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処方箋医薬品注)
通常、成人には1日1回1錠(アスピリン/ボノプラザンとして100mg/10mg)を経口投与する。
アスピリンは血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。
アスピリンは出血を増強させるおそれがある。,
(アスピリン喘息を有する場合を除く)
アスピリン喘息でないことを十分に確認すること。気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では重篤な喘息発作を誘発させることがある。,
アスピリンはアルコールと同時に服用すると、消化管出血を誘発又は増強することがある。,
アスピリンは手術、心臓カテーテル検査又は抜歯時の失血量を増加させるおそれがある。
アスピリンは腎障害を悪化又は再発させるおそれがある。また、腎機能障害患者では、ボノプラザンの排泄が遅延することにより血中濃度が上昇することがある。
アスピリンは肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。また、肝機能障害患者では、ボノプラザンの代謝、排泄が遅延することにより血中濃度が上昇することがある。,
投与しないこと。アスピリンでは、妊娠期間の延長、動脈管の早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加につながるおそれがある。海外での大規模な疫学調査では、妊娠中のアスピリン服用と先天異常児出産の因果関係は否定的であるが、長期連用した場合は、母体の貧血、産前産後の出血、分娩時間の延長、難産、死産、新生児の体重減少・死亡などの危険が高くなるおそれを否定できないとの報告がある。また、ヒトで妊娠末期に投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。さらに、妊娠末期のラットに投与した試験で、弱い胎児の動脈管収縮が報告されている。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。アスピリンでは、動物試験(ラット)で催奇形作用があらわれたとの報告がある。妊娠期間の延長、過期産につながるおそれがある。ボノプラザンでは、動物試験(ラット)において、ボノプラザンの最大臨床用量(40mg/日)における曝露量(AUC)の約28倍を超える曝露量で、胎児体重及び胎盤重量の低値、外表異常(肛門狭窄及び尾の異常)、並びに内臓異常(膜性部心室中隔欠損及び鎖骨下動脈起始異常)が認められている。
授乳を避けさせること。アスピリンでは、母乳中へ移行することが報告されている。ボノプラザンでは、動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では腎機能、肝機能等の生理機能が低下している。
アタザナビル硫酸塩(レイアタッツ)
アタザナビル硫酸塩の作用を減弱するおそれがある。
ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下する可能性がある。
リルピビリン塩酸塩(エジュラント)
リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。
ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下する可能性がある。
CYP3A4阻害剤
ボノプラザンの血中濃度が上昇する可能性がある。
クラリスロマイシンとの併用によりボノプラザンの血中濃度が上昇したとの報告がある。
ジゴキシン
メチルジゴキシン
左記薬剤の作用を増強する可能性がある。
ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。
イトラコナゾールチロシンキナーゼ阻害剤
ネルフィナビルメシル酸塩
左記薬剤の作用を減弱する可能性がある。
ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用により左記薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP3A4で代謝される薬剤
ボノプラザンのCYP3A4に対する弱い阻害作用により、左記薬剤の代謝が阻害される。
**強い又は中程度のCYP3A4誘導剤
ボノプラザンの血中濃度が低下する可能性がある。
左記薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、ボノプラザンの代謝が促進される可能性がある。
クマリン系抗凝固剤
,
クマリン系抗凝固剤の作用を増強し、出血時間の延長、消化管出血等を起こすことがあるので、クマリン系抗凝固剤を減量するなど慎重に投与すること。
アスピリンは血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝固剤と置換し、遊離させる。また、アスピリンは血小板凝集抑制作用、消化管刺激による出血作用を有する。
