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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
通常、成人にはベドリズマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを点滴静注する。初回投与後、2週、6週に投与し、以降8週間隔で点滴静注する。
十分に観察すること。本剤は免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可能性がある。,,
結核、敗血症、サイトメガロウイルス感染、リステリア症及び日和見感染等の重度の感染症患者については、感染症がコントロールされるまで本剤の投与を開始しないこと。,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の妊婦に対する有益性が胎児への危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(サル)で妊娠期間中に本剤を投与した母動物の分娩後に乳仔の血清中から本剤が検出された。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで乳汁中への本剤の移行が報告されている1),2)。本剤の哺乳中の児への影響は不明である。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。一般に生理機能(免疫機能等)が低下していることが多い。
生ワクチン
接種した生ワクチンの病原に基づく症状が発現した場合には、適切な処置を行うこと。
生ワクチンによる感染症発現の可能性が否定できない。
アナフィラキシーやInfusion reaction(呼吸困難、気管支痙攣、じん麻疹、潮紅、発疹、血圧変動、心拍数増加等)があらわれることがある。アナフィラキシーや重度のInfusion reactionが認められた場合には、投与を中止し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行うとともに、症状が回復するまで患者を十分に観察すること。また、投与を再開する場合には、必要に応じて投与速度を減じて慎重に投与すること。,
肺炎、敗血症、結核、リステリア症、サイトメガロウイルス感染、日和見感染等の重篤な感染症があらわれることがある。本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合には、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること。,,,,,
PMLの発現が報告されているので、観察を十分に行い、片麻痺、四肢麻痺、認知機能障害、失語症、視覚障害等のPMLが疑われる症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺疾患(間質性肺炎、好酸球性肺炎等)が報告されているので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
0.1~5%
0.1%未満
精神神経系
頭痛
消化器
悪心
呼吸器
口腔咽頭痛、咳嗽
皮膚
発疹、そう痒症
筋・骨格系
関節痛、背部痛、四肢痛
その他
発熱、気管支炎、上気道感染、インフルエンザ、副鼻腔炎、疲労
鼻咽頭炎
日本人潰瘍性大腸炎患者に、本剤300mgを0、2及び6週(1、15及び43日目)に点滴静注した時のベドリズマブの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであった4)。
パラメータ
例数
1日目
43日目
AUC(Day 0-14)(µg・day/mL)注1)
6
739(12.4)
1154(22.2)
AUC(Day 0-56)(µg・day/mL)注2)
-
2511(33.1)
Cmax(µg/mL)
97.3(23.5)
124.3(21.1)
T1/2(day)
9.46(10.5)
17.4(22.1)
CL(L/day)
0.258(16.2)
Vz(L)
3.50(12.2)
[幾何平均値(CV%)、T1/2は算術平均値]注1)投与から14日目までの血中濃度-時間曲線下面積注2)投与から56日目までの血中濃度-時間曲線下面積
14週
22週
30週
30
26
25
血清中トラフ濃度(µg/mL)
17.31±7.19
14.45±6.03
13.77±6.37
[算術平均値±標準偏差]
10
9
8
11.20±8.58
9.10±6.18
9.01±6.88
健康成人にベドリズマブ450mgを静脈内点滴投与した時注)、脳脊髄液中にベドリズマブは検出されなかった7)(外国人のデータ)。注)本剤の承認された用法及び用量は1回300mgを初回投与後、2週、6週に投与し、以降8週間隔で点滴静注である。
