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劇薬
処方箋医薬品注)
パーキンソン病
通常、成人にはラサギリンとして1mgを1日1回経口投与する。
患者の状態を観察し、低用量での投与も考慮すること。本剤の血中濃度が上昇する可能性があり、副作用の発現が多く認められている。
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。,
低用量での投与も考慮すること。本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ウサギ)において、本剤とレボドパ/カルビドパを併用投与した場合、本剤の最大臨床用量(ラサギリンとして1mg/日)における曝露量(AUC)の約8倍を超える曝露量で、着床後胚死亡率の増加が認められた。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行は不明である。また、動物試験(ラット)でプロラクチン分泌の阻害が認められた。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察し、低用量での投与も考慮すること。副作用の発現が多く認められており、また、一般に生理機能が低下している。
MAO阻害薬
高血圧クリーゼ等の重篤な副作用発現のおそれがある。本剤の投与を中止してから左記薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。また、左記薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。
相加作用のおそれがある。
ペチジン塩酸塩含有製剤
トラマドール塩酸塩
タペンタドール塩酸塩
セロトニン症候群等の重篤な副作用発現のおそれがある。本剤の投与を中止してから左記薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。また、トラマドール塩酸塩の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、2〜3日間の間隔を置くこと。
機序は不明である。
三環系抗うつ薬
他のMAO-B阻害薬との併用により、高血圧、失神、不全収縮、発汗、てんかん、動作・精神障害の変化及び筋強剛等の副作用があらわれ、さらに死亡例も報告されている。本剤の投与を中止してから左記薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。また、左記薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、2〜3日間の間隔を置くこと。
機序は不明であるが、相加・相乗作用のおそれがある。
四環系抗うつ薬
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
セロトニン症候群等の重篤な副作用発現のおそれがある。本剤の投与を中止してから左記薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。また、左記薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、フルボキサミンマレイン酸塩は少なくとも7日間、パロキセチン塩酸塩水和物、セルトラリン塩酸塩及びエスシタロプラムシュウ酸塩は少なくとも14日間の間隔を置くこと。
セロトニン再取り込み阻害作用により、脳内のセロトニン濃度が高まるおそれがある。
セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節薬
セロトニン症候群等の重篤な副作用発現のおそれがある。本剤の投与を中止してから左記薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。また、左記薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
重篤な副作用発現のおそれがある。本剤の投与を中止してから左記薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。また、左記薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに、ミルナシプラン塩酸塩は2〜3日間、デュロキセチン塩酸塩は少なくとも5日間、ベンラファキシン塩酸塩は少なくとも7日間の間隔を置くこと。
モノアミン神経伝達物質の分解が抑制され、脳内のモノアミン総量が増加するおそれがある。
選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
重篤な副作用発現のおそれがある。本剤の投与を中止してから左記薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。また、左記薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに少なくとも14日間の間隔を置くこと。
リスデキサンフェタミンメシル酸塩
メチルフェニデート塩酸塩
*メタンフェタミン塩酸塩
*マジンドール
高血圧クリーゼ等の重篤な副作用発現のおそれがある。本剤の投与を中止してから左記薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。
ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬
