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カルボシステインDS50%「タカタ」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
16.薬物動態
16.1血中濃度
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2粘液構成成分調整作用
18.3杯細胞過形成抑制作用
18.4気道炎症抑制作用
18.5粘膜正常化作用
18.6粘液線毛輸送能改善作用
18.7粘膜正常化作用
18.8粘液線毛輸送能改善作用
18.9粘膜正常化作用
18.10中耳貯留液排泄促進作用
18.11炎症抑制作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

カルボシステインDS50%「タカタ」

添付文書番号

2233002R2037_1_07

企業コード

400186

作成又は改訂年月

2023年6月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872233

薬効分類名

気道粘液調整・粘膜正常化剤

承認等

カルボシステインDS50%「タカタ」

販売名コード

YJコード

2233002R2037

販売名英語表記

Carbocisteine Dry syrup“TAKATA”

販売名ひらがな

かるぼしすていんDS50%「たかた」

承認番号等

承認番号

22200AMX00029

販売開始年月

2010年11月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

L-カルボシステイン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

カルボシステインDS50%「タカタ」

有効成分1g中
日局 L-カルボシステイン   500mg
添加剤精製白糖、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、サッカリンナトリウム水和物、含水二酸化ケイ素、カラメル、香料

3.2 製剤の性状

カルボシステインDS50%「タカタ」

性状微黄白色~黄白色の微粒又は粉末で、わずかに特異な芳香又は特異な芳香がある。味は甘く、わずかに酸味がある。

4. 効能又は効果

  • 〈成人〉

    ○下記疾患の去痰
    上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核

    ○慢性副鼻腔炎の排膿

  • 〈小児〉

    ○下記疾患の去痰
    上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核

    ○慢性副鼻腔炎の排膿

    ○滲出性中耳炎の排液

6. 用法及び用量

  • 〈成人〉

    通常、成人にカルボシステインとして1回500mg(本剤1.0g)を用時懸濁し、1日3回経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈小児〉

    通常、幼・小児にカルボシステインとして体重kg当たり1回10mg(本剤0.02g)を用時懸濁し、1日3回経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 心障害のある患者

    類薬で心不全のある患者に悪影響を及ぼしたとの報告がある。

9.3 肝機能障害患者

肝機能が悪化することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
  2. 11.1.2 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    AST、ALT、Al-P、LDHの上昇等があらわれることがある。

  3. 11.1.3 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    呼吸困難、浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満1)

0.1%未満1)

頻度不明

消化器

食欲不振、下痢、腹痛

悪心、嘔吐、腹部膨満感、口渇

過敏症

発疹

湿疹、紅斑

浮腫、発熱、呼吸困難

その他

そう痒感

1) ムコダイン錠250mg、錠500mg、細粒、K10、シロップ2%、シロップ5%、DSを合わせた集計である。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 生物学的同等性試験

    カルボシステインDS50%「タカタ」とムコダインDS33.3%をクロスオーバー法により、健康成人男子19名にそれぞれL-カルボシステインとして500mgを空腹時に単回経口投与し、投与前、投与後0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5、7及び9時間に前腕静脈から採血した。LC/MS/MSにより測定したL-カルボシステインの血漿中濃度の推移及びパラメータは次のとおりであり、統計解析にて90%信頼区間を求めた結果、判定パラメータの対数値の平均値の差はlog0.80~log1.25の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された1)

    図16-1 血漿中濃度
    表16-1 薬物動態パラメータ

    判定パラメータ

    参考パラメータ

    AUCt
    (μg・hr/mL)

    Cmax
    (μg/mL)

    tmax
    (hr)

    t1/2
    (hr)

    カルボシステインDS
    50%「タカタ」

    16.76±3.70

    4.47±1.04

    2.1±0.6

    1.4±0.4

    ムコダインDS33.3%

    17.61±3.61

    4.82±0.98

    1.8±0.3

    1.3±0.1

    (Mean±S.D.,n=19)

    血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰〉
    1. 17.1.1 国内実薬及びプラセボ対照二重盲検比較試験

      喀痰喀出困難を訴える慢性気管支炎、気管支拡張症、肺気腫、気管支喘息、肺結核などの慢性呼吸器疾患患者を対象に、1週間の観察期の後カルボシステイン、実薬対照であるメチルシステイン又はプラセボを2週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団250例での全般改善度(軽度改善以上を有効とした場合の有効率)は、カルボシステイン群72.0%(59/82例)、メチルシステイン群64.6%(53/82例)、プラセボ群48.8%(42/86例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。また、痰の切れの改善度はカルボシステイン群58.5%(48/82例)、メチルシステイン群51.2%(42/82例)、プラセボ群40.7%(35/86例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。その他、痰の回数、咳の頻度、咳の強さにおいてもカルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。
      カルボシステイン群の副作用発現頻度は12.0%(11/92例)であり、主な副作用は、食欲不振、腹部不快感などの消化器症状であった2)

    2. 17.1.2 国内プラセボ対照二重盲検比較試験

      咳、痰を伴う気管支喘息、急性気管支炎などの小児呼吸器疾患患者を対象に、カルボシステインシロップ2%(カルボシステインとして30mg/kg/日)又はプラセボを7日間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団140例での軽度改善以上を有効とした有効率は、カルボシステイン群80.6%(54/67例)、プラセボ群63.0%(46/73例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。また、痰の切れの難易度及び喘鳴に対し、カルボシステイン群はプラセボ群に比べ有意に改善した(p<0.05)。
      カルボシステイン群で副作用は認められなかった3)