ベドリズマブはヒト化IgG1モノクローナル抗体であることから、内因性の免疫グロブリンの消失経路と同じと推察される。
改善率注1)
p値注2)
本剤
プラセボ
全体
39.6%(65/164)
32.9%(27/82)
0.2722
部分集団
抗TNFα治療歴無
53.2%(42/79)
36.6%(15/41)
抗TNFα治療歴有
27.1%(23/85)
29.3%(12/41)
注1)改善:以下の条件をともに満たした場合-完全Mayoスコアがベースラインから3ポイント以上減少かつ30%以上減少-血便サブスコアがベースラインから1ポイント以上減少又は血便サブスコアが1以下注2)抗TNFα製剤前治療歴の有無を層別因子としたCochran-Mantel-Haenszel検定
副作用発現頻度は、本剤群では10.4%(17/164)であった。主な副作用は発熱1.2%(2/164)、倦怠感1.2%(2/164)、紅斑1.2%(2/164)及びそう痒症1.2%(2/164)であった5)。
寛解率注1)
56.1%(23/41)
31.0%(13/42)
0.0210
54.2%(13/24)
35.7%(10/28)
58.8%(10/17)
21.4%(3/14)
注1)寛解:完全Mayoスコアが2以下かつ全てのサブスコアが1以下注2)抗TNFα製剤前治療歴の有無を層別因子としたCochran-Mantel-Haenszel検定
副作用発現頻度は、本剤群では9.8%(4/41)であった5)。
47.1%(106/225)
25.5%(38/149)
<0.0001
53.1%(69/130)
26.3%(20/76)
38.9%(37/95)
24.7%(18/73)
注1)改善:以下の条件をともに満たした場合-完全Mayoスコアがベースラインから3ポイント以上減少かつ30%以上減少-血便サブスコアがベースラインから1ポイント以上減少又は血便サブスコアが1以下注2)無作為化の層別因子によるCochran-Mantel-Haenszel検定
副作用発現頻度は、本剤群では15.6%(35/225)であった。主な副作用は頭痛3.1%(7/225)、悪心1.8%(4/225)、上気道感染1.3%(3/225)であった8)。
41.8%(51/122)
15.9%(20/126)
45.8%(33/72)
19.0%(15/79)
36.0%(18/50)
10.6%(5/47)
注1)寛解:完全Mayoスコアが2以下かつ全てのサブスコアが1以下注2)無作為化の層別因子によるCochran-Mantel-Haenszel検定
導入療法及び維持療法を含めた全期間での副作用発現頻度は、本剤群では30.3%(37/122)であった。主な副作用は鼻咽頭炎4.1%(5/122)、インフルエンザ様疾患3.3%(4/122)、頭痛2.5%(3/122)、上気道感染2.5%(3/122)であった8)。
26.6%(21/79)
16.7%(13/78)
0.1448
50.0%(9/18)
25.0%(4/16)
19.7%(12/61)
14.5%(9/62)
注1)改善:CDAIスコアがベースラインから100ポイント以上減少注2)抗TNFα製剤前治療歴の有無を層別因子としたCochran-Mantel-Haenszel検定、有意水準:10%
副作用発現頻度は、本剤群では12.7%(10/79)であった6)。
寛解率注)
41.7%(5/12)
16.7%(2/12)
50.0%(2/4)
40.0%(2/5)
37.5%(3/8)
0.0%(0/7)
注)寛解:CDAIスコアが150以下
副作用発現頻度は、本剤群では16.7%(2/12)であった6)。
p値注3)
14.5%(32/220)
6.8%(10/148)
0.0206
17.4%(19/109)
9.2%(7/76)
11.7%(13/111)
4.2%(3/72)
改善率注2)
31.4%(69/220)
25.7%(38/148)
0.2322
42.2%(46/109)
30.3%(23/76)
20.7%(23/111)
20.8%(15/72)
注1)寛解:CDAIスコアが150以下注2)改善:CDAIスコアがベースラインから100ポイント以上減少注3)無作為化の層別因子によるCochran-Mantel-Haenszel検定、Hochberg法により検定の多重性を調整
副作用発現頻度は、本剤群では23.2%(51/220)であった。主な副作用は頭痛4.1%(9/220)、悪心2.3%(5/220)、疲労2.3%(5/220)、関節痛2.3%(5/220)であった9)。
39.0%(60/154)
21.6%(33/153)
0.0007
51.5%(34/66)
26.8%(19/71)
29.5%(26/88)
17.1%(14/82)
注1)寛解:CDAIスコアが150以下注2)無作為化の層別因子によるCochran-Mantel-Haenszel検定
導入療法及び維持療法を含めた全期間での副作用発現頻度は、本剤群では40.9%(63/154)であった。主な副作用は悪心5.8%(9/154)、頭痛3.9%(6/154)、疲労3.2%(5/154)であった9)。