セロトニン症候群等の重篤な副作用発現のおそれがある。本剤の投与を中止してから左記薬剤の投与を開始するまでに、少なくとも14日間の間隔を置くこと。また、左記薬剤の投与を中止してから本剤の投与を開始するまでに少なくとも14日間の間隔を置くこと。
脳内ノルアドレナリン、セロトニンの神経伝達が増強され、脳内のモノアミン総量が増加するおそれがある。
塩酸テトラヒドロゾリン・プレドニゾロン
ナファゾリン硝酸塩
トラマゾリン塩酸塩
*アプラクロニジン塩酸塩
急激な血圧上昇を起こすおそれがある。
カテコールアミンの蓄積をおこし、左記薬剤の交感神経刺激作用を増強するおそれがある。
レボドパ含有製剤
ジスキネジア等のレボドパ由来の副作用が増強されるおそれがある。
脳内のドパミン濃度を上昇させる作用を有するため、併用によりドパミン濃度が更に高まるおそれがある。
トラゾドン塩酸塩
トラゾドン塩酸塩の中止直後に本剤を投与又は併用する場合には、脳内セロトニン濃度が高まるおそれがある。
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
脳内セロトニン濃度が高まるおそれがある。
脳内のセロトニン濃度を上昇させる作用を有するため、併用によりセロトニン濃度が更に高まるおそれがある。
交感神経刺激薬
高血圧クリーゼを含む血圧上昇が報告されている。
本剤のMAO-B選択性が低下した場合、交感神経刺激作用が増強されるおそれがある。
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有飲食物
CYP1A2阻害薬
本剤の血中濃度が上昇する可能性があるため、低用量での投与も考慮すること。
シプロフロキサシンとの併用により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。
CYP1A2誘導薬
本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP1A2を誘導するため、本剤のクリアランスを増加させる可能性がある。
チラミンを多く含有する飲食物
チラミン含有量の高い飲食物を摂取した患者において、高血圧クリーゼを含む血圧上昇が報告されている。
本剤のMAO-B選択性が低下した場合、チラミンの代謝が抑制されるおそれがある。
パーキンソン病患者では運動機能障害による転倒のリスクが高く、起立性低血圧があらわれた場合には、転倒により骨折又は外傷に至るおそれがある。
日中に傾眠があらわれることがあり、さらに前兆のない突発的睡眠があらわれることもある。
幻覚、幻視、せん妄、幻聴、錯覚、失見当識等の精神症状があらわれることがある。
病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害があらわれることがある。
不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、ミオクロヌス、発汗、頻脈等のセロトニン症候群が疑われる症状が認められた場合には、投与を中止し、体温冷却及び補液等の全身管理とともに、適切な処置を行うこと。
急激な減量又は中止により、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合がある。また、本症発現時には白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることもある。このような症状が認められた場合には、体温冷却及び補液等の全身管理とともに、適切な処置を行うこと。
5%以上
5%未満
頻度不明
精神神経系
ジスキネジア
頭痛、めまい、ジストニア、異常な夢
うつ病、平衡障害、錯乱
消化器
悪心・嘔吐、便秘、腹痛、口内乾燥
鼓腸
筋・骨格系
関節痛、関節炎、筋骨格痛、頚部痛
心血管系
狭心症、心筋梗塞
**脳卒中
その他
転倒、皮疹、食欲減退、結膜炎、発熱、体重減少、アレルギー、倦怠感、水疱性皮疹、白血球減少症、インフルエンザ
**鼻炎、尿意切迫、手根管症候群、皮膚癌、悪性黒色腫、高血圧
本剤の過量投与によりMAO-Bの阻害作用に加えて、MAO-Aの阻害作用があらわれ、MAO-A阻害による副作用が発現する可能性があるため、患者の状態には十分注意すること。本剤3〜100mgの過量投与により軽躁、高血圧クリーゼ、セロトニン症候群等の症状が報告されている。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
海外臨床試験において悪性黒色腫が報告された。
健康成人にラサギリンとして1mg及び0.5mg(各8例)を単回投与した時のラサギリンの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは以下のとおりであった1)。
投与量
Cmax(pg/mL)
Tmax(h)
AUC∞(h・pg/mL)
T1/2(h)
1mg
7431(3122)
0.500
4743(1651)
1.830(0.486)
0.5mg
3196(956)
0.330
1999(395)
1.260(0.376)
平均値(標準偏差)、ただしTmaxは中央値
健康成人にラサギリンとして1mg及び0.5mg(各8例)を1日1回10日間反復投与した時のラサギリンの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは以下のとおりであった1)。
AUCτ(h・pg/mL)
9846(4400)
11867(5062)
5.850(2.265)
