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日本薬局方
エチドロン酸二ナトリウム錠
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の主な副作用は消化器系であるため、症状が悪化することがある。
排泄が阻害されるおそれがある。
妊娠する可能性のある女性へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラット(SD系)における器官形成期投与試験において、高用量で胎児の骨格異常の発生が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験で母乳中へ移行することが報告されている。
投与しないこと。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。小児における骨成長に影響を与える可能性があり、また、小児において10~20mg/kg/日の長期投与により、くる病様症状があらわれたとの報告がある。
減量するなど注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
食物、特に牛乳や乳製品のような高カルシウム食
同時(服薬前後2時間)に併用(摂取)しないこと。
同時に併用(摂取)すると本剤の吸収に影響を与えるおそれがある。本剤はカルシウム等と錯体を作ること、また動物実験で非絶食投与により、吸収が著しく低下することが確認されている。
カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウムのような金属を多く含むミネラル入りビタミン剤又は制酸剤等
異常(胃痛、嘔吐、吐血・下血等)が認められた場合には投与を中止すること。
AST、ALT、γ-GTP、ALP、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
2%以上
0.1~2%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
腹部不快感
下痢・軟便、嘔気、嘔吐、腹痛、食欲不振、消化不良(胃もたれ感、胸やけ等)、便秘、口内炎(舌あれ、口臭等)
胃炎
口渇
過敏症
発疹
そう痒
じん麻疹、血管浮腫
肝臓
AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTP、ビリルビンの上昇
泌尿器
BUN、クレアチニンの上昇、頻尿、排尿困難
血液
貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少等)、白血球減少
精神神経系
頭痛
めまい・ふらつき、不眠、振戦、知覚減退(しびれ)
眼
眼症状(かすみ、充血等)、乳頭浮腫
筋・骨格系
骨痛
関節痛、筋肉痛
その他
血中無機リンの上昇
発熱、咽喉灼熱感
ほてり(顔面紅潮、熱感等)、倦怠感、浮腫、耳鳴、胸痛、心悸亢進(動悸)、脱毛、多汗
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
動物実験(イヌ)において、高用量を長期間投与したとき、類骨の石灰化遅延に随伴した骨髄の異常が認められたとの報告がある。
健康成人6例に1200mg(20mg/kg)を1回経口投与した場合注1)、最高血清中濃度は1時間後(2.2μg/mL)にみられ、その後低下し(半減期約2時間)投与後24時間では0.03μg/mLであった。
健康成人6例に1200mgを1日1回、7日間連続投与した場合注1)、1、3、5、7回目投与後1時間の血清中濃度は約1μg/mLで推移し、蓄積傾向は認められなかった。
健康成人に1200mg(20mg/kg)を1回経口投与した場合注1)、吸収量は約6%と推定された。
マウス、ラット、イヌに14C標識体を1回経口投与した場合、組織中14C濃度はマウス、ラット、イヌともに骨及び腎臓で高かった。投与後24時間には組織中濃度は低下したが、骨には高濃度の残存が認められた。また、ラットに14日間連続投与した場合、体内分布パターンは1回投与後と大差なかったが、骨中14C濃度の上昇が認められた。骨からの14C消失半減期はラットで12日であった。
健康成人に1200mg(20mg/kg)を1回経口投与した場合注1)、投与後24時間までに投与量の3.1%が未変化体として尿中に排泄された。
骨粗鬆症患者を対象とした二重盲検比較試験において、本剤200又は400mg/日を48週間周期的間歇投与した。脊椎圧迫骨折数、骨塩量等を指標とした有効性と安全性を総合的に判断した有用率(有用性あり以上)は、本剤200mg投与群で37.1%(49/132例)、本剤400mg投与群で42.5%(57/134例)であった。副作用発現頻度は、200mg群で6.0%(8/133例)及び400mg群で10.4%(14/135例)であった。主な副作用は胃部不快感であり、200mg群では2.3%(3/133例)、400mg群では3.7%(5/135例)に発現した2)。
骨粗鬆症患者に対し、本剤200mg/日を3年間周期的間歇投与した試験において、本剤投与群89例の骨折頻度(総椎体圧迫骨折数/総観察人・年)は0.068で、対照薬に対する優越性は検証されなかった。本剤投与群における副作用発現頻度は28.4%(27/95例)であり、主な副作用として胃不快感及び消化不良がそれぞれ4.2%(4/95例)に発現した。
