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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
葉酸受容体α陽性の白金系抗悪性腫瘍剤抵抗性の再発卵巣癌
通常、成人にはミルベツキシマブ ソラブタンシン(遺伝子組換え)として1回6mg/kg(調整理想体重)を3週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。ただし、1回の総投与量は以下の式により求められる調整理想体重に基づく用量とする。調整理想体重(kg)=理想体重(kg)+0.4×[実体重(kg)-理想体重(kg)]女性の理想体重(kg)=0.9×身長(cm)-92
減量段階
1回投与量
開始用量
6mg/kg(調整理想体重)
1段階減量
5mg/kg(調整理想体重)
2段階減量
4mg/kg(調整理想体重)
中止
4mg/kg(調整理想体重)で忍容性が得られない場合、本剤の投与を中止する。
副作用
程度注)
処置
角膜炎/角膜症
軽度(角膜上皮内の多数の微小な点状病変が特徴であり、密集していることもあるが、癒合していない)
経過を観察する。
中等度以上(角膜上皮内の多数の点状病変が特徴であり、斑状に癒合している)、角膜上皮びらん、又はスネレン表による最高矯正視力の3ライン以上の低下
角膜潰瘍、角膜実質混濁、又はスネレン表による最高矯正視力が0.1以下
角膜穿孔
投与を中止する。
間質性肺疾患
Grade 1
Grade 2
Grade 1以下になるまで休薬し、同一用量で再開できる。再発又は間質性肺疾患が28日以上持続している場合、減量を検討する。
Grade 3以上
末梢神経障害
Grade 1以下になるまで休薬し、1段階減量して投与を再開できる。
Infusion reaction
投与速度を維持する。
血液毒性
上記以外の副作用
Grade 3
Grade 4
注)角膜炎/角膜症以外の副作用のGradeはNCI-CTCAE ver5.0に準じる。
角膜障害が発現又は増悪するおそれがある。,,,,,
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。,,
本剤の構成成分であるDM4は主に肝代謝により消失すると考えられることから、DM4の血中濃度が上昇する可能性がある。なお、中等度及び重度注)の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。注)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施していない。ヒトIgGは胎盤を通過することが知られており、本剤は母体から胎児へ移行する可能性がある。また、本剤は遺伝毒性物質であるDM4を含んでおり、活発に分裂している細胞に影響を与えると想定される。DM4は発生毒性/催奇形性が報告されている化合物クラス(メイタンシノイド)に属することから、妊婦に投与すると胚・胎児への影響が懸念される。
授乳しないことが望ましい。ヒト乳汁中への移行に関するデータはないが、本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
強いCYP3A阻害剤
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない又は中程度以下のCYP3A阻害剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、DM4の血中濃度が上昇する可能性がある。
角膜症(28.8%)、角膜炎(6.2%)、点状角膜炎(4.9%)等があらわれることがある。また、角膜障害に関連する事象として、霧視、ドライアイ、羞明、視力低下等があらわれることがある。,,,,,
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末梢性ニューロパチー(17.3%)、末梢性感覚ニューロパチー(10.7%)等があらわれることがある。
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10%以上
5~10%未満
5%未満
