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本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○下記疾患の去痰上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核
○慢性副鼻腔炎の排膿
○滲出性中耳炎の排液
通常、成人にカルボシステインとして1回500mg(本剤1.0g)を用時懸濁し、1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、幼・小児にカルボシステインとして体重kg当たり1回10mg(本剤0.02g)を用時懸濁し、1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
類薬で心不全のある患者に悪影響を及ぼしたとの報告がある。
肝機能が悪化することがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
AST、ALT、Al-P、LDHの上昇等があらわれることがある。
呼吸困難、浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。
0.1~5%未満注1)
0.1%未満注1)
頻度不明
消化器
食欲不振、下痢、腹痛
悪心、嘔吐、腹部膨満感、口渇
過敏症
発疹
湿疹、紅斑
浮腫、発熱、呼吸困難
その他
そう痒感
カルボシステインDS50%「タカタ」とムコダインDS33.3%をクロスオーバー法により、健康成人男子19名にそれぞれL-カルボシステインとして500mgを空腹時に単回経口投与し、投与前、投与後0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、5、7及び9時間に前腕静脈から採血した。LC/MS/MSにより測定したL-カルボシステインの血漿中濃度の推移及びパラメータは次のとおりであり、統計解析にて90%信頼区間を求めた結果、判定パラメータの対数値の平均値の差はlog0.80~log1.25の範囲にあり、両剤の生物学的同等性が確認された1)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUCt(μg・hr/mL)
Cmax(μg/mL)
tmax(hr)
t1/2(hr)
カルボシステインDS50%「タカタ」
16.76±3.70
4.47±1.04
2.1±0.6
1.4±0.4
ムコダインDS33.3%
17.61±3.61
4.82±0.98
1.8±0.3
1.3±0.1
(Mean±S.D.,n=19)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
喀痰喀出困難を訴える慢性気管支炎、気管支拡張症、肺気腫、気管支喘息、肺結核などの慢性呼吸器疾患患者を対象に、1週間の観察期の後カルボシステイン、実薬対照であるメチルシステイン又はプラセボを2週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団250例での全般改善度(軽度改善以上を有効とした場合の有効率)は、カルボシステイン群72.0%(59/82例)、メチルシステイン群64.6%(53/82例)、プラセボ群48.8%(42/86例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。また、痰の切れの改善度はカルボシステイン群58.5%(48/82例)、メチルシステイン群51.2%(42/82例)、プラセボ群40.7%(35/86例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。その他、痰の回数、咳の頻度、咳の強さにおいてもカルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。カルボシステイン群の副作用発現頻度は12.0%(11/92例)であり、主な副作用は、食欲不振、腹部不快感などの消化器症状であった2)。
咳、痰を伴う気管支喘息、急性気管支炎などの小児呼吸器疾患患者を対象に、カルボシステインシロップ2%(カルボシステインとして30mg/kg/日)又はプラセボを7日間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団140例での軽度改善以上を有効とした有効率は、カルボシステイン群80.6%(54/67例)、プラセボ群63.0%(46/73例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。また、痰の切れの難易度及び喘鳴に対し、カルボシステイン群はプラセボ群に比べ有意に改善した(p<0.05)。カルボシステイン群で副作用は認められなかった3)。
慢性副鼻腔炎患者を対象に、カルボシステイン又は実薬対照であるL-システインエチル塩酸塩を4週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団242例での全般改善度は下表のとおりであり、カルボシステインの有用性が認められている。カルボシステイン群の副作用発現頻度は1.5%(2/134例)、嘔吐1例、口渇感1例であった4)。
薬剤
改善率
カルボシステイン
L-システインエチル塩酸塩
評価項目
著明改善
20.2%#(25/124例)
6.8%(8/118例)
中等度改善以上