中等症から重症の日本人潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験又は中等症から重症の日本人クローン病患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験で、本剤300mgを継続的に投与された患者のうち、いずれかの時点で抗体産生が認められた患者の割合は3.0%(8/269)であった。中等症から重症の外国人潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第Ⅲ相臨床試験又は中等症から重症の外国人クローン病患者を対象とした海外第Ⅲ相臨床試験で、本剤300mgを継続的に投与された患者のうち、いずれかの時点で抗体産生が認められた患者の割合は6.0%(86/1427)であった。
α4β7インテグリンはメモリーTリンパ球表面に発現する。α4β7インテグリンは、消化管粘膜の血管内皮細胞表面に発現する粘膜アドレシン細胞接着分子-1(MAdCAM-1)に接着することによって消化管粘膜及び腸管関連リンパ系組織へのリンパ球浸潤を媒介する。ベドリズマブはα4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンと主に消化管に発現するMAdCAM-1との結合を阻害する一方で、中枢神経、皮膚等多くの臓器に発現する血管細胞接着分子-1(VCAM-1)との結合は阻害しなかった(in vitro)10)。
ベドリズマブのマウス相同抗体であるAct-1はワタボウシタマリン(慢性大腸炎を自然発症するタマリン類のサル)において消化管粘膜へのリンパ球浸潤を阻害し、潰瘍性大腸炎及びクローン病で見られる消化管粘膜の炎症を低減させた11)。
ベドリズマブはカニクイザルにおいて消化管へのリンパ球浸潤を選択的に抑制した12)。
ベドリズマブ(遺伝子組換え)(Vedolizumab[Genetical Recombination])〔JAN〕
ベドリズマブは、遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体であり、マウス抗ヒトα4β7インテグリン抗体の相補性決定部、並びにヒトIgG1のフレームワーク及び定常部からなり、H鎖の239及び241番目のアミノ酸残基がAlaに置換されている。ベドリズマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。ベドリズマブは、451個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び219個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約150,000)である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1バイアル
1) Lahat A, et al.:J Crohns Colitis.2018 ; 12(1) : 120-123.
2) Julsgaard M, et al.:Gastroenterology.2018 ; 154(3) : 752-754.
3) ベドリズマブの薬力学試験成績(2018年7月2日承認、CTD 2.7.6.8)
4) ベドリズマブの薬物動態試験成績①(2018年7月2日承認、CTD 2.7.2.2)
5) ベドリズマブの潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験成績(2018年7月2日承認、CTD 2.7.6.9)
6) ベドリズマブのクローン病患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験成績(2019年5月22日承認、CTD 2.7.6.2)
7) ベドリズマブの薬物動態試験成績②(2018年7月2日承認、CTD 2.7.2.2)
8) ベドリズマブの潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第Ⅲ相臨床試験成績(2018年7月2日承認、CTD 2.7.6.10)
9) ベドリズマブのクローン病患者を対象とした海外第Ⅲ相臨床試験成績(2019年5月22日承認、CTD 2.7.6.3)
10) Soler D, et al.:J Pharmacol Exp Ther.2009 ; 330(3) : 864-875.
11) Hesterberg PE, et al.: Gastroenterology.1996 ; 111(5) : 1373-1380.
12) Fedyk ER, et al.:Inflamm Bowel Dis.2012 ; 18(11) : 2107-2119.
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