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向精神薬(第三種向精神薬)
習慣性医薬品注)
処方箋医薬品注)
他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかんの下記発作型における抗てんかん薬との併用
通常、成人にはクロバザムとして1日10mgの経口投与より開始し、症状に応じて徐々に増量する。維持量は1日10〜30mgを1〜3回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する(最高1日量は40mgまでとする)。小児に対しては、通常クロバザムとして1日0.2mg/kgの経口投与より開始し、症状に応じて徐々に増量する。維持量は1日0.2〜0.8mg/kgを1〜3回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する(最高1日量は1.0mg/kgまでとする)。
本剤は他の抗てんかん薬と併用して使用すること。(本剤単独での使用経験が少ない。)
心障害が悪化するおそれがある。
作用が強くあらわれる。
呼吸抑制作用が増強されることがある。
薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。一般に排泄が遅延する傾向がある。
授乳を避けさせること。ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠、体重減少、肝障害等を起こすことが報告されている。また、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、クロナゼパム)で新生児に無呼吸、嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、新生児の黄疸を増強する可能性がある。
中枢抑制薬
相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
本剤及びこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による。
アルコール
併用により本剤の血中濃度の上昇がみられ、相互に作用が増強したとの報告がある。
中枢神経抑制作用による。
フェニトイン
本剤の血中未変化体濃度が低下することがある。また、フェニトインの血中濃度を上昇させることがあるので、眼振等が認められた場合には、フェニトインを減量するなど適切な処置を行うこと。
本剤の血中未変化体濃度の低下は、フェニトインがCYP3A4を誘導することによると考えられる。フェニトインの血中濃度上昇の機序は不明である。
フェノバルビタールカルバマゼピン
本剤の血中未変化体濃度が低下することがある。また、これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある。
本剤の血中未変化体濃度の低下は、これらの薬剤がCYP3A4を誘導することによると考えられる。これらの薬剤の血中濃度上昇の機序は不明である。
バルプロ酸
本剤の血中未変化体濃度が低下することがある。また、バルプロ酸の血中濃度を上昇させることがある。
バルプロ酸により、本剤の血漿蛋白結合率が低下することによると考えられる。バルプロ酸の血中濃度上昇の機序は不明である。
スチリペントール
本剤及び活性代謝物の血中濃度が上昇することがある。
スチリペントールがCYP3A4及びCYP2C19を阻害することによると考えられる。
シメチジン
併用により本剤の血中消失半減期が遅延し、AUCが増大することがある。
シメチジンが本剤の肝薬物代謝酵素を阻害することによると考えられる。
CYP3A4を阻害する薬剤
本剤の血中濃度が上昇することが予測される。
これらの薬剤がCYP3A4による薬物代謝を抑制することによると考えられる。
主にCYP3A4によって代謝される薬剤
主にCYP3A4によって代謝される薬剤及び本剤の血中濃度が上昇することが予測される。
本剤はin vitro試験で主にCYP3A4で代謝され、これらの薬剤との間で互いに代謝を競合的に阻害することが予測される。
CYP2C19を阻害する薬剤
本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇することが予測される。
これらの薬剤がCYP2C19による薬物代謝を阻害することによると考えられる。
主にCYP2D6によって代謝される薬剤
併用によりデキストロメトルファンの血中濃度が上昇するとの報告1)がある。
本剤のCYP2D6阻害作用によると考えられる。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、けいれん発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
精神神経系
眠気・傾眠(38.6%)、ふらつき・めまい(10.9%)
構音障害、無気力、不機嫌、失調、情動不安
ぼんやり感、焦燥、筋緊張低下、易刺激性、行動異常、多動、頭重感、酩酊感、想起力低下、精神活動減退、軽躁状態、発揚状態、浮遊感、気分高揚、注意力低下、活動低下、不眠、意欲低下
妄想、意識障害、振戦、不随意運動、幻覚、不穏、攻撃性
眼
複視
眼振、眼のかすみ、眼痛
呼吸器(注1)
喀痰増加、気道分泌過多、喘鳴
消化器
唾液分泌過多(注1)、食欲不振
嘔気、嘔吐、便秘、胃腸障害、胃部不快感、下痢
嚥下障害(注1)、腹痛
血液
白血球減少、好酸球増加
血小板減少
肝臓
AST・ALT・γ-GTP・ALP上昇等の肝機能検査値異常
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
皮膚
発疹、かゆみ、湿疹
その他
倦怠感
脱力感、体重増加、疲労感、尿失禁、胸痛、肩の重圧感、心窩部痛
転倒(注2)、浮腫、脱毛、発熱、尿閉、女性化乳房
嗜眠、錯乱、失調、呼吸抑制、血圧低下、昏睡等があらわれることがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
ラットに本剤を24カ月間投与したがん原性試験において、雄100mg/kg/日投与で甲状腺濾胞細胞腺腫の発生増加が認められたとの報告がある。
投与量(mg)
