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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤を投与する場合には、緊急時に十分対応できる医療機関において、がん化学療法に十分な知識及び経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又は患者の家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
〇根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
〇がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌
販売名
効能又は効果
用法及び用量
カボメティクス錠20mg
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
通常、成人にはカボザンチニブとして 1日1回60mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。ニボルマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は、通常、成人にはカボザンチニブとして 1日1回40mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌
通常、成人にはカボザンチニブとして1日1回60mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
カボメティクス錠60mg
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌
減量レベル
投与量
本剤単独投与の場合
ニボルマブ(遺伝子組換え)と併用する場合
通常投与量
60mg/日
40mg/日
1段階減量
20mg/日
2段階減量
20mg/日を隔日投与
中止
20mg/日で忍容不能な場合、投与を中止する。
20mg/日の隔日投与で忍容不能な場合、投与を中止する。
副作用
程度注)
処置
ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用投与下の肝機能障害
ALT若しくはASTが基準値上限の3倍超5倍以下に増加、又は総ビリルビンが基準値上限の1.5倍超3倍以下の場合
管理困難で忍容不能な場合は、Grade1以下に回復するまで1段階ずつ減量又は休薬する。休薬後に投与を再開する際には、1段階減量した用量から開始する(休薬前の用量まで再増量不可)。
ALT又はASTが基準値上限の5倍超8倍以下に増加し、かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍以下の場合
Grade1以下に回復するまで休薬する。投与を再開する際には、1段階減量した用量から開始する(休薬前の用量まで再増量不可)。
ALT若しくはASTが基準値上限の8倍超、又はALT若しくはASTが基準値上限の3倍超、かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍超の場合
投与を中止する。
上記以外の副作用
Grade2の場合
管理困難で忍容不能な場合は、Grade1以下に回復するまで1段階ずつ減量又は休薬する。休薬後に投与を再開する際には、1段階減量した用量から開始する(単独投与の場合は休薬前の用量まで再増量可)。
Grade3の場合
Grade1以下に回復するまで1段階ずつ減量又は休薬する。休薬後に投与を再開する際には、1段階減量した用量から開始する(単独投与の場合は休薬前の用量まで再増量可)。
Grade4の場合
注)GradeはNCI-CTCAE ver.4.0に準じる。
高血圧が悪化するおそれがある。,
消化管穿孔、瘻孔のおそれがある。
血栓塞栓症が悪化又は再発するおそれがある。
脳出血のおそれがある。
肺出血のおそれがある。
創傷治癒遅延があらわれることがある。,
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胚・胎児発生毒性試験において、ラットでは最大臨床用量(60mg/日)におけるカボザンチニブの曝露量(AUC)の0.5倍の曝露量で着床後胚死亡率の増加が認められている。また、ヒトでの相当量は不明であるが、胎児の外表異常(浮腫、口蓋裂、口唇裂、曲尾/痕跡尾、皮膚形成不全)が認められている。ウサギでは、最大臨床用量(60mg/日)におけるカボザンチニブの曝露量(AUC)の0.1倍の曝露量で胎児の内臓異常(肺中葉の矮小化又は欠損、脾臓の小型化)が認められている。
