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毒薬
処方箋医薬品注)
特定生物由来製品
*乳癌にはA法又はE法を、胃癌にはA法又はD法を、非小細胞肺癌にはB法を、治癒切除不能な膵癌にはC法を使用する。A法:通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回260mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。B法:通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回100mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週間連続し、これを1コースとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。C法:ゲムシタビンとの併用において、通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回125mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週間連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。D法:通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回100mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週間連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。E法:他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回100mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週間連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
第8日目
投与前血液検査(/mm3)
対応
①
好中球数1,000超かつ血小板数75,000以上
投与量変更なし
②
好中球数500以上1,000以下又は血小板数50,000以上75,000未満
1段階減量
③
好中球数500未満又は血小板数50,000未満
休薬
第15日目
第8日目での血液検査の結果
①の場合
②の場合
第1日目投与量に増量可
③の場合
第8日目投与量に同じ
①~③の場合
投与後、好中球数が7日間以上にわたって500/mm3未満となった場合、血小板数が50,000/mm3未満となった場合、又は発熱性好中球減少症が発現した場合には、次回の投与量を減量すること。また、高度(Grade 3)な末梢神経障害が発現した場合には、軽快又は回復(Grade 1以下)するまで投与を延期し、次回の投与量を減量すること。,,,,,
減量段階
A法
B法又はE法
C法
D法
通常投与量
260mg/m2
100mg/m2
125mg/m2
220mg/m2
75mg/m2
80mg/m2
2段階減量
180mg/m2
50mg/m2
60mg/m2
骨髄抑制が増強するおそれがある。,,,
症状を増悪させるおそれがある。
腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。
代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)において催奇形性作用、胚・胎児死亡が報告されている。,
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が他のパクリタキセル製剤にて報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
用量並びに投与間隔に留意し、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなどして注意すること。一般に生理機能が低下していることが多く骨髄抑制等があらわれやすい。
放射線照射
パクリタキセルに胸部への放射線照射を併用した場合に、重篤な食道炎又は肺臓炎が発現したとの報告がある。併用する場合には、患者の状態に注意し、食道炎や肺陰影等が出現した場合には、本剤の投与及び放射線照射を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。
機序は不明であるが、動物試験(マウス)でパクリタキセルによる放射線感受性増加が認められている。
骨髄抑制等を増強することがあるので、併用する場合には、患者の状態を観察しながら、本剤を減量するか又は投与間隔を延長すること。
骨髄抑制等の予想される副作用項目が重複している。
抗悪性腫瘍剤
骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。
骨髄抑制等の予想される副作用が重複している。
シスプラチン
