。
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
薬物の排泄が遅延するため、体内蓄積による副作用があらわれるおそれがある。
代謝酵素活性の低下等により、副作用があらわれやすい。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット1)、マウス2)、ウサギ3)、ハムスター4))で催奇形作用が報告されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することがある。
長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
機序は不明である。
本剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはCYPを誘導し、本剤の代謝が促進される。
併用時に本剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。
抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は血液凝固促進作用がある。
糖尿病用薬、インスリン製剤等の効果を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を抑制する。
低カリウム血症があらわれることがあるので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
高カルシウム尿症、尿路結石があらわれることがあるので、併用する場合には、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。また、用量に注意すること。
本剤は尿細管でのカルシウムの再吸収阻害、骨吸収促進等により、また、活性型ビタミンD3製剤は腸管からのカルシウム吸収促進により尿中へのカルシウムの排泄を増加させる。
他の副腎皮質ホルモン剤の大量投与で、シクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
副腎皮質ホルモン剤はシクロスポリンの代謝を抑制する。
筋弛緩作用が減弱又は増強するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
腱障害のリスクを増加させるとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。
**本剤の血中濃度を上昇させる可能性があるので、併用する場合には用量に注意すること。
**CYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。,,,,
連用により眼圧上昇、緑内障、後嚢白内障(症状:眼のかすみ)、中心性漿液性網脈絡膜症・多発性後極部網膜色素上皮症(症状:視力の低下、ものがゆがんで見えたり小さく見えたり、視野の中心がゆがんで見えにくくなる。中心性漿液性網脈絡膜症では限局性の網膜剥離がみられ、進行すると広範な網膜剥離を生じる多発性後極部網膜色素上皮症となる。)を来すことがある。,
長期投与を行う場合には、観察を十分に行うこと。
アキレス腱等の腱断裂があらわれることがある。
リンパ系腫瘍を有する患者に投与した場合、腫瘍崩壊症候群があらわれることがある。異常が認められた場合には、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
頻度不明
過敏症
発疹
内分泌系
月経異常、クッシング症候群様症状
消化器
下痢、悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇、食欲不振、食欲亢進、腸管嚢胞様気腫症
循環器
血圧上昇、徐脈
呼吸器
縦隔気腫
精神神経系
多幸症、不眠、頭痛、めまい、易刺激性
筋・骨格
筋肉痛、関節痛
脂質・蛋白質代謝
**満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡
**肝臓
**肝機能障害(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇)、脂肪肝
体液・電解質
浮腫、低カリウム性アルカローシス
眼
網膜障害、眼球突出
血液
白血球増多
皮膚
ざ瘡、多毛、脱毛、色素沈着、皮下溢血、紫斑、線条、そう痒、発汗異常、顔面紅斑、脂肪織炎
その他
発熱、疲労感、ステロイド腎症、体重増加、精子数及びその運動性の増減、尿路結石、創傷治癒障害、皮膚・結合組織の菲薄化・脆弱化
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチン(種痘等)を接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告がある。
健康成人、慢性肝疾患患者及び慢性腎不全患者に、プレドニゾロン1mgをエタノール0.25mLで溶解し、生理食塩液30mLを加えて単回静注したときのプレドニゾロンの薬物動態パラメータを表に示す5)。,
対象
例数
T1/2(hr)
MCR注1(L/day・m2)
健康成人
16
2.5±0.7
75±25
慢性肝疾患患者
20
3.0±0.7
61±14
慢性腎不全患者
3.7±1.2注2
47±22注2
注1:metabolic clearance rate