授乳しないことが望ましい。ラットの出生前及び出生後の生殖毒性試験で授乳期に本剤を母動物に投与したとき、出生児の血漿中に本剤が検出されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
CYP3A阻害剤
グレープフルーツ(ジュース)
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
左記薬剤等との併用により本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
CYP3A誘導剤
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。
左記薬剤等との併用により本剤の代謝が促進され、本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
消化管出血(0.9%)、脳出血(0.2%)等の出血があらわれることがある。,
肺塞栓症(1.7%)、深部静脈血栓症(0.7%)、虚血性脳卒中(0.2%)等の血栓塞栓症があらわれることがある。
高血圧、高血圧クリーゼ(頻度不明)があらわれることがある。必要に応じて降圧剤の投与を行うなど適切な処置を行うこと。重症、持続性あるいは通常の降圧治療でコントロールできない高血圧があらわれた場合には、減量、休薬又は投与を中止すること。また、高血圧クリーゼがあらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
痙攣、頭痛、錯乱、視覚障害、皮質盲等が認められた場合には投与を中止し、血圧のコントロールを含め、適切な処置を行うこと。
急性腎障害(1.3%)、蛋白尿(8.7%)等の腎障害があらわれることがある。
肝不全、AST、ALT等の上昇を伴う肝機能障害、肝性脳症(0.7%)、胆汁うっ滞性肝炎(0.1%)等があらわれることがある。
貧血(9.2%)、好中球減少(8.1%)、血小板減少(13.3%)、リンパ球減少(2.5%)等の骨髄抑制があらわれることがある。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止すること。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
創傷が治癒するまで本剤の投与を中止すること。,
大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある1)。
10%以上
1~10%未満
1%未満
消化器
下痢(57.2%)、食欲減退、悪心、口内炎、嘔吐、腹痛
消化不良、便秘
舌痛
皮 膚
発疹
皮膚乾燥、脱毛、ざ瘡様皮膚炎、毛髪変色、紅斑、過角化
*皮膚血管炎
その他
疲労、味覚異常、体重減少、甲状腺機能低下症、発声障害、粘膜の炎症、無力症
浮動性めまい、頭痛、筋痙縮、四肢痛、関節痛、脱水、末梢性ニューロパチー、嚥下障害、低マグネシウム血症、低リン酸血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、低アルブミン血症、アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇
膿瘍
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
日本人固形癌患者に本剤40mg及び60mgを1日1回反復経口投与したときのカボザンチニブの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。また、本剤60mgを1日1回反復経口投与した際の投与19日目におけるカボザンチニブの蓄積率の幾何平均値は5.07であった2)。
用量(mg)
Day
N
tmax (時間)
Cmax(ng/mL)
AUC24h(h*ng/mL)
40
119
33
4 (2, 4)2 (2, 2)
251 (8.3)1327 (36.8)
4158 (17.6)20031 (25.7)
60
2626
4 (1, 24)2 (0, 24)
459 (39.2)1969 (28.6)
7002 (26.2)35494 (33.3)
幾何平均(%変動係数)[tmaxは中央値(最小値, 最大値)]
健康成人47例に空腹時又は食後に本剤(カプセル剤)140mg注)を単回経口投与したとき、食後では空腹時に比べてカボザンチニブのCmax及びAUCinfはそれぞれ41%及び57%増加した3)(外国人データ)。
カボザンチニブの血漿蛋白結合率を検討した結果、検討したすべての濃度(0.2、1.0、10.0 μmol/L)で99.7%以上であった4)(in vitro)。腎機能障害又は肝機能障害を有する被験者から採取した血液検体を用いて、カボザンチニブの血漿蛋白結合率を投与前の検体及び投与後4時間の検体で評価した。カボザンチニブ血漿中蛋白結合率は投与前及び投与後4時間ともに健康成人、腎機能障害患者、肝機能障害患者で同程度(99.43%~99.86%)であった5),6)(外国人データ)。