パクリタキセルをシスプラチンの後に投与した場合、逆の順序で投与した場合より骨髄抑制が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、本剤をシスプラチンの前に投与すること。
パクリタキセルをシスプラチンの後に投与した場合、パクリタキセルのクリアランスが低下し、パクリタキセルの血中濃度が上昇する。
末梢神経障害が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。
末梢神経障害が予想される副作用として重複している。
ドキソルビシン塩酸塩
パクリタキセルをドキソルビシンの前に投与した場合、逆の順序で投与した場合より骨髄抑制が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、本剤をドキソルビシンの後に投与すること。
パクリタキセルをドキソルビシンの前に投与した場合、ドキソルビシンのクリアランスが低下し、ドキソルビシンの血中濃度が上昇する。
心毒性が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。
胆汁排泄の競合により、ドキソルビシン及びその代謝物であるドキソルビシノールの血中濃度が上昇する。
ビタミンA、アゾール系抗真菌剤(ミコナゾール等)、マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン等)、ステロイド系ホルモン剤(エチニルエストラジオール等)、ジヒドロピリジン系カルシウムチャンネルブロッカー(ニフェジピン等)、シクロスポリン、ベラパミル塩酸塩、キニジン硫酸塩水和物、ミダゾラム、ラパチニブトシル酸塩水和物
併用薬剤がCYP2C8、CYP3A4等を阻害し、パクリタキセルの代謝が阻害され、パクリタキセルの血中濃度が上昇する。
好中球減少(51.9%)、白血球減少(29.6%)、リンパ球減少(6.1%)、貧血[ヘモグロビン減少(31.4%)、ヘマトクリット値減少(1.1%)、赤血球減少(1.1%)等]、血小板減少(17.7%)、汎血球減少(0.3%)等があらわれることがある。また、骨髄抑制の持続により、発熱性好中球減少症(2.9%)等の感染症の併発が報告されている。,,,
好中球減少の有無にかかわらず敗血症(0.8%)等の感染症があらわれ、死亡に至る例が報告されている。異常が認められた場合には、抗菌薬の投与等の適切な処置を行うこと。
しびれなどの末梢神経障害、麻痺、片麻痺、不全麻痺があらわれることがある。,
顔面神経麻痺、声帯麻痺等の脳神経麻痺があらわれることがある。
呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
急速に進行する呼吸困難、低酸素症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
出血性大腸炎、偽膜性大腸炎、虚血性大腸炎等があらわれることがあるので、激しい腹痛・下痢等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腸管閉塞、腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹痛、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管閉塞、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止し、腸管減圧法等の適切な処置を行うこと。
血清アミラーゼ値等に異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
BUN、血清クレアチニン、クレアチニン・クリアランス値等に異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
20%以上
5~20%未満
5%未満
頻度不明
*皮膚及び皮下組織障害
脱毛(症)(64.8%)、発疹
そう痒症、爪の異常
顔面腫脹、蕁麻疹、手足症候群、皮膚乾燥、色素沈着、光線過敏症
強皮症様変化
神経系障害
味覚異常
嗜眠、めまい、頭痛、運動失調、振戦、反射減弱、注意力障害
*全身障害及び投与局所様態
倦怠感(36.7%)
無力症、発熱、浮腫
疼痛、胸痛、注射部位反応、悪寒
*胃腸障害
悪心(31.9%)、下痢
口内炎、嘔吐、便秘
腹痛、消化不良、腹部膨満(感)、口内乾燥、嚥下障害、口唇炎、舌痛
筋骨格系及び結合組織障害
関節痛、筋肉痛
四肢痛、骨痛、背部痛、胸壁痛、筋力低下、筋痙縮
代謝及び栄養障害
食欲不振
脱水(症)
*臨床検査
ALT上昇、AST上昇
γ-GTP上昇、Al-P上昇、クレアチニン上昇、カリウム上昇、カリウム低下、ビリルビン上昇、アルブミン減少、カルシウム低下、ナトリウム低下、好酸球数増多、総蛋白減少、血糖値上昇、尿糖陽性、尿蛋白陽性、体重減少
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
鼻出血
呼吸困難、咽喉頭痛、咳嗽、胸水、鼻炎、喀血、発声障害、しゃっくり
眼障害
視力異常、眼痛、眼乾燥、角膜炎、結膜炎、流涙、黄斑浮腫
精神障害