眼
霧視(38.7%)、ドライアイ(25.9%)、羞明、視力低下
眼痛、白内障
硝子体浮遊物、流涙増加、視力障害、眼不快感
血液/リンパ系
好中球減少症
貧血、血小板減少症
白血球減少症、リンパ球減少症
消化器
悪心(24.3%)、下痢(23.5%)、便秘、腹痛
嘔吐
口内炎、胃食道逆流性疾患、腹部不快感、上腹部痛、鼓腸
筋・骨格系
関節痛、筋肉痛
四肢痛、背部痛、筋痙縮、筋骨格硬直
肝臓
AST増加、ALT増加
γ-GTP増加、AL-P増加、肝細胞融解、高ビリルビン血症、高トランスアミナーゼ血症
代謝異常
食欲減退
脱水、低マグネシウム血症、低カリウム血症
精神神経系
頭痛
味覚不全、浮動性めまい、不眠症
その他
疲労(21.8%)、無力症
体重減少、そう痒症、発疹、紅斑、脱毛症、呼吸困難、咳嗽、鼻出血、倦怠感、非心臓性胸痛、発熱、末梢性浮腫、帯状疱疹、回転性めまい、高血圧、注射部位血管外漏出
臨床試験において、57/626例(9.1%)に抗ミルベツキシマブ ソラブタンシン抗体が認められ、34/626例(5.4%)に抗ミルベツキシマブ ソラブタンシン中和抗体が認められた。抗ミルベツキシマブ ソラブタンシン中和抗体陽性例では陰性例と比較して本剤の血漿中濃度が低下する傾向が認められた1)。
葉酸受容体α陽性の進行卵巣癌又はその他の固形癌を有する日本人患者3例に本剤6mg/kg(調整理想体重)を点滴静注したときの、ミルベツキシマブ ソラブタンシン、本剤の構成成分であるDM4及びDM4の活性代謝物であるS-methyl DM4の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった4)。
Tmax(hr)
Cmax(μg/mL)
AUClast(mg・hr/mL)
t1/2(hr)
ミルベツキシマブ ソラブタンシン(N=3)
3.88(1.9-6.2)
127.7(11.9)
14.14(10.0)
115.0(5.5)
Cmax(ng/mL)
AUClast(ng・hr/mL)
DM4(N=3)
3.93(3.9-4.0)
5.154(32.3)
228.5(39.1)
71.59(17.3)
S-methyl DM4(N=3)
6.15(5.9-47)
9.105(47.6)
1568(66.1)
156.9(20.5)
幾何平均(%変動係数)、ただしTmaxは中央値(最小値-最大値)
また、葉酸受容体α陽性の高異型度漿液性上皮性卵巣癌、原発性腹膜癌又は卵管癌患者に本剤6mg/kg(調整理想体重)を3週間間隔で点滴静注したときの、ミルベツキシマブ ソラブタンシン(146例)、DM4(142例)及びS-methyl DM4(146例)のサイクル1に対するサイクル3のAUCの幾何平均比はそれぞれ1.15、1.11及び1.01であった5)(外国人データ)。
葉酸受容体α陽性の高異型度漿液性上皮性卵巣癌、原発性腹膜癌又は卵管癌患者に本剤6mg/kg(調整理想体重)を点滴静注したときの定常状態におけるミルベツキシマブ ソラブタンシンの分布容積(平均値±標準偏差)は2.63±2.98Lであった5)(外国人データ)。また、本剤の構成成分であるDM4及びDM4の活性代謝物であるS-methyl DM4のヒト血漿タンパク結合率はいずれも99%超であった(in vitro)6)。
ミルベツキシマブ ソラブタンシンの抗体部分は主にリソソームにより異化を受けると推測される。本剤の構成成分であるDM4及びDM4の活性代謝物であるS-methyl DM4はいずれも主にCYP3Aにより代謝されることが示された(in vitro)6)。
ラットに3Hで標識したミルベツキシマブ ソラブタンシン5mg/kgを単回静脈内投与したとき、投与後336時間までに投与放射能の62.3%が糞中に、2.27%が尿中に排泄された6)。胆管カニューレを施したラットに3Hで標識したミルベツキシマブ ソラブタンシン5mg/kgを単回静脈内投与したとき、投与後72時間までに投与放射能の19.1%が胆汁に、4.43%が糞中に排泄され、尿中への排泄は1%未満であった6)。
