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処方箋医薬品注)
結腸・直腸癌に対するテガフール・ウラシルの抗腫瘍効果の増強
術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
通常、成人にはホリナートとして75mgを、1日3回に分けて(約8時間ごとに)、テガフール・ウラシル配合剤と同時に経口投与する。テガフール・ウラシル配合剤の投与量は、通常、1日量として、テガフール300~600mg相当量(300mg/m2を基準)を1日3回に分けて(約8時間ごとに)、食事の前後1時間を避けて経口投与する。以上を28日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。
本療法は食事の影響を受けるので、食事の前後1時間を避けて投与すること。
骨髄抑制が増強するおそれがある。
骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。,
症状が悪化するおそれがある。
耐糖能異常が悪化するおそれがある。
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
下痢、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
肝障害が悪化するおそれがある。
*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。テガフール・ウラシル配合剤を投与された女性において奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、動物実験で催奇形作用の報告(妊娠ラットで胎児の骨格変異、化骨遅延等が認められている)がある。,
授乳しないことが望ましい。テガフール・ウラシル配合剤の動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しているので、特に消化器障害(下痢、口内炎等)、骨髄抑制があらわれやすい。
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(ティーエスワン),
早期に重篤な血液障害や下痢、口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本療法を施行しないこと。
ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する。
フェニトイン
フェニトイン中毒(嘔気・嘔吐、眼振、運動障害等)が発現することがある。必要に応じてフェニトインの血中濃度を測定し、フェニトインの用量調節を行い、注意して投与すること。異常が認められた場合には本療法を中止するなど適切な処置を行うこと。
テガフールによってフェニトインの代謝が抑制され、フェニトインの血中濃度が上昇する。
ワルファリンカリウム
テガフールがワルファリンカリウムの作用を増強することがあるので、凝固能の変動に注意すること。
機序は不明である。
他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射
消化管障害、血液障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
副作用が相互に増強される。
葉酸代謝拮抗剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム等)
これらの薬剤の作用が減弱することがある。
ホリナートによって葉酸代謝拮抗作用が減弱するためと考えられる。
汎血球減少、無顆粒球症(症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)、白血球減少、血小板減少、貧血、出血傾向、溶血性貧血等があらわれることがある。,,,
,
長期投与においてAST、ALTの明らかな上昇を伴わずに肝硬変があらわれることがあるので、プロトロンビン時間延長、アルブミン低下、コリンエステラーゼ低下、血小板減少等が認められた場合には投与を中止すること。
激しい下痢があらわれ、脱水症状まで至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。,
出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等があらわれることがあるので、激しい腹痛・下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
白質脳症(意識障害、小脳失調、認知症様症状等を主症状とする)や意識障害、失見当識、傾眠、記憶力低下、錐体外路症状、言語障害、四肢麻痺、歩行障害、尿失禁、知覚障害等があらわれることがある。
狭心症、心筋梗塞、不整脈(心室頻拍等を含む)があらわれることがあるので、胸痛、失神、息切れ、動悸、心電図異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
嗅覚障害があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがある。
間質性肺炎(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を行い、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。
腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明注1)
血液
赤血球減少、血色素減少、ヘマトクリット値減少、好中球減少、好酸球増多、リンパ球減少
好塩基球増多
平均赤血球容積(MCV)増加
肝臓
肝機能障害(AST、ALTの上昇等)、総ビリルビン上昇、Al-P上昇
黄疸、脂肪肝
腎臓
蛋白尿
腎機能障害(BUN、クレアチニンの上昇等)
血尿
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、口内炎、便秘、味覚異常
腹痛、心窩部痛、腹部膨満感、胃不快感、胃重感、舌炎、口唇炎
胸やけ、口角炎、口渇、胃炎、嚥下困難、腹鳴
精神神経系
倦怠感
頭痛、頭重感、耳鳴
眩暈、しびれ、興奮、末梢性ニューロパチー
皮膚注2)
色素沈着
皮膚炎、皮膚の乾燥、手足症候群
皮膚びらん、角化、紅潮、光線過敏症、水疱、DLE様皮疹、爪の異常、脱毛、浮腫
過敏症
発疹、そう痒
蕁麻疹、発赤
循環器
動悸、胸痛、胸内苦悶感、心電図異常(ST上昇等)
その他
総蛋白低下、LDH上昇、発熱、血糖値上昇、糖尿、血清ナトリウム低下、血清カルシウム低下
頻尿、血清カリウム上昇、血清カリウム低下、血清クロール上昇、血清クロール低下、血清カルシウム上昇
血痰、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、無月経、関節痛、灼熱感、結膜充血、咳・痰、血清尿酸値上昇、女性型乳房、筋肉痛、CK上昇
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
*テガフール・ウラシル配合剤の哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験において、遺伝毒性が報告されている。,
日本人癌患者44例にホリナート25mgを経口投与後の血中ホリナート濃度は、投与1.5~3時間後に最高値(473.6±214.0ng/mL)に達し、半減期は7時間であった。また、活性型葉酸(5-MTHF)は投与0.3~5時間後に最高値(468.0±193.0ng/mL)に達し、半減期は3.1時間であった1)。
癌患者25例にクロスオーバー法で、空腹時及び食後(高脂肪食摂取後)にホリナート30mg及びテガフール・ウラシル配合剤(テガフール200mg相当量)を投与した場合、空腹時に比べて食後投与時のウラシルのAUC、テガフールから変換されたフルオロウラシルのAUCはそれぞれ66%、37%減少し、ホリナートのAUCは61%上昇した。一方、テガフールのAUCには著明な変化は認められなかった2)(外国人データ)。
本療法は国内外のブリッジング試験(国内:44例、外国:45例)及び外国臨床試験で検討されたものである。
結腸・直腸癌患者44例を対象に本療法※1を実施した結果、奏効率は36.4%(16/44例)であった1)。副作用評価可能症例数は44例であり、副作用発現率は95.5%(42/44例)であった。主な副作用は次のとおりであった。
副作用
発現率
下痢(グレード3)注3)
38.6%(9.1%)
口内炎(グレード3)
34.1%(4.5%)
食欲不振
31.8%
悪心
29.5%
18.2%
白血球減少
25.0%
好中球減少
27.3%
赤血球減少(グレード3)
50.0%(4.5%)
ヘマトクリット値減少
40.9%
血小板減少(グレード3)
4.5%(2.3%)
AST上昇(グレード3以上)
29.5%(2.3%)
ALT上昇(グレード3以上)
36.4%(2.3%)
総ビリルビン上昇(グレード3)
47.7%(2.3%)
※1:LV:75mg/日とUFT:300mg/m2/日(テガフール相当量)を併用連日28日間経口投与し、その後7日間休薬を1クールとする
結腸・直腸癌患者45例を対象に本療法※1を実施した結果、奏効率は34.1%(15/44例)であった1)。副作用評価可能症例数は45例であり、副作用発現率は100%(45/45例)であった。主な副作用は、下痢68.9%(31/45例)、倦怠感66.7%(30/45例)、悪心64.4%(29/45例)、嘔吐31.1%(14/45例)、腹痛26.7%(12/45例)であった。このうちグレード3以上の副作用は、下痢22.2%(10/45例)、腹痛6.7%(3/45例)、悪心及び嘔吐4.4%(2/45例)であった。
結腸・直腸癌を対象にホリナート・フルオロウラシル療法(ホリナート注射剤とフルオロウラシル注射剤の併用療法、5-FU/LV)と本療法(ホリナート・テガフール・ウラシル療法、UFT/LV)との生存期間の同等性検証を主目的とした非盲検デザインの比較試験を実施した。結果は以下のとおりで、生存期間はUFT/LVと5-FU/LVで同等であった3)。
生存期間
病勢進行までの期間
UFT/LV※1
5-FU/LV※2
UFT/LV
5-FU/LV
例数
409
407
中央値(月)[95%信頼区間]
12.4[11.2,13.6]
13.4[11.6,15.4]
3.5[3.0,4.4]
3.8[3.6,5.0]
ハザード比※3[95%信頼区間]
0.964[0.826,1.125]※4
0.823[0.708,0.958]※5
層併合ログランク検定※6
p=0.630
p=0.011
※1 LV:75mg又は90mg/日とUFT:300mg/m2/日(テガフール相当量)を併用連日28日間経口投与し、その後7日間休薬を1クールとする
