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日本薬局方
ピオグリタゾン塩酸塩・グリメピリド錠
劇薬
処方箋医薬品注)
重篤かつ遷延性の低血糖症を起こすことがある。用法及び用量、使用上の注意に特に留意すること。,
2型糖尿病ただし、ピオグリタゾン塩酸塩及びグリメピリドの併用による治療が適切と判断される場合に限る。
通常、成人には1日1回1錠(ピオグリタゾン/グリメピリドとして15mg/1mg又は30mg/3mg)を朝食前又は朝食後に経口投与する。
循環血漿量の増加により心不全を発症させるおそれがある。,,
投与しないこと。低血糖を起こすおそれがある。,
低血糖を起こすおそれがある。
投与しないこと。低血糖を起こすおそれがある。また、ピオグリタゾンは主に肝臓で代謝されるため、重篤な肝機能障害のある患者では蓄積するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ピオグリタゾンについては、ラット器官形成期投与試験では、40mg/kg以上の群で胚・胎児死亡率の高値、出生児の生存率の低値が、ウサギ器官形成期投与試験では、160mg/kg群で親動物の死亡又は流産がそれぞれ1例、胚・胎児死亡率の高値がみられている。また、スルホニルウレア剤は胎盤を通過することが報告されており、新生児の低血糖、巨大児が認められている。グリメピリドの動物試験(ラット、ウサギ)では催奇形作用が報告されている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。授乳を継続する場合、児の低血糖の症状について観察を十分に行うこと。ピオグリタゾン1)及びスルホニルウレア剤でラット乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、低血糖があらわれやすい。,
糖尿病用薬
糖尿病用薬の血糖降下作用を増強する薬剤
低血糖を発現するおそれがあるので、血糖値等の患者の状態を十分に観察しながら、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断薬と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
併用時には、血糖降下作用の増強により、低血糖のリスクが増加するおそれがある。
糖尿病用薬の血糖降下作用を減弱する薬剤
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがあるので、併用する場合には、血糖値等の患者の状態を十分に観察しながら投与すること。
血糖降下作用の減弱による。
リファンピシン等のCYP2C8を誘導する薬剤
リファンピシンと併用するとピオグリタゾンのAUCが54%低下するとの報告があるので、リファンピシンと併用する場合は血糖管理状況を十分に観察し、必要な場合には本剤を増量すること。
CYP2C8を誘導することにより、ピオグリタゾンの代謝が促進されると考えられる。
心不全が増悪あるいは発症することがあるので、浮腫、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)がみられた場合には投与を中止し、ループ利尿剤等を投与するなど適切な処置を行うこと。特に心不全発症のおそれのある心疾患の患者には注意すること。,,
初期症状として脱力感、高度の空腹感、発汗等があらわれることがある。なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意すること。また、本剤の投与により低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。なお、低血糖症状が認められた場合、本剤あるいは併用している糖尿病用薬を一時的に中止するかあるいは減量するなど慎重に投与すること。また、低血糖は投与中止後、臨床的にいったん回復したと思われる場合でも数日間は再発することがある。,,,,,,,,,,,,,,,,,,
循環血漿量の増加によると考えられる浮腫があらわれることがある。減量あるいは中止によっても症状が改善しない場合には、必要に応じてループ利尿剤(フロセミド等)の投与等を考慮すること。ピオグリタゾンによる浮腫の発現頻度は、糖尿病性網膜症合併例で10.4%(44/422例)、糖尿病性神経障害合併例で11.4%(39/342例)、糖尿病性腎症合併例で10.6%(30/282例)であり、糖尿病性合併症発症例は非発症例に比べ高い傾向にある。これらの症例にあっては浮腫の発現に特に留意すること。,,,,
AST、ALT、Al-P等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血があらわれることが他のスルホニルウレア剤で報告されている。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