不眠症、不安、うつ病
血管障害
高血圧、潮紅、低血圧
腎及び尿路障害
尿失禁
心臓障害
頻脈、不整脈、徐脈
耳及び迷路障害
耳痛
生殖系及び乳房障害
乳房痛
注意:懸濁液を生理食塩液に入れて希釈しないこと。
日本人進行固形癌患者に本剤80~300mg/m2注2)を30分間点滴静注したときの血漿中パクリタキセル濃度は多相性の消失を示し、AUC及びCmaxは80~300mg/m2まで用量依存的な増加を示した。消失半減期は16.5~40.2時間であった1)。
ラットに本剤の3H標識体を投与した24時間後における組織内放射能濃度は、脳を除く各臓器・組織で高く、速やかに移行した。また、前立腺、肝臓、肺、精嚢、膵臓、脾臓、消化管、腎臓で血液・血漿より高かった。120時間後における放射能が高かった組織は肝臓、肺、精巣及び卵巣であった2)。
ヒトにおいては、パクリタキセルは主にCYP2C8により6α-ヒドロキシパクリタキセルに代謝され、CYP3A4により3´-p-ヒドロキシパクリタキセルに代謝される。また、これら2種の代謝物はそれぞれCYP3A4及びCYP2C8により更に6α, 3´-p-ジヒドロキシパクリタキセルに代謝されることが知られている3)。これらの代謝物は、外国人乳癌患者の尿中、糞中及び血漿中にも認められた4)。
外国人乳癌患者に本剤260mg/m2を30分間点滴静注したときの未変化体パクリタキセルの尿中排泄量の平均値は約4%であり、これは腎外での消失が主な排泄経路であることを示している。代謝物である6α-ヒドロキシパクリタキセル及び3´-p-ヒドロキシパクリタキセルの尿中排泄率は総投与量の1%以下であった。糞中には総投与量の約20%が排泄された4)。
AST及びビリルビンに基づいて肝機能障害の程度を分類し、その障害の程度に応じ3用量(130mg/m2、200mg/m2、260mg/m2)注2)を設定し、本剤の薬物動態について検討した5)。
肝機能障害の程度
投与量(n)
AUCinf(ng・hr/mL)
CL(L/hr/m2)
AST
かつ
ビリルビン
>ULN-<10×ULN
>ULN-≦1.25×ULN
260mg/m2(5)
11983±4335
23.8±7.5
1.26-2.0×ULN
200mg/m2(4)
8660±2891
24.9±7.0
2.01-5.0×ULN
130mg/m2(5)
7146±1326
18.7±3.1
ULN:基準値上限。AUCinf及びCLは平均±標準偏差を示した。AST≧10×ULNあるいはビリルビン>5.0×ULNの肝機能障害患者については検討されていない。
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学治療に不応となった胃癌患者を対象として、本剤(A群(A法):3週を1コースとして、本剤260mg/m2を1日目に投与、及びB群(D法):4週を1コースとして、本剤100mg/m2を週1回(1、8及び15日目)投与し、4週目(22日目)を休薬)と、他のパクリタキセル製剤(C群:4週を1コースとして、他のパクリタキセル製剤80mg/m2を週1回(1、8及び15日目)投与し、4週目(22日目)を休薬)を比較した試験結果は以下のとおりであった6)。
群(例数)
A群(A法)(243)
B群(D法)(240)
C群(243)
生存期間中央値(月)
10.3
11.1
10.9
ハザード比a(信頼区間)
1.06(0.87~1.31)b
0.97(0.76~1.23)c
-
p値d
0.062
0.0085
a:多変量Cox比例ハザードモデル。b:C群に対するA群のハザード比及び95%信頼区間。95%信頼区間の上限値が非劣性マージンとして設定した1.25を上回り、非劣性は示されなかった。c:C群に対するB群のハザード比及び97.5%信頼区間。97.5%信頼区間の上限値が非劣性マージンとして設定した1.25を下回り、非劣性が示された。d:非劣性の仮説検定に対応する片側p値。
A法の副作用の発現率は99.6%(243/244例)であり、主な副作用は末梢神経障害(84.8%)、好中球減少(81.6%)、脱毛症(80.7%)、白血球減少(63.9%)、食欲減退(38.5%)、関節痛(38.5%)、筋肉痛(35.2%)であった。D法の副作用の発現率は98.8%(238/241例)であり、主な副作用は脱毛症(82.6%)、末梢神経障害(66.0%)、好中球減少(65.6%)、白血球減少(56.8%)であった。
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学治療に不応となった胃癌患者を対象とした試験(本剤260mg/m2 30分点滴静注3週ごと投与)における奏効率は、27.8%(15/54例)であった7)。副作用の発現率は100%(55/55例)であり、主な副作用は脱毛(94.5%)、末梢神経障害(92.7%)、白血球減少(85.5%)、好中球減少(78.2%)、関節痛(65.5%)、筋肉痛(63.6%)、発疹(54.5%)、食欲不振(52.7%)、貧血(38.2%)、リンパ球減少(38.2%)、悪心(38.2%)、ALT上昇(36.4%)、AST上昇(34.5%)、口内炎(32.7%)であった。
