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生物学的製剤基準
乾燥濃縮人プロテインC
処方箋医薬品注)
特定生物由来製品
先天性プロテインC欠乏症に起因する次の疾患の治療及び血栓形成傾向の抑制
活性化プロテインC抵抗性の第Ⅴ因子変異を有する患者に対する本剤の効果は期待できない。
本剤を添付の注射用水全量で溶解し、緩徐に静脈内に投与する。
通常、初回は100~120国際単位/kgを、次回以降3回は60~80国際単位/kgを6時間毎に投与し、その後は45~60国際単位/kgを6時間又は12時間毎に投与する。なお、患者の状態に応じて、投与量及び投与頻度を適宜増減する。
通常、45~60国際単位/kgを12時間毎に投与するが、短期補充に用いる用法及び用量から開始することもできる。なお、患者の状態に応じて、投与量及び投与頻度を適宜増減する。
製造工程においてマウスタンパク質及びヘパリンを使用しており、アレルギー反応があらわれる可能性がある。,
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。
本剤は、1バイアルあたり主要な添加剤に含まれる量として44.9mgのナトリウムを含有するので、ナトリウム摂取制限の必要な患者に投与する場合は注意すること。
ナトリウム過負荷に注意すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。
本剤投与後の血中プロテインC活性(Cmax及びAUC)が低くなる可能性があることに留意すること。海外臨床試験において、成人に比べ幼児及び12歳未満の小児は、本剤の体重当たりのクリアランス値が高く、半減期が短くなる傾向が認められている。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
ビタミンK拮抗薬
本剤の作用を増強するおそれがある。凝固能が変動した場合にはビタミンK拮抗薬の投与量を調節するなど適切な処置を行うこと。
ビタミンK拮抗薬により凝固因子の産生が抑制される。
ヘパリン、低分子ヘパリン
本剤の作用を増強するおそれがある。
ヘパリンはアンチトロンビン等を介して凝固系プロテアーゼを阻害する。
t-PA製剤
出血傾向が増強するおそれがある。
活性化プロテインCが有するPAI-1活性阻害作用によりt-PA活性を増強させる。
蛋白分解酵素阻害剤
本剤の作用を減弱するおそれがある。
活性化プロテインCは蛋白分解酵素であり、その阻害剤により活性が低下する。
アナフィラキシー等の重篤な過敏症反応があらわれることがある。
本剤に含まれる可能性のある微量のヘパリンに起因して生じるおそれがある。動脈又は静脈血栓塞栓症、播種性血管内凝固症候群、紫斑、点状出血、消化管出血等を認め、ヘパリン起因性血小板減少症が疑われる場合には、直ちに血小板数を測定し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
腎出血、肝血腫等があらわれることがある。
5%未満
頻度不明
皮膚
そう痒、発疹
多汗症
投与部位
注射部位反応
その他
発熱、めまい
落ち着きのなさ
薬剤調製後は速やかに使用すること。
溶解時に不溶物が認められるものは使用しないこと。
患者が家庭で保存する場合は、薬剤バイアルは外箱に入れた状態で、凍結を避け、冷蔵庫内(2~8℃)で保存すること。
経口避妊薬服用者は活性化プロテインC抵抗性を生じやすいことが報告されており、経口避妊薬服用者への本剤の投与には注意を要する。
日本人の先天性プロテインC欠乏症患者5例に人プロテインCとして80国際単位/kgを15分以上かけて単回静脈内投与し、本剤の薬物動態を検討した。その結果、Cmaxは1.75±0.56IU/mL、AUClastは20.75±8.58IU∙h/mL、t1/2は10.55±1.96h、CLは4.20±1.96mL/kg/h、Vssは60.35±18.24mL/kgであった(値はいずれも平均値±標準偏差)1)。
外国人の先天性プロテインC欠乏症患者13例に人プロテインCとして80国際単位/kgを15分以上かけて単回静脈内投与し、本剤の薬物動態を検討した。その結果、Cmaxは1.06±0.29IU/mL、AUClastは12.53±5.11IU∙h/mL、t1/2は9.21±3.00h、CLは7.50±5.40mL/kg/h、Vssは83.61±28.27mL/kgであった(値はいずれも平均値±標準偏差)1)。
