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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍
通常、成人にはピミテスピブとして1日1回160mgを空腹時に投与する。5日間連続経口投与したのち2日間休薬し、これを繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
減量レベル
投与量
通常投与量
160mg/日
1段階減量
120mg/日
2段階減量
80mg/日
3段階減量
40mg/日
副作用
程度注2)
処置
下痢
グレード2
管理困難で忍容不能な場合は、グレード1以下に回復するまで休薬する。回復後、同一用量で投与を再開できる。
グレード3以上
グレード1以下に回復するまで休薬する。回復後、1段階減量した用量又は同一用量で投与を再開できる。
眼障害
グレード2以上
上記以外の副作用
グレード2又はグレード1以下に回復するまで休薬する。グレード2に回復後、1段階減量した用量又はグレード1以下に回復後、同一用量で投与を再開できる。
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、中等度(総ビリルビンが基準値上限1.5倍より高い)の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットの胚・胎児発生試験において、臨床曝露量(AUC)以下の曝露量で胚・胎児に対して発育抑制、催奇形性及び胎生致死が認められている2)。
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
CYP3Aの基質となる薬剤
ミダゾラム、アルプラゾラム、アトルバスタチン等
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤がCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
MATE1及びMATE2-Kの基質となる薬剤
メトホルミン、ピルシカイニド、プロカインアミド等
本剤がMATE1及びMATE2-Kを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
重度の下痢(16.0%)により脱水をきたし、重篤な腎障害があらわれることがある。
夜盲(12.0%)、霧視(5.3%)、視力障害(5.3%)、網膜静脈閉塞(1.3%)、網膜症(1.3%)、後天性色覚異常(1.3%)等があらわれることがある。
腹腔内出血(1.3%)、出血性十二指腸潰瘍(1.3%)等があらわれることがある。
10%以上
5~10%未満
5%未満
精神神経系
発声障害
血液
貧血
血小板数減少
感覚器
味覚障害
肝臓
ALT上昇、AST上昇、肝障害
血中ビリルビン増加、ALP増加
呼吸器
肺炎
腎臓・泌尿器
腎機能障害、血中クレアチニン増加(28.0%)
膀胱炎、排尿困難、蛋白尿
消化器
下痢(72.0%)、食欲減退(29.3%)、悪心(25.3%)
嘔吐
腹部不快感、腹痛、口内乾燥、消化不良、腸炎、口内炎
皮膚
発疹
脱毛症、ざ瘡様皮膚炎、湿疹、そう痒症、斑状丘疹状皮疹
その他
倦怠感(26.7%)
甲状腺機能低下症、浮腫、発熱、LDH増加、体重減少、脱水、低カリウム血症、血中リン減少
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
**遺伝毒性試験成績から、染色体構造異常誘発作用が認められた3)。,
日本人進行固形癌患者22例に、本剤160mgを空腹時に1日1回反復経口投与したときのピミテスピブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった4)。
PK parameter(unit)
Day 1(n=22)
Day 5(n=22)
Tmax(hr)
3.87(1.00~8.00)
2.98(1.00~7.98)
Cmax(ng/mL)
2263±758
2600±942
AUClast(ng・hr/mL)
28394±7351
35277±12003
AUCinf(ng・hr/mL)
38570±9686a)
NC
T1/2(hr)
11.22±3.48a)
10.40±2.32a)
平均値±標準偏差、Tmaxのみ中央値(最小値~最大値)、NC:算出せず、a)n=18
本剤160mgを空腹時に1日1回反復経口投与したときの投与5日目におけるピミテスピブの蓄積率は1.27であった。
日本人進行固形癌患者16例に本剤160mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるピミテスピブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ1.92及び1.64であった5)。
ピミテスピブのヒト血漿蛋白結合率は93.1~93.6%であり、主にヒト血清アルブミンと結合していた(in vitro)。ピミテスピブのヒト血液/血漿中濃度比は0.525~0.630であった6)(in vitro)。
ピミテスピブは主にCES1によって代謝される(in vitro)。進行固形癌患者3例に本剤150.5mg/m2注3)を反復経口投与したとき、投与24時間後までの尿中に未変化体、アミド加水分解体、N-脱メチル体等が検出された7)。
日本人進行固形癌患者6例に本剤107.5mg/m2注3)を経口投与したとき、投与24時間後までに投与量の2.2%が尿中に未変化体として排泄された8)。
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、ミダゾラム(CYP3Aの基質)及びメトホルミン(MATE1及びMATE2-Kの基質)単独投与時と比較して本剤併用時にミダゾラム及びメトホルミンの曝露量が上昇する可能性が示唆された9)。
イマチニブ、スニチニブ及びレゴラフェニブによる治療後に増悪した注4)切除不能又は遠隔転移を有する消化管間質腫瘍患者86例を対象に、本剤160mg又はプラセボを1日1回5日間連続経口投与したのち2日間休薬するスケジュールで繰り返し投与した結果、本剤はプラセボと比較して主要評価項目である改変RECIST ver.1.1注5)に基づく無増悪生存期間を有意に延長した(2020年6月23日データカットオフ)11)。
投与群
症例数
無増悪生存期間中央値(月)(95%信頼区間)
p値(片側)注6)
ハザード比注7)(95%信頼区間)
本剤
58
2.8(1.6,2.9)
0.006
0.51(0.30,0.87)
プラセボ
28
1.4(0.9,1.8)
副作用は本剤が投与された注8)75例中70例(93.3%)に認められた。主な副作用の発現例数(発現率)は、下痢54例(72%)、食欲減退22例(29.3%)、血中クレアチニン増加21例(28%)、倦怠感20例(26.7%)、悪心19例(25.3%)、腎機能障害10例(13.3%)、夜盲9例(12%)であった。
ピミテスピブは、HSP90によるクライアントタンパクの高次構造の形成を阻害することにより、腫瘍の増殖に関与するタンパクの発現量の減少、アポトーシスの誘導等を介して腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている12),13),14)。
ピミテスピブ(Pimitespib)
3-Ethyl-4-{4-[4-(1-methyl-1H-pyrazol-4-yl)-1H-imidazol-1-yl]-3-(propan-2-yl)-1H-pyrazolo[3,4-b]pyridin-1-yl}benzamide
C25H26N8O
454.53
白色の結晶性の粉末である。N-メチル-2-ピロリドンに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
PTP包装:40錠(10錠×4)
1) 反復投与毒性試験(トキシコキネティクス評価を含む)(2022年6月20日承認、CTD2.6.6.3)
2) 胚・胎児発生に関する試験(2022年6月20日承認、CTD2.6.6.6.1)
3) 遺伝毒性試験(2022年6月20日承認、CTD2.6.6.4)
4) 臨床薬理試験(2022年6月20日承認、CTD2.7.2.2)
5) 臨床薬理試験(2022年6月20日承認、CTD2.7.1.2)
6) 薬物動態試験(2022年6月20日承認、CTD2.6.4.4)
7) 薬物動態試験(2022年6月20日承認、CTD2.6.4.5)
8) 臨床薬理試験(2022年6月20日承認、CTD2.7.2.2)
9) 臨床薬理試験(2022年6月20日承認、CTD2.7.2.3.6)
10) 薬物動態試験(2022年6月20日承認、CTD2.6.4.7)
11) Kurokawa Y, et al.: Ann Oncol. 2022 ; 33(9): 959-967
12) Yoshimura C, et al.: J Med Chem. 2021 ; 64(5): 2669-2677
13) 薬効薬理試験(2022年6月20日承認、CTD2.6.2.2)
14) Saito Y, et al.: Br J Cancer. 2020 ; 122(5): 658-667
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