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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。ただし、体重が50kg未満の患者では1.88mgを投与することができる。なお、初回投与は月経周期1~5日目に行う。
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として1.88mgを皮下に投与する。ただし、体重の重い患者、子宮腫大が高度の患者では3.75mgを投与する。なお、初回投与は月経周期1~5日目に行う。
通常、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として30μg/kgを皮下に投与する。なお、症状に応じて180μg/kgまで増量できる。
通常、成人には4週に1回リュープロレリン酢酸塩として3.75mgを皮下に投与する。バイアル品の投与に際しては、1バイアル当たり、添付の懸濁用液1mLで泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。キット品の投与に際しては、注射針を上にしてプランジャーロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させ、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。キット品は投与量の調節が不可能なため、1回当たり全量投与が必要な患者にのみ使用すること。
観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。また、出血症状が増悪した場合には連絡するよう患者に対し注意を与えること。出血症状が増悪することがある。
出血症状が増悪することがある。
初回投与初期の血清テストステロン濃度の上昇に伴い、原疾患の症状が悪化する可能性がある。
治療に際しては妊娠していないことを確認し、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。LH-RH誘導体による流産の報告があり、本剤の動物試験で胎児死亡の増加及び胎児体重の低値(ラット、ウサギ)1)並びに骨格異常の増加傾向(ウサギ)1)がみられている。,
投与しないこと。ラットで乳汁への移行がみられている。
低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
性ホルモン剤
本剤の効果を減弱することがある。
本剤は性ホルモンの分泌を低下させることにより薬効を示す。したがって、性ホルモン剤の投与は本剤の治療効果を減弱する可能性がある。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
下垂体卒中が下垂体腺腫患者で報告されているので、初回投与直後に頭痛、視力・視野障害等があらわれた場合には、検査のうえ外科的治療等の適切な処置を行うこと。
エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態があらわれることがある。
下垂体-性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫がみられることがある。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
低エストロゲン症状
ほてり、熱感、のぼせ、肩こり、頭痛、不眠、めまい、発汗
性欲減退、冷感、視覚障害、情緒不安定
女性生殖器
不正出血、腟乾燥、性交痛、腟炎、帯下増加、卵巣過剰刺激症状、乳房の疼痛・緊満感・萎縮
筋・骨格系
関節痛、骨疼痛等の疼痛
手指等のこわばり、腰痛、筋肉痛、筋痙攣、骨塩量の低下、血清リン上昇、高カルシウム血症
皮膚
ざ瘡、皮膚乾燥、脱毛、多毛、爪の異常
精神神経系
眠気、いらいら感、記憶力低下、注意力低下、知覚異常
過敏症
発疹、そう痒
肝臓
AST、ALT、AL-P、LDH、γ-GTP、ビリルビンの上昇
黄疸
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、口内炎、口渇
循環器
心悸亢進、血圧上昇
血液
赤血球増多、貧血、白血球減少、血小板減少、部分トロンボプラスチン時間延長
泌尿器系
頻尿、排尿困難、BUNの上昇
投与部位注)
疼痛、硬結、発赤
膿瘍、腫脹、潰瘍、そう痒、肉芽腫、腫瘤、熱感、壊死等の注射部位反応
その他
疲労、倦怠感、脱力感、口唇・四肢のしびれ、手根管症候群、耳鳴、難聴、胸部不快感、浮腫、体重増加、下肢痛、息苦しさ、発熱、総コレステロール上昇、LDLコレステロール上昇、トリグリセライド上昇、高カリウム血症
体重減少、味覚異常、甲状腺機能異常
痙攣
LDH上昇
黄疸、AST、ALT、γ-GTP、AL-Pの上昇
内分泌系
ほてり、熱感
頭痛、不眠、顔面潮紅、めまい、発汗、性欲減退、勃起障害、女性化乳房、睾丸萎縮、会陰部不快感
関節痛、骨疼痛、肩・腰・四肢等の疼痛、歩行困難、手指等のこわばり
筋肉痛、骨塩量の低下
皮膚炎、頭部発毛
頻尿、血尿、BUNの上昇
心電図異常、心胸比増大
貧血、血小板減少
