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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
通常、成人にはフルキンチニブとして1日1回5mgを3週間連日経口投与し、その後1週間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
減量レベル
投与量
1段階減量
4mg/日
2段階減量
3mg/日
中止
3mg/日で忍容性が得られない場合、投与を中止する。
副作用
程度注)
処置
高血圧
Grade 3
Grade 4
投与を中止する。
出血
Grade 2
Grade 3以上
蛋白尿
尿タンパク量2g/24時間以上
ネフローゼ症候群
肝機能検査値異常
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)若しくはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)が正常値上限(ULN)の3倍超(ベースライン値が異常の場合は、ベースラインの3倍超)、又は総ビリルビンがULNの1.5倍超(ベースライン値が異常の場合は、ベースライン値の1.5倍超)
ALT又はASTがULNの3倍超、かつ総ビリルビンがULNの2倍超で、他の原因がない場合
AST若しくはALTがULNの20倍超(ベースライン値が異常の場合、ベースライン値の20倍超)、又は総ビリルビンがULNの10倍超(ベースライン値が異常の場合、ベースライン値の10倍超)
皮膚障害
消化管穿孔
全Grade
可逆性後白質脳症症候群
動脈血栓塞栓症
その他の副作用
注)GradeはNCI-CTCAEに準じる。
高血圧症が悪化するおそれがある。,
出血があらわれるおそれがある。
出血が増強されるおそれがある。,
消化管穿孔があらわれるおそれがある。,
一過性脳虚血発作、血栓性微小血管症、肺塞栓症、門脈血栓症、深部静脈血栓症等があらわれるおそれがある。,
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットの胚・胎児毒性試験において、最大臨床用量(5mg/日)におけるフルキンチニブの曝露量(AUC)の約0.05倍の曝露量で胎児の外表、内臓及び骨格の奇形並びに内臓及び骨格の変異からなる胎児異常及び催奇形性作用が認められている。
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
,
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
高血圧(29.2%)、高血圧クリーゼ(0.7%)等があらわれることがある。血圧の上昇が認められた場合には、必要に応じて降圧剤の投与等の適切な処置、本剤の減量又は休薬を行うこと。重症、持続性あるいは通常の降圧治療でコントロールできない高血圧があらわれた場合又は高血圧クリーゼがあらわれた場合には投与を中止すること。,
手足症候群(18.6%)、発疹(3.3%)等の皮膚障害があらわれることがある。
鼻出血(3.3%)、血尿(1.3%)、胃腸出血(0.2%)、喀血(0.2%)等の出血があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。,,
死亡に至る例が報告されている。,
一過性脳虚血発作(0.2%)、血栓性微小血管症(0.2%)等の動脈血栓塞栓症があらわれることがある。
肺塞栓症(0.7%)、門脈血栓症(頻度不明)、深部静脈血栓症(頻度不明)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある。
頭痛、痙攣、嗜眠、錯乱、精神機能の変化、失明、その他の視覚障害又は神経学的障害等があらわれた場合には投与を中止し、血圧のコントロールを含め、適切な処置を行うこと。
大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある1)。
10%以上
1~10%未満
1%未満
感染
肺炎、上気道感染症
血液
血小板減少
白血球減少、好中球減少
消化器
下痢、口内炎
口腔内痛、膵酵素上昇
膵炎
肝臓
ALT増加
筋・骨格系
筋骨格不快感、関節痛
腎臓
その他
無力症(24.6%)、疲労、発声障害、甲状腺機能低下症、食欲減退、粘膜の炎症
体重減少、低カリウム血症
創傷治癒遅延、咽喉頭痛
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
ラット及びイヌを用いた反復投与毒性試験において、大腿骨骨端軟骨肥厚(ラット及びイヌ)、並びに切歯破損、変性及び壊死(ラット)が臨床曝露量の0.3倍(ラット)及び0.05倍(イヌ)の曝露量で認められた。
日本人の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者6例に本剤5mgを1日1回3週間連日経口投与し、その後1週間休薬を1サイクルとして投与したときの1サイクル目における薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった2)。
Day
N