※2 LV:20mg/m2/日と5-FU:425mg/m2/日を週5日間連日静脈内投与し、その後23日間休薬を1クールとする注4)
※3 ハザード比(5-FU/LV:UFT/LV)
※4 95.6%信頼区間
※5 95.1%信頼区間
※6 層別因子:前補助療法の有無、ECOG PSの0,1対2、測定可能病変の有無
結腸・直腸癌を対象にホリナート・フルオロウラシル療法(ホリナート注射剤とフルオロウラシル注射剤の併用療法、5-FU/LV)と本療法(ホリナート・テガフール・ウラシル療法、UFT/LV)との病勢進行までの期間の優越性検証を主目的とした非盲検デザインの比較試験を実施した。結果は以下のとおりで、病勢進行までの期間はUFT/LVと5-FU/LVで有意差は認められなかった4)。
190
12.2[10.4,13.8]
10.3[8.2,13.0]
3.4[2.6,3.8]
3.3[2.5,3.7]
1.144[0.920,1.424]
0.941[0.753,1.175]
層併合ログランク検定※4
p=0.227
p=0.591
※1 LV:90mg/日とUFT:300mg/m2/日(テガフール相当量)を併用連日28日間経口投与し、その後7日間休薬を1クールとする
※2 LV:20mg/m2/日と5-FU:425mg/m2/日を週5日間連日静脈内投与し、その後30日間休薬を1クールとする注5)
※4 層別因子:前補助療法の有無、ECOG PSの0対1,2
テガフール・ウラシルはフルオロウラシルのプロドラッグであるテガフールにフルオロウラシルの分解阻害作用を有するウラシルをモル比1:4(テガフール:ウラシル)で配合した抗悪性腫瘍剤である。ホリナートの光学活性体(l体)であるレボホリナートはBiochemical Modulationによりフルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強させる。フルオロウラシルは活性代謝物であるフルオロデオキシウリジン一リン酸(FdUMP)が、チミジル酸合成酵素(Thymidylate synthase:TS)と結合し、TS活性を阻害することにより、チミジル酸合成を抑制しDNA合成を阻害する。レボホリナートは細胞内で還元され、5,10-CH2-THFとなる。この5,10-CH2-THFはFdUMP、TSと強固な三元複合体(Ternary complex)を形成し、TSの解離を遅延させることにより、フルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強させる。従って、ホリナートとテガフール・ウラシルの併用により、テガフールの分解産物であるフルオロウラシルの抗腫瘍効果が増強される。
ヒト結腸癌細胞(COLO205)に対して、レボホリナートとして0.006μM濃度のホリナートを用いたin vitro試験で、フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強作用が認められている5)。
ヒト結腸癌細胞(KM20C、KM12C、Co-3)を移植したヌードマウスに対し、ホリナート(20mg/kg/day)とテガフール・ウラシル(テガフール20mg/kg/day)の併用でテガフール・ウラシル単独投与群に比較して抗腫瘍効果増強作用を示す6),7)。
ホリナートカルシウム水和物(Calcium Folinate Hydrate)(別名:ロイコボリンカルシウム)
Monocalcium N-(4-{[(2-amino-5-formyl-4-oxo-1,4,5,6,7,8-hexahydropteridin-6-yl)methyl]amino}benzoyl)-L-glutamate hydrate
C20H21CaN7O7・xH2O
白色~淡黄色の結晶性の粉末である。水にやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
アルミピロー包装開封後は湿気をさけ遮光して保存すること。
*PTP包装:42錠(21錠×2)
1) Shirao, K. et al. : J. Clin. Oncol. 2004 ; 22(17): 3466-3474
2) Damle, B. et al. : Clin. Cancer Res. 2001 ; 7(3): 517-523
3) Douillard, J. -Y. et al. : J. Clin. Oncol. 2002 ; 20(17): 3605-3616
4) Carmichael, J. et al. : J. Clin. Oncol. 2002 ; 20(17): 3617-3627
5) 岡部博之:ヒト結腸癌細胞株COLO205における5-fluorouracilの抗腫瘍効果に対するLV及び5-methyltetrahydrofolateの効果増強濃度検討(in vitro)(承認年月日:2003年7月17日、申請資料概要ホ.1.(5))
6) 岡部博之:ヒト結腸癌株KM20Cのヌードマウス皮下移植モデルにおけるUFTの抗腫瘍効果に対するLV併用投与による効果増強用量の検討(承認年月日:2003年7月17日、申請資料概要ホ.1.(1))
7) 岡部博之:ヒト大腸癌株のヌードマウス皮下移植モデルにおけるUFTの抗腫瘍効果に対するLV併用投与による効果増強の検討(承認年月日:2003年7月17日、申請資料概要ホ.1.(2))
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