血液凝固阻止剤
左記薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。
アスピリンは血小板凝集抑制作用を有するため、左記薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
血栓溶解剤
糖尿病用剤
糖尿病用剤の作用を増強し、低血糖を起こすことがあるので、糖尿病用剤を減量するなど慎重に投与すること。
アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合した糖尿病用剤と置換し、遊離させる。また、アスピリンは大量で血糖降下作用を有する。
メトトレキサート
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化器障害等)が増強されることがある。
アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合したメトトレキサートと置換し、遊離させる。また、アスピリンはメトトレキサートの腎排泄を阻害すると考えられている。
バルプロ酸ナトリウム
バルプロ酸ナトリウムの作用を増強し、振戦等を起こすことがある。
アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合したバルプロ酸ナトリウムと置換し、遊離させる。
フェニトイン
総フェニトイン濃度を低下させるが、非結合型フェニトイン濃度を低下させないとの報告があるので、総フェニトイン濃度に基づいて増量する際には臨床症状等を慎重に観察すること。
アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合したフェニトインと置換し、遊離させる。
副腎皮質ホルモン剤
アスピリン(高用量投与時)との併用時に副腎皮質ホルモン剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されている。また、消化管出血を増強させることが考えられている。
機序は不明。
リチウム製剤
リチウム中毒を起こすことが報告されている。
アスピリン(高用量投与時)は腎のプロスタグランジンの生合成を抑制し、腎血流量を減少させることにより、リチウムの腎排泄を低下させることが考えられている。
チアジド系利尿剤
ループ利尿剤
左記薬剤の作用を減弱させることが報告されている。
アスピリンは腎のプロスタグランジンの生合成を抑制して、水、塩類の体内貯留が生じ、利尿剤の水、塩類排泄作用に拮抗するためと考えられている。
β遮断剤
ACE阻害剤
アスピリンは血管拡張作用を有する腎プロスタグランジンの生合成、遊離を抑制し、血圧を上昇させることが考えられている。
ニトログリセリン製剤
ニトログリセリンの作用を減弱させることがある。
アスピリンはプロスタグランジンの生合成を抑制することにより、冠動脈を収縮させ、ニトログリセリンの作用を減弱させることが考えられている。
尿酸排泄促進剤
左記薬剤の作用を減弱させることがある。
アスピリン(高用量投与時)は左記薬剤の尿酸排泄に拮抗する。
非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤
アスピリンとの併用により出血及び腎機能の低下を起こすことがある。
イブプロフェン
ナプロキセン
ピロキシカム
*スルピリン水和物
アスピリンの血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。
血小板のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられている。
炭酸脱水酵素阻害剤
アセタゾラミドの副作用を増強し、嗜眠、錯乱等の中枢神経系症状、代謝性アシドーシス等を起こすことが報告されている。
アスピリンは血漿蛋白に結合したアセタゾラミドと置換し、遊離させる。
ドネペジル塩酸塩
アスピリンとの併用により消化性潰瘍を起こすことがある。
コリン系が賦活され胃酸分泌が促進される。
タクロリムス水和物
シクロスポリン
腎障害が発現することがある。
アスピリンとの併用により、腎障害の副作用を相互に増強すると考えられている。
ザフィルルカスト
アスピリンとの併用によりザフィルルカストの血漿中濃度が上昇することがある。
プロスタグランジンD2、トロンボキサンA2受容体拮抗剤
ヒト血漿蛋白結合に対する相互作用の検討(in vitro)において、アスピリンにより左記薬剤の非結合型分率が上昇することがある。
左記薬剤がアスピリンと血漿蛋白結合部位で置換し、遊離型血中濃度が上昇すると考えられている。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
皮膚の異常出血(斑状出血、紫斑等)、出血症状(胃腸出血等)が報告されている。
SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、アスピリンとの併用により出血傾向が増強すると考えられている。
アルコール,
消化管出血が増強されるおそれがある。
アルコールによる胃粘膜障害とアスピリンのプロスタグランジン合成阻害作用により、相加的に消化管出血が増強すると考えられている。
ショックやアナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等があらわれることがある。,,,,
AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがある。また、消化管出血、腸管穿孔、狭窄・閉塞を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがある。,
0.1~5%未満
頻度不明
消化器
便秘、下痢、腹部膨満感、悪心、腹痛、食道炎、胃部不快感
胃腸障害、嘔吐、胸やけ、口唇腫脹、吐血、食欲不振
過敏症
発疹、蕁麻疹
皮膚
そう痒
発汗
血液
貧血、好酸球増多
血小板機能低下(出血時間延長)
精神神経系
めまい、興奮、頭痛
肝臓
AST、ALT、AL-P、LDH、γ-GTPの上昇
腎臓
腎障害
循環器
血圧低下
血管炎、心窩部痛
呼吸器
気管支炎、鼻炎
感覚器
角膜炎、結膜炎、耳鳴、難聴
その他
浮腫
過呼吸、代謝性アシドーシス、倦怠感、低血糖
アスピリンでは、耳鳴、めまい、頭痛、嘔吐、難聴、軽度の頻呼吸等の初期症状から血中濃度の上昇に伴い、重度の過呼吸、呼吸性アルカローシス、代謝性アシドーシス、痙攣、昏睡、呼吸不全等が認められる。
催吐、胃洗浄、活性炭投与(ただし、催吐及び胃洗浄後)、輸液注入によるアシドーシス是正、アルカリ尿促進(ただし、腎機能が正常の場合)、血液透析、腹膜透析を必要に応じて行う。
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
AUC(last)(ng・hr/mL)
T1/2z(hr)
配合錠
786.1±349.18
4.000(2.00-11.0)
975.7±327.58
0.4151±0.12045
単剤併用
677.8±404.26
4.500(1.00-12.0)
899.8±323.46
0.4894 ±0.98199
n=233、平均値±標準偏差、ただし、Tmaxは中央値(最小値-最大値)
14.77±5.0945
1.500(1.00-3.00)
97.36±32.128
8.172±0.81625
14.09±5.0778
96.41±31.431
8.047±1.1520
n=23、平均値±標準偏差、ただし、Tmaxは中央値(最小値-最大値)
健康成人男性12例にアスピリン/ボノプラザン配合錠として100mg/10mgを朝食開始30分後に投与した時、朝食絶食下投与と比較してアスピリンのCmaxは1.5倍に増加、AUCは1.2倍に増加、ボノプラザンのCmaxは1.4倍に増加、AUCは1.2倍に増加した1)。
アスピリンの代謝物であるサリチル酸の蛋白結合率は血中濃度依存的に変化し、低濃度 (<100μg/mL)では約90%であるが、高濃度(>400μg/mL)では約75%である2)。また、[14C]ボノプラザンを0.1〜10μg/mLの範囲でヒト血漿に添加した時の蛋白結合率は、85.2〜88.0%である(in vitro)3)。
健康成人男性12例にアスピリン/ボノプラザン配合錠として100mg/10mgを朝食絶食下又は朝食開始30分後投与した時、24時間後の尿中排泄率はアスピリン及びサリチル酸として77.53~80.89%であった。また、ボノプラザンは、投与後48時間後までに代謝物を含め尿中排泄率は7.683~8.903%であった1)。
ボノプラザンでは、腎機能正常者(eGFR:90mL/min/1.73m2以上)、軽度(eGFR:60~89mL/min/1.73m2)、中等度(eGFR:30~59mL/min/1.73m2)及び高度腎機能障害(eGFR:15~29mL/min/1.73m2)のある患者、並びに末期腎不全(ESRD)(eGFR:15mL/min/1.73m2未満)患者を対象にボノプラザンとして20mgを投与した時の薬物動態に及ぼす腎機能障害の影響を検討した外国で実施した臨床試験において、ボノプラザンのAUC(0-inf)及びCmaxは、軽度、中等度及び高度腎機能障害のある患者では腎機能正常者と比較してそれぞれ1.3〜2.4倍及び1.2〜1.8倍高く、腎機能の低下に伴い増加し、また、ESRD患者におけるAUC(0-inf)及びCmaxは、腎機能正常者と比較してそれぞれ1.3倍及び1.2倍高い8)。
ボノプラザンでは、肝機能正常者、並びに軽度(Child-Pugh分類スコアA)、中等度(Child-Pugh分類スコアB)及び高度肝機能障害(Child-Pugh分類スコアC)のある患者を対象にボノプラザンとして20mgを投与した時の薬物動態に及ぼす肝機能障害の影響を検討した外国で実施した臨床試験において、ボノプラザンのAUC(0-inf)及びCmaxは、軽度、中等度及び高度肝機能障害のある患者では肝機能正常者と比較してそれぞれ1.2〜2.6倍及び1.2〜1.8倍高い9)。
