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劇薬
処方箋医薬品注)
非小細胞肺癌、小細胞肺癌
通常、成人にはアムルビシン塩酸塩として45mg(力価)/m2(体表面積)を約20mLの日局生理食塩液あるいは5%ブドウ糖注射液に溶解し、1日1回3日間連日静脈内に投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
本剤の投与により重度の骨髄機能抑制があらわれることがあるので、投与後、血液検査値の変動に十分留意し、次クールの投与量は患者の状態により適宜減量すること。,,,,
骨髄機能抑制が増悪するおそれがある。前治療により、骨髄機能が低下している患者では、骨髄機能抑制が強くあらわれることがあるので、これらの患者では初回投与量を適宜減量し、末梢血液の観察を十分に行い、臨床検査値に十分注意すること。,,,,,
感染症が増悪するおそれがある。,,,
間質性肺炎又は肺線維症が増悪することがある。,,,
心筋障害があらわれるおそれがある。,,
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
頻回に腎機能検査を行うこと。副作用が強くあらわれるおそれがある。
頻回に肝機能検査を行うこと。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で、胎児への移行(妊娠ラット)及び催奇形性(ラット、ウサギ)が認められている。,
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められ、生殖発生毒性試験で出生児の精巣の発育阻害が認められている。
用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。骨髄機能抑制等の副作用に注意し、異常が認められた場合には、回復を十分に確認してから投与を行うなど、投与間隔及び用量に留意すること。高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多いため、消失が遅れ高い血中濃度が持続するおそれがある。
潜在的に心毒性を有する抗悪性腫瘍剤(アントラサイクリン系薬剤等)
これらの薬剤による前治療歴がある場合、あるいは併用療法を行う場合は、心筋障害が増強されるおそれがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。
心筋障害が増強される可能性がある。
投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照射
心筋障害が増強するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。
抗悪性腫瘍剤放射線照射
骨髄機能抑制等の副作用が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること。
ともに骨髄機能抑制作用を有する。
汎血球減少(頻度不明)、白血球減少(93.9%)、好中球減少(発熱性好中球減少症を含む)(95.0%)、貧血(80%以上)、血小板減少(47.0%)等があらわれることがある。また、高度な骨髄機能抑制に起因する重篤な感染症(敗血症、肺炎等)の発現による死亡例が報告されているので、投与中に感染徴候に十分留意すること。なお、白血球数、好中球数及び血小板数の最低値までの期間(中央値)は、それぞれ各クールの投与開始後13日、14日及び13日であった。,,,,,,,,
異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。,,
吐血、下血、穿孔を伴う胃・十二指腸潰瘍があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
心臓
心電図異常(T波平低化、QT延長、心房細動、心室性期外収縮、上室性期外収縮、ST低下等)
不整脈、動悸、左室駆出率低下、血圧低下
心拡大、心膜滲出液
肝臓
ALT上昇(22.7%)、AST上昇(17.1%)、LDH上昇(11.6%)、ALP上昇、総ビリルビン上昇
ウロビリノーゲン陽性
γ-GTP上昇
腎臓
BUN上昇
尿蛋白陽性、クレアチニン上昇
消化器
食欲不振(65.7%)、悪心・嘔吐(58.6%)、口内炎(12.7%)、下痢(16.0%)
便秘、口角炎、歯周炎、軟便、下血
腹痛、腹部不快感
呼吸器
肺炎、気胸
咽頭痛
精神神経系
頭痛、手足のしびれ、末梢・知覚神経障害
頭重、めまい・ふらつき、不眠
過敏症
皮疹、発疹
そう痒
その他
脱毛(70.4%)、発熱(29.8%)、白血球分画異常(39.0%)、血沈亢進(28.6%)、血清総蛋白低下(26.5%)、血清アルブミン低下(24.9%)、A/G比異常(12.9%)、電解質異常(Na、K、Cl、Ca)、尿潜血