53.2%#(66/124例)
32.2%(38/118例)
軽度改善以上
91.1%(113/124例)
84.7%(100/118例)
# p<0.01
小児滲出性中耳炎患者を対象に、カルボシステインシロップ5%又はプラセボを4週間投与する二重盲検比較試験を実施した。解析対象集団214例での軽度改善以上の改善率は、カルボシステイン群79.8%(83/104例)、プラセボ群58.2%(64/110例)であり、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.01)。また、貯留液の量、性状、標準純音聴力及びティンパノグラムに対し、カルボシステイン群はプラセボ群と比べて有意に改善した(p<0.05)。副作用発現頻度はカルボシステイン群2.5%(3/121例)、プラセボ群1.6%(2/122例)であった。カルボシステイン群で認められた副作用は、嘔吐2例、湿疹1例であった5)。
カルボシステインは、粘液の調整作用及び粘膜の正常化作用により粘液線毛輸送能を改善し、喀痰、鼻汁、中耳貯留液の排泄を促進する6)。
慢性気道疾患患者の喀痰中のシアル酸、フコースの構成比を正常化した7)。亜硫酸ガス曝露により変化するシアル酸/フコース分解酵素及びシアル酸/フコース合成酵素活性を正常化した。同時に、その分泌粘液の主成分であるムチン(Muc-5acタンパク質)生成の増加を抑制した(ラット)8)。
慢性気道疾患患者の組織学的検査において気道粘膜の杯細胞過形成を抑制した(外国人データ)9)。亜硫酸ガス曝露モデルにおいて気道の杯細胞過形成を抑制した(ラット)10)。
亜硫酸ガス曝露により増加する気道への炎症細胞浸潤(数)、活性酸素量及びエラスターゼ活性を抑制した(ラット)10),11)。fMLPにより刺激したヒト好中球の活性化を抑制した(in vitro)12)。
慢性気管支炎患者の気管支粘膜上皮の線毛細胞の修復を促進した13)。
慢性副鼻腔炎患者で、低下した鼻粘膜粘液線毛輸送能を改善した14)。
エンドトキシン注入あるいは亜硫酸ガス曝露による副鼻腔粘膜の障害を軽減し、修復を促進した(ウサギ)15),16)。
滲出性中耳炎患者で耳管の粘液線毛輸送能を改善した17)。
亜硫酸ガス(ウサギ)あるいは二酸化窒素(モルモット)曝露による中耳粘膜の障害を軽減し、更に粘膜の修復を促進した18),19)。
亜硫酸ガス(ウサギ)あるいは二酸化窒素(モルモット)曝露による実験的滲出性中耳炎病態モデルにおいて、中耳腔貯留液の排泄を促進した18),19)。
滲出性中耳炎モデルにおいて好中球の活性酸素産生能を抑制した(モルモット)20)。
L-カルボシステイン(L-Carbocisteine)
(2R)-2-Amino-3-carboxymethylsulfanylpropanoic acid
C5H9NO4S
179.19
白色の結晶性の粉末で、においはなく、僅かに酸味がある。水に極めて溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。融点:約186℃(分解)
〔α〕20D:-33.5~-36.5° 本品を乾燥し、その約5gを精密に量り、水20mL及び水酸化ナトリウム溶液(13→100)に溶かし、1mol/L塩酸試液及び0.1mol/L塩酸試液を加え、pH6.0に調整した後、更に水を加えて正確に50mLとする。この液につき、層長100mmで測定する。
1g×300包[分包]100g[プラスチック瓶、バラ、乾燥剤入り]500g[プラスチック瓶、バラ、乾燥剤入り]
1) 社内資料:生物学的同等性試験(カルボシステインDS50%「タカタ」)
2) 伊藤和彦他:臨床と研究 1980;57(4):1296-1309
3) 中山喜弘他:小児科臨床 1977;30(10):1823-1830
4) 馬場駿吉他:耳鼻と臨床 1988;34(1):33-47
5) 熊沢忠躬他:耳鼻咽喉科展望 1987;30(6):719-735
6) 日本薬局方解説書編集委員会編:第十八改正 日本薬局方解説書 2021;C-1415-1418
7) 安岡劭他:気管支学 1986;8(3):312-320
8) Ishibashi, Y. et al. :Eur. J. Pharmacol. 2004;487:7-15
9) Miskovits, G. et al. :Forum. Ser. R. Soc. Med. 1982;5:1-3
10) Sueyoshi, S. et al. :Int. Arch. Allergy Immunol. 2004;134:273-280
11) 石橋祐二他:日本呼吸器学会雑誌 2001;39:17-23
12) Ishii, Y. et al. :Eur. J. Pharmacol. 2002;449:183-189
13) 萩原正雄他:気管支学 1982;4(3):235-244
14) 間島雄一他:耳鼻臨床 1987;80:1313-1319
15) 前山拓夫他:耳鼻咽喉科展望 1986;29:447-457
16) 大橋淑宏他:日本耳鼻咽喉科学会会報 1985;88:1056-1060
17) 三谷幸恵他:耳鼻咽喉科展望 1996;39:69-76
18) 大橋淑宏他:日本耳鼻咽喉科学会会報 1985;88:1051-1055
19) 大橋淑宏他:日本耳鼻咽喉科学会会報 1988;91:71-87
20) 太神尚士他:耳鼻咽喉科免疫アレルギー 2001;19:158-159
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