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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
本態性血小板血症
臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17. 臨床成績」の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で適応患者の選択を行うこと。
通常、成人にはアナグレリドとして1回0.5mgを1日2回経口投与より開始する。なお、患者の状態により適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として0.5mgずつ行い、1日4回を超えない範囲で分割して経口投与すること。ただし、1回用量として2.5mgかつ1日用量として10mgを超えないこと。
心疾患が増悪もしくは再発するおそれがある。,
QT間隔延長が起こるおそれがある。,
血中濃度が上昇するおそれがある。
投与しないこと。血中濃度が過度に上昇するおそれがある。,
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。血中濃度が上昇するおそれがある。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊法を用いるように指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた実験において、ヒトにおける1mg、1日2回投与後のAUC曝露量の約781倍の曝露により妊娠早期における着床阻害、約1,050倍の曝露によりラット胎児の体重減少と骨化遅延が報告されている。また、妊娠及び授乳期ラットに、ヒトにおける1mg、1日2回投与後のAUC曝露量の約624倍の曝露により、分娩の遅延又は阻害、出生児の死亡率増加が認められている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において、乳汁中移行が報告されている。
小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では、生理機能が低下していることが多い。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン、クロピドグレル等)抗凝固剤(ワルファリン等)血栓溶解剤(ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等)
これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがある。アスピリンとの併用により、重篤な出血等の発現率の増加が報告されている1)。
本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これらの薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。
cAMP PDE Ⅲ阻害作用を有する薬剤(ミルリノン、オルプリノン、シロスタゾール、イブジラスト等)
これらの薬剤との併用により、変力作用及び変時作用が増強するおそれがある。
本剤及び本剤の活性代謝物はcAMP PDE Ⅲ阻害作用を有する。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤(イミプラミン、ピモジド等)抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド等)
QT間隔延長を起こす又は悪化させるおそれがある。
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあり、併用により作用が増強するおそれがある。
動悸(34.0%)、心嚢液貯留(3.8%)、頻脈(3.8%)、心拡大(1.9%)、プリンツメタル狭心症(1.9%)、上室性期外収縮(1.9%)、心室性期外収縮(1.9%)、うっ血性心不全(頻度不明)、心房細動(頻度不明)、上室性頻脈(頻度不明)、心筋梗塞(頻度不明)、心筋症(頻度不明)、狭心症(頻度不明)等があらわれることがある。,
,
鼻出血(9.4%)、歯肉出血(7.5%)、皮下出血(3.8%)、メレナ(1.9%)、網膜出血(1.9%)、紫斑(1.9%)、喀血(1.9%)、胃腸出血(頻度不明)、脳出血(頻度不明)等があらわれることがある。
脳梗塞(3.8%)等があらわれることがある。
10%以上
10%未満
頻度不明
血液およびリンパ系障害
汎血球減少症
代謝および栄養障害
体重減少
体重増加
神経系障害
頭痛(43.4%)
感覚鈍麻、錯感覚、知覚過敏、健忘
浮動性めまい、不眠症、うつ病、錯乱、神経過敏、口内乾燥、傾眠、協調運動異常、構語障害、片頭痛
眼障害
視覚異常、複視
耳および迷路障害
耳鳴
心臓障害
高血圧、起立性低血圧
不整脈、失神、血管拡張
呼吸器、胸郭および縦隔障害
呼吸困難
肺炎、気管支炎、胸水
肺高血圧症、肺浸潤
胃腸障害
下痢(22.6%)
胃炎、嘔吐、便秘、悪心、腹痛
膵炎、鼓腸、消化不良、食欲不振、胃腸障害、大腸炎
肝胆道系障害
肝酵素上昇
肝機能異常
肝炎
皮膚および皮下組織障害
色素沈着障害、発疹
脱毛症、そう痒症、皮膚乾燥
筋骨格系および結合組織障害
