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劇薬
麻薬
処方箋医薬品注)
中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1日30~120mgを1日6回に分割し経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤の1回量は定時投与中のモルヒネ経口製剤の1日量の1/6量を目安として投与すること。
1回5~10mgから開始し、鎮痛効果及び副作用の発現状況を観察しながら、用量調節を行うこと。
1日量を6分割して使用する場合には、4時間ごとの定時に経口投与すること。ただし、深夜の睡眠を妨げないように就寝前の投与は2回分を合わせて投与することもできる。
連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は、患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。
本剤の投与を必要としなくなった場合には、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。治療期間の延長をきたすおそれがある。
循環不全を増強するおそれがある。
呼吸抑制を増強するおそれがある。
呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。
循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
呼吸抑制を起こすおそれがある。
呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。
呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
依存性を生じやすい。
排尿障害を増悪することがある。
消化管運動を抑制する。
痙攣を誘発するおそれがある。
胆道痙攣を起こすことがある。
連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。
排泄が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
投与しないこと。昏睡に陥ることがある。
代謝が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
本剤投与中は授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行することがある。
新生児、乳児では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。新生児、乳児では、呼吸抑制の感受性が高い。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。
ナルメフェン塩酸塩水和物
本剤の離脱症状があらわれるおそれがある。また、本剤の効果が減弱するおそれがある。緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること。また、手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にはナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること。
μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。
中枢神経抑制剤
吸入麻酔剤モノアミン酸化酵素阻害剤三環系抗うつ剤β-遮断剤アルコール
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。
相加的に中枢神経抑制作用が増強される。
クマリン系抗凝血剤
クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある。
機序は不明である。
抗コリン作動性薬剤
麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。
相加的に抗コリン作用が増強される。
ジドブジン(アジドチミジン)
ジドブジンの副作用(骨髄抑制等)を増強させるおそれがある。
ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害され、ジドブジンの代謝が阻害される。
ブプレノルフィン
ブプレノルフィンの高用量(8mg連続皮下投与)において、本剤の作用に拮抗するとの報告がある。
**クロピドグレル
**チカグレロル
**プラスグレル
これらの薬剤の血漿中濃度が低下するとの報告がある。
本剤の消化管運動抑制により、これらの薬剤の吸収が遅延する可能性が考えられる。
連用により生じることがある。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。
息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
炎症性腸疾患の患者に投与した場合、中毒性巨大結腸があらわれるとの報告がある。
5%以上
1~5%未満
頻度不明
循環器
低血圧
不整脈、血圧変動、顔面潮紅
呼吸器
呼吸抑制、一過性無呼吸、低酸素血症
*精神神経系
眠気(29.4%)
意識障害、一過性失見当識、ふらつき、頭重感
めまい、不安、不穏、興奮、視調節障害、発汗、痛覚過敏・異痛症(アロディニア)
消化器
便秘(52.9%)、嘔気(25.9%)、嘔吐(14.1%)
食欲不振、腹部不快感
口渇
過敏症
そう痒感
発疹
肝臓
ALTの上昇、ALPの上昇
ASTの上昇
その他
排尿障害、全身倦怠感
頭蓋内圧の亢進
呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数の減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する。なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間はモルヒネのそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて、初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する。
本剤を用いた薬物動態試験は実施されていない。なお、院内製剤として調剤されたモルヒネ水溶液の癌患者における薬物動態は以下のように報告されている。
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
t1/2(h)
AUC0~∞(ng・h/mL)
0.9±0.1
16.6±3.3
2.2±0.3
39.6±6.2
平均値±標準誤差
AUC0~4(ng・h/mL)
0.5±0.2
19.5±8.1
2.9±1.1
53.6±14.7
平均値±標準偏差
モルヒネは肝臓で3位又は6位の水酸基がグルクロン酸抱合を受け、モルヒネ-3-グルクロニド(活性なし)又はモルヒネ-6-グルクロニド(活性あり)になる。
癌患者を対象に、本剤1日30~90mgを中心として経口投与したオープン試験の結果は次のとおりである。
試験
有効率
定時投与注2)
新規例注3)
97.0%(32/33例)
切替例注4)
100%(9/9例)
臨時追加投与注5)
77.5%(31/40例)
計
87.8%(72/82例)
副作用発現頻度は74.1%(63/85例)で、主な副作用は便秘52.9%(45例)、眠気29.4%(25例)、嘔気25.9%(22例)及び嘔吐14.1%(12例)であった。対象別の副作用発現頻度は、新規例では85.3%(29/34例)、切替例では63.6%(7/11例)、臨時追加投与例では67.5%(27/40例)であった。臨床検査値異常発現頻度(臨時追加投与例は評価対象外)は13.9%(5/36例)で、主な臨床検査値異常はALT上昇8.6%(3例)、ALP上昇6.1%(2例)であった。対象別の臨床検査値異常発現頻度は、新規例では16.0%(4/25例)、切替例では9.1%(1/11例)であった3)。
オピオイド受容体の主としてμ-受容体を介して、脊髄、視床など求心性痛覚伝導路を抑制するとともに、脳幹から脊髄後角に至る下行性痛覚抑制系を賦活することにより鎮痛作用を示す。そのほか、大脳辺縁系に作用して疼痛に伴う不安や恐怖といった情動反応を抑制し、また、大脳皮質における痛覚閾値を上昇させることも作用機序の一部として考えられている。
モルヒネ塩酸塩水和物の経口投与による鎮痛作用をラットtail pressure法及び酢酸writhing法を用いて検討した。その結果、用量依存的な鎮痛作用が認められ、それぞれの試験におけるED50値は34.3及び1.23mg/kgであった4)。
モルヒネ塩酸塩水和物(Morphine Hydrochloride Hydrate)
(5R, 6S)-4,5-Epoxy-17-methyl-7,8-didehydromorphinan-3,6-diol monohydrochloride trihydrate
C17H19NO3・HCl・3H2O
375.84
白色の結晶又は結晶性の粉末である。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。光によって徐々に黄褐色を帯びる。
本剤は、液漏れ検査を実施しているが、外部衝撃等により、スティック包装のシール部分から液漏れが発生するおそれがあるので、万一内袋の内側又はスティック包装の表面に水滴や結晶が付着している場合は、使用しないこと。
20包[10包×2]
1) 水口公信: 薬理と臨床. 2003; 13: 15-24
2) 平賀一陽ほか: 臨床薬理. 1989; 20: 639-647
3) Dan K., et al.: PAIN RESEARCH. 2003; 18: 91-103
4) 喜多敦子ほか: 薬学雑誌. 1990; 110: 349-353
住友ファーマ株式会社
〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
くすり情報センターTEL 0120-034-389
本剤は厚生労働省告示第75号(平成24年3月5日付)に基づき、投薬は1回30日分を限度とされている。
大阪市中央区道修町2-6-8
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