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日本薬局方
乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン
生物学的製剤基準
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
おたふくかぜの予防
本剤を添付の溶剤(日本薬局方 注射用水)0.7mLで溶解し、通常、その0.5mLを1回皮下に注射する。
*接種対象者は、生後12か月以上のおたふくかぜ既往歴のない者であれば性、年齢に関係なく使用できる。接種年齢は、学会等の最新の情報を考慮して総合的に判断すること。
輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、通常、3か月以上間隔を置いて本剤を接種すること。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法(200mg/kg以上)を受けた者は、6か月以上間隔を置いて本剤を接種すること。
*他の生ワクチン(注射剤)の接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。
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接種要注意者である。
妊娠していることが明らかな者には接種しないこと。
接種に当たっては、予診等を十分に行い、被接種者の健康状態を観察すること。一般に、生理機能が低下している。
副腎皮質ステロイド剤
免疫抑制剤
おたふくかぜ様症状があらわれるおそれがある。
特に長期あるいは大量投与を受けている者、又は投与中止後6か月以内の者は、免疫機能抑制下にあるため、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある。
輸血ガンマグロブリン製剤
接種前3か月以内に輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、3か月以上すぎるまで接種を延期すること。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法において200mg/kg以上投与を受けた者は、6か月以上すぎるまで接種を延長することが望ましい。本剤接種後14日以内にガンマグロブリン製剤を投与した場合は、投与後3か月以上経過した後に本剤を再接種することが望ましい。
輸血及びガンマグロブリン製剤中にムンプス抗体が含まれると、ワクチンウイルスが中和されて増殖の抑制が起こり、本剤の効果が得られないおそれがある。
他の生ワクチン(注射剤)
通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
他の生ワクチン(注射剤)の干渉作用により本剤のウイルスが増殖せず免疫が獲得できないおそれがある。
じん麻疹、呼吸困難、血管浮腫等があらわれることがある。
おたふくかぜワクチン(鳥居株)に由来すると疑われる無菌性髄膜炎が1,600人接種あたり1人程度発生するとの報告がある1)。
通常、2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。
通常一側性のため、出現時期等の確認が難しく、特に乳幼児の場合注意深く観察すること。本症が疑われる場合には、聴力検査等を行い、適切な処置を行うこと。
通常、接種後3週間前後に精巣腫脹等が、特に思春期以降の男性にあらわれる。
腹痛、発熱、嘔気、嘔吐、血清アミラーゼ上昇等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症注1)
発疹、じん麻疹、紅斑、そう痒
全身症状注2)
発熱、耳下腺腫脹
嘔吐、咳、鼻汁
局所症状(注射部位)注3)
発赤、腫脹
接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒すること。
**15.1.1 海外において、本剤とは異なるムンプスウイルス株を含む生ワクチン(注射剤)接種後に、ワクチン被接種者から非接種者へのムンプスワクチンウイルスの水平伝播が報告されている2)。
生後12か月以上の健康小児を対象に臨床試験を行った3)。本剤0.5mLを1回皮下に注射した後、6~8週後に採血し、獲得抗体価を測定した。本剤接種前ムンプス抗体陰性の小児、497例中477例で抗体が陽転し、抗体陽転率は90%以上、平均抗体価は5.2(log2)の成績が得られた。抗体が陽転した477例のうち14例(2.9%)において、発熱12例(2.5%)及び耳下腺腫脹2例(0.4%)の副反応が観察された。
ムンプス流行時、家族内小児同胞237例を対象に、ワクチン接種群及び未接種群の家族内二次感染・発病阻止調査が行われた4)。家族内二次感染・発症率は、ワクチン接種群で4.2%、また未接種群では73.8%となり、家族内二次感染防御(発病阻止)について算定したワクチンの予防効果率は、94.3%であった。
接種前ムンプス抗体陰性の健康者を対象に、承認時まで477例、市販後628例について、ワクチン接種後の臨床反応を調査した3)5)。接種後1~3週間ごろ、特に10~14日を中心として37.5℃以上の発熱が数%に、軽度の耳下腺腫脹が1%未満に認められた。発熱の程度は38℃台で、平均有熱期間は約2日、耳下腺腫脹の持続日数は3日間程度であった。
ムンプスウイルスは患者の唾液を介して、主として飛沫感染により上気道、唾液腺及び所属のリンパ節に侵入、増殖後、ウイルス血症を起こし、全身の標的臓器に運ばれるものと考えられている。潜伏期は14~21日(平均18日)で、主として有痛性の耳下腺腫脹をもって発症する6)。しかし、臨床症状は多彩で、髄膜炎等多くの合併症が知られている。予め本剤の接種により、ムンプスウイルスに対する液性免疫及び細胞性免疫が獲得されていると、感染したウイルスの増殖は抑制され、発症は阻止される。
本剤のウイルスは日光に弱く、速やかに不活化されるので、溶解の前後にかかわらず光が当たらないよう注意すること。
1人分 バイアル 1本溶剤(日本薬局方 注射用水)0.7mL 1本 添付
1) 永井崇雄他:ムンプスワクチンの副反応調査(最終報告).厚生科学研究費補助金(医薬安全総合研究事業)安全なワクチン確保とその接種方法に関する総合的研究(平成15年度研究報告書)
2) **Atrasheuskaya A, et al. Vaccine 2012;30 (36): 5324-6.
3) 宍戸 亮ほか:臨床とウイルス1981; 9(3): 108-114.
4) 深見重子ほか:小児保健研究1993; 52(1): 35-40.
5) 武田薬品集計 1985年
6) 白木和夫ほか:小児科学1997: 568-571.
武田薬品工業株式会社 くすり相談室
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