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
t1/2(h)
α
β
5
1.4±0.4
68.1±4.3
1.3±0.6
25.3±5.2
10
1.7±0.6
112.5±2.8
1.1±0.6
30.1±7.9
平均値±標準誤差
89.6〜90.6%(in vitro、ヒト血漿、0.05〜5μg/mL、限外ろ過法)3)
N-脱メチルクロバザム(M-9、活性あり)、4'-水酸化-N-脱メチルクロバザム(M-5)、4'-水酸化クロバザム(M-7)2),4),5),6)
主として肝臓でN-脱メチル、5-フェニル基の3'、4'位の水酸化、水酸基のメチル化、N位の抱合化等によって代謝される2),4),5)。
チトクロームP-450分子種
主としてCYP3A4(脱メチル化反応)7)
主としてCYP2C19(水酸化反応)8),9)
尿中、糞便中2),3),4)
尿中排泄率(投与量に対する%)
未変化体
M-5
M-7
M-9
合計
2.7±0.7
14.3±3.6
6.2±1.6
6.8±1.3
30.0±3.9
1.0±0.3
4.8±1.0
9.6±2.8
3.6±0.7
18.9±3.2
被験者
Vd/F(L)
CL/F(L/h)
健康成人(6例)
1.6(50)
350(18)
22(26)
81(25)
2.8(14)
肝炎患者(6例)
3.0(63)
239(29)
47(36)
173(51)
3.3(84)
肝硬変患者(9例)
2.5(44)
240(47)
51(39)
178(40)
2.7(40)
平均値(変動係数%)Vd/F:分布容積、CL/F:クリアランス
年齢
Vd/F(L/kg)
CL/F(mL/min/kg)
高齢者(7例)
63(60-69)
1.6(0.5-2.5)
390(243-710)
48(29-77)
1.4(0.9-1.9)
0.4(0.2-0.6)
非高齢者(8例)
28(20-37)
408(337-485)
17(11-23)
0.9(0.7-1.1)
0.6(0.4-0.8)
平均値(範囲)Vd/F:分布容積、CL/F:クリアランス
二重盲検比較試験を含む有効性解析対象症例325例についての臨床成績は次のとおりである。また、主として部分てんかんを対象とした二重盲検比較試験12)及び全般てんかんを対象とした比較試験13)において本剤の有用性が認められている。
てんかん類型
改善率
成人
小児
部分てんかん
全般てんかん
分類不能てんかん
-
27%(3/11)
発作型
部分発作
全般発作
本剤は、ベンゾジアゼピン受容体に選択的に結合し、GABAニューロンの働きを増強すると考えられている6),14),15)。
薬物(ビククリン、ペンチレンテトラゾール、ベメグリド、ピクロトキシン、イソニアジド、ニコチン及びストリキニーネ)によりマウスに誘発される強直性けいれんをすべて抑制する6)。
マウスの最大電撃けいれんを抑制し、電撃けいれん閾値を上昇させる6)。
扁桃核及び海馬キンドリングラットにおいて、発作ステージの低下作用及び後発射持続時間の短縮作用を示す16)。
聴原性発作マウス17)、光原性発作ヒヒ17)及び自然発症てんかんラット18)のてんかん様発作(間代性けいれん、強直性けいれん、ミオクローヌス等)を抑制する。
マウスにおける協調運動能低下作用は弱く、保護係数(協調運動能低下作用のED50値/抗けいれん作用のED50値の比)は、他のベンゾジアゼピン系抗てんかん薬よりも高い値を示す6),19)。
クロバザム(Clobazam)
7-chloro-1-methyl-5-phenyl-1H-1,5-benzodiazepine-2,4(3H,5H)-dione
C16H13ClN2O2
300.74
白色の結晶性の粉末である。アセトンに溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
182〜185℃
30(1-オクタノール/水系溶媒、pH8.0、25±1℃)
100錠[10錠(PTP)×10]1,000錠[10錠(PTP)×100]500錠[瓶、バラ]
100g[瓶、バラ]
1) Walzer, M., et al. : Pharmacotherapy. 2012; 32: 340-353
2) 社内資料:健康成人における薬物動態の検討(2000年3月10日承認、申請資料概要へ―3)
3) 横山信治ほか:医薬品研究. 1997; 28: 399-420
4) 西本敬史ほか:医薬品研究. 1997; 28: 458-467
5) 西本敬史ほか:医薬品研究. 1997; 28: 421-431
6) 町田幸一ほか:基礎と臨床. 1994; 28: 2593-2612
7) 社内資料:代謝に関与するヒトP-450の分子種の同定(2000年3月10日承認、申請資料概要へ―2)
8) Giraud, C., et al. : Drug Metab. Dispos. 2004; 32: 1279-1286
9) Kosaki, K., et al. : Brain Dev. 2004; 26: 530-534
10) Monjanel-Mouterde, S., et al.:Pharmacol. Toxicol. 1994; 74: 345-350
11) Greenblatt, D. J., et al.:Br. J. Clin. Pharmacol. 1981; 12: 631-636
12) 八木和一ほか:医学のあゆみ. 1995; 174: 229-241
13) 山磨康子ほか:てんかん研究. 1997; 15: 110-121
14) 社内資料:中枢ベンゾジアゼピン受容体に対する結合親和性(2000年3月10日承認、申請資料概要ホ-1)
15) 社内資料:抗けいれん作用におけるベンゾジアゼピン受容体の役割(2000年3月10日承認、申請資料概要ホ-1)
16) 町田幸一ほか:基礎と臨床. 1994; 28: 2613-2640
17) Chapman, A. G., et al.:Epilepsia. 1978; 19: 293-299
18) 笹 征史ほか:薬理と治療. 2000; 28: 259-265
19) 町田幸一ほか:基礎と臨床. 1994; 28: 2641-2654
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