悪心、嘔吐、食欲不振、便秘
下痢
投与部位
浮腫、胸部圧迫感、悪寒、倦怠感、口唇・四肢のしびれ、体重増加、知覚異常、難聴、耳鳴、発熱、総コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、尿酸上昇、高カリウム血症、血糖値上昇
脱力感
ラットにリュープロレリン酢酸塩として4週間持続の徐放性製剤0.8、3.6及び16mg/kg/4週を1年間、並びにリュープロレリン酢酸塩水溶液注射剤0.6、1.5及び4mg/kg/日を2年間それぞれ皮下投与した試験で、良性下垂体腺腫が認められたとの報告がある3)。
中枢性思春期早発症患者にリュープロレリン酢酸塩として30μg/kgを4週ごとに12回皮下投与した場合の初回投与後の未変化体の血中濃度推移は以下のとおりであった。また、以降の未変化体の血中濃度からみて、蓄積性はないと考えられる。
前立腺癌患者にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを単回皮下投与した場合の血中濃度推移は以下のとおりであった。なお、前立腺癌患者(17例)にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを4週ごとに3回皮下投与した時の血中濃度からみて、蓄積性はないと考えられる8)。
子宮内膜症患者にリュープロレリン酢酸塩として1.88mg又は3.75mgを4週ごとに6回皮下投与した場合の血中濃度推移は以下のとおりであった。なお、子宮内膜症患者(77例)にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを4週ごとに6回皮下投与した時の未変化体と代謝物M-I(Tyr-D-Leu-Leu-Arg-Pro-NHC2H5)とを合せた血中濃度からみて、蓄積性はないと考えられる4),5),6)。
子宮筋腫患者における薬物動態は子宮筋腫と同様のエストロゲン依存性疾患であり患者の年齢層も比較的類似する子宮内膜症における薬物動態と同様と考えられる。
閉経前乳癌患者にリュープロレリン酢酸塩として3.75mgを4週ごとに3回皮下投与した場合の未変化体の血中濃度推移は以下のとおりであった。また、2回目及び3回目投与の4週後の血中濃度は初回投与4週後の血中濃度よりも高値を示さず蓄積性はないと考えられる7)。
初回投与後24時間
6回目投与後24時間
未変化体
M-I
1.1(8)
1.3(7)
数字は尿中排泄率(%)、( )内は例数
1.88mg著明改善+改善(改善率)
3.75mg著明改善+改善(改善率)
体重
50kg未満
20/28(71.4)
107/136(78.7)
50kg以上
31/49(63.3)
159/197(80.7)
数字は例数、( )内はパーセント
1.88mgの臨床効果は3.75mgと比べるとやや低かったものの、体重別に検討したところ体重50kg未満では概ね同等の改善率が得られることが示唆された4),5),6),9),10),11),12),13),14)。体重50kg未満の子宮内膜症の患者を対象に、4週に1回リュープロレリン酢酸塩として1.88mgを皮下に6回投与した国内第Ⅲ相一般臨床試験を更に行ったところ、82.0%(41/50例)の改善率(「改善」以上)が得られている4),5),6),9),10),11),12),13),14)。なお、子宮内膜症患者を対象とした国内第Ⅲ相比較試験の結果、本剤の有用性が認められている4),5),6),9),10),11),12),13),14)。
著明改善+改善(改善率)1.88mg
著明改善+改善(改善率)3.75mg
検定結果(χ2検定)
55kg未満
49/58(84.5)
110/127(86.6)
N.S.
55kg以上
20/32(62.5)
80/92(87.0)
P<0.01
子宮の大きさ(内診)
手拳大未満
12/14(85.7)
53/66(80.3)
手拳大以上
23/32(71.9)
100/113(88.5)
なお、子宮筋腫患者を対象とした国内第Ⅲ相比較試験の結果、本剤の有用性が認められている18)。また、1回0.94mg、1.88mg、3.75mg又は5.63mgを4回投与した用量設定試験における集計では、それぞれ48例中35例(72.9%)、45例中36例(80.0%)、43例中39例(90.7%)及び49例中43例(87.8%)に、臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
評価時期
例数
著効(有効率)
著効+有効(有効率)
24週
102
37(36.3)
92(90.2)
48週
100
33(33.0)
90(90.0)
96週
92
30(32.6)
84(91.3)
144週
23
9(39.1)
22(95.7)
144週までの国内長期投与試験における時期別の副作用の発現頻度は、投与開始から4週、24週、48週、96週、120週、144週まででそれぞれ12.8%(12/94例)、7.4%(7/94例)、2.2%(2/92例)、3.4%(1/29例)、7.7%(2/26例)、4.0%(1/25例)であった。
投与薬剤
用法・用量
投与開始2年後の無再発生存率(主要評価項目)
