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5mcgチロナミン錠/25mcgチロナミン錠

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
13.過量投与
14.適用上の注意
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

5mcgチロナミン錠/25mcgチロナミン錠

添付文書番号

2431003F1035_1_15

企業コード

400256

作成又は改訂年月

2024年2月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

872431

薬効分類名

甲状腺ホルモン製剤

承認等

5mcgチロナミン錠

販売名コード

YJコード

2431003F1035

販売名英語表記

5mcg THYRONAMIN TABLETS

販売名ひらがな

5mcgちろなみんじょう

承認番号等

承認番号

13600AZZ00677

販売開始年月

1961年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年6ヵ月

基準名

日本薬局方

リオチロニンナトリウム錠

25mcgチロナミン錠

販売名コード

YJコード

2431003F2031

販売名英語表記

25mcg THYRONAMIN TABLETS

販売名ひらがな

25mcgちろなみんじょう

承認番号等

承認番号

13600AZZ00678

販売開始年月

1961年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年6ヵ月

基準名

日本薬局方

リオチロニンナトリウム錠

規制区分

劇薬(25mcgチロナミン錠のみ)

一般的名称

リオチロニンナトリウム

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

新鮮な心筋梗塞のある患者[基礎代謝の亢進により心負荷が増大し、病態が悪化することがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

5mcgチロナミン錠

有効成分1錠中
リオチロニンナトリウム   5μg
添加剤D-マンニトール、プルラン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン

25mcgチロナミン錠

有効成分1錠中
リオチロニンナトリウム   25μg
添加剤D-マンニトール、プルラン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン

3.2 製剤の性状

5mcgチロナミン錠

剤形素錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径6.6mm
厚さ2.5mm
質量110mg
識別コード 228

25mcgチロナミン錠

剤形割線入りの素錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径8.1mm
厚さ2.8mm
質量180mg
識別コード 229

4. 効能又は効果

  • 粘液水腫
  • クレチン症
  • 甲状腺機能低下症(原発性及び下垂体性)
  • 慢性甲状腺炎
  • 甲状腺腫

6. 用法及び用量

リオチロニンナトリウムとして、通常成人初回量は1日5~25μgとし、1~2週間間隔で少しずつ増量する。

維持量は1日25~75μgとする。なお、年齢、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 本剤は他の甲状腺ホルモン製剤より効果の発現が早く持続が短いので、その点を考慮して投与すること。
  • 〈甲状腺機能低下症(原発性及び下垂体性)、粘液水腫〉
    1. 7.2 甲状腺機能低下症及び粘液水腫の患者には、少量から投与を開始し、観察を十分に行い、漸次増量して維持量とすることが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 狭心症、陳旧性心筋梗塞、動脈硬化症、高血圧症等の重篤な心・血管系の障害のある患者

    投与する必要がある場合には少量から開始し、通常より長期間をかけて増量し、維持量は最少必要量とすること。基礎代謝の亢進による心負荷により、病態が悪化するおそれがある。

  2. 9.1.2 副腎皮質機能不全、脳下垂体機能不全のある患者

    副腎皮質機能不全の改善(副腎皮質ホルモンの補充)を十分にはかってから投与すること。副腎クリーゼを誘発し、ショック等を起こすことがある。

  3. 9.1.3 糖尿病患者

    観察を十分に行い、慎重に投与すること。血糖管理状況が変わることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

少量から投与を開始し、通常より長期間をかけて増量し、維持量は最少必要量とするなど注意すること。本剤を投与すると基礎代謝の亢進による心負荷により狭心症等をきたすおそれがある。また、一般に高齢者では生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    クマリン系抗凝血剤

    • ワルファリンカリウム等

    本剤はクマリン系抗凝血剤の作用を増強するおそれがあるので、プロトロンビン時間等を測定しながらクマリン系抗凝血剤の用量を調節するなど慎重に投与すること。

    甲状腺ホルモンがビタミンK依存性凝固因子の異化を促進することが考えられている。

    交感神経刺激剤

    • アドレナリン
    • ノルアドレナリン
    • エフェドリン・メチルエフェドリン含有製剤

    本剤はこれらの作用を増強し、冠動脈疾患のある患者に併用すると冠不全のリスクが増大するおそれがあるので慎重に投与すること。

    甲状腺機能亢進症では心臓のカテコールアミンに対する感受性が増大することが考えられている。

    強心配糖体製剤

    • ジゴキシン
    • ジギトキシン等

    甲状腺機能亢進状態では血清ジゴキシン濃度が低下し、甲状腺機能低下状態では上昇するとの報告があるため、甲状腺機能亢進状態では通常より多量の、甲状腺機能低下状態では通常より少量の強心配糖体製剤の投与を必要とすることがある。併用する場合には強心配糖体製剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。

    吸収、腎排泄、分布容積、血中半減期あるいは心筋の反応性の変化が関与していると考えられている。

    血糖降下剤

    • インスリン製剤
    • スルホニルウレア剤

    血糖降下剤を投与している患者に本剤を投与すると、血糖管理状況が変わるおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら両剤の用量を調節するなど慎重に投与すること。