カボザンチニブは主に薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される7)(in vitro)。健康成人8例に14C標識したカボザンチニブ140mg注)を単回経口投与したとき、投与7日後までの血漿中において、主に未変化体、EXEL-1644(6-脱メチル化及びアミド結合加水分解体の硫酸抱合体)及びEXEL-1646(一水酸化及び硫酸抱合体)が認められた(未変化体及び主要代謝物由来の総放射能のAUC168hに対する割合は、それぞれ27.2、32.3及び25.2%)8)(外国人データ)。
健康成人8例に14C標識したカボザンチニブ140mg注)を単回経口投与したとき、投与48日後までに総投与放射能の約81%が回収された(糞中54%、尿中27%)8)(外国人データ)。
本剤(カプセル剤)60mgを軽度腎機能障害患者〔eGFR(mL/min/1.73 m2)が60以上89以下〕10例又は中等度腎機能障害患者〔eGFR(mL/min/1.73m2)が30以上59以下〕10例に投与したとき、腎機能正常被験者10例と比較して、Cmaxの幾何平均値はそれぞれ19%及び3%増加し、AUCinfの幾何平均値はそれぞれ30%及び6%増加した。なお、重度腎機能障害患者〔eGFR(mL/min/1.73m2)が29以下〕に与える影響については検討していない9)(外国人データ)。
本剤(カプセル剤)60mgを軽度肝機能障害患者(Child-Pugh分類A)8例又は中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)8例に単回経口投与したとき、肝機能正常被験者10例と比較して、Cmaxの幾何平均値はそれぞれ10%増加及び29%低下し、AUCinfの幾何平均値はそれぞれ81%及び63%増加した。なお、重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)に与える影響については検討していない9)(外国人データ)。
健康成人28例を対象にCYP3A阻害剤であるケトコナゾール400mgを1日1回27日間反復経口投与時に本剤(カプセル剤)140mg注)を併用投与したとき、カボザンチニブのCmaxに対する影響は認められなかったが、AUCinfは38%増加した10)(外国人データ)。
健康成人28例を対象にCYP3A誘導剤であるリファンピシン600mgを1日1回31日間反復経口投与時に本剤(カプセル剤)140mg注)を併用投与したとき、カボザンチニブのCmaxに対する影響は認められなかったが、AUCinfは77%減少した10)(外国人データ)。
癌患者32例を対象に本剤(カプセル剤)140mg注)を1日1回21日間反復経口投与時にロシグリタゾン4mgを併用投与したとき、ロシグリタゾンのCmax及びAUCinfに対する影響は認められなかった10)(外国人データ)。健康成人22例を対象にプロトンポンプ阻害剤であるエソメプラゾール40mgを1日1回6日間反復経口投与時に本剤100mg注)を併用投与したとき、カボザンチニブのCmax及びAUCinfに対する影響は認められなかった10)(外国人データ)。in vitro試験において、CYP3A4の誘導作用及びP-糖蛋白質に対する阻害作用(IC50:7.0μmol/L)が認められた11)。
注)本剤の承認用量は、単独投与の場合は1回60mg、ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用投与の場合は1回40mgである。
血管新生阻害剤(スニチニブ、パゾパニブ等)による治療後に増悪した、根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者(35例)を対象として、本剤60mgを1日1回投与した結果注1)、主要評価項目である奏効率(完全奏効又は部分奏効)は20%(90%CI:9.783~34.305)であった12)。本剤の投与を受けた安全性評価対象35例のうち、34例(97%)に副作用が認められた。主な副作用は、手掌・足底発赤知覚不全症候群63%(22例)、下痢54%(19例)、高血圧、蛋白尿〔以上40%(それぞれ14例)〕、肝機能異常、口内炎〔以上34%(それぞれ12例)〕、味覚異常31%(11例)、AST増加、食欲減退〔以上26%(それぞれ9例〕及びALT増加20%(7例)であった。注1)データカットオフ日:2018年10月23日
血管新生阻害剤(スニチニブ、パゾパニブ等)による治療後に増悪した、根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者(658例)を対象として、本剤60mg(330例)とエベロリムス10mg(328例)を1日1回投与した無作為化比較試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は本剤群で7.4ヵ月、エベロリムス群で3.8ヵ月であり、層別因子で調整したハザード比(HR)は0.59〔95%CI:0.46~0.76、両側p<0.001(層別ログランク検定)〕であった注2),13)。