投与開始5年後の無再発生存率(副次評価項目)
リュープロレリン酢酸塩11.25mg
3ヵ月に1回皮下投与・24ヵ月間投与
83.0%(224/270例)
60.5%(153/253例)
CMF療法シクロホスファミド500mg/m2メトトレキサート40mg/m2フルオロウラシル600mg/m2
各薬剤を1ヵ月毎に2回(1日目及び8日目)静脈内投与することを1サイクルとし、6サイクル(6ヵ月間)投与
80.9%(207/256例)
60.6%(146/241例)
副作用の発現頻度は、12週時点では3.75mg群で59.2%(29/49例)、12週以降も投与された症例を含む全例では3.75mg投与で65.3%(32/49例)であり、主な症状は熱感(ほてり・のぼせ)、頭痛・頭重感、めまい及び肩こり等の更年期様症状であった7),21)。
高用量のLH-RH又は高活性LH-RH誘導体であるリュープロレリン酢酸塩を反復投与すると、初回投与直後一過性に下垂体-性腺系刺激作用(急性作用)がみられた後、下垂体においては性腺刺激ホルモンの産生・放出が低下する。更に、卵巣及び精巣の性腺刺激ホルモンに対する反応性が低下し、エストラジオール及びテストステロン産生能が低下する(慢性作用)。リュープロレリン酢酸塩のLH放出活性はLH-RHの約100倍であり、その下垂体-性腺機能抑制作用はLH-RHより強い。リュープロレリン酢酸塩が高活性LH-RH誘導体であり、下垂体-性腺機能抑制作用が強い理由は、リュープロレリン酢酸塩が、LH-RHと比較して蛋白分解酵素に対する抵抗性が高いこと、LH-RHリセプターに対する親和性が高いことなどによる24),25),26),27)。更に、本剤は徐放性製剤であるので、常時血中にリュープロレリン酢酸塩を放出して効果的に卵巣及び精巣の反応性低下をもたらし、下垂体-性腺機能抑制作用を示す。
リュープロレリン酢酸塩(Leuprorelin Acetate)〔JAN〕
5-Oxo-L-prolyl-L-histidyl-L-tryptophyl-L-seryl-L-tyrosyl-D-leucyl-L-leucyl-L-arginyl-N-ethyl-L-prolinamide monoacetate
C59H84N16O12・C2H4O2
1269.45
リュープロレリン酢酸塩は白色~帯黄白色の粉末である。水又は酢酸(100)に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。吸湿性である。
1バイアル(懸濁用液1mL添付)
1キット
1) 大島洋次郎, 他. 薬理と治療. 1990;18(Suppl.3):589-607,609-623,625-631,633-639.
2) 田中敏章, 他. 日本成長学会雑誌. 2010;16(2):85-92.
3) 茶谷文雄, 他. 薬理と治療. 1990;18(Suppl.3):575-588.
4) 水野正彦, 他. 産婦人科の世界. 1992;44:751-788.
5) 星合昊, 他. 産婦人科の世界. 1993;45:61-82.
6) 中村元一, 他. 薬理と治療. 1992;20:3329-3341.
7) 田口鐵男, 他. 癌と化学療法. 1995;22:477-494.
8) 新島端夫, 他. 泌尿器科紀要. 1990;36:1343-1360.
9) 水野正彦, 他. 産婦人科の世界. 1992;44:923-955.
10) 熊坂高弘, 他. 産婦人科の世界. 1992;44:851-864.
11) 武谷雄二, 他. 薬理と治療. 1992;20:3343-3354.
12) 松尾明美, 他. 臨床婦人科産科. 1992;46:1140-1148.
13) 水口弘司, 他. 日本不妊学会雑誌. 1992;37:580-590.
14) 武谷雄二, 他. 産婦人科の世界. 1997;49:315-330.
15) 寺川直樹, 他. 産科と婦人科. 1995;62:569-596.
16) 中村元一, 他. 産婦人科の世界. 1995;47:323-355.
17) 谷口晴記, 他. 産婦人科の世界. 1995;47:423-442.
18) 武谷雄二, 他. 産科と婦人科. 1995;62:741-769.
19) Tanaka T, 他. Endocrinologia Japonica. 1991;38:369-376.
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21) 田口鐵男, 他. 癌と化学療法. 1995;22:495-508.
22) 阿曽佳郎, 他. 泌尿器科紀要. 1991;37:305-320.
23) 赤座英之, 他. 泌尿器外科. 1991;4:527-539.
24) 須藤勝一, 他. 薬理と治療. 1990;18(Suppl.3):515-520.
25) 前多敬一郎, 他. 薬理と治療. 1990;18:2615-2629.
26) 山崎巌, 他. 武田研究所報. 1977;36:64-70.
27) 須藤勝一, 他. 薬理と治療. 1990;18(Suppl.3):521-528.
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