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劇薬
処方箋医薬品注)
悪性リンパ腫、小児悪性固形腫瘍
ブスルファンとの併用において、通常、成人にはチオテパとして1日1回5mg/kgを2時間かけて点滴静注し、これを2日間連続で行う。なお、患者の状態により適宜減量する。
メルファランとの併用において、通常、チオテパとして1日1回200mg/m2を24時間かけて点滴静注する。これを2日間連続で行い、5日間休薬した後、さらに同用量を2日間連続で行う。なお、患者の状態により適宜減量する。
感染症が増悪し致命的となることがある。,,
腎機能障害が増悪するおそれがある。,
肝機能障害が増悪するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で催奇形性(マウス:巨指・欠趾、小顎症、口蓋裂等、ラット:腎形成不全、無尾、減指等)、胎児死亡(マウス、ウサギ)が認められたとの報告がある。,
授乳しないことが望ましい。本剤のヒト乳汁中への移行については不明である。
シクロホスファミド
シクロホスファミドの活性代謝物の血中濃度が低下し、シクロホスファミドの有効性が減弱するおそれがある。
本剤のCYP2B6阻害作用により、シクロホスファミドの代謝活性化が阻害される可能性がある。
細菌感染(15.8%)、真菌感染(10.5%)、肺炎(5.3%)、敗血症(頻度不明)等の感染症があらわれることがある。,,
発熱性好中球減少症(78.9%)、白血球減少(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)、貧血(頻度不明)等の骨髄抑制があらわれることがある。,,
胃腸出血(頻度不明)、肺出血(頻度不明)等の出血があらわれることがある。,,
肺水腫(10.5%)、浮腫(21.1%)、胸水(10.5%)、心嚢液貯留(10.5%)があらわれることがあり、胸水及び心嚢液貯留により心停止に至ったと考えられる症例が報告されているので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、利尿剤の投与、本剤の減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
急性腎障害(10.5%)等の腎障害があらわれることがある。,
口内炎等の粘膜障害(94.7%)、悪心(84.2%)、嘔吐(68.4%)、下痢(84.2%)、食欲不振(73.7%)等があらわれることがある。
皮膚色素過剰(21.1%)、皮膚炎(10.5%)、皮膚乾燥(10.5%)、皮膚剥脱(5.3%)、皮膚疼痛(5.3%)、そう痒(5.3%)等の皮膚障害があらわれることがある。
20%以上
20%未満
頻度不明
血液
低ガンマグロブリン血症
*肝臓
ALT上昇(63.2%)、AST上昇(52.6%)、γ-GTP上昇(36.8%)
ALP上昇、血中乳酸脱水素酵素増加
肝障害
*腎臓
尿中ブドウ糖陽性、血尿、蛋白尿
*呼吸器
呼吸不全、肺高血圧症、鼻閉、咽喉頭痛
喀血、急性呼吸窮迫症候群、呼吸困難、低酸素症
循環器
血圧上昇、心停止、大動脈弁閉鎖不全症、洞性頻脈、毛細血管漏出症候群
房室ブロック、心室性期外収縮、心不全
*消化器
肛門の炎症、肛門周囲痛、腸炎、腹痛、胃炎、口腔内痛、口内乾燥
肛門狭窄、イレウス、消化管浮腫
*精神神経系
味覚異常(42.1%)
不安、頭痛、感覚鈍麻、傾眠、譫妄、不眠
痙攣、熱性痙攣、異常行動、意識変容状態、脳症
*皮膚
斑状丘疹状皮疹、脱毛症
紫斑、手掌・足底発赤知覚不全症候群
発疹
眼
眼そう痒症
*その他
血中アルブミン低下(31.6%)、倦怠感
発熱、血中カルシウム低下、血中カリウム低下、陰茎痛、悪寒、血中アミラーゼ増加、血中カリウム上昇、血中ナトリウム上昇、血中ナトリウム低下、血中マグネシウム低下、非心臓性胸痛、血中リン低下
口渇、術創の治癒遷延、注射部位疼痛、骨肉腫、甲状腺癌、聴覚障害、ショック、無力症、全身健康状態低下
成人(16歳以上)悪性リンパ腫患者10例に本剤200mg/m2/日を2時間かけて静脈内に点滴投与(初回)したとき注)の血漿中チオテパ濃度推移(平均値±標準偏差)を図に薬物動態パラメータを表に示した11)。
C0(μg/mL)
Vd(L/m2)
T1/2(h)
AUCt(μg・h/mL)
5.8±2.1
26.4±5.5
2.1±0.4
21.2±5.2
小児悪性固形腫瘍患者9例に本剤200mg/m2/日を24時間かけて静脈内に点滴投与(初回)したときの血漿中チオテパ濃度推移(平均値±標準偏差)を図に薬物動態パラメータを表に示した11)。
1.5±1.0
16.4±8.5
1.6±0.5
21.6±14.1
健康成人及びがん患者におけるチオテパの血清中タンパク結合率は、それぞれ8及び13%であるとの報告がある12)(in vitro)。
