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ベクティビックス点滴静注100mg/ベクティビックス点滴静注400mg


処方せん医薬品


作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
日本標準商品分類番号等
薬効分類名
承認等
販売名ベクティビックス点滴静注100mg
承認・許可番号
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
規制区分
組成
性状
販売名ベクティビックス点滴静注400mg
承認・許可番号
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
規制区分
組成
性状
一般的名称
警告
禁忌
効能又は効果
効能又は効果に関連する使用上の注意
用法及び用量
用法及び用量に関連する使用上の注意
使用上の注意
慎重投与
重要な基本的注意
副作用
副作用等発現状況の概要
重大な副作用
その他の副作用
高齢者への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
小児等への投与
過量投与
適用上の注意
その他の注意
薬物動態
臨床成績
薬効薬理
有効成分に関する理化学的知見
包装
主要文献及び文献請求先
主要文献
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

ベクティビックス点滴静注100mg/ベクティビックス点滴静注400mg


作成又は改訂年月

2019年7月改訂(第15版)

*2018年7月改訂

日本標準商品分類番号

874291

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
2019年6月

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤/ヒト型抗EGFR注1)モノクローナル抗体
注1)EGFR : Epidermal growth factor receptor(上皮細胞増殖因子受容体)

承認等

販売名
ベクティビックス点滴静注100mg

販売名コード

4291417A1020

承認・許可番号

承認番号
22200AMX00307
商標名
Vectibix

薬価基準収載年月

2010年6月

販売開始年月

2010年6月

貯法・使用期限等

貯法

遮光保存。凍結を避け,2〜8℃で保存。

使用期限

外箱に表示の使用期限内に使用すること。
(使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。)

規制区分

生物由来製品

劇薬

処方箋医薬品注2)

注2)処方箋医薬品:注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分 1バイアル(5mL)中の分量

パニツムマブ(遺伝子組換え)注3) 100mg
注3)本剤は遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。

添加物 1バイアル(5mL)中の分量

塩化ナトリウム29mg
酢酸ナトリウム水和物34mg
その他,添加物としてpH調節剤を含有する。

性状

剤形

注射剤(バイアル)

性状

本品は無色の溶液で,半透明〜白色の微粒子をわずかに認めることがある。

pH

5.6〜6.0

浸透圧比

約1(日局生理食塩液に対する比)

販売名
ベクティビックス点滴静注400mg

販売名コード

4291417A2027

承認・許可番号

承認番号
22300AMX00586
商標名
Vectibix

薬価基準収載年月

2011年9月

販売開始年月

2011年9月

貯法・使用期限等

貯法

遮光保存。凍結を避け,2〜8℃で保存。

使用期限

外箱に表示の使用期限内に使用すること。
(使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。)

規制区分

生物由来製品

劇薬

処方箋医薬品注2)

注2)処方箋医薬品:注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分 1バイアル(20mL)中の分量

パニツムマブ(遺伝子組換え)注3) 400mg
注3)本剤は遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。

添加物 1バイアル(20mL)中の分量

塩化ナトリウム117mg
酢酸ナトリウム水和物136mg
その他,添加物としてpH調節剤を含有する。

性状

剤形

注射剤(バイアル)

性状

本品は無色の溶液で,半透明〜白色の微粒子をわずかに認めることがある。

pH

5.6〜6.0

浸透圧比

約1(日局生理食塩液に対する比)

一般的名称

パニツムマブ(遺伝子組換え)注

警告

1.
本剤を投与する場合は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師のもとで,本剤が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与すること。

2.
間質性肺疾患があらわれることがあり,死亡に至った症例も報告されている。異常が認められた場合には本剤の投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。(「慎重投与」,「重大な副作用」の項参照)

3.
重度のInfusion reactionが発現し,死亡に至る例が報告されている。症状としては,アナフィラキシー様症状,血管浮腫,気管支痙攣,発熱,悪寒,呼吸困難,低血圧等があらわれることがある。重度のInfusion reactionがあらわれた場合には,本剤の投与を中止し,以降,本剤を再投与しないこと。(【禁忌】,「重要な基本的注意」,「重大な副作用」の項参照)

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある患者(【警告】,「重大な副作用」の項参照)

効能又は効果

KRAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

効能又は効果に関連する使用上の注意

1.
術後補助化学療法として本剤を使用した場合の有効性及び安全性は確立していない。

2.
RASKRAS及びNRAS)遺伝子変異の有無を考慮した上で,適応患者の選択を行うこと。(【臨床成績】の項参照)

3.
【臨床成績】の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

用法及び用量

通常、成人には2週間に1回,パニツムマブ(遺伝子組換え)として1回6mg/kg(体重)を60分以上かけて点滴静注する。なお,患者の状態に応じて適宜減量する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.