重症骨粗鬆症患者に対し、本剤400mg/日を3年間周期的間歇投与した試験において、44例の骨折頻度は0.008であった。副作用発現頻度は45.5%(25/55例)であり、主な副作用は悪心及び胃不快感がそれぞれ7.3%(4/55例)、下痢及び腹部膨満がそれぞれ5.5%(3/55例)であった。
脊髄損傷後の異所性骨化患者80例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、本剤1000mg又はプラセボを1日1回食間に12週間投与した。本剤投与群はプラセボ投与群に比べ、炎症所見を呈した症例における異所性骨化の発生を有意に抑制し、解析対象症例における関節可動域制限を有意に改善した。本剤投与群における副作用発現頻度は7.5%(3/40例)であり、1例に軽度の胃痛が、2例に軽度の胃部不快感が発現した3)。
複数の試験において股関節形成術後の異所性骨化患者に本剤400~1200mg/日を1~31週間投与した注2) 。X線所見、安全性等を総合的に判断した有用率は63.1%(極めて有用+かなり有用、53/84例)であった。副作用発現頻度は、13.3%(12/90例)であった。
骨ページェット病患者に本剤1.6~16.0mg/kgを1日1回食間に12~99週間投与した注3) 。生化学的パラメータ、骨シンチグラフィー等を指標とした全般改善度は74.2%(著明改善+中等度改善、23/31例)であった。副作用発現頻度は15.6%(5/32例)であり、軽度の下痢が3例に、軟便及び胃部不快感がそれぞれ1例に発現した。
ラットにおいて45Caの動態、ハイドロキシプロリンの尿中排泄等を指標として骨代謝回転を検討した結果、低用量(4mg/kg)では骨吸収を抑制し、高用量(40mg/kg)では骨吸収の抑制と骨石灰化を抑制することが確認されている5)。
ニワトリ骨髄骨から得た破骨細胞を3H標識プロリンで標識した骨細粒共存下で培養したとき、破骨細胞の骨吸収活性を抑制する6)(in vitro)。また、マウス頭蓋冠を用いた骨組織培養系において、副甲状腺ホルモンにより惹起される骨吸収亢進を抑制する。
卵巣摘出成熟雌性ラットにおいて、周期的間歇投与により骨塩密度の減少を抑制する7)。
卵巣摘出成熟雌性ラットにおいて、周期的間歇投与により腰椎椎体の強度及び剛性の低下を抑制する7)。
卵巣摘出・左側坐骨神経切除併用成熟雌性ラットにおいて、連続投与では類骨の石灰化抑制を認めるが、長期の休薬期間を設定した間歇投与では、石灰化抑制を伴わずに骨塩密度の減少を抑制することが認められている8)。
卵巣摘出成熟雌性ラットにおいて、周期的間歇投与により腰椎椎体海綿骨骨梁の3次元的連続性の低下を抑制する9)。
リン酸ナトリウム、塩化カルシウム等を含む溶液にハイドロキシアパタイト結晶を添加したとき生じるリン酸カルシウム結晶の形成を抑制する10)。
エチドロン酸二ナトリウム(Etidronate Disodium)
Disodium dihydrogen 1-hydroxyethane-1,1-diyldiphosphonate
C2H6Na2O7P2
249.99
白色の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。0.10gを水10mLに溶かした液のpHは4.4~5.4である。吸湿性である。
70錠[14錠(PTP)×5]
1) **MID-NET®を用いた調査結果の概要(MID-NET®を用いたビスホスホネート製剤の腎機能障害患者における低カルシウム血症のリスク評価に関するデータベース調査):https://www.pmda.go.jp/files/000249186.pdf
2) 藤田拓男ほか: 臨床評価. 1993; 21: 261-302
3) 小野啓郎ほか: 臨床評価. 1988; 16: 581-615
4) Jung A., et al.: Calc. Tiss. Res. 1973; 11: 269-280
5) Gasser A. B., et al.: Clin. Sci. 1972; 43: 31-45
6) Carano A., et al.: J. Clin. Invest. 1990; 85: 456-461
7) Katsumata T., et al. : J. Bone Miner. Res. 1995; 10: 921-931
8) 勝又 隆ほか:骨粗鬆症研究の進歩. 1991; 6: 74-76
9) Boyce R. W., et al.:Bone. 1995; 16: 209-213
10) Robertson W. G.:Calc. Tiss. Res. 1973; 11: 311-322
11) Strates, B. S., et al.:Biochim. Biophys. Acta. 1971; 244: 121-124
12) Francis, M. D., et al.:Calc. Tiss. Res. 1972; 9: 109-121
13) Francis, M. D., et al.:Science. 1969; 165: 1264-1266
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