チオテパの代謝経路はCYP3A4及びCYP2B6による酸化であり、別の代謝経路としてグルタチオン抱合も関与するとの報告がある13),14)(in vitro)。
がん患者1例に放射性標識したチオテパ0.3mg/kgを2時間かけて静脈内投与したとき注)、投与24時間後までの投与放射能の尿中排泄率は63%であったとの報告がある15)(外国人データ)。また、がん患者6例にチオテパ20mgを静脈内投与したとき注)、投与48時間後までの未変化体の尿中排泄率は0.16%であったとの報告がある16)(外国人データ)。
がん患者3例にシクロホスファミド1000又は1500mg/m2/日(1時間持続静脈内投与)、カルボプラチン265又は400mg/m2/日(1時間持続静脈内投与)及びチオテパ80又は120mg/m2/日(30分持続静脈内投与)の投与順序を変えて投与したとき注)、チオテパ投与後にシクロホスファミドを投与した場合の4-水酸化シクロホスファミド(活性代謝物)のCmax及びAUCは、シクロホスファミド投与後にチオテパを投与した場合と比較して、それぞれ62、及び26%低下したとの報告がある18)(外国人データ)。
チオテパはP-gpの基質であるとの報告がある17)(in vitro)。注)悪性リンパ腫及び小児悪性固形腫瘍に対して本剤の承認された用法及び用量は、それぞれ5mg/kg/日(2時間持続点滴静注)及び200mg/m2/日(24時間持続点滴静注)である。
自家造血幹細胞移植の前治療として、悪性リンパ腫患者には、ブスルファンとの併用で本剤200mg/m2/日注)を自家造血幹細胞移植施行の4及び3日前に2時間かけて静脈内に点滴投与した。また、小児悪性固形腫瘍患者には、メルファランとの併用で本剤200mg/m2/日を自家造血幹細胞移植施行の12、11、5及び4日前に24時間かけて静脈内に点滴投与した。結果は下表のとおりであった。
悪性リンパ腫患者(10例)d)
小児悪性固形腫瘍患者(9例)
骨髄抑制率(%)a)
100
生着率(%)b)[95%信頼区間]
100[69.2~100]
66.7[29.9~92.5]
生着までの日数c)(中央値(範囲))
11.0(10~14)
11.0(10~23)
造血幹細胞移植100日後の生存率(%)[95%信頼区間]
100[NE~NE]
77.8[36.5~93.9]
NE:推定不能a)治験薬投与後から造血幹細胞移植施行後28日以内に好中球数が500/µL未満となった患者の割合。b)治験薬投与後から造血幹細胞移植施行後28日以内に骨髄抑制が認められ、かつ造血幹細胞移植施行後に3日連続で好中球数が500/µL以上であった患者の割合。c)治験薬投与後から造血幹細胞移植施行後28日以内に骨髄抑制が認められ、かつ造血幹細胞移植施行後に3日連続で好中球数が500/µL以上になった場合の第1日目を生着日と定義し、造血幹細胞移植施行日から生着日までの日数。d)組み入れられた悪性リンパ腫の病型は、中枢神経系原発リンパ腫(9例)及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(1例)であった。
悪性リンパ腫患者における副作用発現頻度は100.0%(10/10例)であり、主な副作用は、発熱性好中球減少症10例(100.0%)、悪心10例(100.0%)、下痢8例(80.0%)、食欲不振7例(70.0%)であった。また、小児悪性固形腫瘍患者における副作用発現頻度は100.0%(9/9例)であり、主な副作用は、口内炎9例(100.0%)、嘔吐9例(100.0%)、下痢8例(88.9%)、食欲不振7例(77.8%)であった11)。注)悪性リンパ腫に対して本剤の承認された用量は、5mg/kg/日である。
チオテパは、エチレンイミン系のアルキル化剤であり、DNA合成を阻害すること等により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている14)。
チオテパ(Thiotepa)
Tris(aziridin-1-yl)phosphine sulfide
C6H12N3PS
189.22
白色の結晶又は粉末。アセトン、ジクロロメタン、クロロホルム及びエタノールに極めて溶けやすく、水及びジエチルエーテルに溶けやすい。
52~57℃
本剤は発がん性を有するおそれがあること、並びに揮発性を有することから、医療関係者の曝露防止対策を行うこと。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2.5mL[1バイアル]
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11) 社内資料: チオテパの薬物動態試験(2019年3月26日承認、CTD 2.5.3.1, 2.7.3.3, 2.7.6.1.2.2)
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