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処方箋医薬品注)
生物由来製品
von Willebrand病患者における出血傾向の抑制
本剤を添付の溶解液10 mLで溶解し、4 mL/分を超えない速度で緩徐に静脈内に注射する。通常、18歳以上の患者には、体重1 kg当たり40~80国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。
出血の種類
初回投与量
初回以降の投与量(又は、臨床的に必要とされる期間)
軽度出血(鼻出血、口腔出血、月経過多など)
40〜50 IU/kg
40〜50 IU/kgを8〜24時間ごと
大出血(重度又は難治性の鼻出血、月経過多、消化管出血、中枢神経系の外傷、関節出血、外傷性出血など)
50〜80 IU/kg
40〜60 IU/kgを約2〜3日間、8〜24時間ごと
手術の種類
血漿中目標ピーク値
VWF:RCo (%)
FⅧ:C (%)
小手術
50~60
40~50
大手術
100
80~100
必要量[IU]={[(VWF:RCoの目標血漿レベル)-(VWF:RCoのベースライン血漿レベル)]× 体重(kg)}/ IR※※ 上昇回収率(IR):患者の既存の薬物動態(PK)データより算出する。もしPKデータ不明な場合あるいは緊急手術の場合には本剤のIRを2.0 (IU/dL)/(IU/kg) として算出すること。
血漿中目標トラフ値
最短投与期間
投与頻度
術後72時間まで
術後72時間以降
≥ 30
–
> 30
48時間
12~24時間ごとから隔日
> 50
72時間
ADAMTS13注)低値の患者、手術予定患者等では、本剤投与により、血栓塞栓症が起こる可能性がある。,注)ADAMTS13 (A disintegrin and metalloproteinase with a thrombospondin type 1 motif, number 13):トロンボスポンジン1型モチーフ第13番を有するディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験成績は得られていない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
発疹、蕁麻疹、胸部不快感、呼吸困難、悪心等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。,
,
2%以上
2%未満
頻度不明
神経系障害
浮動性めまい、回転性めまい
味覚異常、頭痛
心臓障害
頻脈
血管障害
深部静脈血栓症、高血圧、ほてり
胃腸障害
嘔吐、悪心
皮膚および皮下組織障害
そう痒症
一般・全身障害および投与部位の状態
胸部不快感、注入部位異常感覚
注入に伴う反応
臨床検査
心電図T波逆転、心拍数増加
von Willebrand病を有する成人患者(日本人を含む)を対象に、本剤50又は80 IU/kgを単回静脈内投与した際のPKパラメータは以下のとおりであった1)。
50 IU/kg(14例)
80 IU/kg(15例)
t1/2 (h)
22.6±5.34
19.1±4.32
Cl ([dL/kg]/h)
0.025±0.005
0.029±0.009
Cmax時点のIR([IU/dL]/[IU/kg])
1.9±0.41
2.0±0.39
AUC0-inf (IU・h/dL)
2105.4±427.51
2939.0±732.72
平均値±標準偏差
071301試験の最終投与後のVWFのPKを検討した。VWF製剤による出血時補充療法歴のある患者(前OD群)又はVWF製剤による定期補充療法歴のある患者(切替え群)について、試験終了時のVWF:RCoの定常状態におけるPKパラメータは以下のとおりであった2)。
前OD群(9例)
切替え群(7例)
投与量(IU/kg)
41.2~55.5
24.4~77.3
Cmax(IU/dL)
92.6±37.1
102.9±44.7
Cmax/Dose([IU/dL]/[IU/kg])
1.9±0.6
1.9±0.3
AUC0-96hours(IU・h/dL)
1561±1298
1662±675.0
AUC0-96hours/Dose([IU・h/dL]/[IU/kg])
30.9±23.4
27.5±9.7
1.8±0.5
大手術又は小手術を受ける重度のvon Willebrand病患者に、手術前に本剤50 IU/kgを単回静脈内投与した際の内因性FⅧ:Cは、24時間後まで経時的に安定して上昇することが認められた3)。
測定時点
例数
FⅧ:C(%)
本剤投与前
11例
20.6 ± 23.65
投与6時間後
67.5 ± 18.35
投与12時間後
86.9 ± 16.15
投与24時間後
90.6 ± 20.17
投与48時間後
79.5 ± 21.90
投与72時間後
10例
56.5 ± 25.36
重度のvon Willebrand病患者を対象とし、本剤が投与された37例(日本人3例を含む)において、本剤による治療を受けた出血事象に対して止血効果判定の結果が1回以上得られた22例をFull Analysis Set(FAS)に含めた。FASのうち出血事象に消化管出血を含む患者を除外した18例において、事前に投与回数が推定された出血事象について、治療が奏効した患者の割合は100.0%(90%信頼区間[84.7, 100])であった1)。