本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤は,【臨床成績】及び「その他の注意」の項の内容を熟知し,選択すること。

2.
重度(Grade3以上)の皮膚障害があらわれた場合は,下表を目安に本剤の用量を調節すること。(「重大な副作用」の項参照)

<重度(Grade3以上)の皮膚障害発現時の用量調節の目安>

注4)6週間以内にGrade2以下に回復しなかった場合は,本剤の投与を中止する。

3.
重度(Grade3以上)のInfusion reactionがあらわれた場合,本剤の投与を中止し,以降,本剤を再投与しないこと。また,Grade2以下のInfusion reactionがあらわれた場合は,投与速度を減じて慎重に投与すること。(「重要な基本的注意」,「重大な副作用」の項参照)

4.
本剤の投与にあたっては,インラインフィルター(0.2又は0.22ミクロン)を使用すること。

5.
注射液の調製法及び点滴時間(「適用上の注意」の項参照)

(1)
本剤の投与時には1回投与量として6mg/kgとなるように必要量を抜き取り,日局生理食塩液に添加して全量を約100mLとする。なお,日局生理食塩液で希釈後の点滴溶液中の本剤の最終濃度は10mg/mLを超えないこと。

(2)
本剤は,60分以上かけて点滴静注すること。ただし,1回投与量として1,000mgを超える場合は,日局生理食塩液で希釈し約150mLとし,90分以上かけて点滴静注すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
間質性肺炎,肺線維症の患者又はその既往歴のある患者[間質性肺疾患を増悪するおそれがある。(【警告】,「重大な副作用」の項参照)]

2.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
Infusion reactionとして,アナフィラキシー様症状,血管浮腫,気管支痙攣,発熱,悪寒,呼吸困難,低血圧等があらわれることがあるので,本剤の投与は重度のInfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。2回目以降の本剤投与時に初めて重度のInfusion reactionを発現することもあるので,本剤投与中は毎回患者の状態に十分注意すること。本剤投与中及び本剤投与終了後少なくとも1時間は観察期間(バイタルサインをモニターするなど)を設けること。Infusion reactionを発現した場合には,全ての徴候及び症状が完全に回復するまで患者を十分に観察すること。(【警告】,<用法・用量に関連する使用上の注意>,「重大な副作用」の項参照)

2.
低マグネシウム血症,低カリウム血症及び低カルシウム血症があらわれることがあるので,本剤投与開始前,また,本剤投与中及び投与終了後も血清中電解質(マグネシウム,カリウム及びカルシウム)をモニタリングすること。電解質異常が認められた場合には,必要に応じ電解質の補給等の適切な処置を行うこと。

副作用

副作用等発現状況の概要

<国内使用成績調査(全例調査)>
製造販売後の一定期間に投与症例の全例を登録して実施した調査において,安全性評価対象3,085例中2,595例(84%)に副作用が認められ,その主なものは,ざ瘡様皮膚炎1,591例(52%),爪囲炎731例(24%),皮膚乾燥605例(20%),低マグネシウム血症520例(17%),口内炎506例(16%)等であった(2012年12月集計)。

<臨床試験 単独投与時>
国内の臨床試験(第1相臨床試験13例,第2相臨床試験52例)において,本剤が単独投与された転移性結腸・直腸癌患者65例中64例(98%)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は,ざ瘡42例(65%),皮膚乾燥39例(60%),発疹36例(55%),そう痒27例(42%),爪囲炎23例(35%),低マグネシウム血症18例(28%),疲労17例(26%),口内炎16例(25%)及び食欲不振13例(20%)であった。海外臨床試験では,本剤が単独投与された転移性結腸・直腸癌患者987例中925例(94%)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は,ざ瘡様皮膚炎526例(53%),そう痒521例(53%),紅斑519例(53%)及び発疹359例(36%)であった(承認時)。