筋肉痛、関節痛
背部痛
腎および尿路障害
腎不全、尿細管間質性腎炎、インポテンス、頻尿
一般・全身障害および投与部位の状態
末梢性浮腫(22.6%)、疲労
発熱、倦怠感、胸痛、浮腫、悪寒、無力症
脱力感、疼痛、インフルエンザ様症状
臨床検査
血中クレアチニン増加
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康被験者20例に本剤0.5~2mgを絶食下で単回経口投与したとき注)、アナグレリドの薬物動態パラメータは下表のとおりであった2)。投与後、アナグレリドは血漿中から速やかに消失した。0.5mgから2mgの用量範囲で、アナグレリドのCmax及びAUC0-∞は用量比例性を示した。
用量
n
Cmax(ng/mL)
AUC0-∞(ng・h/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
0.5mg
8
2.4±1.5
5.7±2.6
1.3±0.7
1.1±0.2
1.0mg
6
4.9±2.4
12.8±5.4
1.3±0.6
1.4±0.5
2.0mg
10.5±2.6
26.7±4.3
1.0±0.5
1.1±0.3
平均±SD
日本人の本態性血小板血症患者12例に本剤0.5mg/日で1日1回反復経口投与したとき注)、アナグレリドの薬物動態パラメータは下表のとおりであった3)。アナグレリドの薬物動態パラメータは投与1日目と投与7日目との間で同様であった。
AUC0-t(ng・h/mL)
1日目
3.0±1.9
8.9±4.5
2.6±1.1
2.1±1.5
7日目
2.8±1.9
7.6±4.1
2.9±1.3
1.7±0.4
平均±SD(n=12)
日本人の本態性血小板血症患者12例に本剤を反復経口投与した試験及び外国人の本態性血小板血症患者17例に本剤を反復経口投与した試験におけるアナグレリドの薬物動態パラメータは下表のとおりであった。なお、国内外の臨床試験では異なる用量が投与されていたことから、用量1mg/日で正規化したCmax及びAUC0-tを用いて検討した。その結果、外国人と比較して、日本人患者において、アナグレリドのCmax及びAUC0-tはそれぞれ50%及び46%高値を示し、また、アナグレリドの活性代謝物3-ヒドロキシアナグレリドのCmax及びAUC0-tはそれぞれ34%及び23%高値を示した3),4)。
アナグレリド
3-ヒドロキシアナグレリド
日本人患者
12
5.7±3.8
15.3±8.2
10.9±5.2
38.2±12.9
外国人患者注)
17
3.8±2.6
10.5±10.9
8.1±3.6
31.1±10.4
平均±SD注)2試験併合解析
健康被験者8例に本剤0.5mgを単回経口投与したとき注)、絶食下投与と比較して、本剤のtmaxは食後投与で2倍以上に延長し、本剤の吸収の遅延が認められた2)。また、絶食下投与と比較して、本剤のCmax及びAUC0-∞は食後投与でそれぞれ44%及び20%低下した。本剤のt1/2に対する食事摂取の影響は認められなかった。
In vitroにおけるアナグレリド(5~1,000ng/mL)及び活性代謝物である3-ヒドロキシアナグレリド(5~100ng/mL)のヒト血漿蛋白結合率はそれぞれ88.8%~90.5%及び88.1%~91.3%であった6)。
アナグレリドは主にCYP1A1及びCYP1A2により代謝され、活性代謝物3-ヒドロキシアナグレリドとなり、この活性代謝物が続いてCYP1A1及びCYP1A2により代謝され、不活性代謝物RL603となる7)(外国人データ)。
投与用量の1%未満が尿からアナグレリドとして回収され、投与用量の約3%及び16%~20%がそれぞれ、3-ヒドロキシアナグレリド及びRL603として回収される8)(外国人データ)。
重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス:30mL/分未満)のある被験者に本剤1mgを単回経口投与したとき注)、アナグレリドの薬物動態パラメータは健康成人と同程度であった。また、重度の腎機能障害のある被験者では、3-ヒドロキシアナグレリドのCmaxは健康被験者と同程度であったが、3-ヒドロキシアナグレリドのAUCは57%高値を示した9)(外国人データ)。
中等度の肝機能障害(Child Pugh分類B)のある被験者に本剤1mgを単回経口投与したとき注)、アナグレリドのCmax及びAUC(幾何平均)は、健康被験者と比較して、それぞれ2.6及び6.06倍に上昇した。また、中等度の肝機能障害のある被験者では、健康被験者と比較して3-ヒドロキシアナグレリドのCmaxは25%低値を示したが、AUCは77%高値を示した10)(外国人データ)。,,,
健康被験者を対象とした薬物相互作用試験において、アスピリン、ジゴキシン及びワルファリンナトリウムのいずれもアナグレリドの薬物動態に影響を及ぼさないことが示された。同様に、アナグレリドはアスピリン、ジゴキシン又はワルファリンナトリウムの薬物動態に影響を及ぼさないことが示された11),12),13),14)(外国人データ)。
健康被験者に本剤0.5mg又は2.5mgを単回経口投与したとき注)のプラセボ補正したQTcF(Fridericia補正法)間隔変化の最大平均値(90%信頼区間上限値)は、0.5mg群の投与2時間後で5.0(8.0)msec、2.5mg群の投与1時間後で10.0(12.7)msecであった。なお、2.5mg群の41.7%(25/60例)で脈拍数が100回/分以上を示した15)(外国人データ)。注)本剤の承認用量は、開始用量は1回0.5mgを1日2回経口投与であり、1回用量2.5mgかつ1日用量10mgを超えない範囲で患者の状態により適宜増減可能である。
