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劇薬
処方箋医薬品注)
通常、成人には24週に1回リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを皮下に投与する。投与に際しては、注射針を上にしてプランジャーロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させて、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
本剤は24週間持続の徐放性製剤であり、24週を超える間隔で投与すると下垂体-性腺系刺激作用により性腺ホルモン濃度が再度上昇し、臨床所見が一過性に悪化するおそれがあるので、24週に1回の用法を遵守すること。
初回投与初期の血清テストステロン濃度の上昇に伴い、原疾患の症状が悪化する可能性がある。
出血症状が増悪することがある。
治療に際しては妊娠していないことを確認し、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。LH-RH誘導体による流産の報告があり、本剤の動物試験で胎児死亡の増加及び胎児体重の低値(ラット、ウサギ)1)並びに骨格異常の増加傾向(ウサギ)1)がみられている。,
投与しないこと。ラットで乳汁への移行がみられている。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
下垂体卒中が下垂体腺腫患者で報告されているので、初回投与直後に頭痛、視力・視野障害等があらわれた場合には、検査のうえ外科的治療等の適切な処置を行うこと。
下垂体-性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫がみられることがある。
エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
肝臓
LDH上昇
黄疸、AST、ALT、γ-GTP、AL-Pの上昇
内分泌系
ほてり、熱感
頭痛、不眠、顔面潮紅、めまい、発汗、性欲減退、勃起障害、女性化乳房、睾丸萎縮、会陰部不快感
筋・骨格系
関節痛、骨疼痛、肩・腰・四肢等の疼痛、歩行困難、手指等のこわばり
筋肉痛、骨塩量の低下
皮膚
皮膚炎、頭部発毛
泌尿器系
頻尿、血尿、BUNの上昇
循環器
心電図異常、心胸比増大
血液
貧血、血小板減少
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、便秘
下痢
過敏症
発疹、そう痒
投与部位
硬結
疼痛、発赤
膿瘍、腫脹、潰瘍、そう痒、肉芽腫、腫瘤、熱感、壊死等の注射部位反応
その他
浮腫、胸部圧迫感、悪寒、倦怠感、口唇・四肢のしびれ、体重増加、知覚異常、難聴、耳鳴、発熱、総コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、尿酸上昇、高カリウム血症、血糖値上昇
脱力感
痙攣
低エストロゲン症状
ほてり、熱感、のぼせ、肩こり、頭痛、不眠、めまい、発汗
性欲減退、冷感、視覚障害、情緒不安定
女性生殖器
不正出血、腟乾燥、性交痛、腟炎、帯下増加、卵巣過剰刺激症状、乳房の疼痛・緊満感・萎縮
関節痛、骨疼痛等の疼痛
手指等のこわばり、腰痛、筋肉痛、筋痙攣、骨塩量の低下、血清リン上昇、高カルシウム血症
ざ瘡、皮膚乾燥、脱毛、多毛、爪の異常
精神神経系
眠気、いらいら感、記憶力低下、注意力低下、知覚異常
AST、ALT、AL-P、LDH、γ-GTP、ビリルビンの上昇
黄疸
悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、口内炎、口渇
心悸亢進、血圧上昇
赤血球増多、貧血、白血球減少、血小板減少、部分トロンボプラスチン時間延長
頻尿、排尿困難、BUNの上昇
疲労、倦怠感、脱力感、口唇・四肢のしびれ、手根管症候群、耳鳴、難聴、胸部不快感、浮腫、体重増加、下肢痛、息苦しさ、発熱、総コレステロール上昇、LDLコレステロール上昇、トリグリセライド上昇、高カリウム血症
体重減少、味覚異常、甲状腺機能異常
ラットにリュープロレリン酢酸塩として4週間持続の徐放性製剤0.8、3.6及び16mg/kg/4週を1年間、並びにリュープロレリン酢酸塩水溶液注射剤0.6、1.5及び4mg/kg/日を2年間それぞれ皮下投与した試験で、良性下垂体腺腫が認められたとの報告がある2)。
前立腺癌患者(未治療例)を対象に、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを単回皮下投与した時、リュープロレリン未変化体の血中濃度の推移及び薬物動態学的パラメータは以下のとおりであった3),4)。
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
AUC0-168days(ng・h/mL)
T1/2(h)
n=6
4.65±0.97
1.00(0.92、1.05)
799.5±178.8
927.2±320.7
平均値±標準偏差、ただしTmaxは中央値(最小値、最大値)
閉経前乳癌術後患者を対象に、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを単回皮下投与(タモキシフェン20mg/日を併用投与)した時、リュープロレリン未変化体の血中濃度の推移及び薬物動態学的パラメータは以下のとおりであった5)。
n=22
5.20±1.03
