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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者
ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善
通常、ベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり60単位を隔週点滴静脈内投与する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁中への移行は不明である。
4歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。一般に生理機能が低下していることが多い。
重篤なinfusion reactionとして、アナフィラキシーをおこすことがあるので、投与中及び投与後も観察を十分に行い、重篤なinfusion reactionが認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、本剤の投与中にinfusion reaction(頭痛、浮動性めまい、低血圧、高血圧、悪心、疲労、無力症、発熱等)があらわれた場合には、重症度に応じて投与速度を下げるか、一旦投与を中止し、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は副腎皮質ホルモン剤の投与)や緊急措置を行うこと。,
5%以上
1~5%未満
頻度不明
神経系障害
頭痛、浮動性めまい
胃腸障害
悪心
腹痛/上腹部痛
筋骨格系及び結合組織障害
関節痛、背部痛
骨痛
臨床検査
活性化部分トロンボプラスチン時間延長
中和抗体陽性
全身障害
疲労、無力症、体温上昇、胸部不快感
血管障害
潮紅、高血圧、低血圧
心臓障害
頻脈
皮膚及び皮下組織障害
発疹、じん麻疹、アレルギー性皮膚炎、そう痒症
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
呼吸困難
週
例数
Tmax
Cmax
AUC0-∞
T1/2
CL
Vss
分
μg/mL
分・μg/mL
mL/分/kg
mL/kg
1
6
47±10
7.4±3.3
440±236
10.6±3.2
4.0±1.4
54±17
(40-60)
(4.4-13.3)
(259-880)
(7.3-14.8)
(1.8-5.8)
(34-72)
25
48±17
7.4±4.1
448±249
10.1±2.3
4.0±1.5
63±9
(20-65)
(3.5-14.8)
(213-896)
(7.8-14.0)
(1.7-6.1)
(47-71)
51
48±12
8.0±4.3
489±288
9.6±2.0
3.9±1.7
51±9
(40-65)
(3.7-16.0)
(206-1,013)
(7.3-12.4)
(1.6-6.1)
(38-61)
平均値±標準偏差(最小-最大)
ラットにベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)の125I標識体1.1mg/kgを単回静脈内投与したところ、投与20分後に肝臓で最も高い放射能濃度が認められ、投与放射能のうち約70%が肝臓で認められた。次いで投与放射能の3.0%が腎臓、1.5%が脾臓、0.5%が骨・骨髄に認められた2)。
ラットにベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)の125I標識体1.1及び11.1mg/kgを単回静脈内投与したとき、肝臓及び脾臓における組織内放射能濃度は二相性を示し、初期相の消失半減期(T1/2α)は両組織ともに約1時間、終末相の消失半減期(T1/2β)はそれぞれ約17及び13時間であった。また、投与48時間後までの投与放射能に対する尿中の累積排泄率は90.79~96.52%であった2),3)。
日本人ゴーシェ病患者6例(Ⅰ型:成人2例及び小児2例及びⅢ型:小児2例、11~39歳)に本剤を51週間(12ヵ月間)隔週点滴静脈内投与した。全例がイミグルセラーゼの治療を受けており、投与前のイミグルセラーゼと同一用量(最大60単位/kg)の本剤に切り替えた。ヘモグロビン濃度、血小板数、肝容積及び脾容積について効果の維持が認められた。投与51週におけるベースラインからの変化量の中央値(最小値, 最大値)は、ヘモグロビン濃度−0.05(−0.7, 1.0)g/dL、血小板数−6.2(−12, 64)×103/μL、体重補正した肝容積0.01(−0.1, 0.3)%、体重補正した脾容積0.01(0.0, 0.1)%であった。治験期間中に抗ベラグルセラーゼ アルファ抗体が認められた被験者はいなかった4)。副作用発現頻度は50.0%(3/6例)であり、その内訳は湿疹、悪心、嘔吐、増殖性網膜症及び網膜剥離がいずれも16.7%(1/6例)であった。Infusion reactionは16.7%(1/6例)で認められた4)。
酵素補充療法の治療歴のない4歳以上のⅠ型ゴーシェ病患者25例に本剤60単位/kg及び45単位/kg注)を51週間(12ヵ月間)隔週点滴静脈内投与した。投与51週時又は53週時におけるベースラインからの変化について、60単位/kg群で45単位/kg群より体重補正した肝容積及び脾容積の低下が大きかった5)。
