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処方箋医薬品注)
ナドロールとして、通常成人に1回30~60mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがある。,
観察を十分に行い、強心配糖体を併用するなど慎重に投与すること。心収縮力抑制作用により、心不全症状を誘発するおそれがある。
血糖値に注意すること。低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である心悸亢進、頻脈等の症状をマスクしやすい。
心刺激伝導の抑制により、症状の悪化をきたすおそれがある。
末梢血管の拡張を抑制し、症状の悪化をきたすおそれがある。
頻脈等の甲状腺中毒症状をマスクすることがある。急に投与を中止すると症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を十分に行うこと。
,
肝機能障害を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ウサギ)で大量投与により胎児死亡、流産が報告されている。
授乳を避けさせること。母乳中へ移行することが報告されている1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
クラスⅠ抗不整脈剤
アミオダロンソタロール
過度の心機能抑制があらわれることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
併用により心機能抑制作用が強くあらわれる。
強心配糖体
心刺激伝導障害(徐脈、房室ブロック等)があらわれることがある。
併用により心刺激伝導抑制作用が強くあらわれ、房室伝導時間が延長する。
カルシウム拮抗剤
過度の血圧低下や心刺激伝導障害(徐脈、房室ブロック等)、心機能抑制があらわれることがある。
併用により降圧作用、心刺激伝導抑制作用、陰性変力作用が強くあらわれる。
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
過度の交感神経抑制をきたすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
併用により交感神経抑制作用が強くあらわれる。
麻酔剤
過度の血圧低下や心機能抑制があらわれるおそれがある。
フィンゴリモド
フィンゴリモドの投与開始時に併用すると徐脈が増強されることがある。
ともに徐脈を引き起こすおそれがある。
クロニジン
クロニジンの投与中止後のリバウンド現象(急激な血圧上昇)を増強する可能性があるので、本剤を中止した後、クロニジンを徐々に減量すること。
α2-選択的刺激作用を有するクロニジンの急激な中止により、血中カテコールアミンが上昇するが、β-遮断剤の併用によりα-刺激作用が優位にあらわれると考えられる。
アドレナリン製剤
血圧上昇、徐脈等が起こるおそれがあるので、血圧や脈拍に注意すること。
本剤のβ-遮断作用により、アドレナリンのα-刺激作用が優位になると考えられる。
血糖降下剤
これらの薬剤の血糖降下作用を増強したり、低血糖症状(心悸亢進等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。
本剤のβ-遮断作用による低血糖からの回復遅延と低血糖に伴う交感神経症状のマスクが考えられる。
リドカイン
リドカインの血中濃度が上昇することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
本剤による肝血流量の低下により、リドカインの代謝が遅延すると考えられる。
麦角アルカロイド
末梢血流量の低下により四肢の疼痛、冷感、チアノーゼ等が起こるおそれがある。
併用により末梢血管収縮作用が強くあらわれると考えられる。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
本剤の降圧作用が減弱することがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、ナトリウムや水の貯留、血管収縮が生じ、降圧作用が減弱する。
降圧作用を有する他の薬剤
相互に降圧作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること。
併用により降圧作用が強くあらわれる。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒感
循環器
徐脈、動悸、心胸比増大、血圧低下・起立性低血圧
房室ブロック、四肢の冷感、胸部圧迫感
精神神経系
めまい・立ちくらみ、ふらつき、頭痛・頭重感、眠気
不眠、しびれ感
呼吸器
息切れ・息苦しさ、咳嗽・喀痰
喘息発作の誘発
消化器
嘔気、下痢
胃部不快感・胃重感、腹部膨満感、食欲不振、腹痛、胃痛、便秘、口渇
眼
涙液分泌減少
霧視
肝臓
AST、ALTの上昇
ALPの上昇
その他
倦怠感、疲労感、浮腫、トリグリセリドの上昇
鼻閉、血糖値の上昇、BUNの上昇、脱力感、悪寒
過度の徐脈、心不全、低血圧、気管支痙れん等があらわれることがある。
