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日本薬局方
ゾニサミド錠
劇薬
処方箋医薬品注)
部分てんかんおよび全般てんかんの下記発作型
ゾニサミドとして、通常、成人は最初1日100~200mgを1~3回に分割経口投与する。以後1~2週ごとに増量して通常1日量200~400mgまで漸増し、1~3回に分割経口投与する。なお、最高1日量は600mgまでとする。小児に対しては、通常、最初1日2~4mg/kgを1~3回に分割経口投与する。以後1~2週ごとに増量して通常1日量4~8mg/kgまで漸増し、1~3回に分割経口投与する。なお、最高1日量は12mg/kgまでとする。
連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。
血中濃度が上昇するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を投与された患者が心室中隔欠損、心房中隔欠損等を有する児を出産したとの報告があり、動物実験(マウス、ラット、イヌ、サル)で流産、催奇形作用(口蓋裂、心室中隔欠損等)が報告されている。また、妊娠中に本剤を投与された患者の児に呼吸障害があらわれたとの報告がある。
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中への移行が報告されている。
抗てんかん剤
併用中の他の抗てんかん剤を減量又は中止する場合には、本剤の血中濃度が上昇することがある。
フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタールではCYPが誘導され、本剤の血中濃度が低下することが示唆されている。
フェニトイン
眼振、構音障害、運動失調等のフェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、できるだけ血中濃度を測定し、減量するなど適切な処置を行うこと。
本剤によりフェニトインの代謝が抑制され、血中濃度が上昇することが示唆されている。
三環系抗うつ剤
四環系抗うつ剤
MAO-B阻害作用を有するセレギリン(パーキンソン病治療薬)において、三環系抗うつ剤との併用により、高血圧、失神、不全収縮、発汗、てんかん、動作・精神障害の変化及び筋強剛といった副作用があらわれ、更に死亡例も報告されている。
相加・相乗作用によると考えられる。
発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
腎疝痛、排尿痛、血尿、結晶尿、頻尿、残尿感、乏尿等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
発汗減少があらわれ、体温が上昇し、熱中症をきたすことがある。発汗減少、体温上昇、顔面潮紅、意識障害等がみられた場合には、減量又は中止し、体冷却など適切な処置を行うこと。,
投与中又は投与中止後に悪性症候群があらわれることがある。発熱、意識障害、無動無言、高度の筋硬直、不随意運動、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、血清CKの上昇等があらわれた場合には、体冷却、水分補給等の全身管理、及び再投与後に漸減するなど適切な処置を行うこと。なお、本症発症時には、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹・そう痒感
皮膚
多形紅斑、脱毛
精神神経系
眠気(24.3%)、運動失調(12.7%)、無気力・自発性低下、精神活動緩慢化
記銘・判断力低下、易刺激性・焦燥、抑うつ・不安・心気、頭痛・頭重、不随意運動・振戦、感覚異常、眩暈、構音障害
精神病様症状、幻覚・妄想状態、幻視・幻聴、被害念慮、離人症、意識障害、平衡障害
行動異常、不機嫌、睡眠障害、しびれ感
眼
複視・視覚異常、眼振
眼痛
消化器
食欲不振(11.0%)、悪心・嘔吐
胃痛・腹痛、流涎、下痢
口渇、便秘
口内炎、しゃっくり
血液
白血球減少
貧血、血小板減少
好酸球増多、顆粒球減少
腎・泌尿器
排尿障害・失禁、蛋白尿
頻尿、血尿、結晶尿、BUN上昇、クレアチニン上昇
その他
倦怠・脱力感、体重減少、ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇
発熱、発汗減少、胸部圧迫感、浮腫
動悸、味覚異常、喘鳴、乳腺腫脹、代謝性アシドーシス・尿細管性アシドーシス、高アンモニア血症、CK上昇、免疫グロブリン低下(IgA、IgG等)、抗核抗体の陽性例、血清カルシウム低下
昏睡状態、ミオクローヌス、眼振等の症状があらわれる。
特異的解毒剤は知られていない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
Tmax(h)
Cmax(μg/mL)
t1/2(h)
