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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症のある患者
遺伝性血管性浮腫の急性発作
*通常、成人にはイカチバントとして1回30mgを皮下注射する。通常、2歳以上の小児には体重に応じてイカチバントとして1回10~30mgを皮下注射する。効果が不十分な場合又は症状が再発した場合は、6時間以上の間隔をおいて同用量を追加投与することができる。ただし、24時間あたりの投与回数は3回までとする。,
*2歳以上の小児に対する1回あたりの本剤の投与量は、下表を参考にすること。,
体重区分注)
投与量(薬液量)
12~25kg
10mg(1.0mL)
26~40kg
15mg(1.5mL)
41~50kg
20mg(2.0mL)
51~65kg
25mg(2.5mL)
66kg以上
30mg(3.0mL)
注)体重は小数点以下第一位を四捨五入し整数とする。
虚血状態下ではブラジキニンB2受容体拮抗作用により、心機能低下と冠血流量減少が生じる可能性がある。
ブラジキニンの後期神経保護作用を弱める可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット、ウサギ)では、着床前死亡率、着床後死亡率及び胚・胎児死亡率の上昇、出産遅延が認められた1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。3H-イカチバント酢酸塩を用いた動物試験(ラット)で、放射能の乳汁中への移行が確認されている2)。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。高齢患者(65歳以上)では、非高齢患者(18~45歳)と比較して本剤の全身曝露量が増加する可能性がある。
アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれることがある。
10%以上
10%未満
頻度不明
投与部位
注射部位反応(内出血、血腫、灼熱感、紅斑、知覚低下、刺激感、しびれ感、浮腫、疼痛、不快感、そう痒感、腫脹、じん麻疹、熱感)(96.7%)
皮膚
発疹、紅斑、そう痒症
じん麻疹
その他
悪心、浮動性めまい、頭痛、発熱、トランスアミナーゼ上昇
ラット及びイヌにイカチバントを連日皮下投与した試験において、精巣及び前立腺の萎縮、精子数の減少、テストステロン濃度の低下、卵巣の小型化、黄体の変性、前立腺分泌の低下、発育卵胞数の減少、乳腺の男性化、子宮萎縮が認められた。これらの所見は、イカチバントを1日3回、週2回反復皮下投与したイヌでは認められなかった3)。
Cmax(ng/mL)
tmax(h)
AUC∞(ng・h/mL)
t1/2(h)
CL/F(mL/min)
Vz/F(L)
1,190±261
0.63[0.53, 1.03]
2,320±403
1.77±0.36
220±31.5
33.3±6.77
平均値±標準偏差、tmaxは中央値[最小値, 最大値]
体重
投与量
AUC6(ng∙h/mL)
10mg
778[476, 1270]
1236[818, 1876]
15mg
776[471, 1217]
1385[925, 2010]
20mg
856[543, 1287]
1632[1117, 2372]
25mg
873[557, 1448]
1734[1169, 2590]
65kg超
30mg
907[594, 1385]
1841[1274, 2635]
中央値[5%, 95%]
健康成人(21例)に本剤30mgを6時間間隔で3回反復皮下投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであり、明らかな蓄積性は認められなかった6)(外国人データ)。
測定時間
AUC6(ng・h/mL)
1回目
957±342
0.75[0.50, 1.00]
2,001±568
2,073±584
1.16±0.19
259±69.3
26.0±8.72
2回目
1,117±295
0.51[0.50, 1.00]
2,125±522
-
1.06±0.13
3回目
992±245