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学治療に不応となった胃癌患者を対象に本剤とラムシルマブを併用投与した試験(4週を1コースとして、本剤100mg/m2を1、8及び15日目に、ラムシルマブ8mg/kgを1及び15日目に投与し、4週目(22日目)を休薬)における奏効率は、54.8%(23/42例)であった8)。,副作用の発現率は100%(43/43例)であり、主な副作用は脱毛(93.0%)、好中球減少(90.7%)、末梢神経障害(58.1%)、鼻出血(46.5%)、高血圧(41.9%)、白血球減少(37.2%)であった。
乳癌患者を対象に実施した本剤と他のパクリタキセル製剤との試験(本剤260mg/m2 30分点滴静注3週ごと投与)における奏効率は、24.0%(55/229例)であった4)。
本剤(260mg/m2)(30分点滴静注、3週ごと投与)
他のパクリタキセル製剤(175mg/m2)(3時間点滴静注、3週ごと投与)
症例数(例)
229
225
奏効例(例)
55
25
標的病変奏効率(%)
24.0
95%信頼区間(%)
18.48~29.55
7.00~15.22
本剤における副作用の発現率は99.1%(227/229例)であり、主な副作用は脱毛(90.4%)、末梢神経障害(70.7%)、関節痛(31.9%)、好中球減少(33.6%)であった。
化学療法歴のないホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌患者の初回治療において、本剤とアテゾリズマブの併用投与(A群:4週を1コースとして、本剤100mg/m2を1、8及び15日目に、アテゾリズマブ840mgを1及び15日目に投与し、4週目(22日目)を休薬)と、本剤とプラセボの併用投与(B群:4週を1コースとして、本剤100mg/m2を1、8及び15日目に、プラセボを1及び15日目に投与し、4週目(22日目)を休薬)を比較した試験について、全体集団のうち、PD-L1陽性集団(日本人25例を含む)の結果は以下のとおりであった9)。
PD-L1陽性集団
ハザード比(信頼区間)
p値
A群(185)
B群(184)
無増悪生存期間中央値(月)
7.46
4.96
0.62(0.49~0.78)
<0.0001a
a:層別log-rank検定
A群(日本人34例を含む)における副作用の発現率は96.5%(436/452例)であり、主な副作用は、脱毛(56.2%)、末梢神経障害(52.2%)、倦怠感(43.4%)、悪心(41.2%)、好中球減少(33.2%)であった。また、主な免疫関連副作用は甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症(12.6%)、甲状腺機能亢進症(3.8%)等)、副腎機能障害(副腎機能不全(0.4%)等)であった。
化学療法歴のないホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌患者の初回治療において、本剤を含む化学療法注3)とペムブロリズマブ注4)の併用投与(A群)と、本剤を含む化学療法注3)とプラセボ注5)の併用投与(B群)を比較した試験について、全体集団のうち、PD-L1陽性(CPS注6)≧10)集団(日本人28例を含む)の結果は以下のとおりであった10)。
PD-L1陽性(CPS≧10)集団
p値b
A群(220)
B群(103)
9.7
5.6
0.65(0.49~0.86)
0.0012
a:層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボ+化学療法との比較b:層別log-rank検定
A群のうち本剤とペムブロリズマブの併用投与(日本人5例を含む)における副作用の発現率は95.3%(164/172例)であり、主な副作用は脱毛(51.7%)、貧血及び悪心(各30.8%)、好中球減少(29.1%)、下痢(26.7%)、疲労(23.8%)であった。また、主な免疫関連副作用は甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症(17.4%)、甲状腺機能亢進症(4.7%)、甲状腺炎(1.7%)等)であった。
非小細胞肺癌患者(Stage ⅢB/Ⅳ)の初回治療において、本剤とカルボプラチンの併用投与(A群:3週を1コースとして、1日目に本剤100mg/m2及びカルボプラチンAUC=6注7)を投与し、8日目と15日目に本剤100mg/m2を投与)と、他のパクリタキセル製剤とカルボプラチンの併用投与(T群:3週を1コースとして、1日目に他のパクリタキセル製剤200mg/m2及びカルボプラチンAUC=6を投与)を比較した試験結果は以下のとおりであった11)。
A群
T群
奏効率(例数)
33%(170/521)
25%(132/531)
0.005a
a:カイ二乗検定
A群(日本人72例を含む)における副作用の発現率は91.2%(469/514例)であり、主な副作用は好中球減少(59.1%)、脱毛(55.8%)、貧血(48.8%)、末梢神経障害(45.5%)、血小板減少(44.7%)であった。