血液注1)
貧血、白血球減少、血小板減少
循環器
血圧上昇、心胸比増大注2)、心電図異常注2)、動悸、胸部圧迫感、顔面潮紅
過敏症
発疹、湿疹、そう痒
消化器
悪心・嘔吐、胃部不快感、胸やけ、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、食欲亢進、食欲不振
肝臓
AST、ALT、Al-P、γ-GTPの上昇
精神神経系
めまい、ふらつき、頭痛、眠気、倦怠感、脱力感、しびれ
その他
LDH及びCKの上昇
BUN及びカリウムの上昇、総蛋白及びカルシウムの低下、体重及び尿蛋白の増加、息切れ
関節痛、ふるえ、急激な血糖下降に伴う糖尿病性網膜症の悪化
骨折注3)、糖尿病性黄斑浮腫の発症又は増悪注4)
血液
白血球減少、貧血
AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇
腎臓
BUNの上昇
嘔気、嘔吐、心窩部痛、下痢、便秘、腹部膨満感、腹痛
発疹、そう痒感、光線過敏症
めまい、頭痛
電解質異常(血清カリウム上昇、ナトリウム低下等)、倦怠感、CKの上昇、浮腫、脱毛、一過性視力障害、味覚異常
低血糖が起こることがある。
ブドウ糖(5~15g)又は10~30gの砂糖の入った吸収の良いジュース、キャンディなどを摂取させる。
ブドウ糖液(50% 20mL)を静注し、必要に応じて5%ブドウ糖液点滴により血糖値の維持を図る。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人(71例)に対し、ピオグリタゾン/グリメピリドとして30mg/3mg配合錠とピオグリタゾンとして30mgとグリメピリド3mg(単剤併用投与)をクロスオーバー法により1日1回絶食下で単回経口投与した時のピオグリタゾン未変化体、グリメピリド未変化体の血漿中濃度推移は下図のとおりであり、生物学的同等性が認められた9)。
配合錠投与時のピオグリタゾン未変化体、活性代謝物(M-Ⅱ~Ⅳ)及びグリメピリド未変化体の薬物動態学的パラメータは下表のとおりであった。
測定物質
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
AUC0-inf(ng・h/mL)
T1/2(h)
ピオグリタゾン
1,183.2±364.4
2.6±1.4
11,842.2±3,607.7
8.9±9.3
M-Ⅱ
37.3±15.4
6.8±2.2
1,075.1±465.4
15.5±9.2
M-Ⅲ
254.4±84.9
12.6±4.8
12,757.7±4,104.0
28.3±10.2
M-Ⅳ
508.3±136.9
13.3±6.3
28,422.2±6,984.2
27.3±9.0
グリメピリド
222.5±64.7
2.2±0.7
1,269.7±426.1
7.5±5.5
(平均値±標準偏差)
なお、Wistar fattyラットで調べた血糖低下作用において、ピオグリタゾンの代謝物M-Ⅱ~Ⅳの活性は未変化体より弱い。
健康成人(24例)を対象としたクロスオーバー試験で、ピオグリタゾン/グリメピリドとして45mg/4mg注)配合錠を高脂肪食摂取開始の約30分後に投与した時、絶食下投与と比較してピオグリタゾン未変化体のAUC及びCmax、グリメピリド未変化体のAUCのそれぞれの幾何平均比(高脂肪食摂取後投与/絶食下投与)90%信頼区間は0.8~1.25の範囲内であったが、グリメピリド未変化体のCmaxの幾何平均比(高脂肪食摂取後投与/絶食下投与)90%信頼区間は1.12~1.33であった10)(外国人データ)。注)本剤の承認最大用量はピオグリタゾン/グリメピリドとして30mg/3mgである。
[14C]ピオグリタゾンをヒトの血清、4%ヒト血清アルブミン溶液に添加した時の蛋白結合率は、いずれも98%以上であった1)(in vitro)。
2型糖尿病患者(31例/群)を対象に1日1回グリメピリド1mg又は3mgの4週間反復投与時と1日1回ピオグリタゾン/グリメピリドとして15mg/1mg又は30mg/3mg配合錠の2週間反復投与時のグリメピリド血漿中トラフ濃度を比較したところ、ピオグリタゾンはグリメピリドの薬物動態に影響を与えないと考えられた17)。
グリメピリド単独投与時
配合錠投与時
1mg投与
7.01±19.71
15mg/1mg錠投与
6.18±19.87
3mg投与
18.07±46.87
30mg/3mg錠投与
13.22±27.90
グリメピリド使用中の2型糖尿病患者を対象に、グリメピリドに代えて1日1回ピオグリタゾン/グリメピリドとして15mg/1mg配合錠(31例)又は30mg/3mg配合錠(31例)を朝食前又は朝食後に8週間経口投与した結果、HbA1c及び空腹時血糖値の投与前からの変化量は、両群ともに有意な差が認められた17)。
HbA1c(JDS値)
空腹時血糖値
投与前値(%)
変化量(%)
一標本t検定
投与前値(mg/dL)
変化量(mg/dL)
