当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
毒薬
処方箋医薬品注)
,
本剤の添加剤に大豆由来の成分が含まれる。
更に腎機能が低下するおそれがある。
本剤の腎臓組織内濃度が高まる可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットの周産期の投与により母動物の状態悪化に起因する死産率の高値が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。
低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
白血球輸注
白血球輸注中又は直後にアムホテリシンBを投与した患者に、急性肺機能障害がみられたとの報告がある。
機序は不明である。
シスプラチンペンタミジンアミノグリコシド系抗生物質バンコマイシンシクロスポリンガンシクロビルタクロリムスホスカルネットナトリウム
腎障害が発現、悪化するおそれがあるので、頻回に腎機能検査(クレアチニン、BUN等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
両薬剤とも腎毒性をもつ。
副腎皮質ホルモン剤
ACTH
低カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、血清中の電解質及び心機能を観察すること。
副腎皮質ホルモンは血清カリウムを排泄する作用がある。
三酸化ヒ素
血清電解質の異常をきたし、左記の薬剤によるQT延長が発現するおそれがあるので、血清中の電解質及び心機能を観察すること。
両薬剤とも血清電解質の異常を引き起こすことがある。
強心配糖体
ジギタリスの毒性(不整脈等)を増強するおそれがあるので、血清電解質及び心機能を観察すること。
本剤による低カリウム血症により、多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心筋収縮力増強と不整脈が起こる可能性がある。
抗不整脈剤
抗不整脈剤の催不整脈作用を増強するおそれがあるので、血清電解質及び心機能を観察すること。
本剤による低カリウム血症のため、抗不整脈剤の毒性が増強される可能性がある。
非脱分極性筋弛緩剤
クラーレ様薬剤の麻痺作用を増強し、呼吸抑制が起こるおそれがある。
本剤による低カリウム血症により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強させる可能性がある。
フルシトシン
フルシトシンの毒性(骨髄抑制作用)を増強させるおそれがある。
アムホテリシンBによるフルシトシンの細胞内取り込み促進や腎排泄障害作用により、フルシトシンの毒性が増強される可能性がある。
利尿剤
腎障害を発現、悪化するおそれがあるので、併用する場合は十分に塩類を補給し、腎毒性の軽減をはかることが望ましい。
利尿剤によるナトリウム欠乏により、本剤による腎血流量の減少を助長する可能性がある。
頭部放射線療法
併用により白質脳症があらわれるおそれがある。
頭部放射線照射により血液脳関門に変化が生じ、アムホテリシンBの神経毒性が発症する。
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下、じん麻疹等)があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
本剤注入に伴う重篤な症状として咽頭炎、嚥下障害、呼吸困難、チアノーゼ、心房粗動、胸痛等があらわれることがある。投与時関連反応(発熱、悪寒、悪心、嘔吐、頭痛、背部痛、骨痛等)が発現した場合は、点滴を一時中断し、患者の様子をみながら点滴速度を遅らせて投与を再開するなどの措置をとること。投与時関連反応の治療法には、点滴速度を遅らせるか、ジフェンヒドラミン、アセトアミノフェン及びヒドロコルチゾン等の投与が有効であるとの報告がある。
腎機能検査値異常等の異常が認められた場合には減量、休薬、血清電解質の補正等適切な処置を行うこと。特にこれらの症状が重篤な場合には投与を中止し、患者の回復を待って投与を再開すること。,
重篤な肝機能検査値異常等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重篤な低カリウム血症があらわれることがあり、血清カリウム値の異常変動に伴い心室頻拍等の不整脈、全身倦怠感、脱力感等が発現するおそれがある。,
低カリウム血症を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
アレルギー反応、血管神経性浮腫
皮膚・皮下障害
発疹