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC0-24h(h*ng/mL)
1
6
3.0(2.8, 4.0)
140(18.1)
2109(21.8)
14
4.8(3.0, 7.6)
333(30.2)
6581(32.8)
21
4
4.9(3.8, 7.6)
355(24.7)
6789(35.4)
幾何平均値(%変動係数)[Tmaxは中央値(最小値,最大値)]
健康成人14例に本剤5mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるフルキンチニブのCmax及びAUC∞の幾何平均値の比は、それぞれ0.97及び1.04であった3)(外国人データ)。
フルキンチニブの血漿中蛋白結合率は、約95%であった(in vitro)4)。フルキンチニブのヒト全血における血液/血漿中濃度比は、0.458~0.601であった(in vitro)5)。
フルキンチニブは、主にCYP3A4/5で代謝される(in vitro)6)。健康成人6例に14C標識したフルキンチニブ5mgを単回経口投与したとき、投与96時間後までの血漿中では主に未変化体及びM11(N-脱メチル体)が認められた(血漿中総放射能に対する割合はそれぞれ72.48及び17.31%)7)(外国人データ)。
健康成人6例に14C標識したフルキンチニブ5mgを単回経口投与したとき、投与14日後までに投与量の約60%が尿中に、約30%が糞便中に排泄された。尿及び糞便中への未変化体としての排泄は、それぞれ投与量の0.50%及び5.34%であった7)(外国人データ)。
健康成人8例に本剤5mgを単回経口投与したときに対する、中等度腎機能障害患者(CLCr:30~59mL/min)8例に本剤5mgを単回経口投与、又は重度腎機能障害患者(CLCr:15~29mL/min)8例に本剤2mg注)を単回経口投与したときの用量補正後のCmax及びAUC∞の幾何平均値の比は、それぞれ0.95及び1.07、又は0.89及び1.01であった8)(外国人データ)。
健康成人8例に本剤5mgを単回経口投与したときに対する、中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)8例に本剤2mg注)を単回経口投与したときの用量補正後のCmax及びAUC∞の幾何平均値の比は、それぞれ1.04及び0.91であった9)(外国人データ)。
健康成人14例に強いCYP3A誘導剤であるリファンピシン600mgを1日1回反復経口投与し、本剤5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のフルキンチニブのCmax及びAUC∞の幾何平均値の比は、それぞれ0.88及び0.35であった10)(外国人データ)。
中程度のCYP3A誘導剤であるエファビレンツ600mgを1日1回、又は弱いCYP3A誘導剤であるデキサメタゾン8mgを1日2回反復経口投与し、本剤5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対する、エファビレンツ又はデキサメタゾン併用投与時のフルキンチニブのAUC∞の幾何平均値の比は、それぞれ0.69及び0.90と推定された。
健康成人14例にCYP3A阻害剤であるイトラコナゾール200mgを1日1回反復経口投与し、本剤5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与に対するイトラコナゾール併用投与時のフルキンチニブのCmax及びAUC∞の幾何平均値の比は、それぞれ0.94及び1.10であった10)(外国人データ)。
健康成人12例にプロトンポンプ阻害薬であるラベプラゾール40mgを1日1回反復経口投与し、本剤5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与に対するラベプラゾール併用投与時のフルキンチニブのCmax及びAUC∞の幾何平均値の比は、それぞれ1.03及び1.08であった11)(外国人データ)。
健康成人20例に本剤5mgとP-gp基質であるダビガトランエテキシラート150mgを単回経口投与したとき、ダビガトランエテキシラート単独投与時に対する本剤併用投与時のダビガトランのCmax及びAUC∞の幾何平均値の比は、それぞれ0.90及び0.91であった12)(外国人データ)。
健康成人12例に本剤5mgとBCRP基質であるロスバスタチン10mgを単回経口投与したとき、ロスバスタチン単独投与時に対する本剤併用投与時のロスバスタチンのCmax及びAUC∞の幾何平均値の比は、それぞれ0.84及び0.81であった12)(外国人データ)。注)本剤の承認用量は、1回5mgである。
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン注1)、イリノテカン、抗VEGFタンパク製剤、及びRAS野生型の場合は抗EGFR抗体による前治療歴を有し注2)、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤又はレゴラフェニブのいずれかの治療中に進行が認められた又は不耐であった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者691例(本剤群461例、プラセボ群230例、うち日本人は本剤群40例、プラセボ群16例)を対象に、最良な支持療法の存在下で本剤5mg又はプラセボを1日1回、3週間投与後に1週間休薬の投与スケジュールで経口投与した無作為化比較試験の結果注3)、主要評価項目である全生存期間の中央値は、本剤群で7.4ヵ月(95%CI:[6.7, 8.2])及びプラセボ群で4.8ヵ月(95%CI:[4.0, 5.8])であった(ハザード比0.66、95%CI:[0.55, 0.80]、層別ログランク検定p<0.001)13)。
