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日本薬局方
レボフロキサシン点眼液
処方箋医薬品注)
眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法
本剤におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する有効性は証明されていないので、MRSAによる感染症が明らかであり、臨床症状の改善が認められない場合、速やかに抗MRSA作用の強い薬剤を投与すること。
通常、1回1滴、1日3回点眼する。なお、症状により適宜増減する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼浮腫等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
1%未満
頻度不明
眼
眼刺激、結膜炎、眼のそう痒感
びまん性表層角膜炎等の角膜障害、眼痛、眼瞼炎
皮膚
蕁麻疹、発疹、そう痒
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
健康成人男性(10例)の片眼に0.5%レボフロキサシン点眼液を1回2滴、1日4回、2週間連続点眼したとき、最終日の点眼1時間後の血中濃度は定量下限値(0.01μg/mL)未満であった1) 。
レボフロキサシン点眼液0.5%「科研」とクラビット点眼液0.5%について、ウサギの左眼にはレボフロキサシン点眼液0.5%「科研」を、右眼にはクラビット点眼液0.5%をそれぞれ50μL(レボフロキサシン水和物として0.25mg)点眼し、房水中のレボフロキサシン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された5) 。
外眼部細菌感染症患者252例(有効性解析対象181例)を対象に、0.3%注1) 、0.5%レボフロキサシン点眼液又は0.3%オフロキサシン点眼液を1回1滴、1日3回、原則3日以上(症状消失後2日まで、通算14日間まで)点眼した結果、有効率※は0.3%レボフロキサシン点眼液群90.6%、(58/64例)、0.5%レボフロキサシン点眼液群92.2%(59/64例)、0.3%オフロキサシン点眼液群90.6%、(48/53例)であり、3群間に有意差は認められなかった。また、0.5%レボフロキサシン点眼液群の疾患別及び2例以上の株数の見られた菌種における有効菌種別臨床効果は表1及び表2のとおりであった。0.5%レボフロキサシン点眼液群に副作用は認められなかった6) 。※日本眼感染症学会制定の評価判定基準(1985年改訂、1988、1993年一部追加)に準拠し評価。
疾患名
有効率※(%)〔有効以上〕
眼瞼炎
100.0(3/3)
涙嚢炎
85.7(6/7)
麦粒腫
87.5(7/8)
結膜炎
90.2(37/41)
瞼板腺炎
100.0(4/4)
角膜炎(角膜潰瘍を含む)
※複数の疾患を合併している場合は各々の疾患に1例として算入表2 有効菌種別臨床効果
菌種
ブドウ球菌属
93.3(28/30)
肺炎球菌
腸球菌属
100.0(2/2)
コリネバクテリウム属
アクネ菌
※複数の菌種が検出された場合は各々の菌種に1例として算入
外眼部細菌感染症患者366例(有効性解析対象287例)を対象に、0.5%レボフロキサシン点眼液又は0.3%オフロキサシン点眼液を1回1滴、1日3回、原則3日以上(症状消失後2日まで、通算14日間まで)点眼した結果、0.5%レボフロキサシン点眼液群の有効率※は97.2%(140/144例)であり、0.3%オフロキサシン点眼液群の88.1%、(126/143例)と比較し、有意に優れた臨床効果が認められた。また、0.5%レボフロキサシン点眼液群の疾患別及び有効菌種別臨床効果は表3及び表4のとおりであった。副作用は0.5%レボフロキサシン点眼液群176例中5例(2.8%)に認められ、主な副作用はしみる及びそう痒感1.1%(2/176例)であった7) 。※日本眼感染症学会制定の評価判定基準(1985年改訂、1988、1993年一部追加)に準拠し評価。表3 疾患別臨床効果
100.0(7/7)
100.0(12/12)
95.8(23/24)
97.1(102/105)
100.0(11/11)
※複数の疾患を合併している場合は各々の疾患に1例として算入表4 有効菌種別臨床効果
98.7(77/78)
レンサ球菌属
100.0(10/10)
100.0(9/9)
ミクロコッカス属
モラクセラ属
85.7(12/14)
クレブシエラ属
100.0(5/5)
エンテロバクター属
セラチア属
プロテウス属
100.0(1/1)
モルガネラ・モルガニー
インフルエンザ菌
シュードモナス属
緑膿菌
ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア
アシネトバクター属
92.9(13/14)
外眼部細菌感染症患者152例(有効性解析対象115例)を対象に、0.5%レボフロキサシン点眼液を1回1滴、1日3回、原則3日以上(症状消失後2日まで、通算14日間まで)点眼した結果、有効率※は84.3%(97/115例)であった。また、疾患別及び有効菌種別臨床効果は表5及び表6のとおりであった。副作用は145例中3例(2.1%)に認められ、主な副作用はしみる1.4%(2/145例)であった8) 。※日本眼感染症学会制定の評価判定基準(1985年改訂、1988、1993年一部追加)に準拠し評価。表5 疾患別臨床効果