安全性解析対象37例中5例に8件の副作用が報告された。そのうち、重篤な副作用として胸部不快感及び心拍数増加が1例に各1件報告された。VWF又はFⅧに対するインヒビターは認められなかった1)。
重症のvon Willebrand病患者23例を対象に本剤を12カ月間投与し、自然発生出血事象の発現予防効果を評価した。本剤投与前にVWF含有製剤による出血時療法を受けていた場合(前OD群)には1回あたり本剤40~60 IU/kgを週2回投与、VWF含有製剤の定期補充療法から本剤に切替えた場合(切替え群)には、前治療で用いた1週あたりの製剤中のVWFと同量(±10%)を週2回に分けて投与することとされた。なお、前治療が週1回投与だった場合のみ、本剤を週1回投与することが可とされた。また、投与量は1回あたり本剤80 IU/kg、投与頻度は週1~3回までの範囲で、以下の点を考慮して適宜調節することとされた。・過去の出血の種類及び重症度・適切な臨床的及び臨床検査値のモニタリング・既存のPKデータ・以前のVWF含有製剤の定期補充療法の用量及び頻度前OD群及び切替え群の年間自然発生出血率(sABR)は以下のとおりであった2)。
前OD群(13例)
切替え群(10例)
試験前のsABR
15.462(41.9536)3.000(3.00, 155.00)
5.000(14.4222)0.000(0.00, 46.00)
試験期間中のsABR
0.663(1.7266)0.000(0.00, 5.78)
1.692(3.8467)0.000(0.00, 12.08)
安全性解析対象23例中1例に頭痛が1件報告された。VWFやFⅧに対するインヒビターや結合抗体は認められなかった2)。
大手術又は小手術を受ける重度のvon Willebrand病患者を対象とし、周術期の本剤最終投与の24時間後又は術後14日目の試験最終来院時のいずれか早い時点で、本剤単剤又は遺伝子組換えFⅧ製剤との併用の全般的止血効果を評価した。本剤を投与された15例すべての患者において、止血効果が「著効」又は「有効」とされた患者の割合は100.0%(90%信頼区間[81.9, 100])であった。その内訳は、「著効」が11例(73.3%)、「有効」が4例(26.7%)であった4)。
安全性解析対象15例中1例に深部静脈血栓症が1件報告され、重篤な副作用とされた。VWF又はFⅧに対するインヒビターは認められなかった4)。
本剤の有効成分であるrVWFは損傷を受けた血管内皮下基質(コラーゲンなど)への血小板粘着及び血小板凝集を介して止血を促進し、更に、止血の重要な補因子でありフィブリン塊の形成をもたらすFⅧのキャリアタンパク質として、FⅧを急速なタンパク質分解から保護する5)。
In vitro薬理試験において、血小板のローリング凝集塊形成は、超巨大多量体含有rVWFの存在下で促進され、本剤の止血作用はADAMTS13による多量体の切断によって制御されることが示された6)。
VWF欠損イヌにおいて、本剤投与後に出血時間の短縮が示された。VWF欠損マウスの動脈血栓モデル及び尾端出血モデルにおいて、本剤とアドベイトとの併用投与後に、閉塞時間の短縮及び失血量の減少がそれぞれ示された7)。
VWF欠損マウスのFeCl3誘発性血栓モデルにおいて、rVWFはin vivoでヒトrADAMTS13によって切断され、rVWFのin vivoでの有効性は、VWFの多量体化の程度による影響を受けることが示唆された7)。
ボニコグ アルファ(遺伝子組換え)[Vonicog Alfa (Genetical Recombination)]〔JAN〕
ボニコグ アルファは、遺伝子組換えヒトvon Willebrand因子であり、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。ボニコグ アルファは、2,050個のアミノ酸残基からなる糖タンパク質(分子量:約260,000)の多量体である。
ボンベンディ静注用1300:1300国際単位[1バイアル]添付溶解液(日局 注射用水 10 mL)[1バイアル]ボンベンディ溶解器[1個]
1) 社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.6.2)
2) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(071301試験)
3) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.2.2.3.1)
4) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.6.3)
5) Stockschlaeder M, et al.: Blood Coagul Fibrinolysis. 2014; 25: 206–216.
6) 社内資料:In vitro薬理試験(2020年3月25日承認、CTD2.6.2.2.1)
7) 社内資料:In vivo薬理試験(2020年3月25日承認、CTD2.6.2.2.2)
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