5.3±1.3
2.9±0.3
62.9±1.4
平均値±標準誤差
48.6%(in vitro、ヒト血清、限外ろ過法)2)
ゾニサミドは主として肝臓で代謝され、イソキサゾール環開裂体を生成した後、グルクロン酸抱合等を受ける1)。
主としてCYP3A3)
主として尿中
経口投与後2週間における尿中排泄率は、未変化体として28.9~47.8%、主代謝物(イソキサゾール環開裂体のグルクロン酸抱合体)として12.4~18.7%であった。これらは投与量の47.6~60.2%であった1)(健康成人、200mg 1回、200mg/日又は400mg/日2日間投与)。
クレアチニンクリアランス(mL/min)
CLr(mL/min)
Ae(%)
>60
3.3
3.64
58
3.42
16.8
20~60
4.3
3.73
2.50
11.9
<20
2.9
4.08
63
2.23
13.3
CLr:腎クリアランスAe:尿中排泄率(投与後8日間までに尿中に排泄されたゾニサミドの用量に対する百分率)
腎クリアランス及び尿中排泄率で正常腎機能患者との間に差が認められた。
てんかんの重症度や症例によって違いはあるが、一般に20μg/mL前後が目安として示されている5)。
二重盲検比較試験6)及び比較試験7)を含む総計965例についての臨床成績は次のとおりである。
対象疾患
改善率
部分てんかん
単独投与例
77%(47/61)
他剤併用の難治例
39%(239/620)
原発性全般てんかん
73%(8/11)
38%(12/32)
続発性全般てんかん
40%(4/10)
23%(54/231)
本剤の作用機序については、まだ完全に解明されてはいないが、発作活動の伝播過程の遮断、てんかん原性焦点の抑制等が示唆されている8),9)。
最大電撃けいれん(マウス、ラット、ウサギ、イヌ)及びペンテトラゾール誘発けいれん(マウス)の強直性伸展相をフェニトインやカルバマゼピンと同様に選択的に抑制する8),10)。
電気刺激誘発皮質限局けいれんや抱合エストロゲン皮質適用による棘徐波結合等のけいれん脳波に対して強い抑制作用を示す9),11)(ネコ)。また、タングステン酸ゲル皮質適用(ラット)や皮質凍結(ネコ)による棘波活性及び二次性全般けいれんに対して強い抑制作用を示す9)。
皮質又は海馬の反復電気刺激によるキンドリング形成後のけいれん脳波に対して抑制作用を示す12)(ラット)。
ゾニサミド(Zonisamide)
1,2-Benzisoxazol-3-ylmethanesulfonamide
C8H8N2O3S
212.23
白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。アセトン又はテトラヒドロフランに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
164~168℃
1.04(クロロホルム/水系溶媒、pH7.04、室温)
100錠[10錠(PTP)×10]1,000錠[10錠(PTP)×100]500錠[瓶、バラ]
100g[瓶、バラ]500g[瓶、バラ]
1) Ito T., et al.: Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1982; 32: 1581-1586
2) Matsumoto K., et al.: Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1983; 33: 961-968
3) Nakasa H., et al.: Mol. Pharmacol. 1993; 44: 216-221
4) 社内資料: ゾニサミドの腎機能障害患者における薬物動態
5) 河合逸雄: 老化と疾患. 1990; 3: 833-838
6) 清野昌一ほか: 医学のあゆみ. 1988; 144: 275-291
7) 小国弘量ほか: 小児科臨床. 1988; 41: 439-450
8) Masuda Y., et al.: J. Pharm. Dyn. 1980; 3: 526-531
9) Ito T., et al.: Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1980; 30: 603-609
10) Masuda Y., et al.: Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1980; 30: 477-483
11) Ito T., et al.: Epilepsia. 1986; 27: 367-374
12) Kamei C., et al.: Arch. Int. Pharmacodyn. Ther. 1981; 249: 164-176
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