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通常、成人にはスプラタストトシル酸塩として1回100mgを1日3回毎食後に経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
高齢者では、低用量(例えば150mg/日)から投与を開始し、増量する場合は患者の副作用及び臨床症状を十分観察しながら行うこと。
本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。
肝障害が悪化するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に、生理機能が低下していることが多い。
黄疸(頻度不明)、ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、LDH上昇等の肝機能障害(0.1%未満)(初期症状:全身倦怠感、食欲不振、発熱、嘔気等)があらわれることがある。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
胃部不快感、嘔気、胃痛、下痢
口渇、食欲不振、口内炎、腹痛、嘔吐、腹部膨満感、舌のあれ
精神神経系
眠気
頭痛、痙攣、振戦、めまい、しびれ
血液
好酸球増多
白血球減少
過敏症
発疹、そう痒感
蕁麻疹
肝臓
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇
ビリルビン上昇、Al-P上昇
泌尿器
蛋白尿、頻尿
その他
生理不順、倦怠感・脱力感
浮腫、耳鳴、眼瞼乾燥感、発熱、ほてり、鼻出血、味覚異常、口臭
動悸、咳、胸部圧迫感
本剤の投与はアレルゲン皮内反応を抑制し、アレルゲンの確認に支障をきたすので、アレルゲン皮内反応検査を実施する前は本剤を投与しないこと。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
スプラタストトシル酸塩からジメチルスルフィドが生じ、口臭が発現することがある。
健康成人男子にスプラタストトシル酸塩100mgを経口投与(食後30分)し、血漿中のスプラタスト(塩基)及びその代謝物を測定した。
スプラタスト(塩基)及びその脱ジメチルスルフィド体である4-(3-エトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)アクリルアニリド(以下M-1と略す。)の血漿中濃度は図のごとく推移した2)。
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC(0-24hr)(ng・hr/mL)
T1/2(hr)
スプラタスト(塩基)
3.4±0.5
39.6±4.4
257.0±53.1
2.8±0.8
M-1
5.6±0.9
5.1±2.1
55.4±32.2
-
(mean±S.D., n=5,-:算出不能)
1日3回、7日間の反復経口投与におけるスプラタスト(塩基)及びM-1の血漿中濃度は2日目以降ほぼ定常状態を示した2)。
健康成人男子にスプラタストトシル酸塩100mgを経口投与(食後30分)し、尿中のスプラタスト(塩基)及びその代謝物を測定した。単回投与では尿中にスプラタスト(塩基)、M-1及びM-1のメルカプツール酸抱合体が検出され、投与後24時間までの排泄率はそれぞれ投与量の約2.0%、約0.1%及び約2.2%であり、投与後72時間までの総排泄率は投与量の約4.8%であった2)。
気管支喘息、アトピー性皮膚炎及び通年性鼻アレルギーの患者を対象に本剤を1日300mg投与した、二重盲検比較試験を含む複数の臨床試験を合算した結果、効果判定可能症例は1004例で、有効率(中等度改善以上)は57.6%(578/1004例)であった。疾患別有効率は次のとおりであった3),4),5),6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18),19),20),21)。
疾患
有効率(中等度改善以上)
気管支喘息
49.2%(183/372)
アトピー性皮膚炎
65.8%(241/366)
アレルギー性鼻炎
57.9%(154/266)
ヘルパーT細胞からのIL-4及びIL-5の産生抑制に基づく、好酸球浸潤抑制作用、IgE抗体産生抑制作用等により、抗アレルギー作用が発揮されるものと考えられる22),23),24),25),26)。
受動感作モルモットにおける実験的喘息を抑制した。さらに能動感作マウスにおけるアレルギー性気道収縮反応を抑制し、メタコリンによる気道過敏反応を抑制した27),28),29)。
能動感作ラットにおけるアレルギー性鼻炎の鼻粘膜血管透過性亢進を抑制した30),31)。
Ⅰ型のアレルギー反応であるラット及びモルモット同種受身皮膚アナフィラキシー(PCA)を抑制した。なお、Ⅱ型(ラット逆受身皮膚アナフィラキシー及びモルモットForssmanショック)、Ⅲ型(ウサギArthus反応)及びⅣ型(塩化ピクリルによるマウス接触性皮膚炎及びヒツジ赤血球によるマウス足蹠反応)の各アレルギー反応に対する作用はほとんど認められなかった27),32)。
免疫マウスにおけるIgE抗体産生を抑制した。なお、IgM及びIgG抗体産生への影響はほとんど認められなかった。また、免疫マウスにおける脾細胞の低親和性IgEレセプター(FcεRⅡ/CD23)発現を抑制した22),23),24)。
マウスヘルパーT細胞株(D10G4.1)と抗原のマウス腹腔内移入による好酸球の組織浸潤を抑制した25)。
D10G4.1からのIL-4産生及びIL-5産生を抑制した。また、スギ花粉症患者より得たヘルパーT細胞株においてもIL-4産生を抑制した24),25),26)(in vitro)。
抗原刺激によるラット腸間膜肥満細胞の脱顆粒及び腹腔浸出細胞からのヒスタミン遊離を抑制した。なお、ヒスタミン等のケミカルメディエーターに対する拮抗作用は認められなかった32),33),34)(in vitro)。
スプラタストトシル酸塩(Suplatast Tosilate)
(RS)-[2-[4-(3-Ethoxy-2-hydroxypropoxy)phenylcarbamoyl]ethyl]dimethylsulfonium p-toluenesulfonate
C16H26NO4S・C7H7O3S
499.64
白色の結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。水又はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水溶液(1→10)は旋光性を示さない。潮解性である。
82~86℃
アルミピロー包装開封後は吸湿に注意すること。
PTP包装(乾燥剤入り):100カプセル(10カプセル×10)
PTP包装(乾燥剤入り):100カプセル(10カプセル×10)、500カプセル(10カプセル×10×5)、3000カプセル(10カプセル×10×30)
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