そう痒、多汗
紅斑、じん麻疹、顔面浮腫、皮膚障害
眼障害
結膜炎、網膜炎
呼吸器
呼吸困難、咳嗽、低酸素症、頻呼吸
鼻炎(鼻漏、鼻閉)、胸水、鼻出血、肺水腫注)、気管支痙攣
循環器
頻脈
血圧上昇、徐脈、血圧低下
血管障害
熱感・潮紅、高血圧、低血圧、静脈炎
点状出血
消化器
悪心(17.7%)、嘔吐(12.7%)、下痢・軟便
腹痛、食欲不振、便秘
便失禁、消化管出血、口内炎、舌苔、大腸炎、リパーゼ増加、口内乾燥、消化不良、吐血、膵炎
肝臓
ALT増加、AST増加、ALP増加
γ-GTP増加、LDH増加、血中ビリルビン増加
胆汁うっ滞、胆嚢炎、肝腫大
腎臓
血中クレアチニン増加(18.2%)、BUN増加(11.4%)
β2ミクログロブリン増加、尿潜血、尿円柱
尿蛋白、尿中赤血球陽性、尿失禁、尿中白血球陽性、尿量減少、乏尿、血尿
精神神経系
うつ病、幻覚(幻視、幻聴)、不眠症、錯乱状態、不安
神経系
頭痛
めまい
異常感覚、痙攣、傾眠、味覚異常、脳症
筋骨格系
背部痛、筋痛
関節痛
骨痛
全身・投与局所
発熱(40.0%)、悪寒(19.3%)
胸痛、浮腫、疼痛
無力症、注射部位反応(紅斑、腫脹、知覚異常等)、倦怠感
血液
貧血、血小板減少注)、白血球減少注)、単球増加
好中球減少、リンパ球減少、好塩基球増加、好酸球増加、白血球増加
代謝・栄養
低カリウム血症(25.4%)注)、低マグネシウム血症(14.8%)
低カルシウム血症、低ナトリウム血症、リン脂質増加、コレステロール増加、高血糖、高カリウム血症、血中尿酸増加、トリグリセリド増加、高クロール血症、高リン酸塩血症、低リン酸血症
高マグネシウム血症、高ナトリウム血症、血中尿酸減少、低蛋白血症、高カルシウム血症、血中アミラーゼ増加、コレステロール減少、脱水、低クロール血症、アシドーシス、血液量増加症
傷害、中毒・処置合併症
処置合併症、輸血反応
感染症
膿瘍
その他
CRP増加
シンクロンLXシステム無機リン試薬(PHOSm試薬)による無機リン検査で偽高値を呈するとの報告がある1)。
血液透析や腹膜透析では、本剤は体内から除去されないと思われる。
国内臨床試験において、総投与日数303日を超える使用経験はない。
ラットの1ヵ月間静脈内投与及び6ヵ月間静脈内投与では3mg/kg/日においてコレステロールやリン脂質の上昇が認められた。また、イヌの1ヵ月間静脈内投与では4mg/kg/日、3ヵ月間静脈内投与では2.5mg/kg/日、9ヵ月間静脈内投与では1.5mg/kg/日においてコレステロールやリン脂質の上昇が認められた。
投与量(mg/kg)
例数
Cmax(μg/mL)
T1/2(h)
AUC0~24(μg・h/mL)
MRT※1)(h)
Cl※2)(mL/h/kg)
Vd※3)(L/kg)
1.0
13
5.96±3.02
8.3±2.0
55.5±39.0
11.3±3.2
26±18
0.30±0.25
2.5
9
16.19±7.41
9.8±8.0
138.5±56.5
13.7±12.4
19±13
0.21±0.13
5.0
45.71±20.14
7.0±1.4
390.3±223.2
9.9±1.9
18±17
0.18±0.16
平均値±標準偏差※1)平均滞留時間 ※2)クリアランス ※3)分布容積
8
7.3±3.8
10.7±6.4
27±14
12.2±6.8
39±22
0.44±0.27
7
17.2±7.1
8.1±2.3
65±33
8.0±1.0
51±44
0.40±0.37
12
57.6±21.0
6.4±2.1
269±96
8.2±2.0
21±14
0.16±0.10
7.5
6
83.7±43.0
8.5±3.9
476±371
9.5±3.2
25±22
0.18±0.10
本剤をラット(1及び9mg/kg)及びイヌ(1mg/kg)に単回静脈内投与した時の臓器中アムホテリシンB濃度は、細網内皮系臓器である肝臓、脾臓で高く、消失は緩やかであった。
米国において、免疫不全状態にある小児の発熱性好中球減少症あるいは侵襲性真菌感染症の患者に対し、本剤2.5mg/kg/日及び5mg/kg/日注)を1時間かけて静脈内投与したときの薬物動態は、成人と大きな差はなかった(外国人データ)。
Cl※1)(mL/h/kg)
Vd※2)(L/kg)
10
15.1±9.0
8.8±2.1(n=8)
54.7±32.9
38±13(n=8)
0.47±0.18(n=8)
46.2±46.7
12.6±8.4
351±445
45±38
0.86±0.86
平均値±標準偏差※1)クリアランス ※2)分布容積