外国健康成人男性を対象に1日目及び8日目にボノプラザンとして40mg注)を朝食30分後に単回投与し、3〜9日目にクラリスロマイシンとして500mg(力価)を1日2回、朝夕食30分前に反復投与した試験の結果、ボノプラザンのAUC(0-inf)及びCmaxは、単独投与時と比較してクラリスロマイシンとの併用投与時に1.6倍及び1.4倍増加する10)。
健康成人男性を対象にボノプラザン40mg注)、アスピリン100mgを併用投与した試験の結果、ボノプラザンの薬物動態に及ぼす低用量アスピリンの影響、及び低用量アスピリンの薬物動態に及ぼすボノプラザンの影響について、いずれも明らかな影響は見られなかった11)。
外国健康成人を対象に1日目及び9日目にミダゾラム2mgを単回経口投与し、2~10日目にボノプラザンとして20mg注)を1日2回反復経口投与した試験の結果、ミダゾラムのAUC(0-inf)及びCmaxは、単独投与時と比較してボノプラザンとの併用時にいずれも1.9倍増加する12)。
ボノプラザンとして10、20、40mgを単回投与又は10mgを1日1回、20mgを1日1回若しくは2回、7日間反復経口投与し、リファンピシン600mgを1日1回併用投与したときで、ボノプラザンのAUCtauは78~81%低下、Cmaxは71%又は72%低下することが推定された。ボノプラザンとして10、20、40mgを単回投与又は10mgを1日1回、20mgを1日1回若しくは2回、7日間反復経口投与し、エファビレンツ600mgを1日1回併用投与したときで、ボノプラザンのAUCtauは54%低下、Cmaxは44~46%低下することが推定された13)。
注)本剤は、アスピリン/ボノプラザンとして100mg/10mgの配合剤である。
低用量アスピリン(1日81〜324mg)の長期投与を必要とし、かつ胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往歴を有する患者を対象に、ボノプラザン10mg又はランソプラゾール15mgを1日1回24週間経口投与した時の投与24週後の潰瘍再発率は下表のとおりであり、ランソプラゾール群に対するボノプラザン群の非劣性が認められた14)。
ボノプラザン10mg
ランソプラゾール15mg
0.5%(1/197例)
2.8%(6/213例)
-2.3%[-4.743%, 0.124%] 注1)p<0.0001 注2)
( )は再発例数/評価例数注1)投与群間差、[ ]は両側95%信頼区間注2)許容限界値を8.7%とした、Farrington and Manningによる非劣性検定
副作用発現頻度は、ボノプラザン群では10.4%(21/202例)であった。主な副作用は、便秘(2例)、下痢(1例)及び血中鉄減少(4例)であった。
上記(1)試験を終了した患者を対象に、さらに最短28週、最長80週間ボノプラザン10mg又はランソプラゾール15mgを1日1回継続投与した時の潰瘍再発率は下表のとおりであった15)。
3.3%(7/213例)
-2.8%[-5.371%, -0.187%] 注)
( )は再発例数/評価例数注)投与群間差、[ ]は両側95%信頼区間
副作用発現頻度は、ボノプラザン群では16.3%(33/202例)であった。主な副作用は、便秘(2例)、下痢(2例)、血中鉄減少(4例)及び高血圧(1例)であった。
ボノプラザンを1日1回10mg又は20mg注)を経口投与した場合、血清ガストリン値はランソプラゾール群に比べてボノプラザン群で持続的に高値を示した。低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の長期投与試験における血清ガストリン値の推移図は以下のとおりであった。なお、投与終了後に血清ガストリン値の回復を確認した胃潰瘍、十二指腸潰瘍患者を対象とした臨床試験では、速やかな回復が認められた(投与終了後2〜8週間)15),16),17),18)。
逆流性食道炎の維持療法としてボノプラザンを1日1回10mg又は20mg注)を52週間経口投与した場合、胃粘膜の内分泌細胞密度に明らかな増加傾向は認められなかった19)。
アスピリンは低用量で血小板シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)活性を阻害することから、トロンボキサンA2の生成を抑制し、血小板凝集能抑制作用を示す。このアスピリンの血小板COX-1に対する作用は不可逆的で血小板の寿命である7~10日間持続することから、アスピリンを反復投与すると血小板機能は累積的に抑えられ、血栓・塞栓形成の抑制作用を示す20)。
ボノプラザンは酸による活性化を必要とせず、可逆的でカリウムイオンに競合的な様式でH+, K+-ATPaseを阻害する。ボノプラザンは塩基性が強く胃壁細胞の酸生成部位に長時間残存して胃酸生成を抑制する。消化管上部の粘膜損傷形成に対して、ボノプラザンは強い抑制作用を示す21)。