<臨床試験 併用投与時>(FOLFIRI又はFOLFOX4との併用)
本剤と化学療法との併用による国際共同試験(FOLFIRI併用302例,日本を含む)及び海外臨床試験(FOLFOX4併用322例)において,本剤が併用投与されたKRAS遺伝子野生型の転移性結腸・直腸癌患者624例中620例(99%)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は,下痢371例(59%),発疹332例(53%),好中球減少症301例(48%),悪心274例(44%),疲労196例(31%),ざ瘡様皮膚炎186例(30%),食欲不振160例(26%),低マグネシウム血症156例(25%),口内炎152例(24%),嘔吐146例(23%),粘膜の炎症141例(23%),皮膚乾燥122例(20%)及びそう痒122例(20%)であった(承認時)。

重大な副作用

1. 重度の皮膚障害注5)
重度のざ瘡様皮膚炎・発疹(10%),爪囲炎(4%),皮膚乾燥・皮膚剥脱・皮膚亀裂(2%),そう痒症(1%未満)及び紅斑(1%未満)があらわれることがあるので,重度の皮膚障害があらわれた場合は,投与を一時中止し,適切な処置を行うこと。なお,続発する炎症性又は感染性の症状(蜂巣炎,壊死性筋膜炎,敗血症等)の発現に十分注意し,これらの症状に対する適切な処置を行うこと。また,必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること。(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)

2. 間質性肺疾患(間質性肺炎,肺線維症,肺臓炎,肺浸潤)(1.3%)注5)
間質性肺疾患があらわれることがあるので,患者の状態を十分に観察し,異常が認められた場合は,本剤の投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。(【警告】,「慎重投与」の項参照)

3. 重度のInfusion reaction(1%未満)注5)
重度のInfusion reactionとして,アナフィラキシー様症状,血管浮腫,気管支痙攣,発熱,悪寒,呼吸困難,低血圧等があらわれることがあるので,重度のInfusion reactionを認めた場合,本剤の投与を中止し,薬物治療(アドレナリン,副腎皮質ステロイド剤,抗ヒスタミン剤等)等の適切な処置を行うとともに,以降,本剤を再投与しないこと。(【警告】,【禁忌】,「重要な基本的注意」,<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)

4. 重度の下痢(1%未満)注5)
重度の下痢及び脱水があらわれることがある。重度の下痢及び脱水により急性腎不全に至った症例も報告されていることから,患者の状態を十分に観察し,このような症状があらわれた場合には,止しゃ薬(ロペラミド等)の投与,補液等の適切な処置を行うこと。

5. 低マグネシウム血症(17%)注5)
QT延長,痙攣,しびれ,全身倦怠感等を伴う低マグネシウム血症があらわれることがあるので,血清中電解質をモニタリングするとともに,症状の発現に十分注意すること。異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお,低マグネシウム血症に起因した,低カルシウム血症,低カリウム血症等の電解質異常を伴う場合には,特に症状が重篤化することがあるので注意すること。

6. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)注5)
中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

注5)国内使用成績調査結果(全例調査)に基づき発現頻度を記載した。なお,国内臨床試験及び全例調査では報告のなかった副作用を頻度不明とした。

その他の副作用

以下のような副作用が認められた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと。

<単独投与時>注7)

精神・神経系
0.5%以上10%未満 
味覚異常

精神・神経系
0.5%未満 
頭痛

消化器
10%以上 
口内炎(11%)

消化器
0.5%以上10%未満 
下痢,悪心,嘔吐,口唇炎,便秘

消化器
0.5%未満 
口内乾燥

消化器
頻度不明 
口唇のひび割れ

呼吸器
0.5%未満 
鼻出血,呼吸困難

呼吸器
頻度不明 
咳嗽,鼻乾燥,肺塞栓症

皮膚
10%以上 
ざ瘡様皮膚炎(48%),皮膚乾燥(23%),爪囲炎(22%),発疹(10%)

