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エバステル錠10mg/エバステルOD錠5mg/エバステルOD錠10mg

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
12.臨床検査結果に及ぼす影響
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.2吸収
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
16.7薬物相互作用
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗アレルギー作用
18.3ヒスタミンH1受容体拮抗作用
18.4ヒスタミン遊離抑制作用
18.5ヒスタミン誘発皮内反応試験
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

エバステル錠10mg/エバステルOD錠5mg/エバステルOD錠10mg

添付文書番号

4490019F2024_1_01

企業コード

400093

作成又は改訂年月

**2025年1月改訂(第3版)
2022年4月改訂(第2版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

持続性選択H1受容体拮抗剤

承認等

エバステル錠10mg

販売名コード

YJコード

4490019F2024

販売名英語表記

EBASTEL Tablets

承認番号等

承認番号

20800AMZ00692

販売開始年月

1996年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

エバスチン錠

エバステルOD錠5mg

販売名コード

YJコード

4490019F3020

販売名英語表記

EBASTEL OD Tablets

承認番号等

承認番号

21700AMZ00149

販売開始年月

2005年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

エバスチン口腔内崩壊錠

エバステルOD錠10mg

販売名コード

YJコード

4490019F4027

販売名英語表記

EBASTEL OD Tablets

承認番号等

承認番号

21700AMZ00150

販売開始年月

2005年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

エバスチン口腔内崩壊錠

一般的名称

エバスチン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

エバステル錠10mg

有効成分1錠中日局エバスチン   10mg
添加剤乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、タルク

エバステルOD錠5mg

有効成分1錠中日局エバスチン   5mg
添加剤D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、タウマチン、カルミン、ステアリン酸マグネシウム、プロピレングリコール、バニリン、香料

エバステルOD錠10mg

有効成分1錠中日局エバスチン   10mg
添加剤D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、タウマチン、ステアリン酸マグネシウム

3.2 製剤の性状

エバステル錠10mg

外形
大きさ長径約10.1mm
短径約5.1mm
厚さ約3.1mm
質量約135mg
識別コードP175
色・剤形白色の割線入りフィルムコート錠

エバステルOD錠5mg

外形
大きさ直径約6.5mm
厚さ約2.4mm
質量約100mg
識別コードP177
色・剤形うすい紅色の素錠
(口腔内崩壊錠)

エバステルOD錠10mg

外形
大きさ直径約8mm
厚さ約3.1mm
質量約200mg
識別コードP178
色・剤形白色の割線入り素錠
(口腔内崩壊錠)

4. 効能又は効果

  • 蕁麻疹
  • 湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚瘙痒症
  • アレルギー性鼻炎

6. 用法及び用量

通常、成人には、エバスチンとして1回5~10mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

高齢者では、1日1回5mgから投与するなど注意すること。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に注意させること。
  • 〈アレルギー性鼻炎〉
    1. 8.2 季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 長期ステロイド療法を受けている患者

    本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は、十分な管理下で徐々に行うこと。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 肝機能障害又はその既往歴のある患者

    肝機能異常があらわれるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を十分に観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

  • 本剤は、主として代謝酵素CYP2J2及びCYP3A4で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

エリスロマイシン

本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が約2倍に上昇することが報告されている。

カレバスチンの代謝が抑制されると考えられる。

イトラコナゾール

本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が上昇することが報告されている。

カレバスチンの代謝が抑制されると考えられる。

リファンピシン

本剤の代謝物カレバスチンの血漿中濃度が低下することが報告されている。

カレバスチンの代謝が促進されると考えられる。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    血圧低下、呼吸困難、喉頭浮腫等の症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 11.1.2 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    AST、ALT、LDH、γ-GTP、ALP、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

1%以上

0.1~1%未満

0.1%未満

頻度不明

過敏症

発疹、浮腫、じん麻疹

循環器

動悸

血圧上昇

精神神経系

眠気、倦怠感

頭痛、めまい、しびれ感

不眠

消化器

口渇

胃部不快感、鼻・口腔内乾燥

下痢、舌炎

嘔気・嘔吐、腹痛

肝臓

AST、ALT、LDH、γ-GTP、ALP、ビリルビンの上昇

泌尿器

排尿障害、頻尿

その他

胸部圧迫感

ほてり

好酸球増多、体重増加、月経異常、脱毛、味覚異常、BUNの上昇、尿糖

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤はアレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する前は、本剤を投与しないこと。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  • 〈製剤共通〉
    1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  • 〈OD錠〉
    1. 14.1.2 本剤は舌の上にのせて唾液を湿潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    エバスチンは、経口投与後、初回通過効果を強く受け、ほとんどがカレバスチンに代謝される。健康成人にエバステル錠(普通錠)5mg(5例)、10、201)、40mg1)(各6例)を空腹時1回経口投与後、未変化体であるエバスチンは、40mg1)投与1時間後にのみ14ng/mLが検出された1)

    1) 本剤の承認された1日通常用量は5~10mgである。

  2. 16.1.2 生物学的同等性試験

    エバステル錠5mg、錠10mg(普通錠)及びエバステルOD錠5mg、OD錠10mg(口腔内崩壊錠)のクロスオーバー法による同等性試験において、それぞれ生物学的に同等であることが確認されている2),3)

    (健康成人、空腹時1回投与、測定対象:活性代謝物カレバスチン)

    投与製剤

    投与例数
    (例)

    Tmax
    (h)

    Cmax
    (ng/mL)

    t1/2
    (h)

    AUC0~72
    (ng・h/mL)

    錠5mg(水で服用)

    47

    4.9±1.2

    55.6±13.1

    18.3±2.7

    1,405±330

    錠10mg(水で服用)