母集団薬物動態解析の結果、腎機能注1)が正常な患者(239例)と軽度(291例)又は中等度(161例)の腎機能障害を有する患者との間でミルベツキシマブ ソラブタンシン、本剤の構成成分であるDM4及びDM4の活性代謝物であるS-methyl DM4の薬物動態パラメータの推定値に明確な差異は認められなかった1)。注1)CLcr(mL/min)が90以上、60以上90未満及び30以上60未満の場合、それぞれ正常、軽度及び中等度とされた。
母集団薬物動態解析の結果、肝機能注2)が正常な患者(589例)と軽度の肝機能障害を有する患者(101例)との間でミルベツキシマブ ソラブタンシン、本剤の構成成分であるDM4及びDM4の活性代謝物であるS-methyl DM4の薬物動態パラメータの推定値に明確な差異は認められなかった1)。注2)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
本剤の構成成分であるDM4及びDM4の活性代謝物であるS-methyl DM4はP-gpの基質である(in vitro)1)。
1~3つの化学療法歴を有する白金系抗悪性腫瘍剤抵抗性注1)を示す葉酸受容体α陽性注2)の高異型度漿液性上皮性卵巣癌、原発性腹膜癌又は卵管癌を有する日本人患者25例を対象に、本剤6mg/kg(調整理想体重)を3週間間隔で点滴静注した。主要評価項目である治験担当医師評価による奏効率[90%信頼区間]は44.0[27.0, 62.1]%であった(2025年4月16日データカットオフ)4)。注1)白金系抗悪性腫瘍剤による治療歴が1つの場合はPFI(platinum free interval)が3ヵ月から6ヵ月、2又は3つの場合はPFIが6ヵ月以内であること。注2)FRαの免疫組織化学染色を用いたPS2+スコアリング法により75%以上の腫瘍細胞で強度2+以上の染色が認められた患者が組入れられた。安全性評価対象25例のうち、96%(24例)に副作用が認められた。主な副作用は、悪心36%(9例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加32%(8例)、点状角膜炎、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、末梢性感覚ニューロパチー〔以上28%(各7例)〕、霧視、好中球数減少、血小板数減少、肺臓炎〔以上24%(各6例)〕、角膜炎20%(5例)であった4)。,
1~3つの化学療法歴を有する白金系抗悪性腫瘍剤抵抗性注3)を示す葉酸受容体α陽性注4)の高異型度漿液性上皮性卵巣癌、原発性腹膜癌又は卵管癌患者453例〔本剤群227例、治験担当医師が選択した化学療法(IC化学療法)群226例〕を対象に、IC化学療法(パクリタキセル、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム注射剤又はノギテカン塩酸塩)を対照として本剤の有効性及び安全性を評価した。本剤群では、本剤6mg/kg(調整理想体重)を3週間間隔で点滴静注した。主要評価項目である治験担当医師評価による無増悪生存期間(PFS)は、IC化学療法群と比較して本剤群で統計学的に有意な延長を示した(2023年3月6日データカットオフ)7)。
本剤群(N=227)
IC化学療法群(N=226)
PFS中央値(ヵ月)[95%信頼区間]
5.62[4.34, 5.95]
3.98[2.86, 4.47]
ハザード比[95%信頼区間]注5)
0.65[0.521, 0.808]
p値(両側)注6)
<0.0001
注3)白金系抗悪性腫瘍剤による治療歴が1つの場合はPFI(platinum free interval)が3ヵ月から6ヵ月、2又は3つの場合はPFIが6ヵ月以内であること。注4)FRαの免疫組織化学染色を用いたPS2+スコアリング法により75%以上の腫瘍細胞で強度2+以上の染色が認められた患者が組入れられた。注5)前治療ライン数及びランダム化前に選択したIC化学療法を層別因子とした層別Cox比例ハザードモデル注6)前治療ライン数及びランダム化前に選択したIC化学療法を層別因子とした層別ログランク検定、有意水準(両側)0.05本剤群の安全性評価対象218例のうち、88%(191例)に副作用が認められた。主な副作用は、霧視40%(88例)、角膜症31%(67例)、ドライアイ28%(61例)、下痢25%(54例)、疲労24%(53例)及び悪心23%(50例)であった(2024年9月26日データカットオフ)。,