本試験は3パート(急性期投与パート、短期補充投与パート、長期補充投与パート)から構成され、電撃性紫斑病、クマリン誘発性皮膚壊死(CISN)及びその他の血栓塞栓性事象等の急性血栓症エピソードに対する治療、並びに血栓形成傾向抑制における短期及び長期補充の評価のため、0~25歳の先天性プロテインC欠乏症患者が組み入れられた。(急性期投与パート)本剤の初回投与量として120IU/kg投与後、60IU/kgを6時間毎に3回、その後は初回投与後のプロテインC活性に基づき30~150IU/kgを6~24時間毎に投与することとした。11例に対して本剤が投与され、主要評価項目である急性血栓症エピソードに対する有効性は、治験責任医師によりeffective、effective with complications又はnot effectiveの3段階で評価された。電撃性紫斑病/CISNエピソード19件における有効率(「effective」と評価された割合)は94.7%(18/19件)、その他の血栓塞栓性事象5件(すべて静脈血栓症)における有効率は100%(5/5件)であった。(短期補充投与パート)本剤の初回投与量として60IU/kg投与後、24時間は60IU/kgを6時間毎、その後は60IU/kgを8~24時間毎に投与することとした。3例に対して7件の短期補充が実施され、短期補充期間(4~15日間)中に電撃性紫斑病/CISNエピソード及び血栓塞栓性事象はみられなかった。(長期補充投与パート)8例に対して本剤が投与され注)、長期補充期間(42~338日間)中に電撃性紫斑病/CISNエピソード及び血栓塞栓性事象はみられなかった。注)被験者の臨床データに基づく医師の判断により、トラフ値のプロテインC活性が25%(抗凝固療法実施中の場合は10%)を下回らない用法・用量で投与された。1回の投与量は50~151IU/kgであった。いずれの投与パートでも副作用は認められなかった2)。
本試験は、薬物動態試験パート及び継続試験パートから構成され、継続試験パートにおいて本剤の有効性が評価された。4~27歳の先天性プロテインC欠乏症患者5例が組み入れられ、全例が継続試験パートに移行した。継続試験パートでは、4例に発現した8件の電撃性紫斑病エピソードに対して急性期投与として本剤100~120IU/kgが単回又は2回投与され、治験責任医師による3段階評価(effective、effective with complications、not effective)により、いずれもeffectiveと評価された。また、1例1件で短期補充投与として本剤58~116IU/kgが6~28時間毎に14回投与され、短期補充期間(7日間)中に電撃性紫斑病/CISNエピソード及び血栓塞栓性事象はみられなかった。副作用は、薬物動態試験パートで5例中1例(20.0%)に発熱が認められ、継続試験パートでは認められなかった3)。
本剤の有効成分であるプロテインCはビタミンK依存性の抗凝固因子であり、主に肝臓で合成され、血漿中では不活性なセリンプロテアーゼ前駆体として循環する。プロテインCは血管内皮細胞膜上でトロンビン/トロンボモジュリン複合体により活性化され、抗凝固作用を有する活性化プロテインC(APC)に変換される。APCは補酵素であるプロテインSの存在下で活性化第Ⅴ因子(Ⅴa)及び活性化第Ⅷ因子(Ⅷa)を選択的に不活化し、凝固促進因子であるトロンビンの生成を抑制することにより抗凝固作用を示す。また、APCはプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1に結合し、組織型プラスミノーゲンアクチベーターの活性を促進することにより、間接的な線溶促進作用を示す。さらに、Ⅴa及びⅧaの不活化によるトロンビン生成抑制により、トロンビン活性化線溶阻害因子の活性が抑制され、線溶促進作用をもたらす4),5)。
有効成分である人プロテインCは、461個のアミノ酸残基からなる糖タンパク質(分子量約62kDa)である。
人プロテインC
人プロテインC 1000国際単位 1バイアル溶解液(日本薬局方注射用水) 10mL 1バイアル添付トランスファー針 1本添付フィルター針 1本添付
1) 社内資料:Pharmacokinetics of TAK-662(Ceprotin)in Japanese Patients with Congenital Protein C Deficiency and Comparison with Non-Japanese Patients.
2) 社内資料:海外第Ⅱ/Ⅲ相試験(2024年3月26日承認、CTD2.7.6.3参照)
3) 社内資料:国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(2024年3月26日承認、CTD2.7.6.1参照)
4) Mosnier LO, et al.:Blood.2007;109(8):3161-3172.
5) Dinarvand P, et al.:Arch Pathol Lab Med.2019;143(10):1281-1285.
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