皮膚
0.5%以上10%未満 
そう痒症,皮膚炎,皮膚亀裂,紅斑,皮膚剥脱,爪の障害,手掌・足底発赤知覚不全症候群,湿疹,多毛症

皮膚
0.5%未満 
脱毛症,爪破損

皮膚
頻度不明 
爪甲離床症

注6)
0.5%以上10%未満 
結膜炎

注6)
0.5%未満 
睫毛の成長,眼乾燥,眼充血,流涙増加,眼そう痒症

注6)
頻度不明 
眼の炎症,眼瞼炎,眼感染,眼瞼感染,角膜炎,潰瘍性角膜炎

血液/リンパ系
0.5%以上10%未満 
血小板減少症,白血球減少症

代謝異常
0.5%以上10%未満 
低カルシウム血症,食欲減退,低カリウム血症,高カリウム血症

代謝異常
頻度不明 
脱水

その他
0.5%以上10%未満 
疲労,倦怠感,注入に伴う反応,発熱

その他
0.5%未満 
悪寒

その他
頻度不明 
粘膜の炎症

<併用投与時>注7)

精神・神経系
0.5%以上10%未満 
味覚異常,感覚鈍麻,末梢性ニューロパチー

精神・神経系
0.5%未満 
浮動性めまい、頭痛

精神・神経系
頻度不明 
錯感覚,末梢性感覚ニューロパチー,嗜眠,異常感覚,神経毒性,不眠症,多発ニューロパチー

消化器
10%以上 
口内炎(21%)

消化器
0.5%以上10%未満 
下痢,悪心,口唇炎,嘔吐

消化器
0.5%未満 
便秘,口内乾燥,腹痛,上腹部痛,胃食道逆流性疾患,口腔内潰瘍形成

消化器
頻度不明 
消化不良,口腔内痛,口唇のひび割れ,口唇乾燥

呼吸器
0.5%未満 
鼻出血,呼吸困難,肺塞栓症,口腔咽頭痛

呼吸器
頻度不明 
咳嗽,発声障害,鼻漏

皮膚
10%以上 
ざ瘡様皮膚炎(53%),爪囲炎(25%),皮膚乾燥(19%)

皮膚
0.5%以上10%未満 
発疹,そう痒症,皮膚炎,皮膚亀裂,湿疹,手掌・足底発赤知覚不全症候群,脱毛症,紅斑

皮膚
0.5%未満 
皮膚潰瘍,皮膚剥脱,皮膚色素沈着,多毛症,爪の障害,多汗症

皮膚
頻度不明 
皮膚毒性,皮膚病変

注6)
0.5%以上10%未満 
結膜炎

注6)
0.5%未満 
眼瞼炎,角膜炎,眼乾燥,流涙増加,潰瘍性角膜炎,霧視,睫毛の成長

注6)
頻度不明 
眼痛

血液/リンパ系
0.5%以上10%未満 
好中球減少症,白血球減少症,血小板減少症

血液/リンパ球
0.5%未満 
貧血,発熱性好中球減少症

心血管系
頻度不明 
静脈炎,潮紅,低血圧,高血圧

代謝異常
0.5%以上10%未満 
低カルシウム血症,食欲減退,低カリウム血症

代謝異常
0.5%未満 
脱水

代謝異常
頻度不明 
低リン酸血症

肝臓
0.5%以上10%未満 
肝機能異常(AST(GOT),ALT(GPT),AL-P,LDH,γ-GTPの上昇,高ビリルビン血症等)

その他
0.5%以上10%未満 
倦怠感,注入に伴う反応,疲労

その他
0.5%未満 
発熱,体重減少,毛包炎,蜂巣炎,口腔カンジダ症,皮膚感染

その他
頻度不明 
粘膜の炎症,無力症,限局性感染,爪感染,潰瘍,乾燥症,カテーテル関連感染,尿路感染,鼻炎,上気道感染,悪寒,過敏症,末梢性浮腫,四肢痛,疼痛,温度変化不耐症

その他の副作用の注意

注6)眼の異常があらわれた場合には,直ちに眼科的検査を行い,必要な処置を行うこと。

注7)発現頻度は,承認時までの国内臨床試験及び全例調査の結果に基づき算出した。なお,国内臨床試験及び全例調査では報告のなかった副作用を頻度不明とした。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。やむを得ず投与する場合は,本剤投与による胎児への危険性(流産又は胎児毒性)について患者に十分説明すること。[本剤30mg/kg妊娠カニクイザル(器官形成期)に投与したところ,流産及び胎児死亡の増加が認められた。]

