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処方箋医薬品注)
抗パーキンソン剤はフェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤、レセルピン誘導体等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によっては、このような症状を増悪顕性化させることがある。
ビペリデン塩酸塩として、通常成人1回1mg1日2回よりはじめ、その後漸増し、1日3~6mgを分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の投与は、少量から開始し、観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。また、他剤から本剤に切り替える場合には、他剤を徐々に減量しながら本剤を増量するのが原則である。
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
排尿障害が発現又は悪化することがある。
腸管麻痺が発現又は悪化するおそれがある。
不整脈等の循環器系の副作用を起こすおそれがある。
発作の誘因となるおそれがある。
発汗抑制が起こりやすい。
精神神経系の副作用が起こりやすい。
悪性症候群が起こりやすい。
代謝・排泄機能が低下しているため、副作用が起こりやすい。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
せん妄、不安等の精神症状及び抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘等があらわれやすい。
抗コリン作用を有する薬剤
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐はフェノチアジン系薬剤等の制吐作用により不顕性化することもあるので、注意すること。
併用により抗コリン作用が強くあらわれる。
中枢神経抑制剤
眠気、精神運動機能低下、幻覚、妄想等があらわれることがあるので、減量するなど注意すること。
併用により中枢神経抑制作用又は抗コリン作用が強くあらわれる。
他の抗パーキンソン剤
幻覚、妄想等の精神神経系の副作用が増強することがある。
ドパミン過剰及びアセチルコリン系神経機能低下が考えられている。
抗精神病薬、抗うつ剤及びドパミン作動系抗パーキンソン剤との併用において、本剤及び併用薬の減量又は中止により、発熱、無動緘黙、意識障害、強度の筋強剛、不随意運動、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、体冷却、水分補給等の全身管理及び本剤の投与量を一旦もとに戻した後慎重に漸減するなどの適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇があらわれることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下があらわれることがある。
頻度不明
精神神経系
幻覚、せん妄、精神錯乱、不安、嗜眠、記憶障害
消化器
口渇、悪心、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、下痢、便秘、口内炎
泌尿器
排尿困難、尿閉
過敏症
発疹
循環器
血圧低下、血圧上昇
眼
眼の調節障害
肝臓注)
肝障害
主な症状は抗コリン作用に基づくものである。口渇、体温上昇、頻脈、不整脈、尿閉、興奮、幻覚、妄想、錯乱、痙れん、呼吸抑制等があらわれることがある。
中枢神経興奮症状に対してはジアゼパム、短時間作用型のバルビツール酸系薬剤の投与を行う。抗コリン作用を有する抗精神病薬は症状を悪化させることがあるので投与しないこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人6例に4mg注)を1回経口投与後の血漿中未変化体濃度の薬物動態パラメータは、以下のとおりであった1)(外国人データ)。
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
t1/2β(h)
1.5
5.1
18.4
注)本剤の承認された用法及び用量は、1回1mgを1日2回より開始し、1日3~6mgを分割経口投与である。
経口投与による156例についての臨床成績は次のとおりである2),3),4)。
対象疾患
有効率
特発性パーキンソニズム
92%(23/25)
向精神薬投与によるパーキンソニズム
74%(63/85)
その他のパーキンソニズム(脳炎後、動脈硬化性、中毒性)
54%(25/46)
中枢性に抗コリン作用を示すことにより、ドパミン作動性神経の変性脱落に伴って相対的に過剰活動状態となったコリン作動性神経を抑制する。
マウスのハルミン投与による振戦に対し、腹腔内投与でのED50は10.3mg/kgであり、アトロピン(ED50:28.3mg/kg)よりも強い5)。また、マウスのトレモリン投与による振戦に対し、腹腔内投与でのED50は2.7mg/kgであり、プロメタジン(ED50:5.4mg/kg)よりも強い6)。
レセルピン投与によるラットの筋の緊張性活性(筋電図)についての検討で、5mg/kg静脈内投与によりレセルピン硬直を抑制し、α及びγ反射活性を正常位に回復させる7)。
ラットのペルフェナジン投与によるカタレプシーに対し、2mg/kg腹腔内前投与により、投与1時間後で80%以上の抑制を示し、その作用はトリヘキシフェニジルと同等である8)。また、ラットのプロクロルペラジン投与によるカタレプシーに対し、腹腔内投与でのED50は1.8mg/kgであり、トリヘキシフェニジル(ED50:8mg/kg)よりも強い9)。
ビペリデン塩酸塩(Biperiden Hydrochloride)
1-(Bicyclo[2.2.1]hept-5-en-2-yl)-1-phenyl-3-(piperidin-1-yl)propan-1-ol monohydrochloride
C21H29NO・HCl
347.92
白色~帯褐黄白色の結晶性の粉末である。ギ酸に溶けやすく、水、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約270℃(分解)
外箱開封後は遮光して保存すること。
100錠[10錠(PTP)×10]1,000錠[10錠(PTP)×100]1,000錠[瓶、バラ]5,000錠[バラ、1000錠(袋)×5]
100g[瓶、バラ]500g[瓶、バラ]
1) Hollmann M., et al.: Eur. J. Clin. Pharmacol. 1984; 27: 619-621
2) 森 温理ほか: 脳と神経. 1964; 16: 789-793
3) 菊地 潤ほか: 診療と新薬. 1965; 2: 477-482
4) 大江 覚ほか: 臨牀と研究. 1965; 42: 791-793
5) Zetler G.: Naunyn-Schmiedebergs Arch. Exp. Pathol. Pharmakol. 1957; 231: 34-54
6) Nose T. & Kojima M.: Eur. J. Pharmacol. 1970; 10: 83-86
7) Jurna I.: Naunyn-Schmiedebergs Arch. Exp. Pathol. Pharmakol. 1968; 259: 181
8) Morpurgo C.: Arch. Int. Pharmacodyn. 1962; 137: 84-90
9) Boissier J. R. & Simon P.: Comp. Rend. Soc. Biol. 1964; 158: 2025-2028
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〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
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