本剤群の安全性評価対象331例のうち、322例(97%)に副作用が認められた。本剤群の主な副作用は、下痢70%(231例)、疲労53%(174例)、悪心45%(149例)、手掌・足底発赤知覚不全症候群43%(142例)、食欲減退40%(134例)、高血圧33%(109例)、体重減少27%(90例)、嘔吐24%(79例)、味覚異常23%(76例)、甲状腺機能低下症21%(68例)及び口内炎20%(67例)であった注3)。注2)データカットオフ日:2015年5月22日注3)データカットオフ日:2016年10月2日
化学療法歴のない、根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者(157例)を対象として、本剤(79例、1日1回60mg投与)とスニチニブ(78例、1日1回50mg4週間投与2週間休薬)の無作為化比較試験の結果、主要評価項目であるPFS中央値は本剤群で8.2ヵ月、スニチニブ群で5.6ヵ月であり、HRは0.66〔95%CI:0.46~0.95、片側p=0.012(層別ログランク検定)〕であった注4),14),15)。
本剤群の安全性評価対象78例のうち、74例(95%)に副作用が認められた。本剤群の主な副作用は、下痢72%(56例)、疲労62%(48例)、AST増加60%(47例)、高血圧56%(44例)、ALT増加54%(42例)、食欲減退45%(35例)、手掌・足底発赤知覚不全症候群42%(33例)、味覚異常41%(32例)、血小板数減少、口内炎〔以上37%(それぞれ29例)〕、悪心、体重減少〔以上31%(それぞれ24例)〕、貧血29%(23例)、消化不良、低リン酸血症〔以上23%(それぞれ18例)〕、甲状腺機能低下症22%(17例)及び血中クレアチニン増加、発声障害、低マグネシウム血症〔以上21%(それぞれ16例)〕であった注5)。注4)データカットオフ日:2016年4月11日注5)データカットオフ日:2016年9月15日
化学療法歴のない、根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者651例(日本人患者46例を含む)を対象とした、本剤(1日1回40mg投与)及びニボルマブ(240mgを2週間間隔投与)の併用投与(323例)とスニチニブ単独投与(1日1回50mgを4週間投与後2週間休薬、328例)の無作為化比較試験の結果注6)、主要評価項目であるPFS中央値は、本剤とニボルマブの併用群で16.6ヵ月、スニチニブ群で8.3ヵ月であり、層別因子で調整したHRは0.51〔95%CI:0.41〜 0.64、両側p<0.0001(層別ログランク検定)〕であった16)。
本剤とニボルマブ併用群で安全性評価対象320例(日本人患者22例を含む)のうち、309例(97%)に副作用が認められた。本剤とニボルマブ併用群の主な副作用は、下痢57%(182例)、手掌・足底発赤知覚不全症候群38%(122例)、甲状腺機能低下症33%(107例)、高血圧30%(97例)、疲労27%(86例)、ALT増加25%(80例)、AST増加23%(75例)、味覚不全22%(69例)、悪心21%(68例)及び食欲減退20%(65例)であった。注6)データカットオフ日:2020年2月12日
全身化学療法歴を有するChild-Pugh分類Aの切除不能な肝細胞癌患者注7) (34例)を対象として、本剤60mgを1日1回投与した結果注8)、ソラフェニブによる治療歴を有する患者(20例)における主要評価項目である24週時の無増悪生存率は、59.8%(90%CI:36.1~77.2)であった17)。本剤の投与を受けた安全性評価対象34例のうち、全例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、手掌・足底発赤知覚不全症候群76%(26例)、下痢56%(19例)、高血圧47%(16例)、食欲減退44%(15例)、血小板数減少38%(13例)、AST増加35%(12例)、ALT増加、甲状腺機能低下症〔以上29%(それぞれ10例)〕、発声障害、倦怠感〔以上24%(それぞれ8例)〕、味覚異常、疲労、好中球数減少、蛋白尿、発疹〔以上21%(それぞれ7例)〕であった。注7)局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)の適応となる患者は除外された。注8)データカットオフ日:2019年7月23日
