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ヒロポン/ヒロポン錠

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.8高齢者
10.相互作用
10.1併用禁忌(併用しないこと)
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.5排泄
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2覚醒作用
18.3活動性に及ぼす影響
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

ヒロポン/ヒロポン錠

添付文書番号

1151001F1020_1_06

企業コード

400093

作成又は改訂年月

2023年11月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871151

薬効分類名

覚醒剤

承認等

ヒロポン

販売名コード

YJコード

115100AA1022

販売名英語表記

PHILOPON Powders

承認番号等

承認番号

16000AMZ06022

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

基準名

日本薬局方

メタンフェタミン塩酸塩

規制区分

ヒロポン錠

販売名コード

YJコード

1151001F1020

販売名英語表記

PHILOPON Tablets

承認番号等

承認番号

12627KUZ08688

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

5年

規制区分

一般的名称

メタンフェタミン塩酸塩

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中又は投与後2週間以内の患者
  2. 2.2 重篤な高血圧症、動脈硬化症の患者[血圧上昇のおそれがある。]
  3. 2.3 心疾患のある患者[本剤は心収縮力を増強し、心拍出量を増加させるため、症状が悪化するおそれがある。]
  4. 2.4 甲状腺機能亢進症の患者[心機能亢進状態にあるため、本剤が心機能に対し悪影響を及ぼす可能性がある。]
  5. 2.5 本剤の成分又はアドレナリン作動薬に対し過敏症の患者[過敏症が発現するおそれがある。]
  6. 2.6 不眠症、激越状態にある患者[症状が悪化するおそれがある。]
  7. 2.7 薬物乱用の既往歴のある患者[反復投与により薬物依存を生じるので、乱用のおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

ヒロポン

有効成分1g中日局メタンフェタミン塩酸塩   1g

ヒロポン錠

有効成分1錠中日局メタンフェタミン塩酸塩   1mg
添加剤乳糖水和物、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム

3.2 製剤の性状

ヒロポン

においにおいはない。
色・剤形無色の結晶又は白色の結晶性の粉末

ヒロポン錠

外形
大きさ直径約5mm
厚さ約2.1mm
質量約45mg
色・剤形白色の素錠

4. 効能又は効果

  • 下記疾病・症状の改善

     ナルコレプシー、各種の昏睡、嗜眠、もうろう状態、インスリンショック
     うつ病・うつ状態、統合失調症の遅鈍症

  • 手術中・手術後の虚脱状態からの回復促進及び麻酔からの覚醒促進
  • 麻酔剤、睡眠剤の急性中毒の改善

6. 用法及び用量

通常、成人には、メタンフェタミン塩酸塩として1回2.5~5mg、1日10~15mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 反復投与により薬物依存を生じるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し、慎重に投与すること。
  2. 8.2 本剤投与中の患者には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
  3. 8.3 治療の目的以外には使用しないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 高血圧症の患者(重篤な高血圧症の患者を除く)

    血圧上昇のおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

排泄が遅延し、高い血中濃度が持続するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス、家兎)で催奇形作用(脳ヘルニア、口蓋裂等)が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで乳汁中への移行が報告されている注)
注)メタンフェタミンの医療目的外での使用(投与量不明、静脈内投与又は吸引)による。

9.8 高齢者

本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    モノアミン酸化酵素阻害剤

    • セレギリン塩酸塩
      • エフピー
    • ラサギリンメシル酸塩
      • アジレクト
    • サフィナミドメシル酸塩
      • エクフィナ

    高血圧クリーゼを起こすおそれがある。これらの薬剤を投与中又は投与後2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。

    神経外モノアミン濃度が増加すると考えられる。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    メチルドパ水和物
    レセルピン

    これらの薬剤の降圧作用を阻害する。

    機序は不明である。

    三環系抗うつ剤

    • イミプラミン塩酸塩
      アミトリプチリン塩酸塩 等

    本剤の作用が増強されることがある。

    機序は不明である。

    全身麻酔剤

    • イソフルラン
      セボフルラン 等

    不整脈・心室細動を起こすことがある。

    機序は不明である。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 依存性(頻度不明)

      反復投与により薬物依存を生じるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し、慎重に投与すること。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    精神神経系

    興奮、情動不安、めまい、不眠、多幸症、振戦、頭痛

    循環器

    心悸亢進、頻脈、血圧上昇

    消化器

    食欲不振、口渇、不快な味覚、下痢、便秘

    過敏症

    じん麻疹

    その他

    インポテンツ、性欲の変化

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    健康成人(外国人)6例、重水素標識d-メタンフェタミン塩酸塩0.125mg/kg(平均約9.2mg)1回経口投与後の血漿中未変化体の薬物速度論的パラメータ1)

    Tmax(h)

    Cmax(ng/mL)

    t1/2(h)

    3.60±0.63

    19.8±2.7

    8.46±0.71

    平均値±標準誤差

    16.5 排泄

    1. 16.5.1 排泄経路

      主として尿中2)

    2. 16.5.2 排泄率

      尿の液性によって変動し、投与後16時間の平均尿中排泄率は、酸性尿の場合には未変化体63%、活性代謝物アンフェタミン6.6%であったが、アルカリ性尿の場合には未変化体1.5%のみが検出された2)(外国人、メタンフェタミン塩酸塩13.7mg1回注)経口投与)。
      注)本剤の承認用量は1回2.5~5mgである。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    大脳皮質や脳幹網様体に作用して、覚醒作用を示す。

    18.2 覚醒作用

    家兎にペントバルビタールナトリウム25mg/kgを静注すると平均46分間の睡眠が得られるが、約半分の睡眠の経過後にメタンフェタミン塩酸塩2mg/kgを静注すると、睡眠時間は平均32分間に短縮された。一方、家兎にメタンフェタミン塩酸塩2mg/kgを静注し、その5分後にペントバルビタールナトリウム5mg/kgの静注を行った場合には、催眠の発現は阻止された3)

    18.3 活動性に及ぼす影響

    ラットに0.5、1mg/kgのメタンフェタミン塩酸塩を腹腔内投与後12~18時間内の活動性の変化をみると、対照群と比較してそれぞれ平均136%、213%の増加が観察された3)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    メタンフェタミン塩酸塩(Methamphetamine Hydrochloride)

    化学名

    (2S)-N-Methyl-1-phenylpropan-2-amine monohydrochloride

    分子式

    C10H15N・HCl

    分子量

    185.69

    性状

    無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で、においはない。水、エタノール(95)又はクロロホルムに溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。1.0gを水10mLに溶かした液のpHは5.0~6.0である。

    化学構造式

    融点

    171~175℃

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は遮光して保存すること。

    22. 包装

    • 〈ヒロポン〉

      1g[瓶、バラ]

    • 〈ヒロポン錠〉

      20錠[瓶、バラ]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    住友ファーマ株式会社

    〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8

    くすり情報センター
    TEL 0120-034-389

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    住友ファーマ株式会社

    大阪市中央区道修町2-6-8

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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