2.
妊娠する可能性のある婦人には,本剤投与中,又は本剤投与終了後も最低6ヵ月間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。[カニクイザルにおいて,本剤投与により月経周期の延長,妊娠率の低下が認められた。]

3.
授乳婦に投与する場合は,授乳を中止させること。また,本剤投与終了後も最低8週間は授乳しないよう指導すること。[本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが,ヒトIgGは乳汁中に移行するので,本剤も移行する可能性がある。]

小児等への投与

低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

過量投与

臨床試験では,本剤9mg/kgまでの用量が投与されている。また,承認用量(1回6mg/kg)の2倍相当(1回12mg/kg)の過量投与例も報告されている。本剤の過量投与時にみられる主な症状は,皮膚障害,下痢,脱水,疲労等であったが,これらは本剤の承認用量で認められたものと同様であった。

適用上の注意

1. 調製時

(1)
バイアルを振盪せず,激しく攪拌しないこと。

(2)
本剤は日局生理食塩液に希釈し使用すること。

(3)
本剤は無色の溶液で,半透明〜白色の微粒子をわずかに認めることがある。微粒子はインラインフィルターにより除去されるが,バイアルに変色がみられた場合は使用しないこと。

(4)
本剤の投与時には1回投与量として6mg/kgとなるように,次式に従い算出した必要量を抜き取り,日局生理食塩液に添加して全量を約100mLとする。最終濃度として10mg/mLを超えないこと。

必要量(mL)=体重(kg)×6(mg/kg)/20(mg/mL)

(5)
1回投与量として1,000mgを超える場合は,日局生理食塩液で希釈し約150mLとすること。

(6)
希釈後溶液は静かに混和し,急激な振盪は避けること。

(7)
本剤は保存剤を含有していないため,希釈後は6時間以内に使用すること。やむを得ず希釈後すぐに投与開始しない場合は溶液を冷蔵保存(2〜8℃)し,24時間以内に投与開始することが望ましい。

(8)
本剤の投与前後には日局生理食塩液を用いて点滴ラインを洗浄し,本剤と他の注射剤又は輸液との混合を避けること。

(9)
未使用の調製後溶液及び使用後の残液は廃棄すること。

2. 投与時

(1)
本剤は,インラインフィルター(0.2又は0.22ミクロン)を用いて投与すること。

(2)
本剤は点滴静注用としてのみ用い,急速静注は行わないこと。(【用法・用量】の項参照)

(3)
本剤は,60分以上かけて点滴静注すること。ただし,1回投与量として1,000mgを超える場合は,90分以上かけて点滴静注すること。

その他の注意

1.
海外において,化学療法未治療の転移性結腸・直腸癌患者を対象に,多施設共同無作為化非盲検試験が実施され,オキサリプラチン又はイリノテカン塩酸塩水和物を含む化学療法とベバシズマブの併用療法に本剤を併用投与したとき,本剤併用群で無増悪生存期間の短縮及び死亡率の増加が認められ,また,本剤併用群で肺塞栓,感染症(大部分は皮膚障害の合併症),下痢及び脱水の発現頻度が高く認められたとの報告がある。1)

2.
海外において本剤に対する中和抗体の産生が報告されている。

薬物動態

1. 血中濃度

(1) 単回投与(日本人のデータ)2)
本剤(2.5,6,9mg/kg)を60分以上かけて点滴静注したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータを下図及び表1に示す。
本剤2.5〜9mg/kgを単回投与したときの血清中濃度時間曲線下面積(AUC)は,投与量以上の増加を認め,クリアランス(CL)は17.4mL/日/kg(2.5mg/kg投与)から5.92mL/日/kg(9mg/kg投与)に低下した。注8)

注8)本剤の承認された用法・用量は1回6mg/kgの2週間間隔投与である。(【用法・用量】の項参照)

(2) 反復投与時(日本人のデータ)2)
本剤6mg/kgを60分以上かけて点滴静注後,2週間間隔で点滴静注を繰り返した際の3回目投与時の薬物動態パラメータを表2に示す。投与3回目以降のCmax及びCminは概ね同値であると考えられた。

