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劇薬
処方箋医薬品注)
うつ病・うつ状態
通常、成人にはボルチオキセチンとして10mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により1日20mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこと。
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自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
躁転、自殺企図があらわれることがある。,,,,,,
精神症状が増悪するおそれがある。,,
精神症状が増悪することがある。,,
痙攣があらわれるおそれがある。
出血傾向が増強することがある。
症状を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中へ移行することが報告されている。
*注)DSM:American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders.(精神疾患の診断・統計マニュアル)
慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多く、また、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の危険性が高くなることがある。
MAO阻害剤
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セロトニン症候群があらわれることがあるので、左記薬剤を投与中又は投与中止後14日間以内の患者には投与しないこと。また、本剤投与後に左記薬剤を投与する際には14日間以上の間隔をあけること。
セロトニンの分解が阻害され、脳内セロトニン濃度が高まると考えられる。
リネゾリドメチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行うこと。
左記薬剤のMAO阻害作用によりセロトニンの分解が阻害され、脳内セロトニン濃度が高まると考えられる。
*セロトニン作用薬
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 等
本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用によりセロトニン作用が増強するおそれがある。
CYP2D6阻害剤
本剤の血中濃度が上昇し、副作用があらわれるおそれがある。
本剤の代謝が阻害されるおそれがある。
肝薬物代謝酵素(CYP3A4/5、CYP2C19、CYP2C9、CYP2C8及びCYP2B6)の誘導作用を有する薬剤
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがあるので、併用する場合は、患者の状態に応じて、本剤の用量を適宜調節すること。
本剤の代謝が促進されるおそれがある。
出血傾向が増強する薬剤
出血傾向が増強するおそれがある。
本剤の投与により血小板凝集能が阻害されるおそれがある。
アルコール(飲酒)
本剤投与中は飲酒を避けさせることが望ましい。
本剤との相互作用は認められていないが、他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている。
不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、自律神経不安定等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。セロトニン作用薬との併用時には、特に注意すること。,,
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれるおそれがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。高齢者、肝硬変を有する患者、SIADH、低ナトリウム血症を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者等では特に注意すること。
10%以上
1~10%未満
1%未満
頻度不明
免疫
アナフィラキシー反応
*内分泌
高プロラクチン血症
精神神経系
傾眠、頭痛、めまい、不眠症
異常な夢、リビドー減退
消化器
悪心
下痢、便秘、嘔吐
血管
潮紅
出血(挫傷、斑状出血、鼻出血、胃腸出血、膣出血を含む)注)
*皮膚
そう痒・全身性そう痒、じん麻疹・発疹
寝汗
血管浮腫、多汗症
その他
倦怠感
勃起不全、射精遅延
海外の製造販売後において、過量投与後に痙攣、セロトニン症候群がみられたとの報告がある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性(18例)にボルチオキセチンとして10mgを空腹時に単回投与したときのボルチオキセチンの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは以下のとおりであった2)。