遠隔転移を有する膵癌患者の初回治療において、本剤とゲムシタビンの併用投与(A群:4週を1コースとして、本剤125mg/m2及びゲムシタビン1,000mg/m2を週1回(1、8及び15日目)投与し、4週目(22日目)を休薬)と、ゲムシタビン単独投与(B群:4週を1コースとして、ゲムシタビン1,000mg/m2を週1回(1、8及び15日目)投与し、4週目(22日目)を休薬(第1サイクルのみ22日目にも投与))注8)を比較した試験結果は以下のとおりであった12)。
A群(431)
B群(430)
ハザード比
8.5
6.7
0.72
<0.001a
A群における副作用の発現率は95.7%(403/421例)であり、主な副作用は疲労226例(53.7%)、脱毛211例(50.1%)、悪心207例(49.2%)、末梢神経障害206例(48.9%)、貧血194例(46.1%)、好中球減少193例(45.8%)、下痢156例(37.1%)、血小板減少149例(35.4%)、末梢性浮腫141例(33.5%)、嘔吐133例(31.6%)であった。
微小管蛋白重合を促進することにより微小管の安定化・過剰形成を引き起こし、紡錘体の機能を障害することにより細胞分裂を阻害して抗腫瘍活性を発揮する13),14)。
ヌードマウスの皮下に移植されたヒト乳癌組織(MX-1)及びヒト膵癌由来細胞株(AsPC-1)に対し、腫瘍退縮効果あるいは腫瘍増殖抑制効果が認められている15),16)。
パクリタキセル(Paclitaxel)
(-)-(1S,2S,3R,4S,5R,7S,8S,10R,13S)-4,10-Diacetoxy-2-benzoyloxy-5,20-epoxy-1,7-dihydroxy-9-oxotax-11-en-13-yl(2R,3S)-3-benzoylamino-2-hydroxy-3-phenylpropionate
C47H51NO14
853.91
1バイアル
1) *臨床第Ⅰ相試験におけるABI-007投与後の薬物動態データを用いた用量比例性の解析(承認年月日:2010年7月23日、CTD2.7.2.2、2.7.2.5)
2) Sparreboom, A., et al. : Clin. Cancer Res. 2005 ; 11(11): 4136-4143
3) Rochat, B. : Clin. Pharmacokinet. 2005 ; 44(4): 349-366
4) A Controlled Randomized, Phase Ⅲ, Multicenter, Open Label Study of ABI-007(A Cremophor-Free, Protein Stabilized, Nanoparticle Paclitaxel)and Taxol in Patients With Metastatic Breast Cancer(承認年月日:2010年7月23日、CTD2.7.2.2、2.7.2.3、2.7.3.2)
5) A Phase I Study To Evaluate The Safety And Pharmacokinetics Of ABI-007 In Patients With Advanced Solid Tumors With Hepatic Dysfunction, 社内資料, 研究報告書No.343
6) Shitara, K., et al. : Lancet Gastroenterol, Hepatol. 2017 ; 2(4): 277-287
7) Sasaki, Y., et al. : Cancer Sci. 2014 ; 105(7): 812-817
8) Bando, H., et al.:Eur. J. Cancer. 2018 ; 91 : 86-91
9) Schmid, P., et al.:N. Engl. J. Med. 2018 ; 379(22): 2108-2121
10) Cortes, J., et al. : Lancet. 2020 ; 396(10265): 1817-1828
11) Socinski, M.A., et al. : J. Clin. Oncol. 2012 ; 30(17): 2055-2062
12) Von Hoff, D.D., et al. : N. Engl. J. Med. 2013 ; 369(18): 1691-1703
13) Schiff, P.B., et al. : Nature. 1979 ; 277(5698): 665-667
14) Schiff, P.B., et al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 1980 ; 77(3): 1561-1565
15) Desai, N., et al. : Clin. Cancer Res. 2006 ; 12(4): 1317-1324
16) Awasthi, N., et al. : Carcinogenesis. 2013 ; 34(10): 2361-2369
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