注2:健康成人と有意差ありp<0.01(t検定)
(測定法:RIA)(平均値±標準偏差)
健康成人と高齢者にプレドニゾン※0.8mg/kgを単回経口投与したときのプレドニゾロンの薬物動態パラメータを表に示す6)(外国人データ)。※:プレドニゾンは主として肝で急速にプレドニゾロンに変換され活性型となる7)。
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
CL(mL/min・kg)
19
0.648±0.115
1.283±0.700
2.74±0.39
高齢者
12
0.735±0.089注
1.100±0.800
2.04±0.28注
注:健康成人と有意差ありp<0.01(t検定)
(測定法:HPLC)(平均値±標準偏差)
血漿蛋白結合率:90~95%8)
プレドニゾロンの一部はC-6位が代謝され6β-水酸化体になる9)。その主な代謝酵素はCYP3A4である11),12),13)。
慢性肝疾患患者及び肝結紮患者のCmax及びTmaxは健康成人と有意な変化を認めなかった。プレドニゾロン内服時の初回通過効果は臨床上重要ではないことが示唆された14)(外国人データ)。
健康成人2例に14C-標識プレドニゾロンを経口投与したとき、7日間で総放射活性の42~75%が尿中に排泄された9)。
ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。炎症制御機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP-1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制し、2量体の受容体と結合した場合は、リポコルチン等の誘導を介すると考えられている15)。一方、免疫抑制機序は多彩である。リンパ組織からTリンパ球の遊出を抑制すると共に、その増殖や活性化に係るIL-2の産生を抑制し、更にアポトーシスを促進すること等により血中Tリンパ球数を低下させ細胞性免疫を障害する。また、好中球の遊走能及び貪食能を障害すると共に、マクロファージの貪食・殺菌能障害、TNF-α、IL-1などの炎症性サイトカイン産生抑制及びリンパ球への抗原提示能障害により液性及び細胞性免疫に影響する。更に、血中Bリンパ球数を低下させ、長期間使用時には免疫グロブリン産生量を低下させる。これら以外にも、好酸球や好塩基球、肥満細胞等にも影響する16)。
プレドニゾロンは合成糖質副腎皮質ホルモンで、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用のほか、広範囲にわたる代謝作用を有する17)。
プレドニゾロン(Prednisolone)
11β,17,21-Trihydroxypregna-1,4-diene-3,20-dione
C21H28O5
360.44
白色の結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、酢酸エチルに溶けにくく、水に極めて溶けにくい。結晶多形が認められる。
100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、500錠[ガラス瓶、バラ]
100g[ガラス瓶]
1) Momma K. et al.:Pediatr Res. 1981;15:19-21
2) Pinsky L. et al.:Science. 1965;147:402-403
3) Walker B.E.:Proc Soc Exp Biol Med. 1967;125:1281-1284
4) Shah R.M. et al.:J Embryol Exp Morph. 1976;36:101-108
5) Kawai S. et al.:J Clin Endocrinol Metab. 1985;60:848-854
6) Stuck A.E. et al.:Clin Pharmacol Ther. 1988;43:354-362
7) プレドニゾンの知見について(プレドニン錠、プレドニゾロン錠(旭化成)、プレドニゾロン錠/散「タケダ」:2011年9月16日承認、審査報告書)
8) グッドマン・ギルマン薬理書(第12版). 廣川書店;2013:2538
9) 中川卓雄:J Kyoto Pref Univ Med. 1972;81:145-159
10) Vermeulen A.:J Endocrinol. 1959;18:278-291
11) 千葉 寛:治療. 1994;76:2214-2220
12) 宮崎達男:ステロイドホルモン(清水直容編). 中外医学社;1988:48-54
13) 林 瑤子 他:岡山医学会雑誌. 2014;126:59-63
14) Bergrem H. et al.:Scand J Gastroenterol. 1983;18:273-276
15) 片山一朗:アレルギー. 2006;55:1279-1283
16) 藤井 毅:一冊できわめるステロイド診療ガイド(田中廣壽 他編). 文光堂;2015:160-164
17) プレドニゾロンの概要(プレドニン錠、プレドニゾロン錠(旭化成)、プレドニゾロン錠/散「タケダ」:2011年9月16日承認、審査報告書)
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