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向精神薬
習慣性医薬品注)
処方箋医薬品注)
本剤を交付する際には、本剤交付前に保護者又はそれに代わる適切な者が自己投与できるよう、本剤の投与が必要な症状の判断方法、本剤の保存方法、使用方法、使用時に発現する可能性のある副作用等を保護者又はそれに代わる適切な者が理解したことを確認した上で交付すること。
てんかん重積状態
通常、修正在胎52週(在胎週数+出生後週数)以上1歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回2.5mg、1歳以上5歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回5mg、5歳以上10歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回7.5mg、10歳以上18歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回10mgを頬粘膜投与する。
本剤投与前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具及び昇圧剤等の救急蘇生剤を手もとに準備し、救急蘇生の対応が可能な状況下でのみ、本剤を投与すること。本剤投与により呼吸のさらなる抑制や急激な血圧低下等を引き起こすおそれがある。,
必要時に救急蘇生のための医療機器等の使用が可能な状況下でのみ本剤を投与すること。本剤投与により呼吸状態が悪化するおそれがある。
本剤投与前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具及び昇圧剤等の救急蘇生剤を手もとに準備し、救急蘇生の対応が可能な状況下でのみ、本剤を投与すること。本剤投与により呼吸のさらなる抑制や急激な血圧低下等を引き起こすおそれがある。
本剤のクリアランスが低下し、中枢神経系への作用が増強又は遷延するおそれがある。
低用量の投与を考慮すること。中枢神経系への作用が増強又は遷延するおそれがある。
十分な補液・輸液が行われるまで本剤の投与を行わないこと。脱水等により体液が不足している患者では、血圧低下を来すおそれがある。
作用が強くあらわれるおそれがある。
本剤の排泄が遅延し、中枢神経系への作用が増強又は遷延するおそれがある。
本剤投与前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具及び昇圧剤等の救急蘇生剤を手もとに準備し、救急蘇生の対応が可能な状況下でのみ、本剤を投与すること。本剤の代謝が遅延し、中枢神経系への作用が増強又は遷延して呼吸の抑制や急激な血圧低下等を引き起こすおそれがある。
本剤の代謝が遅延し、中枢神経系への作用が増強又は遷延するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(1) 妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受け、出生した新生児に口唇裂(口蓋裂を伴うものを含む)等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
(2)妊娠末期の妊婦へ投与又は分娩中の患者に高用量を投与したとき、胎児に心拍数の不整、新生児に低血圧、哺乳困難、低体温、呼吸抑制があらわれたとの報告がある。なお、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されており、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
(3) 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
授乳しないことが望ましい。ヒト乳汁中への移行が報告されている。また、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系化合物で報告されており、黄疸を増強する可能性がある。
HIVプロテアーゼ阻害剤
エファビレンツ
コビシスタットを含有する製剤
過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある。
これらの薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する。
中枢神経抑制剤
モノアミン酸化酵素阻害剤アルコール(飲酒)1)
鎮静・麻酔作用が増強されたり、呼吸数、収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧及び心拍出量が低下するおそれがある。
これらの薬剤の中枢神経抑制作用により、本剤の中枢神経抑制作用(鎮静・麻酔作用、呼吸及び循環動態への作用)が増強される可能性がある。
主にCYP3A4で代謝される薬剤
本剤又はこれらの薬剤の作用が増強されるおそれがある。
これらの薬剤との併用により、代謝が競合的に阻害され、本剤及びこれらの薬剤の血中濃度が上昇することが考えられている。
CYP3A4を阻害する薬剤1)
鎮静や呼吸抑制があらわれるおそれがある。
抗悪性腫瘍剤
骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。