(3) 母集団薬物動態解析(日本人及び外国人のデータ)3)
母集団薬物動態解析を実施した結果,体重が本剤のCL及び中央コンパートメントの分布容積(V1)に対して有意な影響を及ぼすことが示された。日本人と外国人の間で認められた本剤のCmax,Cmin及びAUCの差は,体重の差に起因すると考えられた。年齢,性別及び癌腫に関しても,本剤のCLあるいはV1に及ぼす影響が示されたが,影響の程度は体重よりも小さかった。併用化学療法の種類及び腫瘍のEGFR発現が本剤のCL及びV1に及ぼす影響は認められなかった。

2. 吸収,分布,代謝,排泄(動物試験(参考))

(1) 分布4)
125I−標識パニツムマブをサルに静脈内投与したとき,血液中の放射活性が最も高く,次いで肝臓,腎臓,副腎,肺で高い放射活性が認められた。分布に関する顕著な性差は認められなかった。

(2) 排泄4)
125I−標識パニツムマブをサルに静脈内投与したとき,240時間までに投与放射活性の90%以上が尿中に回収された。

表1 単回投与時の薬物動態パラメータ

投与量
(mg/kg) 
Cmax
(μg/mL) 
Cmin
(μg/mL) 
AUC0-tau
(μg・日/mL) 
t1/2
(日) 
CL
(mL/日/kg) 
2.5 44.1±8.09 7.88±3.09 135±35.6 3.08±0.547 17.4±2.56a 
118±31.2 19.8±3.93 664±80.0 6.72±0.709 8.49b 
231±45.4 16.9±5.87 1,430±415 7.18±1.66 5.92±2.05c 

各 n=6,平均±標準偏差,an=3,bn=1,cn=5


表2 反復投与時の薬物動態パラメータ

投与量
(mg/kg) 
Cmax
(μg/mL) 
Cmin
(μg/mL) 
AUC0-tau
(μg・日/mL) 
t1/2
(日) 
160±13.5 42.5±8.52 1,100±102 9.62±2.67 

n=5,平均±標準偏差


臨床成績

1. 日本人における成績(第2相試験,20050216試験)5)
フッ化ピリミジン系薬剤,オキサリプラチン及びイリノテカン塩酸塩水和物の投与中又は投与後に再燃若しくは不応となったEGFR発現転移性結腸・直腸癌患者52例を対象に,本剤6mg/kgを2週間間隔で単独投与し,第2相臨床試験を実施した。奏効率(腫瘍縮小効果判定は修正RECIST基準に基づく中央判定)は13.5%(95%信頼区間:5.6,25.8)であった。

2. 外国人における成績(第3相試験)

<単独投与時>

支持療法との比較試験(20020408試験)6)
フッ化ピリミジン系薬剤,オキサリプラチン及びイリノテカン塩酸塩水和物の治療中又は治療後に病勢の進行が認められたEGFR発現転移性結腸・直腸癌患者(三次治療以降例)463例を対象に,本剤6mg/kgの2週間間隔投与と最良の支持療法(本剤群),又は最良の支持療法単独の有効性及び安全性を比較検討した。主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は,本剤群で8.0週(95%信頼区間:7.9,8.4),最良の支持療法単独群で7.3週(95%信頼区間:7.1,7.7)であった(ハザード比:0.542[95%信頼区間:0.443,0.663],p<0.0001)。全生存期間の中央値は,本剤群で6.4ヵ月(95%信頼区間:6.1,7.7),最良の支持療法単独群で6.3ヵ月(95%信頼区間:4.9,7.6)であった(ハザード比:1.000[95%信頼区間:0.816,1.224],p=0.8061)。KRAS遺伝子野生型集団における成績は下図及び表3のとおりであった。



また,RASKRAS及びNRAS)遺伝子野生型/変異型集団※※におけるレトロスペクティブな解析結果は表4のとおりであった。

<併用投与時>

1) FOLFOX4併用試験(20050203試験)7)
化学療法未治療の転移性結腸・直腸癌患者1,183例を対象に,フルオロウラシル,ロイコボリンカルシウム及びオキサリプラチンを含む化学療法(FOLFOX4)に本剤を併用投与したときの有効性及び安全性を比較検討した。主要評価項目は無増悪生存期間であった。KRAS遺伝子野生型集団における成績は下図及び表5のとおりであった。