3950(1167)
0.420
4105(1872)
3.710(2.161)
ラサギリンとして2mg注)を単回経口投与した時の絶対的バイオアベイラビリティは約35%であった2)。
健康成人(18例)にラサギリンとして2mg注)を単回経口投与した時のバイオアベイラビリティに及ぼす食事の影響を検討した。空腹時投与と比較して、ラサギリンのCmaxの平均値は食後投与で約60%の低下が認められ、AUClast及びAUC∞の平均値は食後投与でそれぞれ約23%及び約22%の低下が認められた3)(外国人データ)。
14C-ラサギリン塩酸塩をin vitroでヒト血漿に添加し、限外ろ過法により蛋白結合率を評価した。14C-ラサギリンのヒト血漿蛋白結合率は0.83、8.26及び82.6ng/mLの濃度において、男性で90.4〜93.7%、女性で88.6〜92.8%であった4)。健康成人(14例)にラサギリンとして2mg注)を単回静脈内投与した時のラサギリンの定常状態における分布容積は86.7±39.0L(平均値±標準偏差)であった2)(外国人データ)。
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験において、ラサギリンの代謝に主に関与するCYP分子種はCYP1A2であることが示唆された4)。ラサギリンの主な消失経路は酸化的代謝又は抱合であると考えられる4)。
健康成人(2例)に14C-ラサギリン2mg注)を単回投与した時、38日間の採取期間を通じて、尿中に投与放射能の62.6%、糞便中に投与放射能の21.8%が排泄された。また、尿中に未変化体はほとんど認められなかった5)(外国人データ)。
パーキンソン病患者(352例)にラサギリンとして1、2mg注)及びプラセボを1日1回52週間(プラセボ投与群においては27週目は1mg、28週目から2mg)投与した時の母集団薬物動態解析の結果、ラサギリンの定常状態におけるCL/Fの低下は体重低下と関連した。解析対象集団の中で最も体重が軽かった42.3kgの患者で予測される定常状態におけるCL/Fは70kgの患者よりも約30%低いと推定された6)(外国人データ)。
パーキンソン病患者(352例)にラサギリンとして1、2mg注)及びプラセボを1日1回52週間(プラセボ投与群においては27週目は1mg、28週目から2mg)投与した時の母集団薬物動態解析の結果、ラサギリンの定常状態におけるCL/Fの低下は年齢増加と関連した。79歳の患者で予測される定常状態におけるCL/Fは60歳の患者よりも約11%低く、32歳の患者よりも約30%低いと推定された6)(外国人データ)。
中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス:30〜49mL/min)(12例)にラサギリンとして1mgを1日1回8日間反復投与した時、ラサギリンのAUCτ及びCmaxは健康成人と比較しそれぞれ92.6%及び79.0%であった7)(外国人データ)。
軽度肝機能障害患者(Child-Pugh分類A)(8例)にラサギリンとして1mgを投与した時、ラサギリンのAUClast及びCmaxは健康成人と比較し、単回投与時でそれぞれ134.7%及び115.0%、1日1回7日間反復投与時でそれぞれ180.2%及び138.1%であった。中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)(8例)にラサギリンとして1mgを投与した時、ラサギリンのAUClast及びCmaxは健康成人と比較し、単回投与時でそれぞれ217.8%及び196.1%、1日1回7日間反復投与時でそれぞれ668.2%及び183.2%であった8)(外国人データ)。,,
パーキンソン病患者(21例)にレボドパ/カルビドパ併用投与下でラサギリンとして1mgを1日1回反復投与した時、ラサギリンとして1mgを単独投与した時と比較して、ラサギリンの定常状態におけるCmax及びAUCτはそれぞれ107.8%及び106.2%であった9)(外国人データ)。
健康成人(13例)を対象にシプロフロキサシン500mg(CYP1A2阻害薬)がラサギリンとして2mg注)を1日1回反復投与した時の薬物動態に及ぼす影響を評価した。シプロフロキサシンと併用投与した時、ラサギリン単独投与時と比較して、定常状態時のラサギリンのAUCτ及びCmaxはそれぞれ197.5%及び98.2%であった10)(外国人データ)。
健康成人(18例)を対象にテオフィリン(1回250〜500mgを1日2回反復投与、CYP1A2基質)とラサギリン(1mgを1日1回反復投与)を併用投与した時の薬物相互作用を評価した。テオフィリンの薬物動態はラサギリンによる影響を受けなかった。同様にラサギリンの薬物動態はテオフィリンによる影響を受けなかった11)(外国人データ)。
健康成人にセレギリン5mgを1日2回14日間投与した時(15例)と、ラサギリンとして1、2、4、6mg注)を1日1回14日間(2mgのみ1日1回14日間又は30日間)投与した時(各15、27、17、12例)のチラミン(12.5〜800mg)感受性を比較した。ラサギリンとして1mgを投与した時とセレギリン5mgを1日2回投与した時とでチラミンに対する感受性は同様であった。また、ラサギリンとして2mgを1日1回30日間投与した時のチラミンに対する感受性はラサギリンとして2mgを1日1回14日間投与した時と比較して低く、ラサギリンのチラミン感受性に対する影響は投与2週間以内に定常状態に達することが示唆された。本剤群のチラミンに対する感受性は、用量に応じて増加する傾向がみられた12)(外国人データ)。