0.51[0.50, 0.81]
2,046±530
1.07±0.13
平均値±標準偏差、tmaxは中央値[最小値, 最大値]、-:未算出
本剤30mg皮下投与時の絶対的バイオアベイラビリティは、約97%であった7)(外国人データ)。
In vitro試験において、本剤のヒト血漿タンパク結合率は44%であった8)。
本剤は、ペプチド分解酵素によって代謝されると考えられる9)。
本剤の静脈内投与後、未変化体として尿中に排泄される割合は投与量の10%未満であった10),11)(外国人データ)。
肝機能障害(Child-Pugh 5~12)を有する被験者及び肝機能障害を有していない被験者で、イカチバント0.15mg/kg/日を3日間持続点滴静注したときの曝露量に差異は認められなかった12)(外国人データ)。
本剤を女性被験者に投与したとき、平均AUC6及び平均Cmaxは男性被験者と比較し、約26%増加した。本剤を高齢者(65~82歳)に投与したとき、AUC6及びCmaxは非高齢者(18~64歳)と比較し、それぞれ約59%及び36%増加した13)(外国人データ)。
In vitro試験において、本剤は、主要チトクロームP450アイソザイム(CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4)を阻害せず、CYP1A2及び3A4を誘導しなかった14)。
18歳以上の遺伝性血管性浮腫患者を対象に本剤30mgを皮下投与したプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験において、喉頭浮腫以外のITT集団[皮膚・腹部の発作]における患者のVASスコアに基づく症状緩和までの時間(TOSR)及び症状緩和をイベントとしたKaplan-Meierプロットは以下のとおりであり、プラセボに対する本剤の有効性が検証された15),16)。
本剤群(43例)
プラセボ群(45例)
TOSRの中央値[95%CI](時間)
2.0[1.5, 3.0]
19.8[6.1, 26.3]
p値注)
<0.001
注)Peto-Peto Wilcoxon検定、有意水準両側5%
注射部位反応を除く副作用の発現頻度注)は10.9%(5/46例)で、主な副作用は頭痛4.3%(2/46例)であった15),16)。注射部位反応の発現頻度注)は100%(46/46例)で、主なものは紅斑〔軽度15.2%(7/46例)、中等度69.6%(32/46例)、高度13.0%(6/46例)〕であった15),16)。注)二重盲検期に無作為化された患者
18歳以上の遺伝性血管性浮腫患者を対象に本剤30mgを皮下投与した非盲検非対照試験において、患者のVASスコアに基づくTOSRの中央値[95%信頼区間](8例)は、1.75時間[1.00, 2.50]であった17),18)。注射部位反応を除く副作用は認められなかった17),18)。注射部位反応の発現頻度は87.5%(7/8例)で、主なものは紅斑87.5%(7/8例)、腫脹87.5%(7/8例)及び熱感50.0%(4/8例)であった17),18)。
2歳以上18歳未満の遺伝性血管性浮腫患者を対象に本剤0.4mg/kgを皮下投与した非盲検非対照試験において、症状スコアを用いた医師の評価に基づくTOSRの中央値[95%信頼区間](22例)は、1.0時間[1.0, 1.1]であった19)。注射部位反応を除く副作用の発現頻度は3.1%(1/32例)で、口内乾燥及び疲労1例であった19)。注射部位反応の発現頻度(初回投与時)は90.6%(29/32例)で、主なものは紅斑84.4%(27/32例)及び腫脹68.8%(22/32例)であった19)。
2歳以上18歳未満かつ12kg以上の遺伝性血管性浮腫患者を対象に本剤を体重区分別で投与〔最大用量30mg(12~25kg:10mg、26~40kg:15mg、41~50kg:20mg、51~65kg:25mg、65kg超:30mg)〕した非盲検非対照試験において、症状スコアを用いた医師の評価に基づくTOSRは、思春期前(1例)及び思春期/思春期後(1例)の患者でそれぞれ1.0時間及び0.9時間であった20)。注射部位反応を除く副作用は認められなかった20)。注射部位反応の発現頻度は100%(2/2例)で、紅斑2例、腫脹2例及び熱感1例であった20)。
