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日本薬局方
ノルトリプチリン塩酸塩錠
劇薬
処方箋医薬品注)
精神科領域におけるうつ病およびうつ状態(内因性うつ病、反応性うつ病、退行期うつ病、神経症性うつ状態、脳器質性精神障害のうつ状態)
抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。,,,,,,
はじめ1回量としてノルトリプチリン10~25mg相当量を1日3回経口投与する。又はその1日量を2回に分けて経口投与する。その後、症状および副作用を観察しつつ、必要ある場合は漸次増量する。通常最大量は1日量としてノルトリプチリン150mg相当量以内であり、これを2~3回に分けて経口投与する。
排尿困難が悪化するおそれがある。
眼圧上昇が悪化するおそれがある。
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
循環器系に影響を及ぼすことがある。
痙れんを起こすことがある。
躁転、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
精神症状を増悪させることがある。,,
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。三環系抗うつ剤(イミプラミン)では、動物実験(ウサギ)で催奇形性(外形異常)が報告されている。
授乳中の女性に投与する場合には、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。授乳中の女性に125mg注)経口投与した症例で母乳中への移行が認められている(外国人データ)。注)本剤の承認された用法及び用量は「通常最大量は1日量としてノルトリプチリン150mg相当量以内であり、これを2~3回に分けて経口投与」である。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼圧上昇等があらわれやすい。
モノアミン酸化酵素阻害剤
発汗、不穏、全身痙れん、異常高熱、昏睡等があらわれることがある。モノアミン酸化酵素阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また本剤からモノアミン酸化酵素阻害剤に切り替えるときには、2~3日間の間隔をおくことが望ましい。
詳細は不明であるが、相加・相乗作用によると考えられる。
抗コリン作用を有する薬剤 フェノチアジン系薬剤 ブチロフェノン系薬剤 等
口渇、便秘、排尿困難、眼圧上昇等があらわれることがある。
併用により抗コリン作用が増強される。
バルプロ酸ナトリウム
本剤の作用が増強することがある。
併用により本剤の血中濃度が上昇する。
中枢神経抑制剤 バルビツール酸誘導体等
眠気、脱力感、倦怠感、ふらつきがあらわれることがある。
併用により中枢神経抑制作用が増強される。
アルコール
本剤の中枢神経抑制作用が増強することがある。
アドレナリン作動薬 アドレナリン ノルアドレナリン 等
過度の交感神経興奮、重篤な高血圧、異常高熱等があらわれることがある。
三環系抗うつ剤は交感神経終末へのノルアドレナリンの取り込みを抑制し、作用が増強される。
リファンピシン
本剤の作用が減弱することがある。
リファンピシンの肝CYP誘導作用により、本剤の代謝が促進する。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
機序は不明である。
キニジン
本剤の血中濃度が上昇することがある。
キニジンの肝CYP2D6阻害作用により、本剤の代謝が抑制される。
クマリン系抗凝血剤 ワルファリン
クマリン系抗凝血剤の血中濃度半減期が延長することがある。
本剤がワルファリンの肝代謝を抑制するとの報告がある。
血糖降下剤 インスリン 経口血糖降下剤
これらの薬剤の血糖降下作用が増強することがある。
機序は不明であるが、本剤がインスリン感受性を増強するなどの報告がある。
異常(前駆症状として、発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合もある)が認められた場合には、投与を中止すること。
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満又は弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので、注意すること。
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱が認められる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙れん、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が認められる場合は投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと1),2)。
1%以上注3)
1%未満注3)
頻度不明
循環器
血圧降下
血圧上昇、頻脈
動悸、心電図異常(QT延長等)