投与量
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
AUC168(h・ng/mL)
T1/2(h)
10mg
3.923 (0.70785)
12.0 (6–14)
289.9 (88.126)
67.63 (18.516)
平均値(標準偏差)、ただしTmaxは中央値(最小–最大)
健康成人男性(6例)に、ボルチオキセチンとして10mgを12日間投与したときのボルチオキセチンの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは以下のとおりであった3)。
AUC24(h・ng/mL)
21.15 (4.0451)
8.0 (6–12)
431.7 (76.023)
65.06 (13.276)
健康成人(22例)にボルチオキセチンとして単回経口投与(20mg)及び静脈内投与(10mg)したときの絶対的バイオアベイラビリティは74.9%であった4)(外国人データ)。
健康成人男性(18例)にボルチオキセチンとして10mgを空腹時又は食後に投与したとき、Cmax及びAUCに統計学的有意差は認められず、食事の影響は認められなかった2)。
ボルチオキセチンは血管外に広く分布する。in vitroでの血漿タンパク結合率は98.2~99.3%であった5)。健康成人データを用いた母集団薬物動態解析の結果、見かけの分布容積は約2600Lであった6)。
主に酸化及びグルクロン酸抱合により広範な代謝を受ける。ボルチオキセチンの代謝には複数のCYP分子種(CYP2D6、CYP3A4/5、CYP2C19、CYP2C9、CYP2A6、CYP2C8及びCYP2B6)が関与する7)。ボルチオキセチンはP-糖蛋白質の基質である可能性は低く、P-糖蛋白質に対して弱い阻害作用を示す。健康成人データを用いた母集団薬物動態解析の結果、ボルチオキセチンの血漿中濃度は、CYP2D6遺伝子の表現型がExtensive Metabolizerの患者と比較して、Poor Metabolizerの患者で約2倍になることが想定された8)。,,,
未変化体はほぼ検出されず、代謝物は主に尿中及び糞便中に排泄された。健康成人男性(6例)にボルチオキセチンとして50mg注)を単回投与したとき、投与360時間後までに総放射能の約59%が尿中に、26%が糞便中に排泄された9)(外国人データ)。
ボルチオキセチンとして10mgを投与したとき、軽度腎機能障害患者(Cockcroft-Gaultの式で求めたクレアチニンクリアランス51~80mL/min)(8例)において、健康成人と比較しボルチオキセチンのAUCは9.13%高く、Cmaxは10.50%低かった。中等度腎機能障害患者(30~50mL/min)(8例)において、健康成人と比較しボルチオキセチンのAUCは16.03%高かったが、Cmaxは同程度であった。高度腎機能障害患者(30mL/min未満)(9例)において、健康成人と比較しボルチオキセチンのAUC及びCmaxはそれぞれ10.52%及び8.18%高かった10)(外国人データ)。
ボルチオキセチンとして10mgを投与したとき、軽度肝機能障害患者(Child-Pughによる重症度分類でClass A)(8例)において、健康成人と比較しボルチオキセチンのAUC及びCmaxはそれぞれ9.07%及び14.45%低かった。中等度肝機能障害患者(Class B)(8例)において、健康成人と比較しボルチオキセチンのAUC及びCmaxはそれぞれ1.93%及び16.12%低かった11)。ボルチオキセチンとして5mg注)を投与したとき、高度肝機能障害患者(Class C)(6例)において、健康成人と比較しボルチオキセチンのAUCは10%高く、Cmaxは24%低かった12)(外国人データ)。
ボルチオキセチンとして10mgを投与したとき、ボルチオキセチンの曝露量は、高齢男性の方が成人男性に比べ約9%高かった13)。
健康成人(28例)にボルチオキセチンとして10mg1日1回とBupropion(本邦未承認薬)150mgを1日2回反復併用投与したとき、ボルチオキセチンのAUC24及びCmaxは、単独投与時に比べそれぞれ2.3倍及び2.1倍に増加した14)(外国人データ)。,,,
健康成人(14例)にリファンピシン600mg反復投与時にボルチオキセチンとして20mgを単回投与したとき、ボルチオキセチンの単独投与時に比べてAUCは77.20%低かった15)(外国人データ)。
注)本剤の国内承認用量は、1日1回10mgであり、患者の状態により1日20mgを超えない範囲で適宜増減する。
大うつ病性障害患者を対象とした二重盲検比較試験において、投与8週時点におけるMADRS合計スコアのベースラインからの変化量(MMRM)は、プラセボ群と比較して本剤10mg群及び20mg群で統計学的に有意な低下がみられた16)。
投与群
MADRS合計スコア(MMRM)
ベースラインからの変化量
プラセボ群との最小二乗平均値の差
最小二乗平均値(標準誤差)
点推定値(標準誤差)
p値
プラセボ群(n=161)
-12.37 (0.714)
-
本剤10mg群(n=165)
-15.03 (0.699)
-2.66 (0.999)
0.0080
本剤20mg群(n=163)