遺伝性血管性浮腫では、C1エステラーゼインヒビター(C1-INH)の欠損や機能低下によりブラジキニンの濃度が上昇する。ブラジキニンはブラジキニン2(B2)受容体と結合し、血管拡張や血管透過性の亢進を引き起こし、血管性浮腫が発症すると考えられている。本剤はB2受容体に対する選択的な競合的拮抗薬である。
In vitroにおいて、イカチバントのB2受容体親和性(Ki=2nM)は、ブラジキニン1(B1)受容体に対する親和性(Ki=1.2μM)の600倍であった21)。
本剤の静脈内投与により、C1-INH欠損マウスにおいて亢進した血管透過性は抑制された22)。
本剤の静脈内投与により、ブラジキニンを負荷投与した健康成人において認められた、血圧低下、血管拡張及び反射性頻脈は阻害された23)(外国人データ)。
イカチバント酢酸塩(Icatibant Acetate)〔JAN〕
D-Arginyl-L-arginyl-L-prolyl-(R)-4-hydroxy-L-prolylglycyl-3-(thiophen-2-yl)-L-alanyl-L-seryl-(R)-[(1,2,3,4-tetrahydroisoquinolin-3-yl)carbonyl]-(2S,3aS,7aS)-[(hexahydroindolin-2-yl)carbonyl]-L-arginine triacetate
C59H89N19O13S・3C2H4O2
1,484.68
白色の粉末である。
3.0mL×1シリンジ
1) イカチバントの非臨床毒性試験成績①(2018年9月21日承認、CTD 2.6.6.6)
2) イカチバントの非臨床薬物動態試験成績①(2018年9月21日承認、CTD 2.6.4.6)
3) イカチバントの非臨床毒性試験成績②(2018年9月21日承認、CTD 2.6.6.3)
4) イカチバントの海外第Ⅰ相試験成績①(2018年9月21日承認、CTD 2.7.6.11)
5) *イカチバントの薬物動態試験成績(2022年8月24日承認、CTD 2.7.2.3)
6) イカチバントの海外第Ⅰ相試験成績②(2018年9月21日承認、CTD 2.7.6.10)
7) イカチバントの海外第Ⅰ相試験成績③(2018年9月21日承認、CTD 2.7.6.1)
8) イカチバントの非臨床薬物動態試験成績②(2018年9月21日承認、CTD 2.6.4.4)
9) イカチバントの非臨床薬物動態試験成績③(2018年9月21日承認、CTD 2.6.4.5)
10) イカチバントの海外第Ⅰ相試験成績④(2018年9月21日承認、CTD 2.7.6.2)
11) イカチバントの海外第Ⅰ相試験成績⑤(2018年9月21日承認、CTD 2.7.6.3)
12) イカチバントの海外第Ⅱa相試験成績(2018年9月21日承認、CTD 2.7.6.8)
13) イカチバントの臨床薬理試験成績(2018年9月21日承認、CTD 2.7.2.2)
14) イカチバントの非臨床薬物動態試験成績④(2018年9月21日承認、CTD 2.6.4.7)
15) William R. Lumry, et al.:Ann Allergy Asthma Immunol. 2011;Vol.107:529-537.
16) イカチバントの海外第Ⅲ相試験成績①(2018年9月21日承認、CTD 2.7.6.16)
17) 秀道広, 他:アレルギー. 2018;67(2):139-147.
18) イカチバントの国内第Ⅲ相試験成績①(2018年9月21日承認、CTD 2.7.6.20)
19) *イカチバントの海外第Ⅲ相試験成績②(2022年8月24日承認、CTD 2.7.6.3)
20) *イカチバントの国内第Ⅲ相試験成績②(2022年8月24日承認、CTD 2.7.6.2)
21) イカチバントの非臨床薬理試験成績(2018年9月21日承認、CTD 2.6.2.2)
22) E.D. Han Lee, et al.:Immunology Letters. 2003;Vol.89:155–160.
23) イカチバントの海外第Ⅰ相試験成績⑥(2018年9月21日承認、CTD 2.7.6.5)
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