精神神経系
眠気、不眠、振戦等のパーキンソン症状、焦燥
不安、耳鳴、知覚異常
幻覚、せん妄、精神錯乱、運動失調
抗コリン作用
口渇(14.8%)、便秘
排尿困難、視調節障害、鼻閉
眼圧上昇
過敏症
発疹、そう痒感
血液注1)
白血球減少
肝臓
黄疸
AST・ALTの上昇等の肝障害
消化器
食欲不振
悪心、嘔吐、味覚異常、下痢
長期投与注2)
口周部等の不随意運動
その他
眩暈、頭痛、倦怠感
ふらつき、発汗
昏睡、錯乱、不安、激越、異常高熱、筋強剛、反射亢進、痙れん、不整脈、伝導障害を示す心電図異常、うっ血性心不全、ショック、嘔吐等があらわれる。
特異的な解毒剤は知られていない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
投与量(mg)
投与例数(例)
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
AUC0-72hr(ng・h/mL)
t1/2(h)
25
19
4.8±0.4
18.3±4.4
469.2±119.5
26.7±8.5
平均値±標準偏差
約94%(in vitro、ヒト血漿、限外ろ過法)3)
10-hydroxynortriptyline(10-OH-NT)、desmethylnortriptyline(DNT)、10-hydroxydesmethylnortriptyline(10-OH-DNT)4)
主に肝臓において10位の水酸化体、N位の脱メチル体に代謝される。一部は抱合を受ける4)(外国人データ)。
41~54%5)(外国人データ)
主としてCYP2D6(ノルトリプチリンの10位の水酸化)
主として尿中4)
尿中に投与量の62%が排泄された4)(健康成人、ノルトリプチリン塩酸塩1mg/kg 1回経口投与又は0.4mg/kg 1日3回反復経口投与)(外国人データ)。
本剤の二重盲検比較試験6),7)及び一般臨床試験8),9),10),11),12)における有効性についての評価症例数は508例であり、これらの臨床成績は次のとおりである。
対象疾患
有効率
有効以上
やや有効以上
精神科領域におけるうつ病及びうつ状態
52%(262/508)
73%(372/508)
ノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害し、シナプス間隙のノルアドレナリン量を増加させることにより、抗うつ作用を示すことが考えられている。
ラット脳シナプトゾームにおいて、ノルアドレナリン、セロトニン、ドパミンいずれの再取り込みも阻害するが、特にノルアドレナリンに対して強い阻害作用を示す13)(in vitro)。
レセルピンによる体温下降作用に対し、抑制作用を示す14)(マウス、腹腔内投与)。
ノルトリプチリン塩酸塩(Nortriptyline Hydrochloride)
3-(10, 11-Dihydro-5H-dibenzo[a,d]cyclohepten-5-ylidene)-N-methylpropylamine monohydrochloride
C19H21N・HCl
299.84
白色~帯黄白色の結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。酢酸(100)又はクロロホルムに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。1.0gを水100mLに溶かした液のpHは約5.5である。
215~220℃
1,000錠[10錠(PTP)×100]500錠[瓶、バラ]
1) Beckstrom D., et al.: JAMA. 1979; 241: 133
2) Luzecky M. H., et al.: South. Med. J. 1974; 67: 495-497
3) Borgå O., et al.: Biochem. Pharmacol. 1969; 18: 2135-2143
4) Alexanderson B.: Eur. J. Clin. Pharmacol. 1973; 5: 174-180
5) Gram L. F., et al.: Clin. Pharmacol. Ther. 1975; 18: 305-314
6) 葉田 裕ほか: 臨床精神医学. 1976; 5: 250-256
7) 栗原雅直ほか: 臨床評価. 1972; 1: 27-51
8) 小河原龍太郎ほか: 診療. 1965; 18: 1863-1874
9) 佐々木邦幸ほか: 精神医学. 1966; 8: 949-954
10) 三浦岱栄ほか: 診療と新薬. 1965; 2: 603-612
11) 平井宏之: 診療と新薬. 1973; 10: 1135-1140
12) 村崎光邦ほか: 診療と新薬. 1972; 9: 2197-2207
13) Richelson E., et al.: Eur. J. Pharmacol. 1984; 104: 277-286
14) 広岡哲夫ほか: 医学研究. 1970; 40: 289-304
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