本剤がチトクロームP450を阻害し、これらの薬剤の代謝を阻害し血中濃度が上昇することが考えられている。
グレープフルーツジュース1)
グレープフルーツジュースのCYP3A4に対する阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する。
CYP3A4を誘導する薬剤1)
本剤の作用が減弱するおそれがある。
これらの薬剤のCYP3A4の誘導作用により、本剤の血中濃度が減少する。
ドパミン作動薬
ドパミン作動薬の作用に影響を及ぼすおそれがある。
本剤がドパミン作動性神経系に影響を及ぼす可能性がある。
キサンチン製剤
キサンチンにより本剤の作用が阻害される可能性がある。
無呼吸、呼吸困難、呼吸停止等があらわれるおそれがある。,,, , ,,,
1~10%
頻度不明
神経系障害
鎮静、傾眠
意識レベルの低下
胃腸障害
悪心、嘔吐
皮膚及び皮下組織障害
そう痒症、発疹、じん麻疹、血管浮腫
本剤の過量投与により、傾眠、錯乱状態、嗜眠、運動失調、筋緊張低下、低血圧又は呼吸抑制があらわれるおそれがあり、まれに昏睡、ごくまれに死亡に至るおそれがある。
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与することも考慮すること。
シリンジはプラスチックチューブに封入された状態でプラスチックチューブのふた側を上向きにして立てて保管するよう指導すること。
けいれん性てんかん重積状態の日本人小児患者(16例)に本剤2.5~10mg(年齢区分別用量)を単回で頬粘膜投与したときの母集団薬物動態解析の結果、血漿中ミダゾラムの個別推定値の最高血漿中濃度(Cmax)の平均値(標準偏差)は78.0(16.4)ng/mL、AUC∞の平均値(標準偏差)は5847(2599)ng∙min/mLであった2)。
健康成人(8例)にミダゾラム5mgを頬粘膜投与した試験3)及び小児マラリア重症患者(8例)にミダゾラム0.3mg/kgを頬粘膜投与した試験4)では、ミダゾラムは速やかに吸収され、小児患者では30分以内に最高血漿中濃度に達した。健康成人にミダゾラム5mgを頬粘膜投与時の絶対的バイオアベイラビリティは、74.5%であった3)。小児マラリア重症患者にミダゾラム0.3mg/kgを頬粘膜投与(8例)したときのAUC∞の平均値は、静脈内投与(12例)の87%であった4)(外国人データ)。
小児患者(50例)にミダゾラム約0.2mg/kgを頬粘膜投与したとき、母集団薬物動態解析によるミダゾラムの中央コンパートメント分布容積の母集団平均値は49.0L/5歳と推定された5)。
ミダゾラムの血漿蛋白結合率は約96%であった6)(外国人データ)。
ミダゾラムはCYP3A4/5(新生児ではCYP3A7)によって水酸化され7),8),9)、グルクロン酸抱合を経て尿中に排泄される。1-OH-ミダゾラムは薬理活性物質であり、ミダゾラムの代謝物の50~70%を占める8),10),11)。小児患者(50例)にミダゾラム約0.2mg/kgを頬粘膜投与したときの1-OH-ミダゾラム/ミダゾラムのAUC∞比の平均値は、年齢区分別(3ヵ月齢以上1歳未満、1歳以上5歳未満、5歳以上10歳未満、10歳以上18歳未満)で0.40~0.85であった5)(外国人データ)。
小児患者(50例)にミダゾラム約0.2mg/kgを頬粘膜投与したときの薬物動態データを用いて構築した母集団薬物動態モデルにおいて、血漿中ミダゾラムの消失半減期(t1/2)の平均値は、年齢区分別(3ヵ月齢以上1歳未満、1歳以上5歳未満、5歳以上10歳未満、10歳以上18歳未満)で2.42~4.08時間であった5) 。未変化体として尿中への排泄は1%未満であった9) (外国人データ)。
成人のうっ血性心不全患者(6例)にミダゾラム3.75mgを静脈内投与及び7.5mgを経口投与したとき、t1/2は健康成人よりも延長し(4~4.5時間 vs 3時間未満)、全身クリアランスは低下した(376 vs 551mL/分)。経口投与後のCmaxは高かったが(76 vs 42ng/mL)、tmaxに変化はみられなかった12)(外国人データ)。,
成人の慢性腎不全患者(15例)にミダゾラム0.2mg/kgを静脈内ボーラス投与したとき、慢性腎不全患者の非結合型薬物の総クリアランス及び分布容積には健康成人との差がみられなかった13)(外国人データ)。
成人の慢性肝疾患(肝硬変)患者(7名)にミダゾラム7.5mgを静脈内投与したとき、健康成人と比較して、血漿中ミダゾラムのクリアランスは低下し(3.34 vs 5.63mL/分/kg)、t1/2は延長した(7.36 vs 3.80時間)14)(外国人データ)。
けいれん性てんかん重積状態を有する修正在胎52週以上18歳未満かつ体重5kg超の日本人小児患者(25例、体重範囲6.2~28.4kg)を対象に、本剤2.5~10mg(年齢区分別用量)を単回で頬粘膜投与したとき、主要有効性評価項目である奏効率〔目に見える発作が本剤単回投与後10分以内に消失し、かつ目に見える発作が単回投与後30分間認められなかった被験者の割合(%)〕は、80.0%(20/25例、95%信頼区間:[64.3, 95.7]%)であり、Wald検定を用いて奏効率と事前に設定した閾値奏効率30%を比較したときの差は有意であった(p<0.001)2)。副作用発現頻度は12.0%(3/25例)であり、下痢4.0%(1/25例)、鎮静4.0%(1/25例)及び呼吸抑制4.0%(1/25例)であった2)。