評価項目
本剤45単位/kg群(n=13)
本剤60単位/kg群(n=12)
ヘモグロビン濃度(g/dL)
ベースライン
10.7±0.4
投与53週時
13.2±0.4
13.1±0.5
変化量
2.4±0.4
2.4±0.3
変化率
23.8±4.6
23.3±3.4
血小板数(103/μL)
84.4±19.0
108.0±31.0
125.3±23.4
158.8±30.0
40.9±13.6
50.9±12.2
66.4±23.8
65.9±16.9
体重補正した肝容積(%)
4.0±0.4
3.9±0.4
投与51週時
3.7±0.4
3.1±0.2
−0.30±0.29
−0.84±0.33
−6.2±5.4
−17.0±4.5
体重補正した脾容積(%)
4.1±1.0
3.4±0.7
2.2±0.5
1.5±0.3
−1.9±0.6
−1.9±0.5
−39.9±5.5
−50.4±5.3
調整済み平均値±標準誤差
副作用発現頻度は60.0%(15/25例)であり、主な副作用は、頭痛16.0%(4/25例)、低血圧及び点状出血がいずれも12.0%(3/25例)、血小板減少症、高血圧、関節痛、背部痛、浮動性めまい、傾眠、頻脈及び冷感がいずれも8.0%(2/25例)であった。Infusion reactionは56%(14/25例)で認められた5)。
酵素補充療法の治療歴のない3歳以上のⅠ型ゴーシェ病患者34例に本剤60単位/kg(17例)又はイミグルセラーゼ60単位/kg(17例)を39週間(9ヵ月間)隔週点滴静脈内投与した。ヘモグロビン濃度変化量について、本剤のイミグルセラーゼに対する非劣性が示された(非劣性マージン:−1g/dL)。ベースラインから投与41週時までのヘモグロビン濃度変化量の群間差(本剤-イミグルセラーゼ)は0.135g/dLであった6)。
本剤群(n=17)
イミグルセラーゼ群(n=17)
11.5±0.3
10.5±0.3
投与41週時
13.1±0.4
11.9±0.3
1.6±0.2
14.3±2.0
15.3±3.2
161.1±22.1
181.2±24.6
271.5±32.4
325.6±31.6
110.4±17.2
144.4±22.8
77.2±10.5
110.7±23.1
4.4±0.6
4.2±0.3
3.1±0.3
−1.3±0.3
−1.1±0.2
−25.4±3.4
−23.5±3.4
2.5±0.6
4.2±1.5
1.2±0.2
1.8±0.6
−1.3±0.4
−2.5±1.0
−49.8±3.3
−46.4±7.1
調整済み平均値±標準誤差、体重補正した脾容積については本剤群、イミグルセラーゼ群ともにn=7
副作用発現頻度は47.1%(8/17例)であり、主な副作用は、頭痛及びじん麻疹がいずれも11.8%(2/17例)であった。Infusion reactionは29.4%(5/17例)で認められた7)。
イミグルセラーゼ15~60単位/kgを長期投与されていた9歳以上のⅠ型ゴーシェ病患者40例に本剤をイミグルセラーゼと同一用量(最大60単位/kg)で51週間(12ヵ月間)隔週点滴静脈内投与した。ヘモグロビン濃度、血小板数、肝容積及び脾容積について効果の維持が認められた。投与53週(肝脾容積については51週)におけるベースラインからの変化量の中央値(最小値, 最大値)は、ヘモグロビン濃度では0.03(−1.2, 1.1)g/dL、血小板数9.5(−206.0, 111.8)×103/μL、体重補正した肝容積は0.0(−0.5, 0.6)%、体重補正した脾容積−0.10(−0.8, 0.2)%であった8)。副作用発現頻度は27.5%(11/40例)であり、主な副作用は悪心、関節痛、疲労がいずれも7.5%(3/40例)であった。Infusion reactionは22.5%(9/40例)で認められた7)。
酵素補充療法を受けていない18歳以上のⅠ型ゴーシェ病患者に本剤を60単位/kgで39週間隔週点滴静脈内投与した後、ゴーシェ病の1年後の治療基準を参考に、10例に30~60単位/kgで累積で最長89ヵ月間(7年間、前試験の投与期間も含む)隔週点滴静脈内投与した9)。二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA法)で評価した骨密度(BMD)のZスコア(平均値とその95%信頼区間)について、腰椎BMDのZスコアはベースライン(前試験の本剤投与開始時)で−1.6(−2.2, −1.0)、大腿骨頚部BMDのZスコアはベースラインで−1.5(−2.1, −0.8)であった。ベースラインからの変化量について、腰椎のZスコアは投与24ヵ月に0.4(0.1, 0.7)、大腿骨頚部BMDのZスコアは投与33ヵ月に0.4(0.2, 0.6)と上昇が認められ、投与81ヵ月におけるベースラインからの変化量は、腰椎のZスコアでは0.7(0.4, 1.0)、大腿骨頚部BMDのZスコアでは0.5(0.2, 0.7)と、改善が認められた10)。副作用発現頻度は10.0%(1/10例)であり、骨痛及び疲労がいずれも10.0%(1/10例)であった。Infusion reactionは1例でのみ認められた7)。