ソラフェニブによる治療歴を有し、全身化学療法後に増悪したChild-Pugh分類Aの切除不能な肝細胞癌患者注9)(707例)を対象として、本剤60mg(470例)とプラセボ(237例)を1日1回投与した無作為化比較試験の結果注10)、主要評価項目である全生存期間の中央値は、本剤群で10.2ヵ月、プラセボ群で8.0ヵ月であり、層別因子で調整したHRは0.76〔95%CI:0.63~0.92、両側p=0.0049(層別ログランク検定)〕であった18)。
本剤群の安全性評価対象467例のうち、439例(94%)に副作用が認められた。本剤群の主な副作用は、下痢、手掌・足底発赤知覚不全症候群〔以上46%(それぞれ216例)〕、疲労38%(178例)、食欲減退37%(174例)、高血圧27%(128例)及び悪心25%(115例)であった。注9)局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)の適応となる患者は除外された。注10)データカットオフ日:2017年6月1日
カボザンチニブは、血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR2)、肝細胞増殖因子受容体(MET)、AXL等のキナーゼに対する阻害作用を有する低分子化合物である。カボザンチニブは、VEGFR2等を介したシグナル伝達を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている19)。
カボザンチニブリンゴ酸塩(Cabozantinib Malate)〔JAN〕
N-{4-[(6,7-Dimethoxyquinolin-4-yl)oxy]phenyl}-N’-(4-fluorophenyl)cyclopropane-1,1-dicarboxamide mono-(2S)-malate
C28H24FN3O5 ∙ C4H6O5
635.59
カボザンチニブリンゴ酸塩は白色~ほとんど白色の固体である。メチルエチルケトンに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約185.4℃
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
PTP 30錠(10錠×3)
PTP 10錠(10錠×1)
1) **NDB を用いた調査結果の概要(VEGF/VEGFR 阻害作用を有する薬剤の動脈解離に関するリスク評価 ) :https://www.pmda.go.jp/files/000266521.pdf
2) カボザンチニブリンゴ酸塩の国内第Ⅰ相試験成績(2020年3月25日承認、CTD 2.7.2.2)
3) Nguyen L et al.:J Clin Pharmacol. 2015;55(11):1293-1302.
4) カボザンチニブリンゴ酸塩の非臨床薬物動態試験成績(血漿蛋白結合率)(2020年3月25日承認、CTD 2.6.4.4)
5) カボザンチニブリンゴ酸塩の腎機能障害患者における薬物動態試験成績(2020年3月25日承認、CTD 2.7.2.2)
6) カボザンチニブリンゴ酸塩の肝機能障害患者における薬物動態試験成績(2020年3月25日承認、CTD 2.7.2.2)
7) カボザンチニブリンゴ酸塩の非臨床薬物動態試験成績(代謝、in vitro)(2020年3月25日承認、CTD 2.6.4.5)
8) Lacy S. et al.:Drug Metab Dispos. 2015;43(8):1190-1207.
9) Nguyen L. et al.:J Clin Pharmacol. 2016;56(9):1130-1140.
10) Nguyen L. et al.:J Clin Pharmacol. 2015;55(9):1012-1023.
11) カボザンチニブリンゴ酸塩の非臨床薬物動態試験成績(薬物間相互作用、in vitro)(2020年3月25日承認、CTD 2.6.4.7)
12) カボザンチニブリンゴ酸塩の国内第Ⅱ相試験成績①(2020年3月25日承認、CTD 2.7.3.3、2.7.4.1、2.7.6.14)
13) カボザンチニブリンゴ酸塩の海外第Ⅲ相試験成績①(2020年3月25日承認、CTD 2.7.3.3、2.7.4.1、2.7.6.12)
14) カボザンチニブリンゴ酸塩の海外第Ⅱ相試験成績(2020年3月25日承認、CTD 2.7.3.3、2.7.4.1、2.7.6.13)
15) Choueiri TK et al.:J Clin Oncol. 2017;35(6):591-597.
16) カボザンチニブリンゴ酸塩の国際共同第Ⅲ相試験成績(社内資料)
17) カボザンチニブリンゴ酸塩の国内第Ⅱ相試験成績②(社内資料)
18) カボザンチニブリンゴ酸塩の海外第Ⅲ相試験成績②(社内資料)
19) カボザンチニブリンゴ酸塩の薬効薬理試験成績(2020年3月25日承認、CTD 2.6.2.2)
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