ミルベツキシマブ ソラブタンシンは、葉酸受容体αに対するヒト化IgG 1モノクローナル抗体と微小管重合阻害作用を有するDM4を、リンカーを介して結合させた抗体薬物複合体である。ミルベツキシマブ ソラブタンシンは、腫瘍細胞の細胞膜上に発現する葉酸受容体αに結合し、細胞内に取り込まれた後にリソソームによってリンカーが加水分解され、遊離したDM4が細胞周期停止作用及びアポトーシス誘導作用を示すこと等により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている8)。
ミルベツキシマブ ソラブタンシンは、葉酸受容体αを発現するヒト卵巣癌由来IGROV-1細胞株を皮下移植した重症複合型免疫不全マウスにおいて腫瘍増殖抑制作用を示した9)。
ミルベツキシマブ ソラブタンシン(遺伝子組換え)(Mirvetuximab Soravtansine(Genetical Recombination))〔JAN〕
ミルベツキシマブ ソラブタンシンは、抗体薬物複合体(分子量:約152,000)であり、遺伝子組換えモノクローナル抗体の平均3~4個のリシン残基に、メイタンシノイドDM4に3-スルファニルプロピルカルボニル-1-スルホン酸基がリンカーとして結合しているソラブタンシン(3-[(5-{[(1S)-2-{[(1S,2R,3S,5S,6S,16E,18E,20R,21S)-11-クロロ-21-ヒドロキシ-12,20-ジメトキシ-2,5,9,16-テトラメチル-8,23-ジオキソ-4,24-ジオキサ-9,22-ジアザテトラシクロ[19.3.1.110,14.03,5]ヘキサコサ-10,12,14(26),16,18-ペンタエン-6-イル]オキシ}-1-メチル-2-オキソエチル]メチルアミノ}-2-メチル-5-オキソペンタン-2-イル)ジスルファニル]プロピルカルボニル-1-スルホン酸基(C42H59ClN3O14S3;分子量:961.58))がアミノ基を介して結合している。抗体部分は抗葉酸受容体αモノクローナル抗体であり、その可変部はマウス抗体に、その他はヒトIgG1に由来し、C末端のK448は除去されている。抗体部分は、CHO細胞により産生される。タンパク質部分は、447個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び218個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。
個装箱開封後は遮光保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1バイアル
1) ミルベツキシマブ ソラブタンシンの臨床薬理試験成績(2026年9月16日承認、CTD 2.7.2.3、2.7.2.4)
2) ミルベツキシマブ ソラブタンシンの反復投与毒性試験成績(2026年9月16日承認、CTD 2.6.6.3、2.6.6.8)
3) DM4の遺伝毒性試験成績(2026年9月16日承認、CTD 2.6.6.4)
4) ミルベツキシマブ ソラブタンシンの国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(TAK-853-1501試験)成績(2026年9月16日承認、CTD 2.7.2.2、2.7.6.4)
5) ミルベツキシマブ ソラブタンシンの海外第Ⅲ相試験(IMGN853-0403試験)成績(2026年9月16日承認、CTD 2.7.2.2、2.7.2.3)
6) ミルベツキシマブ ソラブタンシン及びDM4の非臨床薬物動態試験成績(2026年9月16日承認、CTD 2.6.4.4、2.7.2.3)
7) ミルベツキシマブ ソラブタンシンの海外第Ⅲ相試験〔IMGN853-0416(MIRASOL)試験〕成績(2026年9月16日承認、CTD 2.7.6.1)
8) ミルベツキシマブ ソラブタンシンの薬効薬理試験成績(2026年9月16日承認、CTD 2.6.2.1)
9) ミルベツキシマブ ソラブタンシンの非臨床薬理試験成績(2026年9月16日承認、CTD 2.6.2.2)
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