パーキンソン病患者(352例)に本剤1、2mg注)又はプラセボ錠を1日1回52週間(プラセボ投与群においては27週目は1mg、28週目から2mg)投与した母集団薬物動態解析の結果、喫煙者におけるラサギリンの定常状態におけるCL/Fは非喫煙者及び元喫煙者と比較して39.1%高いと推定された6)(外国人データ)。
注)本剤の国内承認用量は1日1回1mgである。
レボドパ含有製剤非併用のパーキンソン病患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、治療期26週(LOCF)におけるMDS-UPDRS Part II+Part III合計スコアの観察期終了時からの変化量について、プラセボ群と比較して本剤1mg群で統計学的に有意な改善がみられた(p<0.0001、治療期26週(LOCF)におけるMDS-UPDRS Part II+Part III合計スコアの観察期終了時からの変化量を応答、投与群及び観察期終了時におけるMDS-UPDRS Part II+Part III合計スコアを因子とした共分散分析モデル)13)。
投与群
観察期終了時
治療期26週(LOCF)
本剤1mg群n=117
34.4(16.95)n=117
29.0(16.81)n=115
プラセボ群n=126
33.8(14.43)n=126
35.6(16.99)n=125
治療期26週(LOCF)−観察期終了時
プラセボ群との投与群間差注)
点推定値
両側95%信頼区間[下限, 上限]
p値
-4.52(0.784)
-6.39
[-8.530, -4.250]
<0.0001
1.87(0.752)
―
LOCF:Last observation carried forwardMDS-UPDRS:Movement Disorder Society-Unified Parkinson's Disease Rating Scale(Part II:日常生活で経験する運動症状の側面, Part III:運動症状の調査)n:投与群(解析対象集団の例数)、観察期終了時及び治療期26週(LOCF)は各時点の解析対象例数合計スコアは平均値(標準偏差)、合計スコアの観察期終了時からの変化量は調整済み平均値(標準誤差)注)治療期26週(LOCF)におけるMDS-UPDRS Part II+Part III合計スコアの観察期終了時からの変化量を応答、投与群及び観察期終了時におけるMDS-UPDRS Part II+Part III合計スコアを因子とした共分散分析モデルに基づく
副作用発現頻度は、39.3%(46/117例)であり、主な副作用は、鼻咽頭炎4.3%(5/117例)、湿疹4.3%(5/117例)であった13)。
無作為化二重盲検比較試験完了後の継続長期投与試験において、本剤1mg群(二重盲検比較試験で本剤1mg群に割り付けられ、継続長期投与試験でも引き続き本剤1mgが投与された群)のMDS-UPDRS Part II+Part III合計スコアの観察期終了時からの変化量(平均値(標準偏差))は、初回評価時点である治療期6週で-2.9(5.78)(115例)、52週(LOCF)で-2.8(9.62)(115例)であり、長期投与時も効果が持続した14)。副作用発現頻度は、49.6%(58/117例)であり、主な副作用は、鼻咽頭炎6.8%(8/117例)、頭痛5.1%(6/117例)、湿疹4.3%(5/117例)であった14)。
Wearing off現象を伴うレボドパ含有製剤併用のパーキンソン病患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、治療期における1日あたりの平均オフ時間の観察期終了時からの変化量について、プラセボ群と比較して本剤1mg群及び0.5mg群でそれぞれ統計学的に有意な短縮がみられた(p=0.0006及びp=0.0140、治療期における1日あたりの平均オフ時間の観察期終了時からの変化量を応答、投与群及び観察期終了時における1日あたりの平均オフ時間を因子とした共分散分析モデル(対比係数は、投与群(プラセボ群、本剤0.5、1mg群)に対してそれぞれ(-1, 0, 1)及び(-1, 1, 0)とした)、第一種の過誤確率を抑制するため、閉検定手順により、高用量から順に各本剤群とプラセボ群の比較を行った)15)。
観察期終了時(時間)
治療期(時間)
本剤1mg群n=129
6.12(2.430)n=129
4.82(2.496)n=122
本剤0.5mg群n=133
6.33(2.562)n=133
5.20(2.627)n=126
プラセボ群n=141
6.05(2.278)n=141
5.55(2.771)n=138
治療期−観察期終了時(時間)
-1.35(0.177)
-0.84
[-1.320, -0.364]
0.0006
-1.11(0.174)
-0.60
[-1.070, -0.122]
0.0140
-0.51(0.167)
治療期における1日あたりの平均オフ時間:治療期6、14、及び26週の来院前7日間(計21日間)の平均値観察期終了時における1日あたりの平均オフ時間:観察期終了時の来院前7日間の平均値n:投与群(解析対象集団の例数)、観察期終了時及び治療期26週(LOCF)は各時点の解析対象例数合計スコアは平均値(標準偏差)、合計スコアの観察期終了時からの変化量は調整済み平均値(標準誤差)注)治療期における1日あたりの平均オフ時間の観察期終了時からの変化量を応答、投与群及び観察期終了時における1日あたりの平均オフ時間を因子とした共分散分析モデルに基づく