アスピリン(Aspirin)〔JAN〕
2-Acetoxybenzoic acid
C9H8O4
180.16
アスピリンは白色の結晶、粒又は粉末で、においはなく、僅かに酸味がある。エタノール(95)又はアセトンに溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けやすく、水に溶けにくい。水酸化ナトリウム試液又は炭酸ナトリウム試液に溶ける。湿った空気中で徐々に加水分解してサリチル酸及び酢酸になる。
約136℃
ボノプラザンフマル酸塩(Vonoprazan Fumarate)〔JAN〕
1-[5-(2-Fluorophenyl)-1-(pyridin-3-ylsulfonyl)-1H-pyrrol-3-yl]-N-methylmethanamine monofumarate
C17H16FN3O2S・C4H4O4
461.46
ボノプラザンフマル酸塩は白色~ほとんど白色の結晶又は結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシドにやや溶けやすく、N,N-ジメチルアセトアミドにやや溶けにくく、メタノール及び水に溶けにくく、2-プロパノール及びアセトニトリルにほとんど溶けない。
194.8℃
PTP 100錠(10錠×10、乾燥剤入り)、瓶500錠(バラ、乾燥剤入り)
1) アスピリン/ボノプラザンフマル酸塩配合錠の薬物動態試験成績(2020年3月25日承認:CTD 2.7.6.1)
2) Federal Register Vol.63,No.205.56802-56819.
3) ボノプラザンの薬物動態試験成績③(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.6.4.4)
4) ボノプラザンの薬物動態試験成績④(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.6.4.5)
5) ボノプラザンの薬物動態試験成績⑤(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.6.4.5)
6) ボノプラザンの薬物動態試験成績⑥(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.6.4.5)
7) ボノプラザンの薬物動態試験成績⑦(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.6.4.5)
8) ボノプラザンの薬物動態試験成績⑨(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.7.6.10)
9) ボノプラザンの薬物動態試験成績⑩(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.7.6.9)
10) ボノプラザンの薬物動態試験成績⑪(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.7.6.13)
11) ボノプラザンの薬物動態試験成績⑬(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.7.6.11)
12) ボノプラザンの薬物動態試験成績⑭(社内資料)
13) **ボノプラザンの薬物動態試験成績⑮(社内資料)
14) ボノプラザンの臨床試験成績⑥(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.7.6.20)
15) ボノプラザンの臨床試験成績⑦(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.7.6.23)
16) ボノプラザンの臨床試験成績①(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.7.6.17)
17) ボノプラザンの臨床試験成績②(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.7.6.18)
18) ボノプラザンの臨床試験成績⑨(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.7.6.24)
19) ボノプラザンの臨床試験成績④(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.7.6.22)
20) 監訳 髙折修二 他:グッドマン・ギルマン薬理書(第11版),廣川書店.2007;1889-1890.
21) ボノプラザンの薬理試験成績(タケキャブ錠2014年12月26日承認:CTD 2.6.2.6)
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