-15.45 (0.705)
-3.07 (1.003)
0.0023
副作用発現頻度は、本剤10mg群で35.2%(58/165例)、本剤20mg群で36.2%(59/163例)であり、主な副作用は、本剤10mg群で悪心12.1%(20/165例)、嘔吐5.5%(9/165例)、傾眠4.2%(7/165例)、下痢3.0%(5/165例)、頭痛3.0%(5/165例)、本剤20mg群で悪心15.3%(25/163例)、傾眠6.7%(11/163例)、便秘3.1%(5/163例)、腹部不快感3.1%(5/163例)であった16)。
二重盲検比較試験終了後の大うつ病性障害患者を対象とした非盲検長期投与試験において、ボルチオキセチン10mgを2週間投与後、可変用量(5、10又は20mg)で50週間投与したときのMADRS合計スコアに基づき、抗うつ効果が維持された17)。
投与期間
例数
ベースラインからの変化量平均値(標準偏差)
2週
119
-0.6 (5.11)
4週
118
-2.4 (6.79)
8週
116
-4.6 (6.85)
12週
115
-6.0 (7.02)
20週
111
-6.5 (7.32)
28週
102
-6.9 (7.36)
36週
95
-7.4 (8.32)
44週
90
-8.6 (7.18)
52週
88
-9.9 (6.62)
LOCF
-8.1 (8.67)
LOCF:Last observation carried forward
副作用発現頻度は、50.4%(60/119例)であり、主な副作用は、悪心16.8%(20/119例)、体重増加5.9%(7/119例)、下痢5.0%(6/119例)、傾眠5.0%(6/119例)であった17)。
ボルチオキセチンはセロトニン再取り込み阻害作用並びにセロトニン受容体調節作用(セロトニン3受容体、セロトニン7受容体及びセロトニン1D受容体のアンタゴニスト作用、セロトニン1B受容体部分アゴニスト作用、セロトニン1A受容体アゴニスト作用)を有する。セロトニン再取り込み阻害作用(cIC50=5.4nmol/L)は、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用(cIC50=107nmol/L)やドパミン再取り込み阻害作用(cIC50=1470nmol/L)と比較してより強力である。
ボルチオキセチン臭化水素酸塩(Vortioxetine Hydrobromide)〔JAN〕
1-[2-(2,4-Dimethylphenylsulfanyl)phenyl]piperazine monohydrobromide
C18H22N2S・HBr
379.36
本品は白色~微褐白色の粉末である。
231.7℃
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
PTP 100錠(10錠×10)
1) **Findling RL. et al.:J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. 2022;61(9):1106-1118.
2) ボルチオキセチンの薬物動態試験成績①(2019年9月20日承認、CTD 2.7.6.1)
3) ボルチオキセチンの薬物動態試験成績②(2019年9月20日承認、CTD 2.7.6.5)
4) ボルチオキセチンの吸収に関する検討(2019年9月20日承認、CTD 2.7.6.3)
5) ボルチオキセチンの分布に関する検討①(2019年9月20日承認、CTD 2.7.2.2)
6) ボルチオキセチンの分布に関する検討②(2019年9月20日承認、CTD 2.7.2.3)
7) ボルチオキセチンの代謝に関する検討①(2019年9月20日承認、CTD 2.7.2.2)
8) ボルチオキセチンの代謝に関する検討②(2019年9月20日承認、CTD 2.7.2.3)
9) ボルチオキセチンの排泄に関する検討(2019年9月20日承認、CTD 2.7.6.8)
10) ボルチオキセチンの腎機能障害患者における薬物動態試験成績(2019年9月20日承認、CTD 2.7.6.13)
11) ボルチオキセチンの肝機能障害患者における薬物動態試験成績①(2019年9月20日承認、CTD 2.7.6.11)
12) ボルチオキセチンの肝機能障害患者における薬物動態試験成績②(2019年9月20日承認、CTD 2.7.6.12)
13) ボルチオキセチンの高齢者における薬物動態試験成績(2019年9月20日承認、CTD 2.7.2.3)
14) ボルチオキセチンの薬物相互作用に関する検討①(2019年9月20日承認、CTD 2.7.6.14)
15) ボルチオキセチンの薬物相互作用に関する検討②(2019年9月20日承認、CTD 2.7.6.15)
16) ボルチオキセチンの臨床試験成績①(2019年9月20日承認、CTD 2.7.6.32)
17) ボルチオキセチンの臨床試験成績②(2019年9月20日承認、CTD 2.7.6.46)
18) ボルチオキセチンの抗うつ作用に関する検討(2019年9月20日承認、CTD 2.6.2.2)
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