    48

    5.2±1.1

    93.7±20.0

    18.5±2.6

    2,492±571

    OD錠10mg
    (水で服用)

    24

    4.9±1.0

    103.9±21.1

    18.8±3.0

    2,817±639

    OD錠10mg
    (水なしで服用)

    24

    5.3±1.3

    97.7±26.5

    17.6±1.7

    2,630±632

    平均値±標準偏差

16.2 吸収

  1. 16.2.1 吸収率

    約90%(ラット)4)

16.3 分布

  1. 16.3.1 血漿・血清蛋白結合率

    エバスチン:99.9%以上(in vitro、ヒト血清、平衡透析法)4)
    カレバスチン:97.4~97.7%(in vitro、ヒト血漿、限外ろ過法)1)

16.4 代謝

  1. 16.4.1 主な代謝産物

    カレバスチン(活性あり)

  2. 16.4.2 代謝経路

    エバスチンはtert-ブチル基の逐次酸化でカルボン酸体であるカレバスチンに代謝され、さらに、フェニル基の4位の水酸化とそれに続く3位のメトキシ化、酸化的N-脱アルキル化、エーテル結合の切断及び抱合を受けることが認められている(外国人データ)。

  3. 16.4.3 代謝酵素

    カレバスチンへの代謝には主としてCYP2J2、CYP3A4が、また未変化体の酸化的N-脱アルキル化にはCYP3A4が関与する5),6)

16.5 排泄

(健康成人、1回経口投与)1)

投与量
(mg)

試料採取時間
(h)

尿中排泄率(投与量に対する%)

エバスチン

カレバスチン

5

0~72

0.1

1.7

10

0~72

0.0

1.8

また、エバスチン(methoxy-14C)10mgを1回経口投与後、放射能は72時間までの尿中に投与量の63%、48時間までの糞便中に投与量の16%が排泄された(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 エリスロマイシン
    (健康成人8例にエバスチン10mgを1日1回14日間反復経口投与、8日目よりエリスロマイシン1,200mg/日を併用経口投与)7)

    測定日

    カレバスチン

    Cmax
    (ng/mL)

    Tmax
    (h)

    t1/2
    (h)

    AUC0~24
    (ng・h/mL)

    試験7日目
    (単独投与最終日)

    244±15

    5±1

    17.2±0.4

    4,092±181

    試験14日目
    (併用投与最終日)

    514±27

    5±1

    21.6±0.9

    9,492±581

    平均値±標準誤差

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    エバステル錠(普通錠)の二重盲検比較試験8),9),10),11)及び一般臨床試験12),13),14),15),16),17),18)における有効性についての承認用量における評価症例数は934例であり、これらの臨床成績は次のとおりである。

    対象疾患

    改善率

    慢性じん麻疹

    75%(277/369)

    湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症

    71%(188/264)

    アレルギー性鼻炎

    • 通年性アレルギー性鼻炎
      スギ花粉症


    54%(137/253)
    50%(24/48)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤のアレルギー反応に対する抑制作用は、主代謝物であるカレバスチンによる末梢性のヒスタミンH1受容体拮抗作用を主体とする。また、高濃度でヒスタミン遊離抑制作用も認められる(in vitro)。

18.2 抗アレルギー作用

エバスチンは、経口投与により、ヒスタミン誘発皮膚反応(ラット)、受動皮膚アナフィラキシー(PCA)反応(モルモット)、実験的アレルギー性鼻炎(ラット)を抑制し、そのPCA反応抑制作用は長時間持続した19)

18.3 ヒスタミンH1受容体拮抗作用

エバスチンの活性代謝物であるカレバスチンは、モルモット摘出気管標本及び回腸標本におけるヒスタミン誘発収縮を濃度依存的に抑制し、ヒスタミンH1受容体拮抗作用を示した。エバスチンは、モルモット摘出気管標本で作用を示さなかった19)in vitro)。

18.4 ヒスタミン遊離抑制作用

カレバスチンは、高濃度で感作ラットの腹腔肥満細胞からの抗原誘発ヒスタミン遊離及びヒト末梢血好塩基球からの抗ヒトIgE抗体誘発ヒスタミン遊離を抑制した19)in vitro)。

18.5 ヒスタミン誘発皮内反応試験

健康成人を対象としたヒスタミン誘発皮内反応試験において、エバスチン5、10mgの経口投与で、膨疹及び紅斑を用量依存的に抑制し、投与後24時間においてもプラセボに比し有意に抑制した20)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

エバスチン(Ebastine)

化学名

1-[4-(1,1-Dimethylethyl)phenyl]-4-[4-(diphenylmethoxy)piperidin-1-yl]butan-1-one

分子式

C32H39NO2

分子量

469.66

性状

白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に帯黄白色となる。

化学構造式

融点

84~87℃

分配係数

(クロロホルム/水系溶媒、室温)

pH

2.0

3.0

4.0

5.0

分配比

4.2×103

5.0×103

8.4×103

8.4×103

20. 取扱い上の注意

  • 〈OD錠〉

    アルミピロー開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

  • 〈エバステル錠10mg〉

    100錠[10錠(PTP)×10]
    500錠[10錠(PTP)×50]

  • 〈エバステルOD錠5mg〉

    100錠[10錠(PTP)×10]
    500錠[10錠(PTP)×50]

  • 〈エバステルOD錠10mg〉

    100錠[10錠(PTP)×10]
    500錠[10錠(PTP)×50]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

*住友ファーマ株式会社

〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8

くすり情報センター
TEL 0120-034-389

26. 製造販売業者等

26.1 *製造販売元

住友ファーマ株式会社

大阪市中央区道修町2-6-8

26.2 提携

アルミラル,S.A.(スペイン)

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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