80.0(4/5)
76.9(10/13)
83.8(57/68)
90.0(9/10)
90.5(19/21)
※複数の疾患を合併している場合は各々の疾患に1例として算入表6 有効菌種別臨床効果
83.1(49/59)
88.9(8/9)
50.0(1/2)
83.3(10/12)
66.7(2/3)
83.3(5/6)
95.5(21/22)
眼手術予定患者を対象に、0.5%レボフロキサシン点眼液を1回1滴、1日5回注2) 、手術前2日間点眼した結果、無菌化率は70.0%(35/50例)であった。副作用は認められなかった9) 。
主な作用機序はDNAジャイレース(トポイソメラーゼⅡ)活性及びトポイソメラーゼⅣ活性の阻害による細菌のDNA合成阻害である。DNAジャイレース(トポイソメラーゼⅡ)活性とトポイソメラーゼⅣ活性のどちらを強く阻害するかは細菌によって異なる10),11),12),13),14),15) 。
レボフロキサシン水和物の抗菌スペクトラムは広範囲に及び、レボフロキサシン水和物はブドウ球菌属、肺炎球菌を含むレンサ球菌属、ミクロコッカス属、腸球菌属、コリネバクテリウム属等のグラム陽性菌及び緑膿菌を含むシュードモナス属、インフルエンザ菌、モラクセラ属、セラチア属、クレブシエラ属、プロテウス属、アシネトバクター属、エンテロバクター属等のグラム陰性菌並びに嫌気性菌であるアクネ菌等の眼感染症の起炎菌に対し、強い抗菌力を示す16) (in vitro)。レボフロキサシン水和物は、ラセミ体であるオフロキサシンの一方の光学活性体(左旋体)であり、オフロキサシンの約2倍の抗菌活性を有する。
緑膿菌性角膜潰瘍のウサギ感染症モデルを用い、菌接種30分後から0.5%レボフロキサシン点眼液を1回約50μL、2時間間隔で1日6回、3日間点眼した結果、角膜混濁は認められず、0.5%レボフロキサシン点眼液は有意な予防効果を示した17) 。
レボフロキサシン点眼液0.5%「科研」とクラビット点眼液0.5%について、右眼に緑膿菌を接種したウサギに対し、菌接種6時間後から、1回50μL(レボフロキサシン水和物として0.25mg)、1日6回、3日間点眼し、感染症による角膜混濁のスコア判定を行ったところ、プラセボ(生理食塩液)と比較して両剤とも同様の有意な治療効果が認められた。また、統計解析を行った結果、両剤の治療効果に有意差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された5) 。
レボフロキサシン水和物(Levofloxacin Hydrate)
(3S)-9-Fluoro-3-methyl-10-(4-methylpiperazin-1-yl)-7-oxo-2,3-dihydro-7H-pyrido[1,2,3-de][1,4]benzoxazine-6-carboxylic acid hemihydrate
C18H20FN3O4・1/2H2O
370.38
淡黄白色〜黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、水又はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液に溶ける。光によって徐々に暗淡黄白色になる。
約226℃(分解)
外箱開封後は、遮光して保存すること。
プラスチック点眼容器 5mL×10本、5mL×50本
1) 薄井紀夫他: 眼科臨床医報. 1995; 89: 917-919
2) 伊吹肇他: あたらしい眼科. 1997; 14: 1100-1104
3) 伊吹肇他: 薬物動態. 1997; 12: 281-288
4) 伊吹肇他: あたらしい眼科. 1993; 10: 2071-2074
5) 社内資料: 生物学的同等性試験(レボフロキサシン点眼液0.5%「科研」)
6) 臼井正彦: あたらしい眼科. 1997: 14: 299-307
7) 臼井正彦: あたらしい眼科. 1997; 14: 641-648
8) 臼井正彦: あたらしい眼科. 1997; 14: 1113-1118
9) 臼井正彦: あたらしい眼科. 1997; 14: 953-956
10) Kato J, et al.: Cell 1990; 63: 393-404
11) Hoshino K, et al.: Antimicrob. Agents Chemother. 1994; 38: 2623-2627
12) Akasaka T, et al.: Antimicrob. Agents Chemother. 2001; 45: 2263-2268
13) Tanaka M, et al.: Antimicrob. Agents Chemother. 1997; 41: 2362-2366
14) Onodera Y, et al.: J. Antimicrob. Chemother. 1999; 44: 533-536
15) Onodera Y, et al.: Antimicrob. Agents Chemother. 2002; 46: 1800-1804
16) 外眼部感染症からの新鮮臨床分離株に対する抗菌力(クラビット点眼液: 2000年1月18日承認、申請資料概要ホ.1.(2))
17) 柏瀬光寿他: あたらしい眼科. 1996; 13: 249-253
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