注)本剤の承認された1日用量は、アムホテリシンBとして2.5mg(力価)/kg(但し、免疫不全状態のリーシュマニア症患者においては4mg(力価)/kg)である。なお、真菌感染症においては、患者の症状に応じて5mg(力価)/kgまで投与できる(但し、クリプトコッカス髄膜炎においては6mg(力価)/kgまで)。
成人患者(年齢:16~79歳)を対象に実施された臨床試験(投与量1.0~5.0mg/kg/日注)、投与期間原則7日間、最長21日間又は原則3週間、最長12週間)のうち真菌感染症を対象とした臨床試験成績の概要は下記のとおりで、総有効率は、47.3%(35/74)であった。
真菌感染症疾患名
有効例数/症例数(有効率)
アスペルギルス症
侵襲性肺アスペルギルス症
8/15
(53.3%)
慢性壊死性肺アスペルギルス症
6/9
(66.7%)
肺アスペルギルス症※
3/5
アスペルギローマ
4/19
(21.1%)
その他のアスペルギルス感染症
3/7
(42.9%)
合計
24/55
(43.6%)
カンジダ症
カンジダ血症
6/12
(50.0%)
播種型カンジダ症
3/4
9/16
(56.3%)
クリプトコッカス症
肺クリプトコッカス症
2/2
クリプトコッカス髄膜(脳)炎
0/1
2/3
35/74
(47.3%)
※一部の試験では「侵襲性肺アスペルギルス症」「慢性壊死性肺アスペルギルス症」の区別がされなかったため「肺アスペルギルス症」とした。
HIV陽性のクリプトコッカス髄膜炎患者を対象とした臨床試験成績(投与期間11~21日間)は下記のとおりであった(外国人データ)。
投与量評価項目
3mg/kg/日
6mg/kg/日
2週後の有効率※1)
35/60(58.3%)
36/75(48.0%)
10週後の有効率※2)
27/40(67.5%)
42/57(73.7%)
※1)髄液培養の陰性化で評価※2)臨床効果と髄液培養の陰性化で評価
1~4週目において有害事象は93.3%(168/180例)に認められ、主な有害事象(発現頻度が20.0%以上)は低カリウム血症41.7%(75例)、低マグネシウム血症39.4%(71例)、貧血37.8%(68例)、血中クレアチニン増加29.4%(53例)、悪心28.9%(52例)、嘔吐28.9%(52例)であった。
発熱性好中球減少症患者を対象とした臨床試験成績は下記のとおりで、主要評価項目である総合臨床効果は49.9%(171/343)であった(外国人データ)。
1.5~6.0mg/kg/日注)
総合臨床効果
171/343(49.9%)
治験薬投与終了後7日間の生存
318/343(92.7%)
好中球減少期間中の解熱
199/343(58.0%)
新たな真菌感染症の発症なし※1)
294/343(85.7%)
毒性又は無効で早期の投与中止なし
※1)新たな確定真菌感染症又は推定真菌感染症のどちらも発症なしの場合を示す。「新たな確定真菌感染症に限定した発症なし」では、327/343(95.3%)であった。
有害事象は99.7%(342/343例)に認められ、主な有害事象(発現頻度が30.0%以上)は発熱89.5%(307例)、悪寒47.5%(163例)、低カリウム血症42.9%(147例)、悪心39.7%(136例)、嘔吐31.8%(109例)、下痢30.3%(104例)であった。
AIDS患者に併発した中等度から重度の播種性ヒストプラズマ症を対象とした臨床試験成績(投与量3.0mg/kg/日、投与期間2週間)における有効率は88.2%(45/51)であった3)(外国人データ)。
内臓型リーシュマニア症患者を対象とした臨床試験成績(投与量1~4mg/kg/日又は100mg/日注))における有効率は、免疫能が正常の患者で98.9%(89/90)及び免疫不全状態の患者で94.7%(18/19)であった。またフォローアップ時の再発率は、免疫能が正常の患者で4.6%(4/87)及び免疫不全状態の患者で88.2%(15/17)であった4)(外国人データ)。
小児患者39例(年齢:0~15歳)を対象として実施された製造販売後臨床試験(投与量1.0~5.0mg/kg/日注))のうち真菌感染症を対象とした臨床試験成績の概要は下記のとおりで、試験実施計画書に適合した対象集団(PPS)のうち総合効果が評価可能であった17例(年齢:1~14歳)の総有効率は52.9%(9/17)であった。
その他のアスペルギルス症
1/1
1/5
肝・脾カンジダ
1/6
(16.7%)
その他の真菌感染症
4/5
9/17
(52.9%)