    甲状腺ホルモンはインスリン分泌、肝での糖新生、末梢組織での糖の取込み等糖代謝系全般にわたって作用し、血糖値を変動(上昇あるいは低下)させることが考えられている。

    コレスチラミン

    コレスチミド

    鉄剤

    アルミニウム含有制酸剤

    炭酸カルシウム

    炭酸ランタン水和物

    セベラマー塩酸塩

    同時投与により本剤の吸収が遅延又は減少するおそれがあるので、併用する場合には本剤との投与間隔をできる限りあけるなど慎重に投与すること。

    本剤が左記の薬剤と結合し、腸管吸収が低下することが考えられている。

    フェニトイン製剤

    カルバマゼピン

    フェノバルビタール

    これらの薬剤は本剤の血中濃度を低下させるおそれがあるので、併用する場合には本剤を増量するなど慎重に投与すること。

    これらの薬剤が甲状腺ホルモンの異化を促進することが考えられている。

    アミオダロン

    アミオダロンは甲状腺ホルモン値を低下させるおそれがあるので、併用する場合には本剤を増量するなど慎重に投与すること。

    アミオダロンが甲状腺ホルモンの脱ヨード化を阻害することが考えられている。

    経口エストロゲン製剤

    • 結合型エストロゲン
    • エストラジオール
    • エストリオール等

    経口エストロゲン製剤は甲状腺ホルモン値を低下させるおそれがあるので、併用する場合には本剤を増量するなど慎重に投与すること。

    経口エストロゲン製剤がサイロキシン結合グロブリンを増加させることが考えられている。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(頻度不明)
    2. 11.1.2 狭心症、うっ血性心不全(いずれも頻度不明)

      狭心症、うっ血性心不全があらわれることがある。このような場合には過剰投与のおそれがあるので、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

    3. 11.1.3 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇、発熱、倦怠感等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

    4. 11.1.4 副腎クリーゼ(頻度不明)

      副腎皮質機能不全、脳下垂体機能不全のある患者では、副腎クリーゼがあらわれることがあるので、副腎皮質機能不全の改善(副腎皮質ホルモンの補充)を十分にはかってから投与すること。全身倦怠感、血圧低下、尿量低下、呼吸困難等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    過敏症

    発疹等

    肝臓

    AST、ALT、γ-GTPの上昇

    循環器1)

    心悸亢進、脈拍増加、不整脈

    精神神経系1)

    振戦、不眠、頭痛、めまい、発汗、神経過敏・興奮・不安感・躁うつ等の精神症状

    消化器1)

    食欲不振、嘔吐、下痢

    その他1)

    筋肉痛、月経障害、体重減少、脱力感、皮膚の潮紅

    1) このような場合には、過剰投与のおそれがあるので、減量、休薬等適切な処置を行うこと。

    13. 過量投与

    1. 13.1 処置

      一度に大量服用した場合には、本剤吸収の抑制(状況に応じ催吐・胃洗浄、コレスチラミンや活性炭の投与等)及び対症療法(換気維持のための酸素投与、交感神経興奮症状に対するプロプラノロール等のβ-遮断剤の投与、うっ血性心不全に対する強心配糖体の投与や発熱、低血糖及び脱水に対する処置等)を行う。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    リオチロニンナトリウムは、細胞の核内に存在する甲状腺ホルモン受容体に結合して遺伝子の転写を調節するgenomic action又は遺伝子の転写制御を介さないnongenomic actionにより、以下の作用を示す1)

    • 体温・エネルギー代謝に対する作用

      熱産生の増加、基礎代謝率の上昇、酸素消費の増大をもたらし、これらはチトクローム系酵素蛋白質の増加によると考えられている(甲状腺機能低下症患者、ラット)2)

    • 成長、成熟に対する作用

      成長を促進するが、多量ではかえって成長を抑制する。骨、歯の成長にも促進的に作用し骨端線の閉鎖を促す(ラット)2)

    • 蛋白代謝に対する作用

      蛋白質合成促進作用を示す。この作用は、RNAポリメラーゼの活性の増大、m-RNA生成の促進、リボゾームにおける蛋白生成の促進等によるとされている(甲状腺機能低下症患者、ラット)。一方、過量では蛋白分解が合成を上回るためN平衡は負となる2),3)

    • 糖質代謝に対する作用

      末梢組織での糖利用を高め、肝グリコーゲンの分解を促進して血糖を上昇させる(ラット)2)

    • 脂質代謝に対する作用

      血清コレステロール、中性脂肪、リン脂質、β-リポプロテイン、脂肪酸等の低下作用を示す(甲状腺機能低下症患者、ラット)2)

    • 水及び電解質代謝に対する作用

      組織から血液への水分移動促進による血液量の増加、代謝亢進に伴う循環血液量の増加、糸球体ろ過量の増大等により利尿作用を示す。また、尿中へのNa、Kの排泄を増加させる(甲状腺機能低下症患者、健常人)2)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    リオチロニンナトリウム(Liothyronine Sodium)〔JAN〕

    化学名

    Monosodium O-(4-hydroxy-3-iodophenyl)-3,5-diiodo-L-tyrosinate

    分子式

    C15H11I3NNaO4

    分子量

    672.96

    性状

    リオチロニンナトリウムは白色~淡褐色の粉末で、においはない。エタノール(95)にやや溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液又はアンモニア試液に溶ける。

    化学構造式

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は遮光して保存すること。

    22. 包装

    • 5mcgチロナミン錠

      100錠(バラ)、PTP 1,000錠(10錠×100)

    • 25mcgチロナミン錠

      100錠(バラ)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    武田薬品工業株式会社 くすり相談室

    〒103-8668 東京都中央区日本橋本町二丁目1番1号

    フリーダイヤル 0120-566-587
    受付時間 9:00~17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    武田薬品工業株式会社

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