15mg/1mg錠投与群
7.96±0.76
-0.59±0.56
p<0.0001
166.0±30.2
-12.5±21.7
p=0.0032
30mg/3mg錠投与群
8.41±0.68
-0.55±0.64
190.8±36.9
-29.1±35.4
臨床検査値の異常を含む副作用が、両群合わせた62例中15例(24.2%)に認められている。主な副作用は浮腫、体重増加であった。
ピオグリタゾン塩酸塩(Pioglitazone Hydrochloride)
(5RS)-5-{4-[2-(5-Ethylpyridin-2-yl)ethoxy]benzyl}thiazolidine-2,4-dione monohydrochloride
C19H20N2O3S・HCl
392.90
白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミド又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。N,N-ジメチルホルムアミド溶液(1→20)は旋光性を示さない。
グリメピリド(Glimepiride)
1-(4-{2-[(3-Ethyl-4-methyl-2-oxo-3-pyrroline-1-carbonyl)amino]ethyl}phenylsulfonyl)-3-(trans-4-methylcyclohexyl)urea
C24H34N4O5S
490.62
白色の結晶性の粉末である。ジクロロメタンに溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
1) 前芝良宏 他:薬理と治療. 1996;24:2597-2617
2) **NDBを用いた調査結果の概要(ピオグリタゾン塩酸塩による骨折発現のリスク評価):https://www.pmda.go.jp/files/000279371.pdf
3) Lewis J.D. et al.:JAMA. 2015;314:265-277
4) Korhonen P. et al.:BMJ. 2016;354:i3903
5) Azoulay L. et al.:BMJ. 2012;344:e3645
6) Hsiao F.Y. et al.:Drug Safety. 2013;36:643-649
7) Saez E. et al.:Nature Medicine. 1998;4:1058-1061
8) Lefebvre A.M. et al.:Nature Medicine. 1998;4:1053-1057
9) 社内資料:ピオグリタゾン/グリメピリド配合剤薬物動態試験成績①
10) 社内資料:ピオグリタゾン/グリメピリド配合剤薬物動態試験成績②
11) 社内資料:ピオグリタゾンのヒトP450分子種発現系ミクロゾームによる代謝に関する試験
12) 社内資料:ピオグリタゾンのチトクロームP450(CYP)に対する影響に関する試験
13) Niemi M. et al.:Clin.Pharmacol.Ther. 2002;72:326-332
14) Yamazaki H. et al.:Arzneimittelforschung. 1993;43:1317-1321
15) 東 純一 他:臨牀と研究. 1997;74:1627-1637
16) 中島光好 他:臨床医薬. 1993;9:503-522
17) 社内資料:ピオグリタゾン/グリメピリド配合剤臨床試験成績
18) 池田 衡 他:薬理と治療. 1997;25:337-343
19) Sugiyama Y. et al.:Arzneimittelforschung. 1990;40:263-267
20) Sugiyama Y. et al.:Arzneimittelforschung. 1990;40:436-440
21) Hayakawa T. et al.:Biochem.Biophys.Res.Commun. 1996;223:439-444
22) Murase K. et al.:Diabetologia. 1998;41:257-264
23) 兼子俊男 他:臨牀と研究. 1997;74:1515-1539
24) 中島光好 他:臨床医薬. 1993;9:535-548
25) Geisen K.:Arzneimittelforschung. 1988;38:1120-1130
26) 久保田昌詞 他:糖尿病. 1995;38:447-453
27) 久保田昌詞 他:糖尿病. 1992;35(Suppl.1):204
28) Müller G. et al.:Diabetes Res.Clin.Pract. 1995;28:S115-S137
29) Müller G. et al.:Diabetes. 1993;42:1852-1867
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