17.1.2の(1)及び(2)並びに17.1.3の海外臨床試験に参加した93例の成人及び小児患者に継続試験が行われた。用法・用量は、17.1.2の(1)及び(2)の臨床試験の完了例には60単位/kg、17.1.3の臨床試験の完了例には前試験と同一用量を隔週点滴静脈内投与した。全例に本剤が2年以上隔週点滴静脈内投与された。18歳以上の患者で検討されたBMDについて、酵素補充療法の治療歴のない患者31例における腰椎BMDのZスコアはベースライン(前試験の本剤投与開始時)で−1.8(−2.2, −1.4)であり、投与24ヵ月後での変化量は0.6(0.4, 0.8)と上昇した。酵素補充療法の治療歴がなく前試験でイミグルセラーゼを9ヵ月投与後に本剤を投与した患者11例における腰椎BMDのZスコアはベースライン(前試験のイミグルセラーゼ投与開始時)で−0.7(−2.0, 0.7)であり、投与24ヵ月後での変化量は0.5(0.2, 0.8)と上昇した。イミグルセラーゼの長期治療歴があり前試験で本剤投与に切り替えた患者29例における腰椎BMDのZスコアはベースライン(前試験の本剤投与開始時)で−0.2(−0.7, 0.2)であり、投与24ヵ月後での変化量は0.08(−0.1, 0.2)と維持された。大腿骨頚部のBMDに有意な変化はなかった11)。副作用発現頻度は25.3%(24/95例)であり、主な副作用は骨痛、疲労及び高血圧がいずれも3.2%(3/95例)であった。Infusion reactionは11.6%(11/95例)で認められた7)。注)酵素補充療法の治療歴のない患者における推奨用量は60単位/kgである。
ゴーシェ病はライソゾーム酵素であるβ-グルコセレブロシダーゼ遺伝子変異による常染色体劣性遺伝疾患である。グルコセレブロシダーゼの活性が低下することにより、グルコセレブロシドが主にマクロファージのライソゾームに蓄積し、肝及び脾の腫大、貧血及び血小板減少症、骨痛や骨の異常及び変形をもたらす。ベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)は、ヒトグルコセレブロシダーゼと同じアミノ酸配列に主要糖鎖として高マンノース型糖鎖を付加した糖タンパク質である。糖鎖を高マンノース型糖鎖とすることで標的であるマクロファージのマンノース受容体を介して細胞内に取り込まれやすくし、ライソゾームに蓄積したグルコセレブロシドをグルコースとセラミドに分解する。
ゴーシェ病モデル動物(9V/nullマウス)にベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)及びイミグルセラーゼ(遺伝子組換え)(いずれも5、15又は60単位/kg)を反復投与した結果、いずれの酵素も肝でのグルコセレブロシド量及び脂質蓄積細胞数が減少した。なお、脾及び肺ではグルコセレブロシド量の変化は認められなかった12)。
ベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)(Velaglucerase Alfa(Genetical Recombination))
C2532H3850N672O711S16
約63,000
ベラグルセラーゼ アルファは、遺伝子組換えヒトグルコセレブロシダーゼであり、ヒト繊維肉腫細胞HT1080から産生される。ベラグルセラーゼ アルファは497個のアミノ酸からなる糖タンパク質(分子量:約63,000)である。
個包装開封後は遮光保存すること。
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、再審査期間中の全投与症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
1バイアル
1) ベラグルセラーゼ アルファの臨床試験成績①(2014年7月4日承認、CTD 2.7.2.2)
2) ベラグルセラーゼ アルファの非臨床薬物動態試験成績①(2014年7月4日承認、CTD 2.6.4.4)
3) ベラグルセラーゼ アルファの非臨床薬物動態試験成績②(2014年7月4日承認、CTD 2.6.4.6)
4) ベラグルセラーゼ アルファの臨床試験成績②(2014年7月4日承認、CTD 2.7.6.9)
5) ベラグルセラーゼ アルファの臨床試験成績③(2014年7月4日承認、CTD 2.7.6.1)
6) ベラグルセラーゼ アルファの臨床試験成績④(2014年7月4日承認、CTD 2.7.6.2)
7) ベラグルセラーゼ アルファの臨床試験成績⑤(2014年7月4日承認、CTD 2.7.4.2)
8) ベラグルセラーゼ アルファの臨床試験成績⑥(2014年7月4日承認、CTD 2.7.3.3)
9) ベラグルセラーゼ アルファの臨床試験成績⑦(2014年7月4日承認、CTD 2.7.6.6)
10) ベラグルセラーゼ アルファの臨床試験成績⑧(2014年7月4日承認、CTD 2.7.3.6)
11) ベラグルセラーゼ アルファの臨床試験成績⑨(2014年7月4日承認、CTD 2.7.6.7)
12) ベラグルセラーゼ アルファの非臨床薬理試験成績(2014年7月4日承認、CTD 2.6.2.2)
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