なお、真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症では、PPSの5例(年齢:7~15歳)において臨床的な改善は認められなかった。副作用(臨床検査値の異常変動を含む)は92.3%(36/39例)に認められ、主な副作用は低カリウム血症・血中カリウム減少51.3%(20例)、β2ミクログロブリン増加28.2%(11例)、ALT増加23.1%(9例)、AST増加23.1%(9例)、BUN増加23.1%(9例)、嘔吐20.5%(8例)、血中クレアチニン増加20.5%(8例)等であった。注)本剤の承認された1日用量は、アムホテリシンBとして2.5mg(力価)/kg(但し、免疫不全状態のリーシュマニア症患者においては4mg(力価)/kg)である。なお、真菌感染症においては、患者の症状に応じて5mg(力価)/kgまで投与できる(但し、クリプトコッカス髄膜炎においては6mg(力価)/kgまで)。
本剤の有効成分であるアムホテリシンBは、真菌及びリーシュマニア原虫のそれぞれの細胞膜成分であるエルゴステロール及びエピステロールに高い親和性を持ち、これらのステロールと結合することにより、細胞膜の透過性を高め、細胞質成分を漏出させることで真菌及びリーシュマニア原虫を死滅させる。一方、アムホテリシンBは動物細胞の細胞膜成分であるコレステロールに対しても、親和性は低いものの結合し、細胞傷害性を示す。本剤は、リポソームのコレステロールを含む脂質二重膜中にアムホテリシンBを保持することにより、真菌及びリーシュマニア原虫に対する膜傷害活性を維持しつつ、動物細胞に対する膜傷害活性が低減されている。
本剤はアムホテリシンBと同様にリーシュマニア原虫に対してin vitro抗原虫活性を示し、マウスのリーシュマニア症に対して治療効果を示す。
アムホテリシンB(Amphotericin B)
(1R,3S,5R,6R,9R,11R,15S,16R,17R,18S,19E,21E,23E,25E,27E,29E,31E,33R,35S,36R,37S)-33-(3-Amino-3,6-dideoxy-β-D-mannopyranosyloxy)-1,3,5,6,9,11,17,37-octahydroxy-15,16,18-trimethyl-13-oxo-14,39-dioxabicyclo[33.3.1]nonatriaconta-19,21,23,25,27,29,31-heptaene-36-carboxylic acid
C47H73NO17
924.08
50mg[1バイアル(フィルター1個添付)]
1) Jensen G. M., et al.: Clinica Chimica Acta. 2010; 411: 1900-1905
2) Walsh T. J., et al.: Antimicrob. Agents and Chemother. 1998; 42: 2391-2398
3) Johnson P. C., et al.: Annals of Internal Medicine. 2002; 137: E-105-E-110
4) 社内資料: 内臓型リーシュマニア症における有効性
5) 馬庭貴司ほか: 日薬理誌. 2007; 129: 129-134
6) 竹本浩司ほか: 臨床と微生物. 2007; 34: 759-766
7) Takemoto K., et al.: Microbiol. Immunol. 2006; 50: 579-586
8) Takemoto K., et al.: J. Antimicrob. Chemother. 2004; 53: 311-317
9) Takemoto K., et al.: J. Antimicrob. Chemother. 2006; 57: 724-731
10) Takemoto K., et al.: Chemotherapy. 2006; 52: 271-278
住友ファーマ株式会社
〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
くすり情報センターTEL 0120-034-389
大阪市中央区道修町2-6-8
患者さんの体重にあわせ必要なバイアルを準備し、1バイアルにつき注射用水12mLを加える。注意
※コアリング:バイアルのゴム栓に注射針を穿刺するときに、ゴムの削片が生じ注射液に異物混入をおこす現象。
本剤は溶けにくいので、注射用水注入後、直ちに振とうし、均一な黄色の半透明な液になるまで激しく振り混ぜる。注意
完全に溶解した本剤は、黄色く半透明な液[4mg(力価)/mL]で泡立ちやすい。
溶解した本剤をシリンジに採取する。注意
シリンジに添付のフィルター(孔径5μm)を取り付ける。注意
採取した溶解薬液をフィルターろ過しながら5%ブドウ糖注射液に加え、静注用希釈液とする。〈参考〉
添付のフィルターについては「14.1 薬剤調製時の注意」の項を参照すること。
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.