  • 〈慢性副鼻腔炎の排膿〉
    1. 17.1.3 国内実薬対照二重盲検比較試験

      慢性副鼻腔炎患者を対象に、カルボシステイン又は実薬対照であるL-システインエチル塩酸塩を4週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団242例での全般改善度は下表のとおりであり、カルボシステインの有用性が認められている。
      カルボシステイン群の副作用発現頻度は1.5%(2/134例)、嘔吐1例、口渇感1例であった4)

      表17-1 全般改善度

      薬剤

      改善率

      カルボシステイン

      L-システイン
      エチル塩酸塩

      評価項目

      著明改善

      20.2%#
      (25/124例)

      6.8%
      (8/118例)

      中等度改善以上

      53.2%#
      (66/124例)

      32.2%
      (38/118例)

      軽度改善以上

      91.1%
      (113/124例)

      84.7%
      (100/118例)

      # p<0.01

  • 〈滲出性中耳炎の排液〉
    1. 17.1.4 国内プラセボ対照二重盲検比較試験

      小児滲出性中耳炎患者を対象に、カルボシステインシロップ5%又はプラセボを4週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団214例での軽度改善以上の改善率は、カルボシステイン群79.8%(83/104例)、プラセボ群58.2%(64/110例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。また、貯留液の量、性状、標準純音聴力及びティンパノグラムに対し、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。
      副作用発現頻度はカルボシステイン群2.5%(3/121例)、プラセボ群1.6%(2/122例)であった。カルボシステイン群で認められた副作用は、嘔吐2例、湿疹1例であった5)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

カルボシステインは、粘液の調整作用及び粘膜の正常化作用により粘液線毛輸送能を改善し、喀痰、鼻汁、中耳貯留液の排泄を促進する6)

  • 〈上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症及び肺結核の去痰〉

18.2 粘液構成成分調整作用

慢性気道疾患患者の喀痰中のシアル酸、フコースの構成比を正常化した7)
亜硫酸ガス曝露により変化するシアル酸/フコース分解酵素及びシアル酸/フコース合成酵素活性を正常化した。同時に、その分泌粘液の主成分であるムチン(Muc-5acタンパク質)生成の増加を抑制した(ラット)8)

18.3 杯細胞過形成抑制作用

慢性気道疾患患者の組織学的検査において気道粘膜の杯細胞過形成を抑制した(外国人データ)9)
亜硫酸ガス曝露モデルにおいて気道の杯細胞過形成を抑制した(ラット)10)

18.4 気道炎症抑制作用

亜硫酸ガス曝露により増加する気道への炎症細胞浸潤(数)、活性酸素量及びエラスターゼ活性を抑制した(ラット)10),11)
fMLPにより刺激したヒト好中球の活性化を抑制した(in vitro12)

18.5 粘膜正常化作用

慢性気管支炎患者の気管支粘膜上皮の線毛細胞の修復を促進した13)

  • 〈慢性副鼻腔炎の排膿〉

18.6 粘液線毛輸送能改善作用

慢性副鼻腔炎患者で、低下した鼻粘膜粘液線毛輸送能を改善した14)

18.7 粘膜正常化作用

エンドトキシン注入あるいは亜硫酸ガス曝露による副鼻腔粘膜の障害を軽減し、修復を促進した(ウサギ)15),16)

  • 〈滲出性中耳炎の排液〉

18.8 粘液線毛輸送能改善作用

滲出性中耳炎患者で耳管の粘液線毛輸送能を改善した17)

18.9 粘膜正常化作用

亜硫酸ガス(ウサギ)あるいは二酸化窒素(モルモット)曝露による中耳粘膜の障害を軽減し、更に粘膜の修復を促進した18),19)

18.10 中耳貯留液排泄促進作用

亜硫酸ガス(ウサギ)あるいは二酸化窒素(モルモット)曝露による実験的滲出性中耳炎病態モデルにおいて、中耳腔貯留液の排泄を促進した18),19)

18.11 炎症抑制作用

滲出性中耳炎モデルにおいて好中球の活性酸素産生能を抑制した(モルモット)20)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

L-カルボシステイン
L-Carbocisteine)

化学名

(2R)-2-Amino-3-carboxymethylsulfanylpropanoic acid

分子式

C5H9NO4S

分子量

179.19

性状

白色の結晶性の粉末で、においはなく、僅かに酸味がある。
水に極めて溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。
希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
融点:約186℃(分解)

化学構造式

旋光度

〔α〕20D:-33.5~-36.5° 本品を乾燥し、その約5gを精密に量り、水20mL及び水酸化ナトリウム溶液(13→100)に溶かし、1mol/L塩酸試液及び0.1mol/L塩酸試液を加え、pH6.0に調整した後、更に水を加えて正確に50mLとする。この液につき、層長100mmで測定する。

22. 包装

1g×300包[分包]
100g[プラスチック瓶、バラ、乾燥剤入り]
500g[プラスチック瓶、バラ、乾燥剤入り]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

高田製薬株式会社 文献請求窓口

〒336-8666 さいたま市南区沼影1丁目11番1号

電話 0120-989-813
FAX 048-816-4183

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

高田製薬株式会社

さいたま市西区宮前町203番地1

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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