ヒドロキシカルバミドに対して不応性又は不耐容で、血栓出血性事象のリスク因子注1)を有する本態性血小板血症患者53例を対象とした国内臨床試験注2)が実施された16),17)。主要評価項目の血小板数反応率注3)は67.9%(36/53例)、95%信頼区間:53.7%-80.1%)であった16)。副作用発現頻度は92.5%(49/53例)であり、主な副作用は貧血49.1%(26/53例)、頭痛43.4%(23/53例)、動悸34.0%(18/53例)、下痢及び末梢性浮腫がいずれも22.6%(12/53例)であった17)。注1)血小板数100×104/μL超、60歳超、又は血栓出血性事象の既往歴のいずれかを1つ以上。注2)用法・用量は、本剤0.5mgを1日2回1週間連日経口投与した後に、血小板数60.0×104/μL未満を目標に必要な最小有効量が得られるまで、1日用量として0.5~10mg(1回2.5mgまで)の範囲で調節し、投与開始から12ヵ月間連日経口投与することとされた。ただし、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として0.5mgずつ行うこととされた。注3)本剤の投与開始後3ヵ月以降において、血小板数が60.0×104/μL未満であることが確認され、その時点から4週間後の測定においても血小板数が60.0×104/μL未満であることが確認された患者の割合。
アナグレリドの明確な標的分子は不明であるが、血小板を産生する巨核球の形成及び成熟を抑制することにより、血小板数を低下させると考えられる18)。
アナグレリド塩酸塩水和物(Anagrelide Hydrochloride Hydrate)〔JAN〕
6,7-Dichloro-1,5-dihydroimidazo[2,1-b]quinazolin-2(3H)-one monohydrochloride monohydrate.
C10H7Cl2N3O・HCl・H2O
310.56
白色結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシド及びジメチルホルムアミドに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
PTP 100カプセル(10カプセル×10シート)
1) Harrison CN, et al.:N Engl J Med. 2005;353(1):33-45.
2) アナグレリドの臨床試験成績①(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.1)
3) アナグレリドの臨床試験成績②(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.24)
4) アナグレリドの臨床試験成績③(2014年9月26日承認、CTD 2.7.2.3)
5) アナグレリドの臨床試験成績④(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.5)
6) アナグレリドの非臨床薬物動態試験成績①(2014年9月26日承認、CTD 2.6.4.4)
7) アナグレリドの非臨床薬物動態試験成績②(2014年9月26日承認、CTD 2.6.4.5)
8) アナグレリドの臨床試験成績⑤(2014年9月26日承認、CTD 2.7.2.2)
9) アナグレリドの臨床試験成績⑥(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.9)
10) アナグレリドの臨床試験成績⑦(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.10)
11) アナグレリドの臨床試験成績⑧(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.11)
12) アナグレリドの臨床試験成績⑨(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.12)
13) アナグレリドの臨床試験成績⑩(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.14)
14) アナグレリドの臨床試験成績⑪(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.13)
15) アナグレリドの臨床試験成績⑫(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.15)
16) アナグレリドの臨床試験成績⑬(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.22)
17) アナグレリドの臨床試験成績⑭(2014年9月26日承認、CTD 2.7.6.23)
18) Ahluwalia M, et al.:J Thromb Haemost. 2010;8(10):2252-2261.
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