全身倦怠、飛蚊症、尿糖陽性、鼻出血、体力喪失、静脈炎、注射部反応、色素沈着
耳鳴、出血傾向、浮腫、胸内苦悶感、感染、血管痛、尿沈渣白血球陽性、血清アミラーゼ上昇、CRP上昇、吃逆、味覚異常、血小板増加、体重減少、背部痛、白血球増加、関節痛、ほてり
5℃
24時間
25℃
3時間
30℃
1.5時間
本剤投与後、未変化体及び活性代謝物の尿中排泄により尿が赤色になることがある。
ラットに6ヵ月間静脈内投与した実験で、0.5mg/kg投与群の皮膚、皮下及び外耳道に悪性腫瘍が発生したとの報告がある。
非小細胞肺癌の患者に、本剤45mg/m2/日を3日間連日静脈内投与したときの未変化体(アムルビシン)と活性代謝物(アムルビシノール)の血中濃度は以下のとおりであり、アムルビシンは血漿、血球のいずれにおいても速やかに消失したが、アムルビシノールは血漿、血球中とも持続的な推移を示した。また、アムルビシノールの濃度は、血漿に比べて血球中で高かった1)。
測定日
アムルビシン(塩酸塩換算)
アムルビシノール
t1/2(α)(hr)
t1/2(β)(hr)
AUC0-24hr(ng・hr/mL)
t1/2(hr)
血漿
血球
1日目
0.059~0.075
1.76~2.30
3296~4520
6.75、17.6※
10.8~16.7
22~850
1273~2117
3日目
0.048~0.064
1.70~2.48
3017~5132
7.93~24.5
13.0~18.1
132~992
1895~2584
※n=2
ヒト血漿及び4%ヒト血清アルブミン溶液中に本薬(2μg/mL、20μg/mL)を添加し、平衡透析法により測定した蛋白結合率は次表のとおりであった2)(in vitro)。
蛋白結合率(%)※
添加濃度(μg/mL)
2
20
ヒト血漿
96.6±0.3
97.3±0.4
4%ヒト血清アルブミン
93.7±0.3
95.3±0.1
※3回の平均値±S.E.
ラットに14C標識体を10mg/kg単回静脈内投与した場合の血漿及び血球中の主要成分は、未変化体と活性代謝物アムルビシノールであった。その他に、比較的低濃度のアグリコン体及び脱アミノ体が検出されたが、24時間後には定量限界未満(<0.005μg/mL)となった2)。ヒト肝ミクロソーム及びサイトゾルを用いたin vitro試験において、本剤の消失はNADPH-P450還元酵素、NAD(P)H-キノン還元酵素及びケトン還元酵素それぞれの阻害剤によって阻害された。本剤の動物における主要消失経路は胆汁排泄2)及び代謝3)であり、またヒトにおいても尿中排泄率が低いことから、本剤の消失には肝臓の寄与が大きいと考えられる。
本剤45mg/m2/日を3日間連日、3週間毎に単独投与した抗腫瘍効果は次のとおりであった。主な副作用は血液毒性で、白血球減少が91.8%、好中球減少が96.7%、ヘモグロビン減少が78.7%、血小板減少が44.3%であった4)。
疾患名
CR率(%)(CR/評価例)
奏効率(%)(CR+PR/評価例)
非小細胞肺癌
1.6(1/61)
27.9(17/61)
CR:complete response(著効)PR:partial response(有効)
本剤45mg/m2/日を3日間連日、3週間毎に単独投与した抗腫瘍効果は次のとおりであった。副作用発現頻度は96.6%(57/59例)であった。主な副作用は血液毒性で、白血球減少が89.8%、好中球減少が89.8%、ヘモグロビン減少が86.4%、血小板減少が54.2%であった5)。
0(0/60)
18.3(11/60)
本剤の3日間連日、3週間毎の単独投与による非小細胞肺癌に対する国内第Ⅰ-第Ⅱ相臨床試験は、40mg/m2/日注)を第1用量レベルとし、次の用量レベルへの増量は5mg/m2/日ずつで実施され、最大耐量は50mg/m2/日注)、用量規制毒性(DLT)は白血球減少、好中球減少、血小板減少及び消化管障害(悪心・嘔吐、下血及び吐血)であった6)(40mg/m2/日:4例、45mg/m2/日:4例、50mg/m2/日:5例)。注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人にはアムルビシン塩酸塩として45mg(力価)/m2(体表面積)を約20mLの日局生理食塩液あるいは5%ブドウ糖注射液に溶解し、1日1回3日間連日静脈内に投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。」である。
本剤45mg/m2/日を3日間連日、3週間毎に単独投与した抗腫瘍効果は次のとおりであった。主な副作用は血液毒性で、白血球減少が100%、好中球減少が100%、ヘモグロビン減少が78.8%、血小板減少が39.4%であった7)。
小細胞肺癌
9.1(3/33)
75.8(25/33)
本剤を単独投与した非小細胞肺癌に対する国内後期第Ⅱ相臨床試験-1、2及び小細胞肺癌に対する国内第Ⅱ相臨床試験4),5),7)において、白血球数、好中球数、血小板数の最低値、最低値到達までの期間及び回復までの期間は次のとおりであった。,,,,(評価症例数:153例)