また,RASKRAS及びNRAS)遺伝子野生型/変異型集団※※におけるレトロスペクティブな解析結果は表6のとおりであった。

2) FOLFIRI併用試験(20050181試験)
日本が参加した国際共同試験で,フッ化ピリミジン系薬剤を含む化学療法既治療の転移性結腸・直腸癌患者(二次治療例)1,186例(日本人20例を含む)を対象に,フルオロウラシル,ロイコボリンカルシウム及びイリノテカン塩酸塩水和物(用法・用量注10):180mg/m2を2週間間隔で投与)を含む化学療法(FOLFIRI)に本剤を併用投与したときの有効性及び安全性を比較検討した。主要評価項目は無増悪生存期間及び全生存期間であった。KRAS遺伝子野生型集団における成績は下図及び表7のとおりであった。

注10)イリノテカン塩酸塩水和物の結腸・直腸癌(手術不能又は再発)における国内承認用法・用量B法:イリノテカン塩酸塩水和物として,通常,成人に1日1回,150mg/m2を2週間間隔で2〜3回点滴静注し,少なくとも3週間休薬する。これを1クールとして,投与を繰り返す。なお,年齢,症状により適宜増減する。



また,RASKRAS及びNRAS)遺伝子野生型/変異型集団※※※におけるレトロスペクティブな解析結果は表8のとおりであった。

KRAS遺伝子コドン12及び13の変異が検討された。

※※KRAS遺伝子コドン12,13,61,117,146及びNRAS遺伝子コドン12,13,61,117,146の変異が検討された。

※※※KRAS遺伝子コドン12,13,59,61,117,146及びNRAS遺伝子コドン12,13,59,61,117,146の変異が検討された。

表3 20020408試験におけるKRAS遺伝子野生型集団の有効性
   (レトロスペクティブな解析結果)

評価項目 本剤群
(n=124) 
最良の支持療法単独群
(n=119) 
P値 ハザード比
(95%信頼区間) 
無増悪生存期間中央値(週)
(95%信頼区間) 
12.3
(8.3,16.1) 
7.3
(7.0,7.7) 
<0.0001 0.449
(0.341,0.590) 
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
8.1
(6.3,9.4) 
7.6
(6.2,8.8) 
0.1395 0.988
(0.754,1.295) 

表4

評価項目 本剤群 最良の支持療法単独群 P値 ハザード比
(95%信頼区間) 
RAS遺伝子野生型集団
(本剤群73例,最良の支持療法単独群63例) 
    
無増悪生存期間中央値(週)
(95%信頼区間) 
14.1
(10.3,23.3) 
7.0
(6.0,7.4) 
<0.0001 0.362
(0.251,0.523) 
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
8.2
(6.5,9.5) 
7.5
(5.2,9.2) 
0.6696 0.971
(0.678,1.390) 
RAS遺伝子変異型集団
(本剤群99例,最良の支持療法単独群114例) 
    
無増悪生存期間中央値(週)
(95%信頼区間) 
7.4
(7.3,7.7) 
7.3
(6.4,7.9) 
0.7289 0.966
(0.725,1.287) 
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
5.1
(4.2,6.1) 
4.4
(3.9,5.9) 
0.8117 1.041
(0.783,1.386) 

表5 20050203試験におけるKRAS遺伝子野生型集団の有効性

評価項目 本剤群
(n=325) 
FOLFOX4単独群
(n=331) 
P値 ハザード比
(95%信頼区間) 
無増悪生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
9.6
(9.2,11.1) 
8.0
(7.5,9.3) 
0.0234 0.798
(0.656,0.971) 
全生存期間中央値注9)(月)
(95%信頼区間) 
NE
(20.3,NE) 
18.8
(17.2,NE) 
0.1623 0.831
(0.640,1.079) 

注9)中間解析,NE:推定不能


表6

評価項目 本剤併用群 FOLFOX4
単独群 
P値 ハザード比
(95%信頼区間) 
RAS遺伝子野生型集団
(本剤併用群259例,FOLFOX4単独群253例) 
    
無増悪生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
10.1
(9.3,12.0) 
7.9
(7.2,9.3) 
0.0037 0.722
(0.579,0.901) 
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
26.0
(21.7,30.4) 
20.2
(17.7,23.1) 
0.0429 0.781
(0.615,0.993) 
RAS遺伝子変異型集団
(本剤併用群272例,FOLFOX4単独群276例) 
    