0.97(0.77、1.40)
560.9±190.5
894.9±277.7
閉経前乳癌術後患者を対象に、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを24週に1回(計2回)皮下投与した時のリュープロレリン未変化体の血中濃度の推移を観察したが、反復投与による蓄積性は認められなかった5)。
前立腺癌既治療患者(リュープリンSR注射用キット11.25mgの投与により抗腫瘍効果が安定している患者)を対象に、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを24週に1回(計2回)又はリュープロレリン酢酸塩として11.25mgを12週に1回(計4回)皮下投与した。主要評価項目である、投与開始から48週後における血清テストステロン濃度が去勢レベル(100ng/dL以下)を維持した患者の割合は22.5mg投与群で100%(81/81例)、11.25mg投与群で98.7%(78/79例)、両群の差[95%信頼区間]は1.3%[-3.4%, 6.8%]であり、あらかじめ設定した非劣性の基準(95%信頼区間の下限値が-10%を上回る)を満たした6)。副作用発現頻度は、22.5mg投与群で55.6%(45/81例)であり、主な副作用は、22.5mg投与群で、注射部位硬結17.3%(14/81例)、注射部位紅斑13.6%(11/81例)、注射部位疼痛6.2%(5/81例)、糖尿病6.2%(5/81例)、ほてり6.2%(5/81例)であった6)。
閉経前乳癌術後患者を対象に、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを24週に1回(計2回)又はリュープロレリン酢酸塩として11.25mgを12週に1回(計4回)皮下投与した(各群タモキシフェン20mg/日を併用投与)。主要評価項目である、投与4週から48週後における血清エストラジオール濃度が閉経期レベル(30pg/mL以下)に抑制された患者の割合は、22.5mg投与群で97.6%(81/83例)、11.25mg投与群で96.4%(81/84例)、両群の差[95%信頼区間]は1.2%[-5.2%, 7.8%]であり、あらかじめ設定した非劣性の基準(95%信頼区間の下限値が-10%を上回る)を満たした5)。副作用発現頻度は、22.5mg投与群で92.8%(77/83例)であり、主な副作用は、22.5mg投与群で、ほてり50.6%(42/83例)、注射部位硬結43.4%(36/83例)、注射部位疼痛28.9%(24/83例)であった5)。
高用量のLH-RH又は高活性LH-RH誘導体であるリュープロレリン酢酸塩を反復投与すると、初回投与直後一過性に下垂体-性腺系刺激作用(急性作用)がみられた後、下垂体においては性腺刺激ホルモンの産生・放出が低下する。更に、精巣及び卵巣の性腺刺激ホルモンに対する反応性が低下し、テストステロン及びエストラジオール産生能が低下する(慢性作用)。リュープロレリン酢酸塩のLH放出活性はLH-RHの約100倍であり、その下垂体-性腺機能抑制作用はLH-RHより強い。リュープロレリン酢酸塩が高活性LH-RH誘導体であり、下垂体-性腺機能抑制作用が強い理由は、リュープロレリン酢酸塩が、LH-RHと比較して蛋白分解酵素に対する抵抗性が高いこと、LH-RHリセプターに対する親和性が高いことなどによる。更に、本剤は徐放性製剤であるので、常時血中にリュープロレリン酢酸塩を放出して効果的に精巣及び卵巣の反応性低下をもたらし、下垂体-性腺機能抑制作用を示す7),8),9),10)。
リュープロレリン酢酸塩(Leuprorelin Acetate)〔JAN〕
5-Oxo-L-prolyl-L-histidyl-L-tryptophyl-L-seryl-L-tyrosyl-D-leucyl-L-leucyl-L-arginyl-N-ethyl-L-prolinamide monoacetate
C59H84N16O12・C2H4O2
1269.45
リュープロレリン酢酸塩は白色~帯黄白色の粉末である。水又は酢酸(100)に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。吸湿性である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1キット
1) 大島洋次郎, 他. 薬理と治療. 1990;18(Suppl.3):589-607,609-623,625-631,633-639.
2) 茶谷文雄, 他. 薬理と治療. 1990;18(Suppl.3):575-588.
3) 河村栄美子, 他. 癌と化学療法. 2014;41:587-593.
4) リュープロレリンの臨床試験成績①(2015年9月28日承認、CTD 2.7.6.1)
5) リュープロレリンの臨床試験成績③(2015年9月28日承認、CTD 2.7.6.3)
6) リュープロレリンの臨床試験成績②(2015年9月28日承認、CTD 2.7.6.2)
7) 須藤勝一, 他. 薬理と治療. 1990;18(Suppl.3):515-520.
8) 前多敬一郎, 他. 薬理と治療. 1990;18:2615-2629.
9) 山崎巌, 他. 武田研究所報. 1977;36:64-70.
10) 須藤勝一, 他. 薬理と治療. 1990;18(Suppl.3):521-528.
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