副作用は、治験薬の投与を1回以上受けた本剤群の安全性解析対象456例のうち、395例(86.6%)に認められた。本剤群の主な副作用は、高血圧(29.2%)、無力症(24.6%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(18.6%)、下痢(18.0%)、食欲減退(16.0%)及び甲状腺機能低下症(15.6%)であった13)。注1)術後補助療法としてオキサリプラチンを投与中又は投与終了後6ヵ月以内に増悪した患者は、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対してオキサリプラチンによる治療がなくとも適格とした。注2)高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)又はミスマッチ修復機能欠損(dMMR)腫瘍を有する患者は免疫チェックポイント阻害剤による治療歴があることとし、B-Raf proto-oncogene(BRAF)V600E変異腫瘍を有する患者はBRAF阻害剤による治療歴があることとした。注3)データカットオフ日:2022年6月24日
フルキンチニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR1、2及び3)のキナーゼ活性を阻害し、腫瘍における血管新生を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている14),15)。
フルキンチニブは、ヒト結腸・直腸癌由来HT-29細胞株を皮下移植したヌードマウス等において、腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)16)。
フルキンチニブ(Fruquintinib)〔JAN〕
6-[(6,7-Dimethoxyquinazolin-4-yl)oxy]-N,2-dimethyl-1-benzofuran-3-carboxamide
C21H19N3O5
393.39
白色~オフホワイトの粉末である。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
21カプセル[ボトル、バラ、乾燥剤入り]
1) NDBを用いた調査結果の概要(VEGF/VEGFR阻害作用を有する薬剤の動脈解離に関するリスク評価):https://www.pmda.go.jp/files/000266521.pdf
2) フルキンチニブの日本人患者における薬物動態の検討(2024年9月24日承認、CTD 2.7.2.2)
3) フルキンチニブの薬物動態試験成績①(2024年9月24日承認、CTD 2.7.1.2)
4) フルキンチニブの非臨床薬物動態試験成績(血漿蛋白結合率)(2024年9月24日承認、CTD 2.6.4.4)
5) フルキンチニブの非臨床薬物動態試験成績(血球移行性)(2024年9月24日承認、CTD 2.6.4.4)
6) フルキンチニブの非臨床薬物動態試験成績(代謝)(2024年9月24日承認、CTD 2.6.4.5)
7) フルキンチニブの薬物動態試験成績②(2024年9月24日承認、CTD 2.7.2.2)
8) フルキンチニブの腎機能障害患者における薬物動態試験成績(2024年9月24日承認、CTD 2.7.2.2)
9) フルキンチニブの肝機能障害患者における薬物動態試験成績(2024年9月24日承認、CTD 2.7.2.2)
10) フルキンチニブの薬物相互作用試験成績①(2024年9月24日承認、CTD 2.7.2.2)
11) フルキンチニブの薬物相互作用試験成績②(2024年9月24日承認、CTD 2.7.2.2)
12) フルキンチニブの薬物相互作用試験成績③(2024年9月24日承認、CTD 2.7.2.2)
13) フルキンチニブの国際共同第Ⅲ相試験成績(2024年9月24日承認、CTD 2.7.6.12)
14) フルキンチニブの薬効薬理試験成績①(2024年9月24日承認、CTD 2.6.2.2)
15) フルキンチニブの薬効薬理試験成績②(2024年9月24日承認、CTD 2.6.2.2)
16) フルキンチニブの薬効薬理試験成績③(2024年9月24日承認、CTD 2.6.2.2)
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*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2025年11月末日までは、1回14日分を限度とした投薬しか認められない。
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