必要に応じて、血液透析等により薬剤の除去を行う。心電図をモニターするとともに、下記のような適切な処置を行うこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
β-遮断剤(プロプラノロール等)投与中の患者では、他の薬剤等によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療には反応しにくいとの報告がある。
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
t1/2(h)
4
59.1
4.8(α相)19.6(β相)
40.5
2.5(α相)17.4(β相)
17.9%(ラット)4)
23.9%(in vitro、ヒト血漿、60ng/mL)2)
体内では代謝されない2)。
主として尿中
投与後72時間までの尿中に投与量の11.5~14.1%が未変化体として排泄された2)(健康成人、60mg 1回投与)。
クレアチニンクリアランスが9~50mL/min/1.48m2の腎機能障害患者8名に60mgを1回投与したときの血中濃度半減期は、27.8~83.5時間と健康成人に比べてかなり遅延していた5)。,,
二重盲検比較試験6),7),8),9)を含む総計931例についての臨床成績は次のとおりである。
対象疾患
有効率
本態性高血圧症
58%(349/605)
狭心症
69%(81/117)
頻脈性不整脈
65%(136/209)
本剤はシナプス前及び後膜のアドレナリン作動性β-受容体においてカテコールアミンと特異的に拮抗し、その作用を遮断する。抗高血圧作用機序として、β-遮断作用に基づく交感神経系の抑制、心拍出量の減少作用及びレニン分泌抑制作用が考えられている10)。また、抗狭心症作用及び抗不整脈作用は、直接的に心筋の収縮力を減弱させることなく心臓の刺激伝導系の過剰な興奮を抑制し、心仕事量や心筋酸素消費量を低下させることによると考えられている11),12)。
モルモット摘出心房及び気管ならびにラット血管を用いたin vitro実験において、イソプロテレノールの陽性変時及び変力作用に対して強力な拮抗作用を示す10),13),14)。また、in vivo実験(イヌ)においてもイソプロテレノール又は運動負荷による頻脈を強力に抑制し、その作用は長時間持続する14)。
実験的高血圧動物(ラット及びイヌ)において1回及び反復経口投与で持続性の抗高血圧作用を示す15)。
粥状動脈硬化家兎や麻酔イヌにおいて抗狭心症及び抗不整脈作用を示す11),16),17)。
ナドロール(Nadolol)
(2RS,3SR)-5-{(2RS)-3-[(1,1-Dimethylethyl)amino]-2-hydroxypropyloxy}-1,2,3,4-tetrahydronaphthalene-2,3-diol及び(2RS,3SR)-5-{(2SR)-3-[(1,1-Dimethylethyl)amino]-2-hydroxypropyloxy}-1,2,3,4-tetrahydronaphthalene-2,3-diol
C17H27NO4
309.40
白色~帯黄褐白色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水又はクロロホルムに溶けにくい。メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
約137℃
0.023(クロロホルム/水系溶媒、pH7.0、23℃)
100錠[10錠(PTP)×10]
1) Devlin R. G., et al.: Br. J. Clin. Pharmacol. 1981; 12: 393-396
2) 山口俊和ほか: 薬理と治療. 1983; 11(12): 5151-5156
3) 築山久一郎ほか: 薬理と治療. 1984; 12(5): 2077-2084
4) 山口俊和ほか: 薬理と治療. 1983; 11(12): 5139-5144
5) 小嶋俊一ほか: 薬理と治療. 1984; 12(6): 2443-2450
6) 荒川規矩男ほか: 医学のあゆみ. 1984; 130(6・7): 482-508
7) 山田和生ほか: Ther. Res. 1984; 1(1): 161-190
8) 新谷博一ほか: 臨床薬理. 1984; 15(4): 567-583
9) 吉利 和ほか: 臨牀と研究. 1985; 62(3): 910-928
10) 武山邦彦ほか: 薬理と治療. 1984; 12(4): 1551-1564
11) 社内資料: ナドロールの抗狭心症・抗不整脈作用
12) Ono H., et al.: Jpn. J. Pharmacol. 1984; 36(4): 507-517
13) 社内資料: ナドロールのβ-受容体遮断作用(その1)
14) 社内資料: ナドロールのβ-受容体遮断作用(その2)
15) 武山邦彦ほか: 薬理と治療. 1984; 12(4): 1537-1550
16) Nakashima M., et al.: J. Pharmacobio-Dyn. 1985; 8(1): 1-10
17) Evans D. B., et al.: Eur. J. Pharmacol. 1976; 35(1): 17-27
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