最低値(/μL)[中央値(範囲)]
最低値到達までの期間(日)[中央値(範囲)]
回復までの期間(日)[中央値(範囲)]
白血球数
1900(150~5800)
13(7~19)
5(1~22)※1)
好中球数
545(0~3257)
14(4~21)
5(1~28)※2)
血小板数
10.0万(0.9万~31.6万)
13(5~32)
5(1~57)※3)
症例毎に各項目の最も低い値を示したクールについて集計※1)白血球数が3000/μL以上に回復するまでの日数※2)好中球数が1500/μL以上に回復するまでの日数※3)血小板数が10万/μL以上に回復するまでの日数
(参考)本剤の単独投与による非小細胞肺癌に対する国内後期第Ⅱ相臨床試験-1、2及び小細胞肺癌に対する国内第Ⅱ相臨床試験4),5),7)では、初回投与量45mg/m2/日より開始した。各クールの投与開始前及び減量は以下の規定に従った。
アムルビシン塩酸塩及び活性代謝物アムルビシノールは、DNAインターカレーション活性、トポイソメラーゼⅡ阻害作用、トポイソメラーゼⅡによるcleavable complexの安定化を介したDNA切断作用、ラジカル産生作用を示した8),9)(in vitro)。
アムルビシン塩酸塩は、マウス実験腫瘍株であるEhrlich固形癌、S-180肉腫、P-388、Lewis肺癌及びColon38について抗腫瘍効果を示した10)(in vivo)。また、ヌードマウス可移植性ヒト腫瘍株MX-1(乳癌由来)、LX-1及びLu-24(以上2細胞株は小細胞肺癌由来)、Lu-99、LC-6及びL-27(以上3細胞株は非小細胞肺癌由来)、SC-6、SC-9、St-4及び4-1ST(以上4細胞株は胃癌由来)に対して抗腫瘍効果を示した10),11)(in vivo)。アムルビシン塩酸塩及び活性代謝物アムルビシノールはヒト腫瘍細胞株Calu-1やA549などの肺癌株及びMG-63などの骨肉腫株などに対して細胞増殖抑制活性を示した12)(in vitro)。ドキソルビシン塩酸塩耐性P388細胞株は、アムルビシン塩酸塩及び活性代謝物アムルビシノールに交差耐性を示した13)(in vitro)。
アムルビシン塩酸塩(Amrubicin Hydrochloride)
(+)-(7S,9S)-9-acetyl-9-amino-7-[(2-deoxy-β-D-erythro-pentopyranosyl)oxy]-7,8,9,10-tetrahydro-6,11-dihydroxy-5,12-naphthacenedione hydrochloride
C25H25NO9・HCl
519.93
帯黄赤色の粉末又は塊である。水、0.05mol/Lリン酸塩緩衝液(pH3.0)及び0.005mol/Lリン酸塩緩衝液(pH2.5)にやや溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド及びメタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
1バイアル
1) 社内資料: 3日間連日静脈内投与での薬物動態(2002年4月11日承認、申請資料概要へ)
2) 仲井俊司ほか: 薬物動態. 1998; 13: 61-77
3) 仲井俊司ほか: 薬物動態. 1998; 13: 100-112
4) Sawa T., et al.: Invest. New Drugs. 2006; 24: 151-158
5) Takeda K., et al.: Invest. New Drugs. 2007; 25: 377-383
6) Sugiura T., et al.: Invest. New Drugs. 2005; 23: 331-337
7) Yana T., et al.: Invest. New Drugs. 2007; 25: 253-258
8) Hanada M., et al.: Jpn. J. Cancer Res. 1998; 89: 1229-1238
9) 社内資料: アムルビシン塩酸塩の過酸化脂質生成作用(2002年4月11日承認、申請資料概要ホ-1)
10) Morisada S., et al.: Jpn. J. Cancer Res. 1989; 80: 69-76
11) Hanada M., et al.: Cancer Sci. 2007; 98: 447-454
12) Yamaoka T., et al.: Jpn. J. Cancer Res. 1998; 89: 1067-1073
13) Yamaoka T., et al.: Jpn. J. Cancer Res. 1999; 90: 685-690
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