本剤1mg群の副作用発現頻度は、51.2%(66/129例)であり、主な副作用は、ジスキネジア16.3%(21/129例)、鼻咽頭炎3.9%(5/129例)、頭痛、傾眠及び幻覚が各3.1%(4/129例)であった15)。本剤0.5mg群の副作用発現頻度は、44.4%(59/133例)であり、主な副作用は、ジスキネジア8.3%(11/133例)、幻覚3.8%(5/133例)、鼻咽頭炎、悪心、転倒及び浮動性めまいが各3.0%(4/133例)であった15)。
レボドパ含有製剤併用のパーキンソン病患者を対象として本剤1mgを投与した非盲検長期投与試験において、1日あたりの平均オフ時間の観察期終了時からの変化量(平均値(標準偏差))は、初回評価時点である治療期6週で-0.93(2.689)(105例)、52週(LOCF)で-0.89(2.537)(106例)、MDS-UPDRS Part III合計スコアの観察期終了時からの変化量(平均値(標準偏差))は、初回評価時点である治療期6週で-5.5(7.89)(213例)、52週(LOCF)で-7.6(10.45)(215例)であり、長期投与時も効果が持続した16)。副作用発現頻度は、63.1%(140/222例)であり、主な副作用は、ジスキネジア10.8%(24/222例)、転倒8.6%(19/222例)、起立性低血圧5.4%(12/222例)、食欲減退4.1%(9/222例)、幻覚及び高血圧が各3.2%(7/222例)であった16)。
ラサギリンは非可逆的かつ選択的なMAO-B阻害作用を示し17)、線条体における細胞外ドパミン濃度を増加させる18)。ドパミン濃度の上昇により、ドパミン作動性運動機能障害を改善する19),20)。
ラサギリンのヒト及びラットにおけるin vitro脳内MAO-B阻害のIC50値は2.5〜20nmol/Lである。MAO-A阻害における同値と比べると0.01〜0.05であることから、MAO-Bに対する高い選択性を有する。
ラサギリンメシル酸塩(Rasagiline Mesilate)〔JAN〕
N-[(1R)-Indan-1-yl]propyn-3-amine monomethanesulfonate
C12H13N・CH4O3S
267.34
白色〜ほとんど白色の粉末
157.0℃
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
PTP 100錠(10錠×10)
1) ラサギリンの臨床試験成績①(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.4)
2) ラサギリンの臨床試験成績②(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.2)
3) ラサギリンの臨床試験成績③(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.1)
4) ラサギリンの非臨床試験成績(2018年3月23日承認、CTD 2.6.4.1)
5) ラサギリンの臨床試験成績④(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.5)
6) ラサギリンの臨床試験成績⑤(2018年3月23日承認、CTD 2.7.2.3)
7) ラサギリンの臨床試験成績⑥(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.8)
8) ラサギリンの臨床試験成績⑦(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.6)
9) ラサギリンの臨床試験成績⑧(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.11)
10) ラサギリンの臨床試験成績⑨(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.9)
11) ラサギリンの臨床試験成績⑩(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.10)
12) ラサギリンの臨床試験成績⑪(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.14)
13) ラサギリンの臨床試験成績⑫(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.21)
14) ラサギリンの臨床試験成績⑬(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.29)
15) ラサギリンの臨床試験成績⑭(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.18)
16) ラサギリンの臨床試験成績⑮(2018年3月23日承認、CTD 2.7.6.26)
17) Youdim MB, et al. Br J Pharmacol. 2001;132:500-506.
18) Lamensdorf I, et al. J Neurochem. 1996;67:1532-1539.
19) Speiser Z, et al. J Neural Transm. Suppl. 1998;52:287-300.
20) Kupsch A, et al. J Neural Transm (Vienna). 2001;108:985-1009.
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