国内第Ⅲ相臨床試験(医療機関内投与)を完了した患者のうち、2例(年齢5.6歳及び6.3歳、体重14.8kg及び19.2kg)を対象に、保護者又はそれに代わる適切な者により本剤7.5mgを頬粘膜投与したとき、いずれも治療は奏効した15) 。副作用は傾眠1例、悪心及び嘔吐1例であった(データカットオフ日:2019年8月31日)15) 。
脳内における重要な抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)は、神経細胞のシナプス後膜上のGABAA受容体に結合すると、クロルイオンチャネルが開口し、神経細胞の興奮性が低下する。ミダゾラムはGABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAA受容体とGABAの親和性を増加させ、GABAの抑制性神経伝達物質としての作用を亢進すると考えられている,16),17),18)19) 。
マウスの扁桃核内カイニン酸誘発てんかん重積発作モデルにミダゾラムを腹腔内投与した結果、脳波のてんかん波形様活動低下が認められた20) 。ラットのペンチレンテトラゾール誘発性発作モデルにおいて、ミダゾラムの静脈内投与は血漿中濃度依存的な発作抑制作用を示した21) 。ラットの直接電気皮質刺激発作モデルにおいて、ミダゾラムの静脈内投与により抗けいれん活性の増加が示された22) 。
ミダゾラム(Midazolam)(JAN)
8-Chloro-6-(2-fluorophenyl)-1-methyl-4H-imidazo[1,5-a][1,4]benzodiazepine
C18H13ClFN3
325.77
白色又は黄色みを帯びた結晶性粉末である。
シリンジはプラスチックチューブに封入された状態でプラスチックチューブのふた側を上向きにして立てて保管すること。プラスチックチューブのふた側を下向き又は水平方向に保管した場合、シリンジの構成部品に有効成分が吸収され、含量が低下するおそれがある。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
0.5mL×4シリンジ
1.0mL×4シリンジ
1.5mL×4シリンジ
2.0mL×4シリンジ
1) *ミダゾラムの薬物間相互作用に関する検討(2020年9月25日承認、CTD2.7.2.3)
2) *ミダゾラムの臨床試験成績①(2020年9月25日承認、CTD2.7.6.11)
3) Schwagmeier R et al.:Br J Clin Pharmacol.1998;46(3):203-206.
4) Muchohi SN et al.:Br J Clin Pharmacol.2008;66(4):529-538.
5) *ミダゾラムの臨床試験成績②(2020年9月25日承認、CTD2.7.2.3)
6) Greenbalatt DJ et al.:Anesthesiology.1984;61(1):27-35.
7) de Wildt SN et al.:Br J Clin Pharmacol.2002;53(4):390-392.
8) Johnson TN et al.:Br J Anaesth.2002;89(3):428-437.
9) Blumer JL.:Clin Pharmacokinet.1998;35(1):37-47.
10) Mandema JW et al.:Clin Pharmacol Ther.1992;51(6):715-728.
11) Ziegler WH et al.:Br J Clin Pharmacol.1983;16 Suppl1:63S-69S.
12) Patel IH et al.:Br J Clin Pharmacol.1990;29(5):565-569.
13) Vinik HR et al.:Anesthesiology.1983;59(5):390-394.
14) Pentikainen PJ et al.:J Clin Pharmacol.1989;29(3):272-277.
15) *ミダゾラムの臨床試験成績③(2020年9月25日承認、CTD2.7.6.12)
16) Bialer M et al.:Nat Rev Drug Discov.2010:9(1):68-82.
17) Hanson SM et al.:J Neurosci.2008;28(13):3490-3499.
18) Campo-Soria C et al.:Br J Pharmacol.2006;148(7):984-990.
19) Yu OF et al.:Brain Res.1988;451(1-2):376-380.
20) Diviney M et al.:Epilepsy Behav.2015;51:191-198.
21) Mandema JW et al.:J Pharmacol Exp Ther.1991;257(1):472-478.
22) Hoogerkamp A et al.:J Pharmacol Exp Ther.1996;279(2):803-812.
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*本剤は向精神薬であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回14日分を限度とした投薬しか認められない。
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