無増悪生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
7.3
(6.3,7.9) 
8.7
(7.6,9.4) 
0.0081 1.309
(1.072,1.600) 
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
15.6
(13.4,17.9) 
19.2
(16.7,21.8) 
0.0342 1.254
(1.016,1.546) 

追加解析としてKRAS及びNRAS遺伝子コドン59変異型7例を含めた解析が実施され,上記と同様の結果であった。


表7 20050181試験におけるKRAS遺伝子野生型集団の有効性

評価項目 本剤併用群注11)
(n=303) 
FOLFIRI単独群注11)
(n=294) 
P値 ハザード比
(95%信頼区間) 
無増悪生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
5.9
(5.5,6.7) 
3.9
(3.7,5.3) 
0.0036 0.732
(0.593,0.903) 
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
14.5
(13.0,16.0) 
12.5
(11.2,14.2) 
0.1154 0.854
(0.702,1.039) 

注11)日本人例数は本剤併用群5例,FOLFIRI単独群8例であった。


表8

評価項目 本剤併用群 FOLFIRI
単独群 
P値 ハザード比
(95%信頼区間) 
RAS遺伝子野生型集団
(本剤併用群208例,FOLFIRI単独群213例) 
    
無増悪生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
6.4
(5.5,7.4) 
4.6
(3.7,5.6) 
0.0069 0.701
(0.542,0.907) 
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
16.2
(14.5,19.7) 
13.9
(11.9,16.0) 
0.0803 0.807
(0.634,1.027) 
RAS遺伝子変異型集団
(本剤併用群299例,FOLFIRI単独群294例) 
    
無増悪生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
4.8
(3.7,5.5) 
4.0
(3.6,5.5) 
0.1437 0.861
(0.705,1.053) 
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間) 
11.8
(10.4,13.1) 
11.1
(10.2,12.4) 
0.3447 0.914
(0.759,1.101) 

薬効薬理

1.
作用機序

パニツムマブは,遺伝子組換え型ヒト型IgG2モノクローナル抗体である。8〜10)パニツムマブは,ヒトEGFR発現細胞のEGFRに対して特異的かつ高親和性に結合し8〜10),EGFRに対するリガンドの結合の阻害及びEGFRの内在化が誘導された。

2.
抗腫瘍作用

パニツムマブは,in vitro及びin vivo試験において,ヒト腫瘍細胞株(ヒト結腸癌由来HT29細胞株,DLD1細胞株等)の増殖を阻害した。11,12)

有効成分に関する理化学的知見

一般名

パニツムマブ(遺伝子組換え)
(Panitumumab(Genetical Recombination))〔JAN〕

本質

ヒト抗ヒトEGFRモノクローナル抗体であるIgG2をコードするゲノムDNAを導入したチャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される214個のアミノ酸残基(C1028H1588N274O336S6,分子量:23,353.63)からなる軽鎖2分子及び445個のアミノ酸残基(C2171H3355N573O672S18,分子量:48,811.47)からなる重鎖2分子から構成される糖タンパク質(分子量:約147,000)であり,重鎖サブユニットの主成分はC末端のリジンを欠く。

包装

点滴静注100mg:1バイアル

点滴静注400mg:1バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Hecht JR et al.: J.Clin.Oncol.,27 : 672,2009.

2)
パニツムマブの国内第1相試験成績(社内資料)

3)
臨床試験成績による母集団薬物動態解析報告書(社内資料)

4)
サルにおける組織内分布に関する検討(社内資料)

5)
Muro K et al.: Jpn.J.Clin.Oncol.,39 : 321,2009.

6)
Van Cutsem E et al.: J.Clin.Oncol.,25 : 1658,2007.

7)
Douillard JY et al.: N Engl J Med.,369 : 1023,2013.

8)
Davis CG et al.: Cancer Metastasis Rev.,18 : 421,1999.

9)
Yang XD et al.: Cancer Res.,59 : 1236,1999.

10)
Yang XD et al.: Crit.Rev.Oncol.Hematol.,38 : 17,2001.

11)
パニツムマブの非臨床薬理試験成績(1)(社内資料)

12)
パニツムマブの非臨床薬理試験成績(2)(社内資料)

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